White Album 2/Script/3015
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Text
Speaker | Text | Comment | |||
---|---|---|---|---|---|
Line # | JP | EN | JP | EN | |
1 | 春希 | Haruki | 「…ごめんな」 | ||
2 | 雪菜 | Setsuna | 「何が?」 | ||
3 | 春希 | Haruki | 「スーツ、汚しちゃって… いや、スーツだけじゃなかったけど」 | ||
4 | 雪菜 | Setsuna | 「ああ、そっち… そんなの全然気にしてないよ。 クリーニング、朝までに間に合うんでしょ?」 | ||
5 | 春希 | Haruki | 「それでも、さ…」 | ||
6 | …『そっち』? | ||||
7 | 雪菜 | Setsuna | 「それに、罰ゲームならさっきしてもらった。 …パンスト、買ってきてくれたもんね」 | ||
8 | 春希 | Haruki | 「それも………俺のせいだし」 | ||
9 | 雪菜にその罰ゲームを言いつかったとき、 最初は、破いてしまったことが罪なのだと思ってた。 けど実は、微妙に違ってた。 | ||||
10 | 『持ってきたパンスト、全部肌色なの。 これじゃ隠せない、春希くんのキスマーク…』 | ||||
11 | …濃い色のストッキングを探すのに、 コンビニを三軒ハシゴした。 | ||||
12 | 雪菜 | Setsuna | 「明日、何時に出る?」 | ||
13 | 春希 | Haruki | 「10時過ぎには会社に顔出したいから、 ここは早めに出るつもり…6時くらいかな」 | ||
14 | 雪菜 | Setsuna | 「そっか… もう、4時間くらいしか眠れないね」 | ||
15 | 春希 | Haruki | 「ああ…」 | ||
16 | 雪菜 | Setsuna | 「………」 | "........."
| |
17 | 雪菜を抱いているときにも、 何度か目を奪われたその時計は、 今は、午前2時5分を表示してた。 | ||||
18 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
19 | もう、何もかも、終わってた。 | ||||
20 | 雪菜 | Setsuna | 「………」 | "........."
| |
21 | 春希 | Haruki | 「…なに?」 | ||
22 | 雪菜 | Setsuna | 「え?」 | ||
23 | 春希 | Haruki | 「ずっとこっち、見てたから」 | ||
24 | 雪菜 | Setsuna | 「それは…」 | ||
25 | 俺の胸に顔を埋め、上目遣いで 雪菜はじっと俺の顔を見つめてた。 | ||||
26 | その表情は、 さっきまでの激しい行為の余韻に浸ってるふうでもなく、 仲直り後の甘く蕩けた態度から来てるふうでもなく。 | ||||
27 | どちらかと言えば、悲しそうな… 何かに耐えているような、 この場と状況にそぐわないものだった。 | ||||
28 | 雪菜 | Setsuna | 「明日、外回り辛いなぁって。 脚、パンパンに張っちゃってるから」 | ||
29 | 春希 | Haruki | 「…悪い、本当に。 色々と無茶した」 | ||
30 | 雪菜 | Setsuna | 「ううん、いい… 恋人の勲章、だもんね。 仲直りの、しるしだもんね」 | ||
31 | 春希 | Haruki | 「雪菜…」 | ||
32 | あれは多分、俺に見せるつもりのなかった 表情なんだと思う。 | ||||
33 | …まるで、今の俺が雪菜に隠れてするもののように。 | ||||
34 | 雪菜 | Setsuna | 「ね、春希くん… わたし、本気で嬉しかったんだよ?」 | ||
35 | 春希 | Haruki | 「…あんなに酷いことしたのに?」 | ||
36 | 雪菜 | Setsuna | 「そっちじゃないよぉ… あなたが、何もかも投げ打って、 わたしのところに駆けつけて来てくれたこと」 | ||
37 | その証拠に、俺に見られてると意識したときの雪菜は、 いつもの、花が咲いたような笑顔を見せてくれる。 | ||||
38 | 春希 | Haruki | 「休み、だったんだよ」 | ||
39 | 雪菜 | Setsuna | 「それでも、大阪まで… わたしが会いたいと思ったそのときに… わたしの方から連絡する約束だったのに…」 | ||
40 | 春希 | Haruki | 「ごめんな…約束破って」 | ||
41 | 雪菜 | Setsuna | 「嬉しすぎる反則だから、いい。 もういいの…」 | ||
42 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
43 | そして、その満面の笑顔をたたえながら… | ||||
44 | やっぱり雪菜は、 コンサートのことに触れようとしない。 | ||||
45 | 雪菜 | Setsuna | 「寝よ? 春希くん」 | ||
46 | 春希 | Haruki | 「あ、ああ…」 | ||
47 | きゅっと、俺の身体を抱きしめて、 胸に口づけて。 | ||||
48 | 雪菜 | Setsuna | 「おやすみ、なさい」 | ||
49 | 春希 | Haruki | 「おやすみ…」 | ||
50 | とうとう雪菜は、最後の最後まで 俺が徹底的に避け続けていた今日という日の意味を、 完全にスルーしてしまった。 | ||||
51 | …なかったことにしていいのか? このまま、元の日常に戻っていいってことなのか? | ||||
52 | 俺が抱えてる一番大きな罪も、 このまま、事実を隠蔽してしまえば許してくれるのか? | ||||
53 | そのチャンスを、与えてくれてるのか? | ||||
54 | 雪菜 | Setsuna | 「………」 | "........."
| |
55 | 雪菜 | Setsuna | 「………」 | "........."
| |
56 | それとも、俺が自ら事実を語ることを、 待ってるんだろうか? | ||||
57 | かずさと過ごしてたって、 かずさに揺れたって。 | ||||
58 | 偶然ほんの少し会っただけで、 そのことを話さなかっただけで、 一月近くも引きずってしまうって証明されたのに? | ||||
59 | そんなこと、本当に望んでるんだろうか? 今、明らかにお互い隠し事をしてる俺たちが? | ||||
60 | 雪菜 | Setsuna | 「………」 | "........."
| |
61 | 春希 | Haruki | 「なぁ、雪菜…まだ起きてる?」 | ||
62 | 雪菜 | Setsuna | 「…なに?」 | ||
63 | だったら、俺は… だから俺は… | ||||
64 | 春希 | Haruki | 「受け取って…もらいたいものがあるんだ」 | ||
65 | さっき、ベッドの下に隠しておいた、 “それ”を取り出す。 | ||||
66 | 一月前、パリで買ってきていた… ストラスブールで渡せなかった… | ||||
67 | 雪菜 | Setsuna | 「え…」 | ||
68 | 俺の差し出した小箱を前に、雪菜が固まる。 | ||||
69 | 春希 | Haruki | 「仲直りの、しるしに…」 | ||
70 | それはきっと、あの時の… | ||||
71 | 二年前の俺のプレゼントと、 外箱の造形がそっくりだったから。 | ||||
72 | 雪菜 | Setsuna | 「………開けてもいい?」 | ||
73 | 春希 | Haruki | 「…うん」 | ||
74 | あの時は、緊張しかなかった。 額から噴き出した汗が、やけに冷たかった。 | ||||
75 | そして今は… | ||||
76 | 雪菜 | Setsuna | 「………ぁ」 | ||
77 | 春希 | Haruki | 「ずっと、そんなオモチャじゃ 雪菜に悪いなって…」 | ||
78 | 雪菜 | Setsuna | 「………」 | "........."
| |
79 | 多分、雪菜は中身にすぐ気づいたんだと思う。 | ||||
80 | だからその表情に、驚きも戸惑いも少なく、 厳かな、覚悟を決めたような色が浮かんでいたんだと思う。 | ||||
81 | 春希 | Haruki | 「受け取って、欲しい。 できれば『そういう意味』で」 | ||
82 | 雪菜 | Setsuna | 「春希くん…」 | ||
83 | 雪菜が、チャンスを与えてくれるなら… 俺は、全てを闇に葬り去る。 | ||||
84 | かずさを、全部忘れるんだ… | ||||
85 | 春希 | Haruki | 「別に、今すぐでなくてもいい。 雪菜の仕事のこともあるし、 俺の稼ぎのことだってあるから」 | ||
86 | 俺には、元から雪菜しかいないんだから。 | ||||
87 | 春希 | Haruki | 「ただ… 俺がそれを望んでいるってことだけは、 覚えておいて欲しいんだ」 | ||
88 | 雪菜 | Setsuna | 「………」 | "........."
| |
89 | 雪菜 | Setsuna | 「………しい」 | ||
90 | 春希 | Haruki | 「え…?」 | ||
91 | 雪菜 | Setsuna | 「嬉しいよ、春希くん…」 | ||
92 | 春希 | Haruki | 「雪菜…それって…?」 | ||
93 | 雪菜 | Setsuna | 「………」 | "........."
| |
94 | 春希 | Haruki | 「それって… そういう意味だって、取っていいのかな?」 | ||
95 | 雪菜 | Setsuna | 「………うん」 | ||
96 | 春希 | Haruki | 「っ…雪菜」 | ||
97 | 雪菜 | Setsuna | 「春希、くん…」 | ||
98 | これで、いい。 これしかないんだ。 | ||||
99 | 俺たち、一月ほど回り道してしまったけれど… | ||||
100 | これで、何もかも元通りだ。 | ||||
101 | 俺はこの冬、かずさになんか会わなかった。 フランスでも、日本でも。 | ||||
102 | 来日も、独占取材も、今日のコンサートも、 全ては遠い、違う世界での出来事だ。 | ||||
103 | あれは、俺の願望が… いや、呪縛が見させた幻なんだ。 | ||||
104 | 春希 | Haruki | 「結婚しよう。 結婚しよう、雪菜…」 | ||
105 | 雪菜 | Setsuna | 「………はい」 | ||
106 | 思い出は、思い出のまま… | ||||
107 | 美しくて、儚くて… いつか、消えるものだから。 | ||||
108 | ……… | .........
| |||
109 | 春希 | Haruki | 「ん…」 | ||
110 | 春希 | Haruki | 「んぅ…すぅ…」 | ||
111 | ……… | .........
| |||
112 | 雪菜 | Setsuna | 「っ…あ」 | ||
113 | 雪菜 | Setsuna | 「…キタナイな、わたし」 | ||
114 | 雪菜 | Setsuna | 「………」 | "........."
| |
115 | 雪菜 | Setsuna | 「春希くん…」 | ||
116 | 雪菜 | Setsuna | 「あなたは、卑怯だよ… 本気すぎるよ…」 | ||
117 | 雪菜 | Setsuna | 「また、わたしを騙そうとするんだね」 | ||
118 | 雪菜 | Setsuna | 「わたしが『騙して欲しい』って願ったから、 一生懸命、わたしの望み通りに振舞おうとするんだね」 | ||
119 | 雪菜 | Setsuna | 「そうやって、わたしを堕落させるんだね」 | ||
120 | 雪菜 | Setsuna | 「だったら、お願い… もう、中途半端はやめて」 | ||
121 | 雪菜 | Setsuna | 「絶対に、最後まで騙し通して。 わたしにこれ以上、辛い思いをさせないで」 | ||
122 | 雪菜 | Setsuna | 「ずっとずっと隠し通して、全部秘密にして… 最後の最後にわたしを選んでくれたらそれでいい…」 | ||
123 | 雪菜 | Setsuna | 「………っ」 | ||
124 | 雪菜 | Setsuna | 「ねぇ、かずさ…」 | ||
125 | 雪菜 | Setsuna | 「今さら、返せないよ? だって…五年だよ?」 | ||
126 | 雪菜 | Setsuna | 「………」 | "........."
| |
127 | 雪菜 | Setsuna | 「キタナイな、わたし…」 | ||
128 | かずさ | Kazusa | 『でも結局、 誰もあたしを落とすことなんかできなかった…』 | ||
129 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
130 | かずさ | Kazusa | 『だってあたしは、母さんとは全然違ったから。 男に媚びないどころか、いつも敵視してたから』 | ||
131 | 月曜日、朝8時過ぎ… | ||||
132 | どうしても駅まで送るという雪菜を諭して、 軽いキスとともにホテルを出たのが二時間前。 | ||||
133 | 東京へと向かう新幹線の中、 俺は、昨夜の余韻を気合で切り替え、 仕事モードに移行する。 | ||||
134 | かずさ | Kazusa | 『一度、思いっきり罵ってやると、 すぐにプライド傷つけられて、 二度と近寄っては来ないんだよ、あの手の連中は』 | ||
135 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
136 | 昨夜までは、どうしてもこの声が聴けなくて、 ずっと滞ってしまっていたインタビューのテキスト起こし。 | ||||
137 | 今は、雪菜にもらった勇気を奮い起こし、 あいつの、最後のメッセージをテキストへと変換する。 | ||||
138 | かずさ | Kazusa | 『あたしより金持ちだからあたしに興味のない奴、 金がなくてもプライドだけは高くて、 あたしの態度が許せなくなった奴…』 | ||
139 | 文字情報になってしまえば、 これはもう、あいつの声じゃなくなる。 | ||||
140 | あいつの、匂いが消えてくれるから。 | ||||
141 | かずさ | Kazusa | 『ああ、そうだ… 金の代わりに才能って置き換えても、 当てはまる奴らばっかりだった』 | ||
142 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
143 | ほんの数日前… | ||||
144 | レコーダーを挟んで、 あいつは俺につまらなそうな表情で色々と語り… | ||||
145 | 俺は、その態度が気にくわなくて、 必死で挑発したり、罠を張ったりしたんだっけ。 | ||||
146 | あいつの、気を引こうとしたんだっけ… | ||||
147 | かずさ | Kazusa | 『そうだよ、あたしもそいつらと同じだ。 プライドが高いだけの屑みたいな人間で、 近づく価値も、口説く値打ちもない』 | ||
148 | 春希 | Haruki | 「っ…」 | ||
149 | この後だ。 | ||||
150 | そんな俺の態度に業を煮やしたかずさが、 ほんの一言だけ、ぽろりと漏らした本音。 | ||||
151 | 今思えば、この夜から、 俺たちの関係がずれてしまったのかもしれない。 | ||||
152 | 取材対象者と取材者から、 単なる、因縁の二人へ。 | ||||
153 | 冬馬かずささんと北原記者から、 かずさと、俺へ… | ||||
154 | かずさ | Kazusa | 『ええと… これでいい、はずだよな?』 | ||
155 | 春希 | Haruki | 「………え?」 | ||
156 | けれど… | ||||
157 | かずさ | Kazusa | 『春希…聞こえてるか? ええと…冬馬、かずさです。 ま、わかってるとは思うけどさ』 | ||
158 | そこから流れてきたのは、 俺が知っているはずのあの言葉じゃなかった。 | ||||
159 | かずさ | Kazusa | 『現在、1月25日、金曜の午後2時。 お前と合流する少し前。 …今から付属に向かうところだよ』 | ||
160 | それどころか、 俺には録音した覚えのないメッセージ。 | ||||
161 | かずさ | Kazusa | 『昨日お前、あたしの部屋にこれ忘れてったろ。 なんて凡ミスだ。まったく呆れる。 仕方ないから、こっそり返しといてやるよ』 | ||
162 | インタビュアーではなく、インタビューイが仕掛けた、 ほんのちょっとした、イタズラ… | ||||
163 | かずさ | Kazusa | 『けどその前に、ちょっと時間差でメッセージ… お前の返事とか聞くつもりないから電話はしない。 …そのくらいは、許してくれるよな』 | ||
164 | 春希 | Haruki | 「かず、さ…」 | ||
165 | かずさ | Kazusa | 『ええと…これから先は推定の話になるんだけど…』 | ||
166 | かずさ | Kazusa | 『あたし、さ… 今からお前に、告白する。 そして、玉砕すると思う』 | ||
167 | 春希 | Haruki | 「~~~っ」 | ||
168 | イタズラ、じゃなかった。 | ||||
169 | そんな生易しいものじゃ、なかった。 | ||||
170 | かずさ | Kazusa | 『わかってるんだ、お前には雪菜がいるって。 だから、あたしを受け入れられないって、 そんなこと最初からわかってるんだ』 | ||
171 | かずさ | Kazusa | 『けどさ、けど… それでも、もう一度だけ、あたしは雪菜を裏切る』 | ||
172 | かずさ | Kazusa | 『春希に、今の本当の想いを伝えられたらって… あたしの五年間、わかってもらえたらって… そんな都合のいい夢が、まだ捨てられないんだ』 | ||
173 | かずさ | Kazusa | 『雪菜にとっては酷い話だけどな… 後で謝っておいてくれよな? 春希』 | ||
174 | かずさ | Kazusa | 『それでさ… もう、聞いたんだよな? あたしの告白、全部聞いちゃったんだよな?』 | ||
175 | かずさ | Kazusa | 『笑っちゃうだろ? 全然似合わないだろ? 馬鹿かお前はって思うよなぁ?』 | ||
176 | かずさ | Kazusa | 『だって、だってさ… あたしみたいなのが…』 | ||
177 | かずさ | Kazusa | 『あたしみたいな、ピアノしか能がない、 他にはなにもできない欠陥品が、 お前みたいな普通の男、好きになるなんてさ…』 | ||
178 | かずさ | Kazusa | 『五年前の、あの時から… ずっとずっと、忘れられないなんてさ…』 | ||
179 | かずさ | Kazusa | 『………なんてな。 今さら言ってもしょうがないことだ。 忘れてくれ』 | ||
180 | かずさ | Kazusa | 『…じゃなかった、今のは嘘だよ。 その時のあたしもそう言っただろ? お前を、からかっただけだよ』 | ||
181 | かずさ | Kazusa | 『だから、だからさ、春希…』 | ||
182 | かずさ | Kazusa | 『その時のあたしもそう言ったと思うけどさ… コンサート、絶対に来てくれよな?』 | ||
183 | かずさ | Kazusa | 『雪菜と、一緒でもいい。 いや、是非雪菜と一緒に来てくれよ』 | ||
184 | かずさ | Kazusa | 『そしたらあたしは、お前の… お前たちのためだけに、一生懸命弾いてみせるから。 自分でも、最高の演奏ができるって自信があるから』 | ||
185 | かずさ | Kazusa | 『だってあたしは、お前たちの結婚式には行けない。 …距離も、心も、行くには辛すぎるから』 | ||
186 | かずさ | Kazusa | 『だから明日のコンサートが、 お前たちへの、最後のプレゼントになる』 | ||
187 | かずさ | Kazusa | 『来てくれる、だけでいい。 そしたらあたしはもう、お前のこと諦めるから。 その日限りで、お前への想いを昇華するから』 | ||
188 | かずさ | Kazusa | 『だから、その日だけは… コンサートの時だけは、あたしだけを見ててくれ』 | ||
189 | かずさ | Kazusa | 『お願い、します』 | ||
190 | かずさ | Kazusa | 『………追伸』 | ||
191 | かずさ | Kazusa | 『人の寝顔を勝手に撮るな。 お前じゃなかったらぶん殴ってるところだ』 | ||
192 | かずさ | Kazusa | 『じゃあ、な』 | ||
193 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
194 | いつの間にか、再生は止まってた。 | ||||
195 | けれど俺は、ICレコーダーも、ノートPCもそのままに、 ただ、俯いたまま微動だにしなかった。 | ||||
196 | 上も、向けなかった。 だって、いつ窓を見てしまうかわからなかったから。 | ||||
197 | それほどまでに、 自分の今の顔を見るのが嫌だった。 | ||||
198 | 自分の今の心を覗くのが、 とてつもなく、恐ろしかった。 |
Script Chart
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Introductory Chapter | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
1001 | 1008 | 1009 | 1010 | 1011 | 1012 | 1013 |
1002 | 1008_020 | 1009_020 | 1010_020 | 1011_020 | 1012_020 | |
1003 | 1008_030 | 1009_030 | 1010_030 | 1011_030 | 1012_030 | |
1004 | 1008_040 | 1010_040 | 1012_030_2 | |||
1005 | 1008_050 | 1010_050 | ||||
1006 | 1010_060 | |||||
1006_2 | 1010_070 | |||||
1007 |
Closing Chapter | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | ||||||
2001 | 2011 | 2020 | 2027 | 2301 | 2309 | 2316 | 2401 | 2408 | 2501 | 2510 |
2002 | 2012 | 2021 | 2028 | 2302 | 2310 | 2317 | 2402 | 2409 | 2502 | 2511 |
2003 | 2013 | 2022 | 2029 | 2303 | 2311 | 2318 | 2403 | 2410 | 2503 | 2512 |
2004 | 2014 | 2023 | 2030 | 2304 | 2312 | 2319 | 2404 | 2411 | 2504 | 2513 |
2005 | 2015 | 2024 | 2031 | 2305 | 2313 | 2320 | 2405 | 2412 | 2505 | 2514 |
2006 | 2016 | 2025 | 2032 | 2306 | 2314 | 2321 | 2406 | 2413 | 2506 | 2515 |
2007 | 2017 | 2026 | 2033 | 2307 | 2315 | 2322 | 2407 | 2507 | 2516 | |
2008 | 2018 | 2308 | 2508 | 2517 | ||||||
2009 | 2019 | 2509 | ||||||||
2010 | ||||||||||
Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | |||||||
2031_2 | 2312_2 | 2401_2 | 2504_2 | 2511_2 | ||||||
2031_3 | 2313_2 | 2402_2 | 2507_2 | 2513_2 | ||||||
2031_4 | 2313_3 | 2402_3 |
Coda | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Kazusa (True) | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | ||||||
3001 | 3008 | 3014_2 | 3020 | 3101 | 3107 | 3201 | 3207 | 3901 | 3907 |
3002 | 3009 | 3014_3 | 3021 | 3102 | 3108 | 3202 | 3208 | 3902 | 3908 |
3003 | 3010 | 3015 | 3022 | 3103 | 3109 | 3203 | 3209 | 3903 | 3909 |
3004 | 3011 | 3016 | 3023 | 3104 | 3110 | 3204 | 3210 | 3904 | |
3005 | 3012 | 3017 | 3024 | 3105 | 3111 | 3205 | 3211 | 3905 | |
3006 | 3013 | 3018 | 3106 | 3206 | 3906 | ||||
3007 | 3014 | 3019 | |||||||
Common | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | |||||||
3001_2 | 3210_2 | 3901_2 | 3906_2 | ||||||
3015_2 | 3902_2 | 3907_2 | |||||||
3902_3 | 3907_3 | ||||||||
3904_2 |
Mini After Story and Extra Episode | |||
---|---|---|---|
The Path Back to Happiness | The Path Forward to Happiness | Dear Mortal Enemy | |
6001 | 6101 | 4000 | 4005 |
6002 | 6102 | 4001 | 4006 |
6003 | 6103 | 4002 | 4007 |
6004 | 6104 | 4003 | 4008 |
6005 | 4004 | 4009 |
Novels | |||||
---|---|---|---|---|---|
The Snow Melts, And Until The Snow Falls | The Idol Who Forgot How to Sing | Twinkle Snow ~Reverie~ | After the Festival ~Setsuna's Thirty Minutes~ | His God, Her Savior | |
5000 | 5100 | 5200 | 5205 | 5300 | 5400 |
5001 | 5101 | 5201 | 5206 | 5301 | 5401 |
5002 | 5102 | 5202 | 5207 | 5302 | |
5003 | 5103 | 5203 | 5208 | 5303 | |
5004 | 5104 | 5204 | 5209 |
Short Stories | |||
---|---|---|---|
Princess Setsuna's Distress and Her Minister's Sinister Plan | Koharu Climate After the Passing of the Typhoon | This isn't the Season for White Album | Todokanai Koi, Todoita |
7000 | 7100 | 7200 | 7300 |