Editing White Album 2/Script/6001 (section)

== Text ==
{{WA2ScriptTable}}

{{WA2ScriptLine
|1|美代子|Miyoko
|「ええ、そろそろゲートから出てくる頃です」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|2|曜子|Youko
|「ページングボードとか使っちゃ駄目よ。<br>マスコミにバレるかもしれないから。<br>頑張って自分の目で見つけてね」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|3|美代子|Miyoko
|「お任せください！<br>お二人の顔なら、しっかり覚えてますから！」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|4|曜子|Youko
|「向こうが美代ちゃんの顔忘れてるかもしれないでしょ」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|5|美代子|Miyoko
|「もう、そういう寂しいこと言わないでくださいよ社長」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|6|曜子|Youko
|「ま、それはともかく、<br>クリスマスだし、人多いだろうから見失わないようにね」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|7|美代子|Miyoko
|「確かに、いつもより人多いかもですね。<br>でも、混んでるのは出国ゲートの方ですね。<br>家族連れとか、カップルとか、友達同士とか……」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|8|曜子|Youko
|「そう……<br>独身で男も友達もいなくて、クリスマスにさえ仕事漬けの<br>美代ちゃんに関係のない話をして悪かったわね」
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{{WA2ScriptLine
|9|美代子|Miyoko
|「そっち方面から遠ざかってるのは<br>誰のせいだと思ってるんですか！？」
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{{WA2ScriptLine
|10|曜子|Youko
|「都合のいい言い訳を提供してあげてる雇い主に<br>感謝して欲しいくらいなんだけど」
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{{WA2ScriptLine
|11|美代子|Miyoko
|「……って、あ～、見つけました！<br>ちょっと失礼しますね」
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{{WA2ScriptLine
|12|美代子|Miyoko
|「かずささ～ん！　北原さ～ん！<br>こっちですよ～！」
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{{WA2ScriptLine
|13|春希|Haruki
|「いい加減にしろよかずさ……<br>いつまでもつまらない意地張ってんなよ」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|14|かずさ|Kazusa
|「いい加減にするのは春希の方だろ！<br>一言謝れば許してやるって言ってるのに、<br>どうしてそんな簡単なことすらできないんだよ！」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|15|春希|Haruki
|「どうしてそれができないのか教えてやるよ……<br>それはな、今回の件に関しては、<br>俺に一切の非がないからだよ」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|16|美代子|Miyoko
|「あ、あの～……かずささ～ん……」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|17|かずさ|Kazusa
|「ええい、離婚だ離婚！<br>成田離婚してやる～！」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|18|春希|Haruki
|「用法を間違えるな。<br>成田離婚ってのはスピード離婚の派生語だ。<br>俺たちは入籍してもう何年も経つから当てはまらないぞ」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|19|かずさ|Kazusa
|「だからお前のそういう<br>細かくて意地悪で人の揚げ足ばっか取る態度が<br>大っ嫌いなんだよ！」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|20|春希|Haruki
|「あ～それは光栄だ。<br>別に俺、お前に気に入られたくて<br>こういう人間になったんじゃないしな～」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|21|かずさ|Kazusa
|「喋るな！　話しかけるな！　口きくな！<br>お前の声なんか二度と聞きたくない！」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|22|春希|Haruki
|「だからそれ全部同じ意味だろ。<br>日本に帰ってきたんだから正しい日本語を使え」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|23|かずさ|Kazusa
|「あ～うるさい、うるさいっ！」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|24|美代子|Miyoko
|「……社長」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|25|曜子|Youko
|「合流できた？」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|26|美代子|Miyoko
|「わたし以前にお二人が合流できてません。<br>えっと、精神的に」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|27|曜子|Youko
|「ありゃりゃんりゃん」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|28|かずさ|Kazusa
|「じゃ、あたしはこっちの部屋で寝るから。<br>……絶対に入ってくるなよ？」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|29|春希|Haruki
|「お前こそ『やっぱり寂しい』とか言って、<br>後で泣いて謝ってきてもベッドに入れてやらないからな」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|30|かずさ|Kazusa
|「するか絶対にするか！<br>そんなこと一生するもんか！」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|31|春希|Haruki
|「じゃあな！　おやすみ！」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|32|かずさ|Kazusa
|「うるさいっ！」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|33|春希|Haruki
|「……ふぅ」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|34||
|最後に、何度目かわからない捨て台詞を口にすると、<br>かずさは激しくドアを閉め、隣の部屋へと消えていく。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|35||
|……いやスイートルームにしといて本当に良かった。<br>もし部屋が一つしかなかったら、<br>気まずいどころの騒ぎじゃない。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|36|美代子|Miyoko
|「あ、あの……あのあのあの」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|37|春希|Haruki
|「……すいません工藤さん。<br>一番やってはいけないタイミングでやってしまいました」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|38||
|そして、申し訳ないどころの騒ぎじゃなかった。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|39||
|俺たちを、ドン引きしつつ部屋まで案内してくれた先輩、<br>というか、冬馬曜子オフィス日本支部の工藤美代子さんが、<br>ものすっごい気まずそうな目で俺を覗き込んでいる。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|40|美代子|Miyoko
|「とりあえず、今日のところはこのままお休みください。<br>明日の午前中にもう一度お迎えに上がりますね」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|41|春希|Haruki
|「本当、申し訳ありません。<br>曜子さんにも謝っておいてください」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|42|美代子|Miyoko
|「あ、社長は気にしてない様子でしたから大丈夫です。<br>……電話口で思いっきり笑ってましたから」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|43|春希|Haruki
|「は、はは、は……」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|44||
|えっと、今の発言には二つの意図がある。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|45||
|曜子さんはいまだに元気だということ。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|46||
|そして、工藤さんの方は俺たちの喧嘩を<br>とっても心配してるということ……
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|}}

{{WA2ScriptLine
|47|美代子|Miyoko
|「それじゃ、お休みなさい」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|48|春希|Haruki
|「ええ、お休みなさ……」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|49|美代子|Miyoko
|「まさかとは思いますが、<br>日本にいる間じゅう、なんてことはないですよね？<br>すぐに仲直りしますよね！？」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|50|春希|Haruki
|「あは、はは、は……」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|51||
|工藤さんは扉を閉める最後の最後まで、<br>悲壮な表情で俺を見つめ、帰っていった。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|52||
|まぁ、あの人の気持ちはわかるし気の毒には思うけど、<br>俺だって、さすがに今回の一件については<br>簡単に引き下がるわけにはいかない。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|53||
|たとえ俺が、かずさのためだけの社員であり、<br>男であったとしても、いつもいつも、<br>その理不尽なワガママを容認するわけにはいかない。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|54||
|にしても……<br>思い返せば、今回の日本行きは、<br>出だしからトラブル続きだった。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|55||
|そりゃ、確かに最初は俺のせいだった。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|56||
|出発前の、現地での打ち合わせが延び、<br>予定の飛行機にも乗り遅れ、<br>かずさを五時間も空港に足止めしてしまった。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|57||
|でもまだその時までは、あいつもいつも通りだった。<br>問題なのは飛行機に乗ってからというか、<br>その後の乗り継ぎを含めてやたらと色々あったことだ。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|58||
|機内で『眠れないからプリンが食べたい』と、<br>ないものねだりを始めたり（あいつが）。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|59||
|中継地の空港の売店で、<br>財布を無くしたと騒ぎ出したり（あいつが）。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|60||
|目が覚めて、暇つぶしにと恋愛映画を見ていたら、<br>愛し合う二人が最後に別れてしまう結末だったので<br>ブチ切れたり（あいつが）。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|61||
|……ほら、やっぱり俺が悪いのは最初だけで、<br>後は全部あいつのせいじゃないか。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|62||
|……と、一通り怒りを吐き出すと、<br>シャワーの蛇口をひねり、熱いお湯を体にかけ流す。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|63|春希|Haruki
|「……ふぅ」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|64||
|何時間も座ったままで固まっていた筋肉が、<br>じわりとほぐれていくのがわかる。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|65|春希|Haruki
|「……ごめんな」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|66||
|と、さっきまであれだけ頑なだった心の方も、<br>じわりとほぐれていくのがわかる。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|67||
|うん、やっぱり始め悪ければ全て悪し。<br>きっかけを作ってしまった俺のせいだ。
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|68||
|かずさにとって、久しぶりの日本だったんだ。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|69||
|……俺と二人で逃げ出してから数年。<br>やっと帰ってきた故郷なんだ。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|70||
|そんな特別な瞬間に、<br>いつも通りでいろなんて求める方が無茶だったんだ。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|71||
|それに、問題なのは帰郷だけじゃない。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|72||
|今の俺たちには、それ以上に、<br>いつも通りではいられないイベントが待っているんだから。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|73|春希|Haruki
|「……うん」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|74||
|よし、やっぱり俺の方から謝ろう。
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|75||
|シャワーから上がって、少し落ち着いたら、<br>電話して、ノックして、頭を下げて……
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|}}

{{WA2ScriptLine
|76|かずさ|Kazusa
|「うわあぁぁぁぁん、春希ぃぃぃ～！<br>やっぱり寂しいよ～！」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|77|春希|Haruki
|「うわあああっ！？」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|78||
|……なんて、己を顧みる間もなかった。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|79|かずさ|Kazusa
|「お前、お前さぁっ、<br>なに呑気にシャワーなんか浴びてるんだよ！<br>あたしのことほっといて平気なのかよ！」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|80|春希|Haruki
|「ほっといてってほどほっといてないだろまだ！」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|81|かずさ|Kazusa
|「やだよ、そんな悲しいこと言わないでくれよ……<br>あたしが悪かったよ！　謝るから！　なんでもするから！<br>だから、そんなふうに見捨てるなよぅ」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|82|春希|Haruki
|「せめて一時間くらい怒りを持続してくれ。<br>俺に反省する時間をくれよ……」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|83|かずさ|Kazusa
|「嫌だ……謝らせろ。<br>ごめん、ごめんな春希ぃっ」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|84||
|裸で、濡れたままの俺に、かずさが抱きついてくる。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|85||
|まだ止めていないシャワーから、<br>熱いお湯が、二人にまとめて降りかかる。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|86|春希|Haruki
|「濡れるぞ？」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|87|かずさ|Kazusa
|「いい」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|88|春希|Haruki
|「このまま冷えたら風邪ひくぞ」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|89|かずさ|Kazusa
|「大丈夫、春希があっためてくれる」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|90|春希|Haruki
|「かずさ……」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|91|かずさ|Kazusa
|「……だろ？」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|92||
|そんなみっともない理由でずぶ濡れになったかずさは、<br>なのに、綺麗で、可愛くて、どうしようもなくて……
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|}}

{{WA2ScriptLine
|93|春希|Haruki
|「ん……」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|94|かずさ|Kazusa
|「ん、んぅ……は、はる、んぅ……っ」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|95||
|俺たちは、ホテルの浴場なんて狭い場所で、<br>お湯をかぶりながらという馬鹿馬鹿しい状況で、<br>強く、激しく抱き合う。
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|}}

{{WA2ScriptLine
|96||
|…………
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|97|美代子|Miyoko
|「北原さ～ん、かずささ～ん、<br>そろそろ起きてくださ～い」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|98|春希|Haruki
|「ん……」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|99|美代子|Miyoko
|「あ、おはようございます」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|100|春希|Haruki
|「あ、ああ、おはようございます。<br>……すいません、今何時ですか？」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|101|美代子|Miyoko
|「ええと、そろそろ１２時ですけど……」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|102|春希|Haruki
|「え、もうそんな時間ですか？<br>すいません、すぐ支度し……うぁぅっ！？」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|103|美代子|Miyoko
|「……北原さん？」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|104|春希|Haruki
|「す、すいません、なんでも……って、おい、<br>いつまでも寝ぼけてんなよ」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|105|かずさ|Kazusa
|「別に、さっきから起きてるよ、あたし。<br>ん、んぅ……」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|106|春希|Haruki
|「やってることが完全に寝ぼけてるだろ！<br>あ、こら、そんなに強く……んっ」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|107|かずさ|Kazusa
|「なぁ……もっかい」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|108|春希|Haruki
|「工藤さんがもう部屋の前まで来てるんだよ！」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|109|かずさ|Kazusa
|「美代ちゃんならもうちょっとくらい<br>待っててくれるって」
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|}}

{{WA2ScriptLine
|110|春希|Haruki
|「いや、そういうわけに……っていうか、<br>今遅れたら俺たちが何してるかバレバレだろ」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|111|かずさ|Kazusa
|「いいじゃん、せっかく仲直りしたんだしさぁ。<br>……春希だって、夜が明けるまでは<br>ノリノリだったじゃないか」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|112|春希|Haruki
|「お前が何度もおねだりするからだろ……っ、<br>あ、だから、かずさ、やめ……っ」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|113|かずさ|Kazusa
|「やだよ、やめてやんない。<br>ん、んぅ……春希、ん、んふ……ふぁっ」
|
|}}

{{WA2ScriptLine
|114|美代子|Miyoko
|「……やめよっかな、この仕事」
|
|}}

{{WA2ScriptTableEnd}}