Tomoyo After:SEEN0628: Difference between revisions
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<0000> June 28th (Mon) | <0000> June 28th (Mon) | ||
// <0001> \{朋也}「やっと、ひとりで回らせてもらえるようになったよ」 | // <0001> \{朋也}「やっと、ひとりで回らせてもらえるようになったよ」 | ||
<0001> \{Tomoya} | <0001> \{Tomoya}「やっと、ひとりで回らせてもらえるようになったよ」 | ||
// <0002> \{朋也}「ある意味、ひとり立ちかな」 | // <0002> \{朋也}「ある意味、ひとり立ちかな」 | ||
<0002> \{Tomoya} | <0002> \{Tomoya}「ある意味、ひとり立ちかな」 | ||
// <0003> 俺は子供のように、自慢してしまっていた。 | // <0003> 俺は子供のように、自慢してしまっていた。 | ||
<0003> | <0003> 俺は子供のように、自慢してしまっていた。 | ||
// <0004> \{智代}「じゃあ、今日はひとり立ち祝いか」 | // <0004> \{智代}「じゃあ、今日はひとり立ち祝いか」 | ||
<0004> \{Tomoyo} | <0004> \{Tomoyo}「じゃあ、今日はひとり立ち祝いか」 | ||
// <0005> \{朋也}「そんな大げさなものじゃないよ」 | // <0005> \{朋也}「そんな大げさなものじゃないよ」 | ||
<0005> \{Tomoya} | <0005> \{Tomoya}「そんな大げさなものじゃないよ」 | ||
// <0006> \{智代}「いいじゃないか。記念となる日を増やしていこう」 | // <0006> \{智代}「いいじゃないか。記念となる日を増やしていこう」 | ||
<0006> \{Tomoyo} | <0006> \{Tomoyo}「いいじゃないか。記念となる日を増やしていこう」 | ||
// <0007> \{智代}「それはぜんぶ私たちがふたりで過ごしてきた記念だ」 | // <0007> \{智代}「それはぜんぶ私たちがふたりで過ごしてきた記念だ」 | ||
<0007> \{Tomoyo} | <0007> \{Tomoyo}「それはぜんぶ私たちがふたりで過ごしてきた記念だ」 | ||
// <0008> \{智代}「後でカレンダーのところに、朋也がひとり立ちした日と書いておこう」 | // <0008> \{智代}「後でカレンダーのところに、朋也がひとり立ちした日と書いておこう」 | ||
<0008> \{Tomoyo} | <0008> \{Tomoyo}「後でカレンダーのところに、朋也がひとり立ちした日と書いておこう」 | ||
// <0009> 俺の意見はお構いなしに話を進めて、そしてひとりで笑っている。 | // <0009> 俺の意見はお構いなしに話を進めて、そしてひとりで笑っている。 | ||
<0009> | <0009> 俺の意見はお構いなしに話を進めて、そしてひとりで笑っている。 | ||
// <0010> それは実に女の子らしい姿だった。 | // <0010> それは実に女の子らしい姿だった。 | ||
<0010> | <0010> それは実に女の子らしい姿だった。 | ||
// <0011> \{朋也}「でも祝うにも、何もない」 | // <0011> \{朋也}「でも祝うにも、何もない」 | ||
<0011> \{Tomoya} | <0011> \{Tomoya}「でも祝うにも、何もない」 | ||
// <0012> \{智代}「私の手料理があるじゃないか」 | // <0012> \{智代}「私の手料理があるじゃないか」 | ||
<0012> \{Tomoyo} | <0012> \{Tomoyo}「私の手料理があるじゃないか」 | ||
// <0013> テーブルに並べられた皿を手でなぞる。 | // <0013> テーブルに並べられた皿を手でなぞる。 | ||
<0013> | <0013> テーブルに並べられた皿を手でなぞる。 | ||
// <0014> \{朋也}「いつもある」 | // <0014> \{朋也}「いつもある」 | ||
<0014> \{Tomoya} | <0014> \{Tomoya}「いつもある」 | ||
// <0015> \{智代}「うん、いつもあるな」 | // <0015> \{智代}「うん、いつもあるな」 | ||
<0015> \{Tomoyo} | <0015> \{Tomoyo}「うん、いつもあるな」 | ||
// <0016> \{智代}「でも、夕飯は週末だけだ」 | // <0016> \{智代}「でも、夕飯は週末だけだ」 | ||
<0016> \{Tomoyo} | <0016> \{Tomoyo}「でも、夕飯は週末だけだ」 | ||
// <0017> 日曜から木曜の平日は、智代は実家で家族と食べている。こうして食卓を挟めるのは週末だけだった。 | // <0017> 日曜から木曜の平日は、智代は実家で家族と食べている。こうして食卓を挟めるのは週末だけだった。 | ||
<0017> | <0017> 日曜から木曜の平日は、智代は実家で家族と食べている。こうして食卓を挟めるのは週末だけだった。 | ||
// <0018> \{智代}「それでは不満か?」 | // <0018> \{智代}「それでは不満か?」 | ||
<0018> \{Tomoyo} | <0018> \{Tomoyo}「それでは不満か?」 | ||
// <0019> \{朋也}「いや…」 | // <0019> \{朋也}「いや…」 | ||
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// <0020> \{朋也}「贅沢すぎるよ」 | // <0020> \{朋也}「贅沢すぎるよ」 | ||
<0020> \{Tomoya} | <0020> \{Tomoya}「贅沢すぎるよ」 | ||
// <0021> 朝には、お弁当も渡してくれる。 | // <0021> 朝には、お弁当も渡してくれる。 | ||
<0021> | <0021> 朝には、お弁当も渡してくれる。 | ||
// <0022> \{智代}「だろう。ここまで尽くす彼女はそうそういないぞ。誇りに思え」 | // <0022> \{智代}「だろう。ここまで尽くす彼女はそうそういないぞ。誇りに思え」 | ||
<0022> \{Tomoyo} | <0022> \{Tomoyo}「だろう。ここまで尽くす彼女はそうそういないぞ。誇りに思え」 | ||
// <0023> \{智代}「しかもまだ学生だ。学業と平行させてだ」 | // <0023> \{智代}「しかもまだ学生だ。学業と平行させてだ」 | ||
<0023> \{Tomoyo} | <0023> \{Tomoyo}「しかもまだ学生だ。学業と平行させてだ」 | ||
// <0024> \{智代}「それでも成績は落とさない。これはなかなかできることじゃないぞ」 | // <0024> \{智代}「それでも成績は落とさない。これはなかなかできることじゃないぞ」 | ||
<0024> \{Tomoyo} | <0024> \{Tomoyo}「それでも成績は落とさない。これはなかなかできることじゃないぞ」 | ||
// <0025> \{智代}「自分で言っておいてなんだがな」 | // <0025> \{智代}「自分で言っておいてなんだがな」 | ||
<0025> \{Tomoyo} | <0025> \{Tomoyo}「自分で言っておいてなんだがな」 | ||
// <0026> それは俺もすごいと思っていた。 | // <0026> それは俺もすごいと思っていた。 | ||
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// <0027> そしてそれは智代の意地だと思った。 | // <0027> そしてそれは智代の意地だと思った。 | ||
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// <0028> もう二度と過ちを繰り返さない。 | // <0028> もう二度と過ちを繰り返さない。 | ||
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// <0029> 自制心を持って。 | // <0029> 自制心を持って。 | ||
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// <0030> \{智代}「では、冷めないうちに頂こう」 | // <0030> \{智代}「では、冷めないうちに頂こう」 | ||
<0030> \{Tomoyo} | <0030> \{Tomoyo}「では、冷めないうちに頂こう」 | ||
// <0031> \{智代}「おめでとう、というのもヘンだからな」 | // <0031> \{智代}「おめでとう、というのもヘンだからな」 | ||
<0031> \{Tomoyo} | <0031> \{Tomoyo}「おめでとう、というのもヘンだからな」 | ||
// <0032> \{智代}「これからも頑張ってくれ。きついだろうけどな」 | // <0032> \{智代}「これからも頑張ってくれ。きついだろうけどな」 | ||
<0032> \{Tomoyo} | <0032> \{Tomoyo}「これからも頑張ってくれ。きついだろうけどな」 | ||
// <0033> \{朋也}「そうでもない。おまえがいてくれたら」 | // <0033> \{朋也}「そうでもない。おまえがいてくれたら」 | ||
<0033> \{Tomoya} | <0033> \{Tomoya}「そうでもない。おまえがいてくれたら」 | ||
// <0034> \{智代}「そうか。うん、そう言ってもらえるとうれしい」 | // <0034> \{智代}「そうか。うん、そう言ってもらえるとうれしい」 | ||
<0034> \{Tomoyo} | <0034> \{Tomoyo}「そうか。うん、そう言ってもらえるとうれしい」 | ||
// <0035> \{智代}「私も朋也がいてくれたらなんだって平気だ」 | // <0035> \{智代}「私も朋也がいてくれたらなんだって平気だ」 | ||
<0035> \{Tomoyo} | <0035> \{Tomoyo}「私も朋也がいてくれたらなんだって平気だ」 | ||
// <0036> そんなふうにお互いの思いを口にして確かめる。いつもならそのまま、その口でお互いの口を塞ぎ合うのだが… | // <0036> そんなふうにお互いの思いを口にして確かめる。いつもならそのまま、その口でお互いの口を塞ぎ合うのだが… | ||
<0036> | <0036> そんなふうにお互いの思いを口にして確かめる。いつもならそのまま、その口でお互いの口を塞ぎ合うのだが… | ||
// <0037> 智代もそれがもどかしいのか、目を伏せて、ふたりの間に立ちふさがるテーブルを見ていた。 | // <0037> 智代もそれがもどかしいのか、目を伏せて、ふたりの間に立ちふさがるテーブルを見ていた。 | ||
<0037> | <0037> 智代もそれがもどかしいのか、目を伏せて、ふたりの間に立ちふさがるテーブルを見ていた。 | ||
// <0038> 代わりに俺はお茶の入ったグラスを持ち上げる。 | // <0038> 代わりに俺はお茶の入ったグラスを持ち上げる。 | ||
<0038> | <0038> 代わりに俺はお茶の入ったグラスを持ち上げる。 | ||
// <0039> \{朋也}「乾杯しよう」 | // <0039> \{朋也}「乾杯しよう」 | ||
<0039> \{Tomoya} | <0039> \{Tomoya}「乾杯しよう」 | ||
// <0040> \{智代}「うん…」 | // <0040> \{智代}「うん…」 | ||
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// <0041> \{朋也}「乾杯」 | // <0041> \{朋也}「乾杯」 | ||
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// <0042> 言って、ふたつのグラスを合わせた。 | // <0042> 言って、ふたつのグラスを合わせた。 | ||
<0042> | <0042> 言って、ふたつのグラスを合わせた。 | ||
// <0043> そして、日々うまくなっていく、智代の手料理を食べた。 | // <0043> そして、日々うまくなっていく、智代の手料理を食べた。 | ||
<0043> | <0043> そして、日々うまくなっていく、智代の手料理を食べた。 | ||
// <0044> ふたりで洗い物をして、ふたりでテレビを見る。 | // <0044> ふたりで洗い物をして、ふたりでテレビを見る。 | ||
<0044> | <0044> ふたりで洗い物をして、ふたりでテレビを見る。 | ||
// <0045> ブラウン管には、野球中継が映し出されていた。 | // <0045> ブラウン管には、野球中継が映し出されていた。 | ||
<0045> | <0045> ブラウン管には、野球中継が映し出されていた。 | ||
// <0046> \{智代}「朋也は野球が好きなんだな」 | // <0046> \{智代}「朋也は野球が好きなんだな」 | ||
<0046> \{Tomoyo} | <0046> \{Tomoyo}「朋也は野球が好きなんだな」 | ||
// <0047> \{朋也}「スポーツなら大体は好きだよ」 | // <0047> \{朋也}「スポーツなら大体は好きだよ」 | ||
<0047> \{Tomoya} | <0047> \{Tomoya}「スポーツなら大体は好きだよ」 | ||
// <0048> \{智代}「そうか…朋也はスポーツ少年だったんだな」 | // <0048> \{智代}「そうか…朋也はスポーツ少年だったんだな」 | ||
<0048> \{Tomoyo} | <0048> \{Tomoyo}「そうか…朋也はスポーツ少年だったんだな」 | ||
// <0049> \{朋也}「それ以外取り柄なんてなかったからな」 | // <0049> \{朋也}「それ以外取り柄なんてなかったからな」 | ||
<0049> \{Tomoya} | <0049> \{Tomoya}「それ以外取り柄なんてなかったからな」 | ||
// <0050> \{智代}「………」 | // <0050> \{智代}「………」 | ||
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// <0051> \{朋也}「今じゃ、それもしてなくて、取り柄もないけどさ」 | // <0051> \{朋也}「今じゃ、それもしてなくて、取り柄もないけどさ」 | ||
<0051> \{Tomoya} | <0051> \{Tomoya}「今じゃ、それもしてなくて、取り柄もないけどさ」 | ||
// <0052> \{智代}「そんなこと言うな」 | // <0052> \{智代}「そんなこと言うな」 | ||
<0052> \{Tomoyo} | <0052> \{Tomoyo}「そんなこと言うな」 | ||
// <0053> \{智代}「取り柄がないことなんてない」 | // <0053> \{智代}「取り柄がないことなんてない」 | ||
<0053> \{Tomoyo} | <0053> \{Tomoyo}「取り柄がないことなんてない」 | ||
// <0054> \{智代}「おまえは私を幸せにできる」 | // <0054> \{智代}「おまえは私を幸せにできる」 | ||
<0054> \{Tomoyo} | <0054> \{Tomoyo}「おまえは私を幸せにできる」 | ||
// <0055> \{智代}「それが取り柄だ」 | // <0055> \{智代}「それが取り柄だ」 | ||
<0055> \{Tomoyo} | <0055> \{Tomoyo}「それが取り柄だ」 | ||
// <0056> ふたりを隔てるものは今はもう何もない。 | // <0056> ふたりを隔てるものは今はもう何もない。 | ||
<0056> | <0056> ふたりを隔てるものは今はもう何もない。 | ||
// <0057> 体を傾けて、キスをした。 | // <0057> 体を傾けて、キスをした。 | ||
<0057> | <0057> 体を傾けて、キスをした。 | ||
// <0058> しばらくしてから離して、顎を引いて口を開けさせる。 | // <0058> しばらくしてから離して、顎を引いて口を開けさせる。 | ||
<0058> | <0058> しばらくしてから離して、顎を引いて口を開けさせる。 | ||
// <0059> \{智代}「ちょっと待て…」 | // <0059> \{智代}「ちょっと待て…」 | ||
<0059> \{Tomoyo} | <0059> \{Tomoyo}「ちょっと待て…」 | ||
// <0060> 智代は身を引いて、そして両手で自分の口を覆った。 | // <0060> 智代は身を引いて、そして両手で自分の口を覆った。 | ||
<0060> | <0060> 智代は身を引いて、そして両手で自分の口を覆った。 | ||
// <0061> また息の匂いを確かめているようだ。 | // <0061> また息の匂いを確かめているようだ。 | ||
<0061> | <0061> また息の匂いを確かめているようだ。 | ||
// <0062> \{朋也}「おまえは気にしすぎだ」 | // <0062> \{朋也}「おまえは気にしすぎだ」 | ||
<0062> \{Tomoya} | <0062> \{Tomoya}「おまえは気にしすぎだ」 | ||
// <0063> 俺はそのまま智代の体に覆い被さり、押し倒す。 | // <0063> 俺はそのまま智代の体に覆い被さり、押し倒す。 | ||
<0063> | <0063> 俺はそのまま智代の体に覆い被さり、押し倒す。 | ||
// <0064> \{智代}「デリカシーがない女は嫌なんだ」 | // <0064> \{智代}「デリカシーがない女は嫌なんだ」 | ||
<0064> \{Tomoyo} | <0064> \{Tomoyo}「デリカシーがない女は嫌なんだ」 | ||
// <0065> 仰向けのまま俺を睨む。 | // <0065> 仰向けのまま俺を睨む。 | ||
<0065> | <0065> 仰向けのまま俺を睨む。 | ||
// <0066> \{智代}「それにおまえは…リップクリームとか…口臭剤のたぐいを使うのを嫌うからな…」 | // <0066> \{智代}「それにおまえは…リップクリームとか…口臭剤のたぐいを使うのを嫌うからな…」 | ||
<0066> \{Tomoyo} | <0066> \{Tomoyo}「それにおまえは…リップクリームとか…口臭剤のたぐいを使うのを嫌うからな…」 | ||
// <0067> \{朋也}「無理にとは言わない。でも俺は、そのままのおまえがいいんだ」 | // <0067> \{朋也}「無理にとは言わない。でも俺は、そのままのおまえがいいんだ」 | ||
<0067> \{Tomoya} | <0067> \{Tomoya}「無理にとは言わない。でも俺は、そのままのおまえがいいんだ」 | ||
// <0068> 智代の腕をつかむ。そして口を寄せていく。 | // <0068> 智代の腕をつかむ。そして口を寄せていく。 | ||
<0068> | <0068> 智代の腕をつかむ。そして口を寄せていく。 | ||
// <0069> \{智代}「ああ…わかってる…だから使わない…」 | // <0069> \{智代}「ああ…わかってる…だから使わない…」 | ||
<0069> \{Tomoyo} | <0069> \{Tomoyo}「ああ…わかってる…だから使わない…」 | ||
// <0070> 距離を縮めていく。智代が喋るたび、息がかかる。それさえ愛おしい。 | // <0070> 距離を縮めていく。智代が喋るたび、息がかかる。それさえ愛おしい。 | ||
<0070> | <0070> 距離を縮めていく。智代が喋るたび、息がかかる。それさえ愛おしい。 | ||
// <0071> \{智代}「けど、私も女の子なんだ。気は遣わせてく…」 | // <0071> \{智代}「けど、私も女の子なんだ。気は遣わせてく…」 | ||
<0071> \{Tomoyo} | <0071> \{Tomoyo}「けど、私も女の子なんだ。気は遣わせてく…」 | ||
// <0072> その口を閉ざす。 | // <0072> その口を閉ざす。 | ||
<0072> | <0072> その口を閉ざす。 | ||
// <0073> 舌を差し出す。歯に触れたところで、智代はそれを開いて中に通してくれる。 | // <0073> 舌を差し出す。歯に触れたところで、智代はそれを開いて中に通してくれる。 | ||
<0073> | <0073> 舌を差し出す。歯に触れたところで、智代はそれを開いて中に通してくれる。 | ||
// <0074> その先で熱く濡れた舌が待っていてくれた。 | // <0074> その先で熱く濡れた舌が待っていてくれた。 | ||
<0074> | <0074> その先で熱く濡れた舌が待っていてくれた。 | ||
// <0075> その舌の腹のあたりに自分の舌を擦りつける。執拗にその部分を味わう。 | // <0075> その舌の腹のあたりに自分の舌を擦りつける。執拗にその部分を味わう。 | ||
<0075> | <0075> その舌の腹のあたりに自分の舌を擦りつける。執拗にその部分を味わう。 | ||
// <0076> 智代の唾液に濡れた粘膜を。 | // <0076> 智代の唾液に濡れた粘膜を。 | ||
<0076> | <0076> 智代の唾液に濡れた粘膜を。 | ||
// <0077> 智代の唇が、俺の舌を挟む。 | // <0077> 智代の唇が、俺の舌を挟む。 | ||
<0077> | <0077> 智代の唇が、俺の舌を挟む。 | ||
// <0078> そして、智代はそれを吸い出した。 | // <0078> そして、智代はそれを吸い出した。 | ||
<0078> | <0078> そして、智代はそれを吸い出した。 | ||
// <0079> 俺の舌を味わうようにちゅうちゅうと何度も吸う。 | // <0079> 俺の舌を味わうようにちゅうちゅうと何度も吸う。 | ||
<0079> | <0079> 俺の舌を味わうようにちゅうちゅうと何度も吸う。 | ||
// <0080> 時に飲み込もうとするように強く吸う。 | // <0080> 時に飲み込もうとするように強く吸う。 | ||
<0080> | <0080> 時に飲み込もうとするように強く吸う。 | ||
// <0081> 舌の付け根が引っ張られて、痛いぐらいに。 | // <0081> 舌の付け根が引っ張られて、痛いぐらいに。 | ||
<0081> | <0081> 舌の付け根が引っ張られて、痛いぐらいに。 | ||
// <0082> \{智代}「んっ」 | // <0082> \{智代}「んっ」 | ||
<0082> \{Tomoyo} | <0082> \{Tomoyo}「んっ」 | ||
// <0083> 最後に大きく吸う。じゅぱっと大きな音がして、俺の舌が解放される。 | // <0083> 最後に大きく吸う。じゅぱっと大きな音がして、俺の舌が解放される。 | ||
<0083> | <0083> 最後に大きく吸う。じゅぱっと大きな音がして、俺の舌が解放される。 | ||
// <0084> \{智代}「はぁ…」 | // <0084> \{智代}「はぁ…」 | ||
<0084> \{Tomoyo} | <0084> \{Tomoyo}「はぁ…」 | ||
// <0085> ため息ひとつ。 | // <0085> ため息ひとつ。 | ||
<0085> | <0085> ため息ひとつ。 | ||
// <0086> けど休憩は一瞬。すぐまた、くわえられて、吸われていた。 | // <0086> けど休憩は一瞬。すぐまた、くわえられて、吸われていた。 | ||
<0086> | <0086> けど休憩は一瞬。すぐまた、くわえられて、吸われていた。 | ||
// <0087> ちゅぅ…ちゅくっ…ちゅっく… | // <0087> ちゅぅ…ちゅくっ…ちゅっく… | ||
<0087> | <0087> ちゅぅ…ちゅくっ…ちゅっく… | ||
// <0088> 智代は夢中で俺の舌を吸う。 | // <0088> 智代は夢中で俺の舌を吸う。 | ||
<0088> | <0088> 智代は夢中で俺の舌を吸う。 | ||
// <0089> そうされていると、智代が俺のことを欲していることが感じられて、すごく興奮する。 | // <0089> そうされていると、智代が俺のことを欲していることが感じられて、すごく興奮する。 | ||
<0089> | <0089> そうされていると、智代が俺のことを欲していることが感じられて、すごく興奮する。 | ||
// <0090> そのまま下半身の興奮した部位を智代の太ももにこすりつける。 | // <0090> そのまま下半身の興奮した部位を智代の太ももにこすりつける。 | ||
<0090> | <0090> そのまま下半身の興奮した部位を智代の太ももにこすりつける。 | ||
// <0091> ちゅぅ…じゅぷっ… | // <0091> ちゅぅ…じゅぷっ… | ||
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// <0092> 今、すごく強く舌を吸われた。 | // <0092> 今、すごく強く舌を吸われた。 | ||
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// <0093> 一緒にあそこを擦りつけているから、それだけでいってしまいそうだ。 | // <0093> 一緒にあそこを擦りつけているから、それだけでいってしまいそうだ。 | ||
<0093> | <0093> 一緒にあそこを擦りつけているから、それだけでいってしまいそうだ。 | ||
// <0094> ちゅぅ…じゅぷ…じゅぷ… | // <0094> ちゅぅ…じゅぷ…じゅぷ… | ||
<0094> | <0094> ちゅぅ…じゅぷ…じゅぷ… | ||
// <0095> じゅぱっ! | // <0095> じゅぱっ! | ||
<0095> | <0095> じゅぱっ! | ||
// <0096> また解放される。今度は俺は舌を戻した。 | // <0096> また解放される。今度は俺は舌を戻した。 | ||
<0096> | <0096> また解放される。今度は俺は舌を戻した。 | ||
// <0097> 智代はまだ欲しそうに口を小さく開けていた。 | // <0097> 智代はまだ欲しそうに口を小さく開けていた。 | ||
<0097> | <0097> 智代はまだ欲しそうに口を小さく開けていた。 | ||
// <0098> 唇は唾液に濡れ、つややかに光っている。 | // <0098> 唇は唾液に濡れ、つややかに光っている。 | ||
<0098> | <0098> 唇は唾液に濡れ、つややかに光っている。 | ||
// <0099> とてもいやらしい唇だ。 | // <0099> とてもいやらしい唇だ。 | ||
<0099> | <0099> とてもいやらしい唇だ。 | ||
// <0100> そこに舌を差し入れれば、また吸ってくれる。 | // <0100> そこに舌を差し入れれば、また吸ってくれる。 | ||
<0100> | <0100> そこに舌を差し入れれば、また吸ってくれる。 | ||
// <0101> いつまでも吸い続けてくれるだろう。 | // <0101> いつまでも吸い続けてくれるだろう。 | ||
<0101> | <0101> いつまでも吸い続けてくれるだろう。 | ||
// <0102> でもずっと舌を出しているのは辛い。舌の付け根も引っ張られすぎて痛いし、顎もだるい。 | // <0102> でもずっと舌を出しているのは辛い。舌の付け根も引っ張られすぎて痛いし、顎もだるい。 | ||
<0102> | <0102> でもずっと舌を出しているのは辛い。舌の付け根も引っ張られすぎて痛いし、顎もだるい。 | ||
// <0103> \{朋也}「今度は俺が吸う番」 | // <0103> \{朋也}「今度は俺が吸う番」 | ||
<0103> \{Tomoya} | <0103> \{Tomoya}「今度は俺が吸う番」 | ||
// <0104> だから俺はそう言った。 | // <0104> だから俺はそう言った。 | ||
<0104> | <0104> だから俺はそう言った。 | ||
// <0105> \{朋也}「智代のが吸いたい」 | // <0105> \{朋也}「智代のが吸いたい」 | ||
<0105> \{Tomoya} | <0105> \{Tomoya}「智代のが吸いたい」 | ||
// <0106> \{智代}「………」 | // <0106> \{智代}「………」 | ||
<0106> \{Tomoyo} | <0106> \{Tomoyo}「………」 | ||
// <0107> 熱っぽい顔。 | // <0107> 熱っぽい顔。 | ||
<0107> | <0107> 熱っぽい顔。 | ||
// <0108> \{智代}「うん…」 | // <0108> \{智代}「うん…」 | ||
<0108> \{Tomoyo} | <0108> \{Tomoyo}「うん…」 | ||
// <0109> 濡れた舌が唇の隙間から現れる。 | // <0109> 濡れた舌が唇の隙間から現れる。 | ||
<0109> | <0109> 濡れた舌が唇の隙間から現れる。 | ||
// <0110> 智代の舌は可愛い。 | // <0110> 智代の舌は可愛い。 | ||
<0110> | <0110> 智代の舌は可愛い。 | ||
// <0111> 唾液にぬめり、いやらしく光っていた。 | // <0111> 唾液にぬめり、いやらしく光っていた。 | ||
<0111> | <0111> 唾液にぬめり、いやらしく光っていた。 | ||
// <0112> 口全部を覆うようにキスをして、その中心にある舌を吸う。 | // <0112> 口全部を覆うようにキスをして、その中心にある舌を吸う。 | ||
<0112> | <0112> 口全部を覆うようにキスをして、その中心にある舌を吸う。 | ||
// <0113> じゅじゅっ… | // <0113> じゅじゅっ… | ||
<0113> | <0113> じゅじゅっ… | ||
// <0114> 智代の唾を吸って、味わう。 | // <0114> 智代の唾を吸って、味わう。 | ||
<0114> | <0114> 智代の唾を吸って、味わう。 | ||
// <0115> 智代の唾液は甘美な味がした。 | // <0115> 智代の唾液は甘美な味がした。 | ||
<0115> | <0115> 智代の唾液は甘美な味がした。 | ||
// <0116> 本当に人より甘いのかもしれない。俺のはこんなに美味しくない。 | // <0116> 本当に人より甘いのかもしれない。俺のはこんなに美味しくない。 | ||
<0116> | <0116> 本当に人より甘いのかもしれない。俺のはこんなに美味しくない。 | ||
// <0117> 智代の舌を吸い続ける。 | // <0117> 智代の舌を吸い続ける。 | ||
<0117> | <0117> 智代の舌を吸い続ける。 | ||
// <0118> 時に強く吸う。 | // <0118> 時に強く吸う。 | ||
<0118> | <0118> 時に強く吸う。 | ||
// <0119> \{智代}「んっ…」 | // <0119> \{智代}「んっ…」 | ||
<0119> \{Tomoyo} | <0119> \{Tomoyo}「んっ…」 | ||
// <0120> 鼻から熱い息が漏れて、俺の頬にかかる。 | // <0120> 鼻から熱い息が漏れて、俺の頬にかかる。 | ||
<0120> | <0120> 鼻から熱い息が漏れて、俺の頬にかかる。 | ||
// <0121> 智代も強く吸われると、すごく感じることを知っている。 | // <0121> 智代も強く吸われると、すごく感じることを知っている。 | ||
<0121> | <0121> 智代も強く吸われると、すごく感じることを知っている。 | ||
// <0122> しばらく、強く吸い続ける。 | // <0122> しばらく、強く吸い続ける。 | ||
<0122> | <0122> しばらく、強く吸い続ける。 | ||
// <0123> \{智代}「んっ…んっ…」 | // <0123> \{智代}「んっ…んっ…」 | ||
<0123> \{Tomoyo} | <0123> \{Tomoyo}「んっ…んっ…」 | ||
// <0124> 智代の興奮がやまない。 | // <0124> 智代の興奮がやまない。 | ||
<0124> | <0124> 智代の興奮がやまない。 | ||
// <0125> 智代の両太股が俺の片足を挟む。 | // <0125> 智代の両太股が俺の片足を挟む。 | ||
<0125> | <0125> 智代の両太股が俺の片足を挟む。 | ||
// <0126> その足に自分の感じる場所を物欲しげに擦りつけてくる。 | // <0126> その足に自分の感じる場所を物欲しげに擦りつけてくる。 | ||
<0126> | <0126> その足に自分の感じる場所を物欲しげに擦りつけてくる。 | ||
// <0127> 俺とまったく同じことをする。 | // <0127> 俺とまったく同じことをする。 | ||
<0127> | <0127> 俺とまったく同じことをする。 | ||
// <0128> 舌を強く吸いながら、あそこを擦りつけ合うのが好きなふたり。 | // <0128> 舌を強く吸いながら、あそこを擦りつけ合うのが好きなふたり。 | ||
<0128> | <0128> 舌を強く吸いながら、あそこを擦りつけ合うのが好きなふたり。 | ||
// <0129> \{智代}「んっ…んんーっ」 | // <0129> \{智代}「んっ…んんーっ」 | ||
<0129> \{Tomoyo} | <0129> \{Tomoyo}「んっ…んんーっ」 | ||
// <0130> そのままいってしまうんじゃないかというぐらいに、智代は興奮している。 | // <0130> そのままいってしまうんじゃないかというぐらいに、智代は興奮している。 | ||
<0130> | <0130> そのままいってしまうんじゃないかというぐらいに、智代は興奮している。 | ||
// <0131> ちゅばっ! | // <0131> ちゅばっ! | ||
<0131> | <0131> ちゅばっ! | ||
// <0132> 舌を解放した。 | // <0132> 舌を解放した。 | ||
<0132> | <0132> 舌を解放した。 | ||
// <0133> \{智代}「はぁ…はぁ…」 | // <0133> \{智代}「はぁ…はぁ…」 | ||
<0133> \{Tomoyo} | <0133> \{Tomoyo}「はぁ…はぁ…」 | ||
// <0134> 智代の熱い息が俺の鼻先にかかる。 | // <0134> 智代の熱い息が俺の鼻先にかかる。 | ||
<0134> | <0134> 智代の熱い息が俺の鼻先にかかる。 | ||
// <0135> 挟まれていた足も解放されていた。 | // <0135> 挟まれていた足も解放されていた。 | ||
<0135> | <0135> 挟まれていた足も解放されていた。 | ||
// <0136> 今度は… | // <0136> 今度は… | ||
<0136> | <0136> 今度は… | ||
// <0137> 普通にキスをする | // <0137> 普通にキスをする | ||
<0137> | <0137> 普通にキスをする | ||
// <0138> 息にこだわる | // <0138> 息にこだわる | ||
<0138> | <0138> 息にこだわる | ||
// <0139> 唾液にこだわる | // <0139> 唾液にこだわる | ||
<0139> | <0139> 唾液にこだわる | ||
// <0140> 顔を近づけて、唇を合わせる。 | // <0140> 顔を近づけて、唇を合わせる。 | ||
<0140> | <0140> 顔を近づけて、唇を合わせる。 | ||
// <0141> それだけのキスのつもりで。 | // <0141> それだけのキスのつもりで。 | ||
<0141> | <0141> それだけのキスのつもりで。 | ||
// <0142> けど、俺の唇を割って、熱い舌が入り込んでくる。 | // <0142> けど、俺の唇を割って、熱い舌が入り込んでくる。 | ||
<0142> | <0142> けど、俺の唇を割って、熱い舌が入り込んでくる。 | ||
// <0143> 歯を閉じてしまっていたので、それで進入を阻んでしまう。 | // <0143> 歯を閉じてしまっていたので、それで進入を阻んでしまう。 | ||
<0143> | <0143> 歯を閉じてしまっていたので、それで進入を阻んでしまう。 | ||
// <0144> 智代はすぐ舌を引っ込めて、俺を突き放した。 | // <0144> 智代はすぐ舌を引っ込めて、俺を突き放した。 | ||
<0144> | <0144> 智代はすぐ舌を引っ込めて、俺を突き放した。 | ||
// <0145> \{智代}「………」 | // <0145> \{智代}「………」 | ||
<0145> \{Tomoyo} | <0145> \{Tomoyo}「………」 | ||
// <0146> 顔を横に向けて、火照った顔をさらに赤らめている。 | // <0146> 顔を横に向けて、火照った顔をさらに赤らめている。 | ||
<0146> | <0146> 顔を横に向けて、火照った顔をさらに赤らめている。 | ||
// <0147> \{智代}「うう…」 | // <0147> \{智代}「うう…」 | ||
<0147> \{Tomoyo} | <0147> \{Tomoyo}「うう…」 | ||
// <0148> 目を閉じて、うめく。 | // <0148> 目を閉じて、うめく。 | ||
<0148> | <0148> 目を閉じて、うめく。 | ||
// <0149> \{智代}「おまえの変態が移ってしまったんだ…」 | // <0149> \{智代}「おまえの変態が移ってしまったんだ…」 | ||
<0149> \{Tomoyo} | <0149> \{Tomoyo}「おまえの変態が移ってしまったんだ…」 | ||
// <0150> 普通のキスだと気づかず、舌を自分から入れてしまったことを恥じている様子だ。 | // <0150> 普通のキスだと気づかず、舌を自分から入れてしまったことを恥じている様子だ。 | ||
<0150> | <0150> 普通のキスだと気づかず、舌を自分から入れてしまったことを恥じている様子だ。 | ||
// <0151> \{智代}「もう飽きただろ、どいてくれ…」 | // <0151> \{智代}「もう飽きただろ、どいてくれ…」 | ||
<0151> \{Tomoyo} | <0151> \{Tomoyo}「もう飽きただろ、どいてくれ…」 | ||
// <0152> \{朋也}「飽きてなかったらどかなくていいんだな」 | // <0152> \{朋也}「飽きてなかったらどかなくていいんだな」 | ||
<0152> \{Tomoya} | <0152> \{Tomoya}「飽きてなかったらどかなくていいんだな」 | ||
// <0153> 智代の頬に手を添えて、こっちを向かせる。目は横を向いたままだ。 | // <0153> 智代の頬に手を添えて、こっちを向かせる。目は横を向いたままだ。 | ||
<0153> | <0153> 智代の頬に手を添えて、こっちを向かせる。目は横を向いたままだ。 | ||
// <0154> \{智代}「どいてくれ…」 | // <0154> \{智代}「どいてくれ…」 | ||
<0154> \{Tomoyo} | <0154> \{Tomoyo}「どいてくれ…」 | ||
// <0155> その口を塞ぐ。 | // <0155> その口を塞ぐ。 | ||
<0155> | <0155> その口を塞ぐ。 | ||
// <0156> 今度は俺から舌を差し入れる。歯をこじ開け、その奥へ。 | // <0156> 今度は俺から舌を差し入れる。歯をこじ開け、その奥へ。 | ||
<0156> | <0156> 今度は俺から舌を差し入れる。歯をこじ開け、その奥へ。 | ||
// <0157> 夢中で智代の唇と舌をむさぼった。 | // <0157> 夢中で智代の唇と舌をむさぼった。 | ||
<0157> | <0157> 夢中で智代の唇と舌をむさぼった。 | ||
// <0158> そのうち、智代も積極的に舌を動かしはじめ、激しく絡み合い出す。 | // <0158> そのうち、智代も積極的に舌を動かしはじめ、激しく絡み合い出す。 | ||
<0158> | <0158> そのうち、智代も積極的に舌を動かしはじめ、激しく絡み合い出す。 | ||
// <0159> 顎がだるくなり、ようやく、口を離す。 | // <0159> 顎がだるくなり、ようやく、口を離す。 | ||
<0159> | <0159> 顎がだるくなり、ようやく、口を離す。 | ||
// <0160> つーと、糸が伸びて、それが切れて、智代の顎に伝う。 | // <0160> つーと、糸が伸びて、それが切れて、智代の顎に伝う。 | ||
<0160> | <0160> つーと、糸が伸びて、それが切れて、智代の顎に伝う。 | ||
// <0161> それを指でぬぐってやる。 | // <0161> それを指でぬぐってやる。 | ||
<0161> | <0161> それを指でぬぐってやる。 | ||
// <0162> \{朋也}「あのさ…」 | // <0162> \{朋也}「あのさ…」 | ||
<0162> \{Tomoya} | <0162> \{Tomoya}「あのさ…」 | ||
// <0163> \{智代}「なんだ…」 | // <0163> \{智代}「なんだ…」 | ||
<0163> \{Tomoyo} | <0163> \{Tomoyo}「なんだ…」 | ||
// <0164> \{朋也}「お願いがある」 | // <0164> \{朋也}「お願いがある」 | ||
<0164> \{Tomoya} | <0164> \{Tomoya}「お願いがある」 | ||
// <0165> \{智代}「言うな…」 | // <0165> \{智代}「言うな…」 | ||
<0165> \{Tomoyo} | <0165> \{Tomoyo}「言うな…」 | ||
// <0166> \{朋也}「いや、言う…」 | // <0166> \{朋也}「いや、言う…」 | ||
<0166> \{Tomoya} | <0166> \{Tomoya}「いや、言う…」 | ||
// <0167> \{智代}「きっと、おまえのことだ…変態なことに違いない…」 | // <0167> \{智代}「きっと、おまえのことだ…変態なことに違いない…」 | ||
<0167> \{Tomoyo} | <0167> \{Tomoyo}「きっと、おまえのことだ…変態なことに違いない…」 | ||
// <0168> \{朋也}「だな…」 | // <0168> \{朋也}「だな…」 | ||
<0168> \{Tomoya} | <0168> \{Tomoya}「だな…」 | ||
// <0169> \{智代}「もうこれ以上私を変態の仲間にしないでくれ…」 | // <0169> \{智代}「もうこれ以上私を変態の仲間にしないでくれ…」 | ||
<0169> \{Tomoyo} | <0169> \{Tomoyo}「もうこれ以上私を変態の仲間にしないでくれ…」 | ||
// <0170> \{朋也}「いや、でもどうしてなんだろう…」 | // <0170> \{朋也}「いや、でもどうしてなんだろう…」 | ||
<0170> \{Tomoya} | <0170> \{Tomoya}「いや、でもどうしてなんだろう…」 | ||
// <0171> \{朋也}「他の奴では吐き気がするほど嫌悪すべきことが…」 | // <0171> \{朋也}「他の奴では吐き気がするほど嫌悪すべきことが…」 | ||
<0171> \{Tomoya} | <0171> \{Tomoya}「他の奴では吐き気がするほど嫌悪すべきことが…」 | ||
// <0172> \{朋也}「おまえだとすごく愛おしく感じる…」 | // <0172> \{朋也}「おまえだとすごく愛おしく感じる…」 | ||
<0172> \{Tomoya} | <0172> \{Tomoya}「おまえだとすごく愛おしく感じる…」 | ||
// <0173> \{智代}「そんな変態なことをさせようというのか…」 | // <0173> \{智代}「そんな変態なことをさせようというのか…」 | ||
<0173> \{Tomoyo} | <0173> \{Tomoyo}「そんな変態なことをさせようというのか…」 | ||
// <0174> \{朋也}「ああ…」 | // <0174> \{朋也}「ああ…」 | ||
<0174> \{Tomoya} | <0174> \{Tomoya}「ああ…」 | ||
// <0175> \{朋也}「だから、頼む…」 | // <0175> \{朋也}「だから、頼む…」 | ||
<0175> \{Tomoya} | <0175> \{Tomoya}「だから、頼む…」 | ||
// <0176> \{智代}「言うな…」 | // <0176> \{智代}「言うな…」 | ||
<0176> \{Tomoyo} | <0176> \{Tomoyo}「言うな…」 | ||
// <0177> \{朋也}「はぁーってして…」 | // <0177> \{朋也}「はぁーってして…」 | ||
<0177> \{Tomoya} | <0177> \{Tomoya}「はぁーってして…」 | ||
// <0178> \{智代}「なんのために…」 | // <0178> \{智代}「なんのために…」 | ||
<0178> \{Tomoyo} | <0178> \{Tomoyo}「なんのために…」 | ||
// <0179> \{朋也}「匂いかぎたいんだ…」 | // <0179> \{朋也}「匂いかぎたいんだ…」 | ||
<0179> \{Tomoya} | <0179> \{Tomoya}「匂いかぎたいんだ…」 | ||
// <0180> 信じられないというような目で見られる。 | // <0180> 信じられないというような目で見られる。 | ||
<0180> | <0180> 信じられないというような目で見られる。 | ||
// <0181> \{智代}「変態だ…ここに変態がいる…」 | // <0181> \{智代}「変態だ…ここに変態がいる…」 | ||
<0181> \{Tomoyo} | <0181> \{Tomoyo}「変態だ…ここに変態がいる…」 | ||
// <0182> \{朋也}「おまえの彼氏だ」 | // <0182> \{朋也}「おまえの彼氏だ」 | ||
<0182> \{Tomoya} | <0182> \{Tomoya}「おまえの彼氏だ」 | ||
// <0183> \{智代}「変態の彼氏だ…」 | // <0183> \{智代}「変態の彼氏だ…」 | ||
<0183> \{Tomoyo} | <0183> \{Tomoyo}「変態の彼氏だ…」 | ||
// <0184> \{朋也}「その彼氏からのお願い…」 | // <0184> \{朋也}「その彼氏からのお願い…」 | ||
<0184> \{Tomoya} | <0184> \{Tomoya}「その彼氏からのお願い…」 | ||
// <0185> \{智代}「………」 | // <0185> \{智代}「………」 | ||
<0185> \{Tomoyo} | <0185> \{Tomoyo}「………」 | ||
// <0186> \{朋也}「お願い…」 | // <0186> \{朋也}「お願い…」 | ||
<0186> \{Tomoya} | <0186> \{Tomoya}「お願い…」 | ||
// <0187> \{朋也}「ほら、はーってして」 | // <0187> \{朋也}「ほら、はーってして」 | ||
<0187> \{Tomoya} | <0187> \{Tomoya}「ほら、はーってして」 | ||
// <0188> \{智代}「………」 | // <0188> \{智代}「………」 | ||
<0188> \{Tomoyo} | <0188> \{Tomoyo}「………」 | ||
// <0189> 智代は目を潤ませて、口を開く。 | // <0189> 智代は目を潤ませて、口を開く。 | ||
<0189> | <0189> 智代は目を潤ませて、口を開く。 | ||
// <0190> はぁーっ、と息を俺の鼻先に吐きかけた。 | // <0190> はぁーっ、と息を俺の鼻先に吐きかけた。 | ||
<0190> | <0190> はぁーっ、と息を俺の鼻先に吐きかけた。 | ||
// <0191> その甘さに酔う。 | // <0191> その甘さに酔う。 | ||
<0191> | <0191> その甘さに酔う。 | ||
// <0192> それは人の息の匂いだ。 | // <0192> それは人の息の匂いだ。 | ||
<0192> | <0192> それは人の息の匂いだ。 | ||
// <0193> なんでそんなものを俺はかいでるんだ? | // <0193> なんでそんなものを俺はかいでるんだ? | ||
<0193> | <0193> なんでそんなものを俺はかいでるんだ? | ||
// <0194> 好きな女の子のだからだ。 | // <0194> 好きな女の子のだからだ。 | ||
<0194> | <0194> 好きな女の子のだからだ。 | ||
// <0195> 好きな女の子のだから、かぎたい。 | // <0195> 好きな女の子のだから、かぎたい。 | ||
<0195> | <0195> 好きな女の子のだから、かぎたい。 | ||
// <0196> 俺は顔を寄せて、舌を出す。 | // <0196> 俺は顔を寄せて、舌を出す。 | ||
<0196> | <0196> 俺は顔を寄せて、舌を出す。 | ||
// <0197> 智代の口の中に忍ばせて、舌を誘い出す。 | // <0197> 智代の口の中に忍ばせて、舌を誘い出す。 | ||
<0197> | <0197> 智代の口の中に忍ばせて、舌を誘い出す。 | ||
// <0198> 互いの舌が口と口の隙間で絡み合う。 | // <0198> 互いの舌が口と口の隙間で絡み合う。 | ||
<0198> | <0198> 互いの舌が口と口の隙間で絡み合う。 | ||
// <0199> れろれろ… | // <0199> れろれろ… | ||
<0199> | <0199> れろれろ… | ||
// <0200> この舌もそうだ。好きな女の子の舌だからだ。 | // <0200> この舌もそうだ。好きな女の子の舌だからだ。 | ||
<0200> | <0200> この舌もそうだ。好きな女の子の舌だからだ。 | ||
// <0201> 好きな女の子の舌だから、味わいたい。 | // <0201> 好きな女の子の舌だから、味わいたい。 | ||
<0201> | <0201> 好きな女の子の舌だから、味わいたい。 | ||
// <0202> そうして舌だけをすり合わせたまま、はぁーっ、とガラスを曇らせるような熱い息が。 | // <0202> そうして舌だけをすり合わせたまま、はぁーっ、とガラスを曇らせるような熱い息が。 | ||
<0202> | <0202> そうして舌だけをすり合わせたまま、はぁーっ、とガラスを曇らせるような熱い息が。 | ||
// <0203> 匂いと味、両方で智代を感じる。 | // <0203> 匂いと味、両方で智代を感じる。 | ||
<0203> | <0203> 匂いと味、両方で智代を感じる。 | ||
// <0204> それは片方だけよりも、強く、智代を感じられた。 | // <0204> それは片方だけよりも、強く、智代を感じられた。 | ||
<0204> | <0204> それは片方だけよりも、強く、智代を感じられた。 | ||
// <0205> なんの飾りもない智代を。 | // <0205> なんの飾りもない智代を。 | ||
<0205> | <0205> なんの飾りもない智代を。 | ||
// <0206> 卑しいまでに。 | // <0206> 卑しいまでに。 | ||
<0206> | <0206> 卑しいまでに。 | ||
// <0207> \{朋也}「あのさ…」 | // <0207> \{朋也}「あのさ…」 | ||
<0207> \{Tomoya} | <0207> \{Tomoya}「あのさ…」 | ||
// <0208> \{智代}「なんだ…」 | // <0208> \{智代}「なんだ…」 | ||
<0208> \{Tomoyo} | <0208> \{Tomoyo}「なんだ…」 | ||
// <0209> \{朋也}「お願いがある」 | // <0209> \{朋也}「お願いがある」 | ||
<0209> \{Tomoya} | <0209> \{Tomoya}「お願いがある」 | ||
// <0210> \{智代}「言うな…」 | // <0210> \{智代}「言うな…」 | ||
<0210> \{Tomoyo} | <0210> \{Tomoyo}「言うな…」 | ||
// <0211> \{朋也}「いや、言う…」 | // <0211> \{朋也}「いや、言う…」 | ||
<0211> \{Tomoya} | <0211> \{Tomoya}「いや、言う…」 | ||
// <0212> \{智代}「きっと、おまえのことだ…変態なことに違いない…」 | // <0212> \{智代}「きっと、おまえのことだ…変態なことに違いない…」 | ||
<0212> \{Tomoyo} | <0212> \{Tomoyo}「きっと、おまえのことだ…変態なことに違いない…」 | ||
// <0213> \{朋也}「だな…」 | // <0213> \{朋也}「だな…」 | ||
<0213> \{Tomoya} | <0213> \{Tomoya}「だな…」 | ||
// <0214> \{智代}「もうこれ以上私を変態の仲間にしないでくれ…」 | // <0214> \{智代}「もうこれ以上私を変態の仲間にしないでくれ…」 | ||
<0214> \{Tomoyo} | <0214> \{Tomoyo}「もうこれ以上私を変態の仲間にしないでくれ…」 | ||
// <0215> \{朋也}「いや、でもどうしてなんだろう…」 | // <0215> \{朋也}「いや、でもどうしてなんだろう…」 | ||
<0215> \{Tomoya} | <0215> \{Tomoya}「いや、でもどうしてなんだろう…」 | ||
// <0216> \{朋也}「他の奴では吐き気がするほど嫌悪すべきことが…」 | // <0216> \{朋也}「他の奴では吐き気がするほど嫌悪すべきことが…」 | ||
<0216> \{Tomoya} | <0216> \{Tomoya}「他の奴では吐き気がするほど嫌悪すべきことが…」 | ||
// <0217> \{朋也}「おまえだとすごく愛おしく感じる…」 | // <0217> \{朋也}「おまえだとすごく愛おしく感じる…」 | ||
<0217> \{Tomoya} | <0217> \{Tomoya}「おまえだとすごく愛おしく感じる…」 | ||
// <0218> \{智代}「そんな変態なことをさせようというのか…」 | // <0218> \{智代}「そんな変態なことをさせようというのか…」 | ||
<0218> \{Tomoyo} | <0218> \{Tomoyo}「そんな変態なことをさせようというのか…」 | ||
// <0219> \{朋也}「ああ…」 | // <0219> \{朋也}「ああ…」 | ||
<0219> \{Tomoya} | <0219> \{Tomoya}「ああ…」 | ||
// <0220> \{朋也}「だから、頼む…」 | // <0220> \{朋也}「だから、頼む…」 | ||
<0220> \{Tomoya} | <0220> \{Tomoya}「だから、頼む…」 | ||
// <0221> \{智代}「言うな…」 | // <0221> \{智代}「言うな…」 | ||
<0221> \{Tomoyo} | <0221> \{Tomoyo}「言うな…」 | ||
// <0222> \{朋也}「おまえの唾を飲んでみたい…」 | // <0222> \{朋也}「おまえの唾を飲んでみたい…」 | ||
<0222> \{Tomoya} | <0222> \{Tomoya}「おまえの唾を飲んでみたい…」 | ||
// <0223> 信じられないというような目で見られる。 | // <0223> 信じられないというような目で見られる。 | ||
<0223> | <0223> 信じられないというような目で見られる。 | ||
// <0224> \{朋也}「なんかおいしそうだから…」 | // <0224> \{朋也}「なんかおいしそうだから…」 | ||
<0224> \{Tomoya} | <0224> \{Tomoya}「なんかおいしそうだから…」 | ||
// <0225> \{智代}「変態だ…ここに変態がいる…」 | // <0225> \{智代}「変態だ…ここに変態がいる…」 | ||
<0225> \{Tomoyo} | <0225> \{Tomoyo}「変態だ…ここに変態がいる…」 | ||
// <0226> \{朋也}「おまえの彼氏だ」 | // <0226> \{朋也}「おまえの彼氏だ」 | ||
<0226> \{Tomoya} | <0226> \{Tomoya}「おまえの彼氏だ」 | ||
// <0227> \{智代}「変態の彼氏だ…」 | // <0227> \{智代}「変態の彼氏だ…」 | ||
<0227> \{Tomoyo} | <0227> \{Tomoyo}「変態の彼氏だ…」 | ||
// <0228> \{朋也}「その彼氏からのお願い…」 | // <0228> \{朋也}「その彼氏からのお願い…」 | ||
<0228> \{Tomoya} | <0228> \{Tomoya}「その彼氏からのお願い…」 | ||
// <0229> \{智代}「………」 | // <0229> \{智代}「………」 | ||
<0229> \{Tomoyo} | <0229> \{Tomoyo}「………」 | ||
// <0230> \{朋也}「お願い…」 | // <0230> \{朋也}「お願い…」 | ||
<0230> \{Tomoya} | <0230> \{Tomoya}「お願い…」 | ||
// <0231> \{智代}「………」 | // <0231> \{智代}「………」 | ||
<0231> \{Tomoyo} | <0231> \{Tomoyo}「………」 | ||
// <0232> \{朋也}「ほら、口の中に溜めて」 | // <0232> \{朋也}「ほら、口の中に溜めて」 | ||
<0232> \{Tomoya} | <0232> \{Tomoya}「ほら、口の中に溜めて」 | ||
// <0233> \{智代}「………」 | // <0233> \{智代}「………」 | ||
<0233> \{Tomoyo} | <0233> \{Tomoyo}「………」 | ||
// <0234> 智代は潤んだ目を閉じる。 | // <0234> 智代は潤んだ目を閉じる。 | ||
<0234> | <0234> 智代は潤んだ目を閉じる。 | ||
// <0235> ………。 | // <0235> ………。 | ||
<0235> | <0235> ………。 | ||
// <0236> しばらくして瞼を開ける。 | // <0236> しばらくして瞼を開ける。 | ||
<0236> | <0236> しばらくして瞼を開ける。 | ||
// <0237> 溜まった、とその目が告げていた。 | // <0237> 溜まった、とその目が告げていた。 | ||
<0237> | <0237> 溜まった、とその目が告げていた。 | ||
// <0238> \{朋也}「もっと」 | // <0238> \{朋也}「もっと」 | ||
<0238> \{Tomoya} | <0238> \{Tomoya}「もっと」 | ||
// <0239> 一瞬頬のあたりが引きつったが、また目を閉じてくれる。 | // <0239> 一瞬頬のあたりが引きつったが、また目を閉じてくれる。 | ||
<0239> | <0239> 一瞬頬のあたりが引きつったが、また目を閉じてくれる。 | ||
// <0240> ………。 | // <0240> ………。 | ||
<0240> | <0240> ………。 | ||
// <0241> ……。 | // <0241> ……。 | ||
<0241> | <0241> ……。 | ||
// <0242> ………。 | // <0242> ………。 | ||
<0242> | <0242> ………。 | ||
// <0243> 目を開く。 | // <0243> 目を開く。 | ||
<0243> | <0243> 目を開く。 | ||
// <0244> \{朋也}「じゃ、おまえが上に」 | // <0244> \{朋也}「じゃ、おまえが上に」 | ||
<0244> \{Tomoya} | <0244> \{Tomoya}「じゃ、おまえが上に」 | ||
// <0245> 体勢を入れ替える。 | // <0245> 体勢を入れ替える。 | ||
<0245> | <0245> 体勢を入れ替える。 | ||
// <0246> 智代が手をついて、仰向けになった俺を見下ろす。 | // <0246> 智代が手をついて、仰向けになった俺を見下ろす。 | ||
<0246> | <0246> 智代が手をついて、仰向けになった俺を見下ろす。 | ||
// <0247> ゆっくりと近づいてくる恥じらいの色に染まった頬。 | // <0247> ゆっくりと近づいてくる恥じらいの色に染まった頬。 | ||
<0247> | <0247> ゆっくりと近づいてくる恥じらいの色に染まった頬。 | ||
// <0248> 唇が合わさる。 | // <0248> 唇が合わさる。 | ||
<0248> | <0248> 唇が合わさる。 | ||
// <0249> 薄く開く。 | // <0249> 薄く開く。 | ||
<0249> | <0249> 薄く開く。 | ||
// <0250> どろりと熱い液体が俺の口内に流れ込んでくる。 | // <0250> どろりと熱い液体が俺の口内に流れ込んでくる。 | ||
<0250> | <0250> どろりと熱い液体が俺の口内に流れ込んでくる。 | ||
// <0251> それは人の唾液だ。 | // <0251> それは人の唾液だ。 | ||
<0251> | <0251> それは人の唾液だ。 | ||
// <0252> なんでそんなものを俺は飲んでいるんだ? | // <0252> なんでそんなものを俺は飲んでいるんだ? | ||
<0252> | <0252> なんでそんなものを俺は飲んでいるんだ? | ||
// <0253> 好きな女の子のだからだ。 | // <0253> 好きな女の子のだからだ。 | ||
<0253> | <0253> 好きな女の子のだからだ。 | ||
// <0254> 好きな女の子のだから、味わいたい。 | // <0254> 好きな女の子のだから、味わいたい。 | ||
<0254> | <0254> 好きな女の子のだから、味わいたい。 | ||
// <0255> 結構な量… | // <0255> 結構な量… | ||
<0255> | <0255> 結構な量… | ||
// <0256> 他人の唾で自分の口が満たされる状況なんてかつてない。 | // <0256> 他人の唾で自分の口が満たされる状況なんてかつてない。 | ||
<0256> | <0256> 他人の唾で自分の口が満たされる状況なんてかつてない。 | ||
// <0257> 他人の温度を持った粘性のある液体。 | // <0257> 他人の温度を持った粘性のある液体。 | ||
<0257> | <0257> 他人の温度を持った粘性のある液体。 | ||
// <0258> 他人の温度のまま、俺はそれを一気に飲み干した。 | // <0258> 他人の温度のまま、俺はそれを一気に飲み干した。 | ||
<0258> | <0258> 他人の温度のまま、俺はそれを一気に飲み干した。 | ||
// <0259> ごくん、喉が鳴る。 | // <0259> ごくん、喉が鳴る。 | ||
<0259> | <0259> ごくん、喉が鳴る。 | ||
// <0260> \{朋也}「はぁ…」 | // <0260> \{朋也}「はぁ…」 | ||
<0260> \{Tomoya} | <0260> \{Tomoya}「はぁ…」 | ||
// <0261> 口を離し、息をつく。 | // <0261> 口を離し、息をつく。 | ||
<0261> | <0261> 口を離し、息をつく。 | ||
// <0262> きっと今の息の匂いは、智代の息の匂いと同じだ。 | // <0262> きっと今の息の匂いは、智代の息の匂いと同じだ。 | ||
<0262> | <0262> きっと今の息の匂いは、智代の息の匂いと同じだ。 | ||
// <0263> 智代は涙ぐんだ目で俺の顔をじっと見ていた。 | // <0263> 智代は涙ぐんだ目で俺の顔をじっと見ていた。 | ||
<0263> | <0263> 智代は涙ぐんだ目で俺の顔をじっと見ていた。 | ||
// <0264> \{智代}「………」 | // <0264> \{智代}「………」 | ||
<0264> \{Tomoyo} | <0264> \{Tomoyo}「………」 | ||
// <0265> \{朋也}「おいしかった」 | // <0265> \{朋也}「おいしかった」 | ||
<0265> \{Tomoya} | <0265> \{Tomoya}「おいしかった」 | ||
// <0266> \{智代}「変態…」 | // <0266> \{智代}「変態…」 | ||
<0266> \{Tomoyo} | <0266> \{Tomoyo}「変態…」 | ||
// <0267> すねたようにそっぽを向いた。 | // <0267> すねたようにそっぽを向いた。 | ||
<0267> | <0267> すねたようにそっぽを向いた。 | ||
// <0268> その仕草が可愛くて仕方がない。 | // <0268> その仕草が可愛くて仕方がない。 | ||
<0268> | <0268> その仕草が可愛くて仕方がない。 | ||
// <0269> こういう時の智代はどんな女の子よりも女の子らしい。 | // <0269> こういう時の智代はどんな女の子よりも女の子らしい。 | ||
<0269> | <0269> こういう時の智代はどんな女の子よりも女の子らしい。 | ||
// <0270> 本当に俺の彼女でよかった。 | // <0270> 本当に俺の彼女でよかった。 | ||
<0270> | <0270> 本当に俺の彼女でよかった。 | ||
// <0271> そう思う。 | // <0271> そう思う。 | ||
<0271> | <0271> そう思う。 | ||
// <0272> 再びキスをしようと、智代の首筋に手を這わせる。 | // <0272> 再びキスをしようと、智代の首筋に手を這わせる。 | ||
<0272> | <0272> 再びキスをしようと、智代の首筋に手を這わせる。 | ||
// <0273> と…その顔色が変わった。 | // <0273> と…その顔色が変わった。 | ||
<0273> | <0273> と…その顔色が変わった。 | ||
// <0274> 何かを視線の先に見つけたようだ。 | // <0274> 何かを視線の先に見つけたようだ。 | ||
<0274> | <0274> 何かを視線の先に見つけたようだ。 | ||
// <0275> どんっ! | // <0275> どんっ! | ||
<0275> | <0275> どんっ! | ||
// <0276> ものすごい勢いで胸を突かれて、上体を起こされる。 | // <0276> ものすごい勢いで胸を突かれて、上体を起こされる。 | ||
<0276> | <0276> ものすごい勢いで胸を突かれて、上体を起こされる。 | ||
// <0277> そして、智代は俺に背中を向けると、正座をしてうつむく。 | // <0277> そして、智代は俺に背中を向けると、正座をしてうつむく。 | ||
<0277> | <0277> そして、智代は俺に背中を向けると、正座をしてうつむく。 | ||
// <0278> \{朋也}「…どうした?」 | // <0278> \{朋也}「…どうした?」 | ||
<0278> \{Tomoya} | <0278> \{Tomoya}「…どうした?」 | ||
// <0279> \{智代}「………」 | // <0279> \{智代}「………」 | ||
<0279> \{Tomoyo} | <0279> \{Tomoyo}「………」 | ||
// <0280> 答えない。 | // <0280> 答えない。 | ||
<0280> | <0280> 答えない。 | ||
// <0281> \{声}「ごめんっ!」 | // <0281> \{声}「ごめんっ!」 | ||
<0281> \{Voice} | <0281> \{Voice}「ごめんっ!」 | ||
// <0282> 代わりに戸口のほうから声。 | // <0282> 代わりに戸口のほうから声。 | ||
<0282> | <0282> 代わりに戸口のほうから声。 | ||
// <0283> 見ると、台所の窓が少し開かれていて、その向こうに人影。 | // <0283> 見ると、台所の窓が少し開かれていて、その向こうに人影。 | ||
<0283> | <0283> 見ると、台所の窓が少し開かれていて、その向こうに人影。 | ||
// <0284> それが動いて、戸口が開く。 | // <0284> それが動いて、戸口が開く。 | ||
<0284> | <0284> それが動いて、戸口が開く。 | ||
// <0285> 現れたのは… | // <0285> 現れたのは… | ||
<0285> | <0285> 現れたのは… | ||
// <0286> \{鷹文}「覗いてたんじゃないよ、窓、開いてたんだよ」 | // <0286> \{鷹文}「覗いてたんじゃないよ、窓、開いてたんだよ」 | ||
<0286> \{Takafumi} | <0286> \{Takafumi}「覗いてたんじゃないよ、窓、開いてたんだよ」 | ||
// <0287> 智代の弟、鷹文。 | // <0287> 智代の弟、鷹文。 | ||
<0287> | <0287> 智代の弟、鷹文。 | ||
// <0288> \{鷹文}「あがっていい?」 | // <0288> \{鷹文}「あがっていい?」 | ||
<0288> \{Takafumi} | <0288> \{Takafumi}「あがっていい?」 | ||
// <0289> \{朋也}「ん? ああ、どうぞ」 | // <0289> \{朋也}「ん? ああ、どうぞ」 | ||
<0289> \{Tomoya} | <0289> \{Tomoya}「ん? ああ、どうぞ」 | ||
// <0290> 鷹文は靴を脱いであがってくると、テーブルの上に買い物袋を置いた。 | // <0290> 鷹文は靴を脱いであがってくると、テーブルの上に買い物袋を置いた。 | ||
<0290> | <0290> 鷹文は靴を脱いであがってくると、テーブルの上に買い物袋を置いた。 | ||
// <0291> \{鷹文}「はい、差し入れ」 | // <0291> \{鷹文}「はい、差し入れ」 | ||
<0291> \{Takafumi} | <0291> \{Takafumi}「はい、差し入れ」 | ||
// <0292> \{朋也}「そういうの気にしなくていいぞ」 | // <0292> \{朋也}「そういうの気にしなくていいぞ」 | ||
<0292> \{Tomoya} | <0292> \{Tomoya}「そういうの気にしなくていいぞ」 | ||
// <0293> \{鷹文}「手ぶらじゃ悪いからね」 | // <0293> \{鷹文}「手ぶらじゃ悪いからね」 | ||
<0293> \{Takafumi} | <0293> \{Takafumi}「手ぶらじゃ悪いからね」 | ||
// <0294> \{鷹文}「単なるお邪魔虫になるじゃん?」 | // <0294> \{鷹文}「単なるお邪魔虫になるじゃん?」 | ||
<0294> \{Takafumi} | <0294> \{Takafumi}「単なるお邪魔虫になるじゃん?」 | ||
// <0295> \{朋也}「そりゃ、確かに」 | // <0295> \{朋也}「そりゃ、確かに」 | ||
<0295> \{Tomoya} | <0295> \{Tomoya}「そりゃ、確かに」 | ||
// <0296> \{鷹文}「あ、言うねぇ、にぃちゃん」 | // <0296> \{鷹文}「あ、言うねぇ、にぃちゃん」 | ||
<0296> \{Takafumi} | <0296> \{Takafumi}「あ、言うねぇ、にぃちゃん」 | ||
// <0297> \{朋也}「実際邪魔されたんだし」 | // <0297> \{朋也}「実際邪魔されたんだし」 | ||
<0297> \{Tomoya} | <0297> \{Tomoya}「実際邪魔されたんだし」 | ||
// <0298> \{鷹文}「だからそれはごめんっ、て謝ったじゃん」 | // <0298> \{鷹文}「だからそれはごめんっ、て謝ったじゃん」 | ||
<0298> \{Takafumi} | <0298> \{Takafumi}「だからそれはごめんっ、て謝ったじゃん」 | ||
// <0299> \{鷹文}「座っていい?」 | // <0299> \{鷹文}「座っていい?」 | ||
<0299> \{Takafumi} | <0299> \{Takafumi}「座っていい?」 | ||
// <0300> \{朋也}「どうぞ」 | // <0300> \{朋也}「どうぞ」 | ||
<0300> \{Tomoya} | <0300> \{Tomoya}「どうぞ」 | ||
// <0301> 俺と智代の間に腰を落ち着ける。 | // <0301> 俺と智代の間に腰を落ち着ける。 | ||
<0301> | <0301> 俺と智代の間に腰を落ち着ける。 | ||
// <0302> 智代は背中を向けたまま沈黙を守っている。 | // <0302> 智代は背中を向けたまま沈黙を守っている。 | ||
<0302> | <0302> 智代は背中を向けたまま沈黙を守っている。 | ||
// <0303> \{鷹文}「でも、びっくりしたよ」 | // <0303> \{鷹文}「でも、びっくりしたよ」 | ||
<0303> \{Takafumi} | <0303> \{Takafumi}「でも、びっくりしたよ」 | ||
// <0304> \{朋也}「何が?」 | // <0304> \{朋也}「何が?」 | ||
<0304> \{Tomoya} | <0304> \{Tomoya}「何が?」 | ||
// <0305> \{鷹文}「ふたりだとあんなことしてるんだね」 | // <0305> \{鷹文}「ふたりだとあんなことしてるんだね」 | ||
<0305> \{Takafumi} | <0305> \{Takafumi}「ふたりだとあんなことしてるんだね」 | ||
// <0306> 背中を向けたままの智代が、後ろに座る鷹文の腕をぽかぽかと叩き始める。 | // <0306> 背中を向けたままの智代が、後ろに座る鷹文の腕をぽかぽかと叩き始める。 | ||
<0306> | <0306> 背中を向けたままの智代が、後ろに座る鷹文の腕をぽかぽかと叩き始める。 | ||
// <0307> \{朋也}「いや、まあ、普通だろ」 | // <0307> \{朋也}「いや、まあ、普通だろ」 | ||
<0307> \{Tomoya} | <0307> \{Tomoya}「いや、まあ、普通だろ」 | ||
// <0308> ぽかぽか。 | // <0308> ぽかぽか。 | ||
<0308> | <0308> ぽかぽか。 | ||
// <0309> \{鷹文}「うーん…普通なのか…」 | // <0309> \{鷹文}「うーん…普通なのか…」 | ||
<0309> \{Takafumi} | <0309> \{Takafumi}「うーん…普通なのか…」 | ||
// <0310> ぽかぽか。 | // <0310> ぽかぽか。 | ||
<0310> | <0310> ぽかぽか。 | ||
// <0311> \{鷹文}「そんなに…ねぇちゃんのっていい匂いなの?」 | // <0311> \{鷹文}「そんなに…ねぇちゃんのっていい匂いなの?」 | ||
<0311> \{Takafumi} | <0311> \{Takafumi}「そんなに…ねぇちゃんのっていい匂いなの?」 | ||
// <0312> ぽかぽか。 | // <0312> ぽかぽか。 | ||
<0312> | <0312> ぽかぽか。 | ||
// <0313> \{智代}「帰れ、おまえなんて帰ってしまえ」 | // <0313> \{智代}「帰れ、おまえなんて帰ってしまえ」 | ||
<0313> \{Tomoyo} | <0313> \{Tomoyo}「帰れ、おまえなんて帰ってしまえ」 | ||
// <0314> 叩きながら、恨み言のように呟く。 | // <0314> 叩きながら、恨み言のように呟く。 | ||
<0314> | <0314> 叩きながら、恨み言のように呟く。 | ||
// <0315> \{鷹文}「痛いよ、ねぇちゃん」 | // <0315> \{鷹文}「痛いよ、ねぇちゃん」 | ||
<0315> \{Takafumi} | <0315> \{Takafumi}「痛いよ、ねぇちゃん」 | ||
// <0316> \{鷹文}「でも、それをかがせるねぇちゃんも、すごいよね…」 | // <0316> \{鷹文}「でも、それをかがせるねぇちゃんも、すごいよね…」 | ||
<0316> \{Takafumi} | <0316> \{Takafumi}「でも、それをかがせるねぇちゃんも、すごいよね…」 | ||
// <0317> \{鷹文}「そんなに…ねぇちゃんのっておいしいの?」 | // <0317> \{鷹文}「そんなに…ねぇちゃんのっておいしいの?」 | ||
<0317> \{Takafumi} | <0317> \{Takafumi}「そんなに…ねぇちゃんのっておいしいの?」 | ||
// <0318> ぽかぽか。 | // <0318> ぽかぽか。 | ||
<0318> | <0318> ぽかぽか。 | ||
// <0319> \{智代}「帰れ、おまえなんて帰ってしまえ」 | // <0319> \{智代}「帰れ、おまえなんて帰ってしまえ」 | ||
<0319> \{Tomoyo} | <0319> \{Tomoyo}「帰れ、おまえなんて帰ってしまえ」 | ||
// <0320> 叩きながら、恨み言のように呟く。 | // <0320> 叩きながら、恨み言のように呟く。 | ||
<0320> | <0320> 叩きながら、恨み言のように呟く。 | ||
// <0321> \{鷹文}「痛いよ、ねぇちゃん」 | // <0321> \{鷹文}「痛いよ、ねぇちゃん」 | ||
<0321> \{Takafumi} | <0321> \{Takafumi}「痛いよ、ねぇちゃん」 | ||
// <0322> \{鷹文}「でも、それをあげるねぇちゃんも、すごいよね…」 | // <0322> \{鷹文}「でも、それをあげるねぇちゃんも、すごいよね…」 | ||
<0322> \{Takafumi} | <0322> \{Takafumi}「でも、それをあげるねぇちゃんも、すごいよね…」 | ||
// <0323> \{智代}「帰れ、二度とくるな」 | // <0323> \{智代}「帰れ、二度とくるな」 | ||
<0323> \{Tomoyo} | <0323> \{Tomoyo}「帰れ、二度とくるな」 | ||
// <0324> ぽかぽか。 | // <0324> ぽかぽか。 | ||
<0324> | <0324> ぽかぽか。 | ||
// <0325> \{鷹文}「でもこんな可愛げのあるところを見られるんだから、にぃちゃんはやっぱすごいよ」 | // <0325> \{鷹文}「でもこんな可愛げのあるところを見られるんだから、にぃちゃんはやっぱすごいよ」 | ||
<0325> \{Takafumi} | <0325> \{Takafumi}「でもこんな可愛げのあるところを見られるんだから、にぃちゃんはやっぱすごいよ」 | ||
// <0326> \{鷹文}「うちでは、女の子らしいところなんてみじんも見せないくせにさ」 | // <0326> \{鷹文}「うちでは、女の子らしいところなんてみじんも見せないくせにさ」 | ||
<0326> \{Takafumi} | <0326> \{Takafumi}「うちでは、女の子らしいところなんてみじんも見せないくせにさ」 | ||
// <0327> ぽかぽか。 | // <0327> ぽかぽか。 | ||
<0327> | <0327> ぽかぽか。 | ||
// <0328> 鷹文の差し入れからせんべいの袋を見つけ、その封を開ける。 | // <0328> 鷹文の差し入れからせんべいの袋を見つけ、その封を開ける。 | ||
<0328> | <0328> 鷹文の差し入れからせんべいの袋を見つけ、その封を開ける。 | ||
// <0329> \{朋也}「おまえにもわかる日がくる」 | // <0329> \{朋也}「おまえにもわかる日がくる」 | ||
<0329> \{Tomoya} | <0329> \{Tomoya}「おまえにもわかる日がくる」 | ||
// <0330> \{朋也}「愛だよ、愛」 | // <0330> \{朋也}「愛だよ、愛」 | ||
<0330> \{Tomoya} | <0330> \{Tomoya}「愛だよ、愛」 | ||
// <0331> ぱきっ…ぼりぼり。 | // <0331> ぱきっ…ぼりぼり。 | ||
<0331> | <0331> ぱきっ…ぼりぼり。 | ||
// <0332> せんべいを食べながら、野球中継の続きを見る。 | // <0332> せんべいを食べながら、野球中継の続きを見る。 | ||
<0332> | <0332> せんべいを食べながら、野球中継の続きを見る。 | ||
// <0333> ぽかぽか。 | // <0333> ぽかぽか。 | ||
<0333> | <0333> ぽかぽか。 | ||
// <0334> \{鷹文}「だから痛いって、ねぇちゃん」 | // <0334> \{鷹文}「だから痛いって、ねぇちゃん」 | ||
<0334> \{Takafumi} | <0334> \{Takafumi}「だから痛いって、ねぇちゃん」 | ||
// <0335> \{智代}「帰れ、帰れ」 | // <0335> \{智代}「帰れ、帰れ」 | ||
<0335> \{Tomoyo} | <0335> \{Tomoyo}「帰れ、帰れ」 | ||
// <0336> 隣では、延々と鷹文が姉に叩かれていた。 | // <0336> 隣では、延々と鷹文が姉に叩かれていた。 | ||
<0336> | <0336> 隣では、延々と鷹文が姉に叩かれていた。 | ||
// <0337> そんな風景の中にいる自分を見て思う。 | // <0337> そんな風景の中にいる自分を見て思う。 | ||
<0337> | <0337> そんな風景の中にいる自分を見て思う。 | ||
// <0338> まるで、慎ましく暮らす家族の中にいるようだと。 | // <0338> まるで、慎ましく暮らす家族の中にいるようだと。 | ||
<0338> | <0338> まるで、慎ましく暮らす家族の中にいるようだと。 | ||
// <0339> 高校を卒業し、春から俺は働き始めていた。 | // <0339> 高校を卒業し、春から俺は働き始めていた。 | ||
<0339> | <0339> 高校を卒業し、春から俺は働き始めていた。 | ||
// <0340> 学校の就職案内で見つけた廃品回収会社。 | // <0340> 学校の就職案内で見つけた廃品回収会社。 | ||
<0340> | <0340> 学校の就職案内で見つけた廃品回収会社。 | ||
// <0341> 色んな場所で廃品や故障したものを集めて修理する仕事だ。 | // <0341> 色んな場所で廃品や故障したものを集めて修理する仕事だ。 | ||
<0341> | <0341> 色んな場所で廃品や故障したものを集めて修理する仕事だ。 | ||
// <0342> 直しては、リサイクル店や中古業者に売り、生計を立てている。 | // <0342> 直しては、リサイクル店や中古業者に売り、生計を立てている。 | ||
<0342> | <0342> 直しては、リサイクル店や中古業者に売り、生計を立てている。 | ||
// <0343> 会社は小さく、親方がひとりいるだけ。 | // <0343> 会社は小さく、親方がひとりいるだけ。 | ||
<0343> | <0343> 会社は小さく、親方がひとりいるだけ。 | ||
// <0344> 車がなくては話にならない、と免許も取った。 | // <0344> 車がなくては話にならない、と免許も取った。 | ||
<0344> | <0344> 車がなくては話にならない、と免許も取った。 | ||
// <0345> 軽トラで町中を走り回り、集めてきた廃品を修理する。 | // <0345> 軽トラで町中を走り回り、集めてきた廃品を修理する。 | ||
<0345> | <0345> 軽トラで町中を走り回り、集めてきた廃品を修理する。 | ||
// <0346> 親方は、基本的には何も教えてくれない。 | // <0346> 親方は、基本的には何も教えてくれない。 | ||
<0346> | <0346> 親方は、基本的には何も教えてくれない。 | ||
// <0347> ただ、こうやるんだ、と言わんばかりに見せてくれる。 | // <0347> ただ、こうやるんだ、と言わんばかりに見せてくれる。 | ||
<0347> | <0347> ただ、こうやるんだ、と言わんばかりに見せてくれる。 | ||
// <0348> 俺はそれを見様見真似で試し、覚えていった。 | // <0348> 俺はそれを見様見真似で試し、覚えていった。 | ||
<0348> | <0348> 俺はそれを見様見真似で試し、覚えていった。 | ||
// <0349> 扱うものは、車、バイクから家電製品、パソコンなんかもある。 | // <0349> 扱うものは、車、バイクから家電製品、パソコンなんかもある。 | ||
<0349> | <0349> 扱うものは、車、バイクから家電製品、パソコンなんかもある。 | ||
// <0350> 修理するものもあれば、パーツ取りだけに使うものもあった。 | // <0350> 修理するものもあれば、パーツ取りだけに使うものもあった。 | ||
<0350> | <0350> 修理するものもあれば、パーツ取りだけに使うものもあった。 | ||
// <0351> 役割として親方から命じられたのは、家電の修理だった。 | // <0351> 役割として親方から命じられたのは、家電の修理だった。 | ||
<0351> | <0351> 役割として親方から命じられたのは、家電の修理だった。 | ||
// <0352> 回路図の読み方と書き方。 | // <0352> 回路図の読み方と書き方。 | ||
<0352> | <0352> 回路図の読み方と書き方。 | ||
// <0353> 電流の流れとケーブルやラインの種類。 | // <0353> 電流の流れとケーブルやラインの種類。 | ||
<0353> | <0353> 電流の流れとケーブルやラインの種類。 | ||
// <0354> コンデンサのチェックを行うオシロスコープの使い方。 | // <0354> コンデンサのチェックを行うオシロスコープの使い方。 | ||
<0354> | <0354> コンデンサのチェックを行うオシロスコープの使い方。 | ||
// <0355> 半田ごてで基板の断線を修理する方法。 | // <0355> 半田ごてで基板の断線を修理する方法。 | ||
<0355> | <0355> 半田ごてで基板の断線を修理する方法。 | ||
// <0356> 何もかもが初めての経験だ。 | // <0356> 何もかもが初めての経験だ。 | ||
<0356> | <0356> 何もかもが初めての経験だ。 | ||
// <0357> 俺が最初にひとりで修理できたのは掃除機だった。 | // <0357> 俺が最初にひとりで修理できたのは掃除機だった。 | ||
<0357> | <0357> 俺が最初にひとりで修理できたのは掃除機だった。 | ||
// <0358> 動くがまったく吸わないもので、親方が、これならできるだろ、と俺に命じたものだ。 | // <0358> 動くがまったく吸わないもので、親方が、これならできるだろ、と俺に命じたものだ。 | ||
<0358> | <0358> 動くがまったく吸わないもので、親方が、これならできるだろ、と俺に命じたものだ。 | ||
// <0359> 慎重に分解し、目詰まりしていたフィルターや埃にまみれていたモーターを掃除する。 | // <0359> 慎重に分解し、目詰まりしていたフィルターや埃にまみれていたモーターを掃除する。 | ||
<0359> | <0359> 慎重に分解し、目詰まりしていたフィルターや埃にまみれていたモーターを掃除する。 | ||
// <0360> 全ての部品を組み合わせ、スイッチを入れるとまるで新品のように動き出した。 | // <0360> 全ての部品を組み合わせ、スイッチを入れるとまるで新品のように動き出した。 | ||
<0360> | <0360> 全ての部品を組み合わせ、スイッチを入れるとまるで新品のように動き出した。 | ||
// <0361> そんなに古くもなく程度の良いものだったが、親方はそれを売らなかった。 | // <0361> そんなに古くもなく程度の良いものだったが、親方はそれを売らなかった。 | ||
<0361> | <0361> そんなに古くもなく程度の良いものだったが、親方はそれを売らなかった。 | ||
// <0362> 俺に、記念だ、持って帰れ、と言った。 | // <0362> 俺に、記念だ、持って帰れ、と言った。 | ||
<0362> | <0362> 俺に、記念だ、持って帰れ、と言った。 | ||
// <0363> 今は自室の押入れに仕舞っている。 | // <0363> 今は自室の押入れに仕舞っている。 | ||
<0363> | <0363> 今は自室の押入れに仕舞っている。 | ||
// <0364> 時々、智代が掃除するのに使っていた。 | // <0364> 時々、智代が掃除するのに使っていた。 | ||
<0364> | <0364> 時々、智代が掃除するのに使っていた。 | ||
// <0365> 俺が一人暮らしをしているこの部屋で。 | // <0365> 俺が一人暮らしをしているこの部屋で。 | ||
<0365> | <0365> 俺が一人暮らしをしているこの部屋で。 | ||
// <0366> 一人暮らしは就職と同時だった。 | // <0366> 一人暮らしは就職と同時だった。 | ||
<0366> | <0366> 一人暮らしは就職と同時だった。 | ||
// <0367> 最初は何もかもが大変だった。 | // <0367> 最初は何もかもが大変だった。 | ||
<0367> | <0367> 最初は何もかもが大変だった。 | ||
// <0368> 仕事で疲れ果てて帰ってくる俺は、食べるものもロクに用意できなかった。 | // <0368> 仕事で疲れ果てて帰ってくる俺は、食べるものもロクに用意できなかった。 | ||
<0368> | <0368> 仕事で疲れ果てて帰ってくる俺は、食べるものもロクに用意できなかった。 | ||
// <0369> 智代が毎日のように駆けつけて助けてくれた。 | // <0369> 智代が毎日のように駆けつけて助けてくれた。 | ||
<0369> | <0369> 智代が毎日のように駆けつけて助けてくれた。 | ||
// <0370> 仕事にも慣れてきた頃、自炊も教わって、ひとりでご飯の支度もできるようになった。 | // <0370> 仕事にも慣れてきた頃、自炊も教わって、ひとりでご飯の支度もできるようになった。 | ||
<0370> | <0370> 仕事にも慣れてきた頃、自炊も教わって、ひとりでご飯の支度もできるようになった。 | ||
// <0371> そうして仕事も、一人暮らしも、いつしかすべてが順調に進みはじめた。 | // <0371> そうして仕事も、一人暮らしも、いつしかすべてが順調に進みはじめた。 | ||
<0371> | <0371> そうして仕事も、一人暮らしも、いつしかすべてが順調に進みはじめた。 | ||
// <0372> 智代のおかげだ。 | // <0372> 智代のおかげだ。 | ||
<0372> | <0372> 智代のおかげだ。 | ||
// <0373> 智代がいなければ、すべて投げ出していた。 | // <0373> 智代がいなければ、すべて投げ出していた。 | ||
<0373> | <0373> 智代がいなければ、すべて投げ出していた。 | ||
// <0374> 感謝した。 | // <0374> 感謝した。 | ||
<0374> | <0374> 感謝した。 | ||
// <0375> もしいるなら、彼女を俺のために残しておいてくれた神様にも。 | // <0375> もしいるなら、彼女を俺のために残しておいてくれた神様にも。 | ||
<0375> | <0375> もしいるなら、彼女を俺のために残しておいてくれた神様にも。 | ||
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Revision as of 00:11, 8 June 2009
Text
// Resources for SEEN0628.TXT // #character '朋也' #character 'Tomoya' // #character '智代' #character 'Tomoyo' // #character '声' #character 'Voice' // #character '鷹文' #character 'Takafumi' // <0000> 6月28日(月) <0000> June 28th (Mon) // <0001> \{朋也}「やっと、ひとりで回らせてもらえるようになったよ」 <0001> \{Tomoya}「やっと、ひとりで回らせてもらえるようになったよ」 // <0002> \{朋也}「ある意味、ひとり立ちかな」 <0002> \{Tomoya}「ある意味、ひとり立ちかな」 // <0003> 俺は子供のように、自慢してしまっていた。 <0003> 俺は子供のように、自慢してしまっていた。 // <0004> \{智代}「じゃあ、今日はひとり立ち祝いか」 <0004> \{Tomoyo}「じゃあ、今日はひとり立ち祝いか」 // <0005> \{朋也}「そんな大げさなものじゃないよ」 <0005> \{Tomoya}「そんな大げさなものじゃないよ」 // <0006> \{智代}「いいじゃないか。記念となる日を増やしていこう」 <0006> \{Tomoyo}「いいじゃないか。記念となる日を増やしていこう」 // <0007> \{智代}「それはぜんぶ私たちがふたりで過ごしてきた記念だ」 <0007> \{Tomoyo}「それはぜんぶ私たちがふたりで過ごしてきた記念だ」 // <0008> \{智代}「後でカレンダーのところに、朋也がひとり立ちした日と書いておこう」 <0008> \{Tomoyo}「後でカレンダーのところに、朋也がひとり立ちした日と書いておこう」 // <0009> 俺の意見はお構いなしに話を進めて、そしてひとりで笑っている。 <0009> 俺の意見はお構いなしに話を進めて、そしてひとりで笑っている。 // <0010> それは実に女の子らしい姿だった。 <0010> それは実に女の子らしい姿だった。 // <0011> \{朋也}「でも祝うにも、何もない」 <0011> \{Tomoya}「でも祝うにも、何もない」 // <0012> \{智代}「私の手料理があるじゃないか」 <0012> \{Tomoyo}「私の手料理があるじゃないか」 // <0013> テーブルに並べられた皿を手でなぞる。 <0013> テーブルに並べられた皿を手でなぞる。 // <0014> \{朋也}「いつもある」 <0014> \{Tomoya}「いつもある」 // <0015> \{智代}「うん、いつもあるな」 <0015> \{Tomoyo}「うん、いつもあるな」 // <0016> \{智代}「でも、夕飯は週末だけだ」 <0016> \{Tomoyo}「でも、夕飯は週末だけだ」 // <0017> 日曜から木曜の平日は、智代は実家で家族と食べている。こうして食卓を挟めるのは週末だけだった。 <0017> 日曜から木曜の平日は、智代は実家で家族と食べている。こうして食卓を挟めるのは週末だけだった。 // <0018> \{智代}「それでは不満か?」 <0018> \{Tomoyo}「それでは不満か?」 // <0019> \{朋也}「いや…」 <0019> \{Tomoya}「いや…」 // <0020> \{朋也}「贅沢すぎるよ」 <0020> \{Tomoya}「贅沢すぎるよ」 // <0021> 朝には、お弁当も渡してくれる。 <0021> 朝には、お弁当も渡してくれる。 // <0022> \{智代}「だろう。ここまで尽くす彼女はそうそういないぞ。誇りに思え」 <0022> \{Tomoyo}「だろう。ここまで尽くす彼女はそうそういないぞ。誇りに思え」 // <0023> \{智代}「しかもまだ学生だ。学業と平行させてだ」 <0023> \{Tomoyo}「しかもまだ学生だ。学業と平行させてだ」 // <0024> \{智代}「それでも成績は落とさない。これはなかなかできることじゃないぞ」 <0024> \{Tomoyo}「それでも成績は落とさない。これはなかなかできることじゃないぞ」 // <0025> \{智代}「自分で言っておいてなんだがな」 <0025> \{Tomoyo}「自分で言っておいてなんだがな」 // <0026> それは俺もすごいと思っていた。 <0026> それは俺もすごいと思っていた。 // <0027> そしてそれは智代の意地だと思った。 <0027> そしてそれは智代の意地だと思った。 // <0028> もう二度と過ちを繰り返さない。 <0028> もう二度と過ちを繰り返さない。 // <0029> 自制心を持って。 <0029> 自制心を持って。 // <0030> \{智代}「では、冷めないうちに頂こう」 <0030> \{Tomoyo}「では、冷めないうちに頂こう」 // <0031> \{智代}「おめでとう、というのもヘンだからな」 <0031> \{Tomoyo}「おめでとう、というのもヘンだからな」 // <0032> \{智代}「これからも頑張ってくれ。きついだろうけどな」 <0032> \{Tomoyo}「これからも頑張ってくれ。きついだろうけどな」 // <0033> \{朋也}「そうでもない。おまえがいてくれたら」 <0033> \{Tomoya}「そうでもない。おまえがいてくれたら」 // <0034> \{智代}「そうか。うん、そう言ってもらえるとうれしい」 <0034> \{Tomoyo}「そうか。うん、そう言ってもらえるとうれしい」 // <0035> \{智代}「私も朋也がいてくれたらなんだって平気だ」 <0035> \{Tomoyo}「私も朋也がいてくれたらなんだって平気だ」 // <0036> そんなふうにお互いの思いを口にして確かめる。いつもならそのまま、その口でお互いの口を塞ぎ合うのだが… <0036> そんなふうにお互いの思いを口にして確かめる。いつもならそのまま、その口でお互いの口を塞ぎ合うのだが… // <0037> 智代もそれがもどかしいのか、目を伏せて、ふたりの間に立ちふさがるテーブルを見ていた。 <0037> 智代もそれがもどかしいのか、目を伏せて、ふたりの間に立ちふさがるテーブルを見ていた。 // <0038> 代わりに俺はお茶の入ったグラスを持ち上げる。 <0038> 代わりに俺はお茶の入ったグラスを持ち上げる。 // <0039> \{朋也}「乾杯しよう」 <0039> \{Tomoya}「乾杯しよう」 // <0040> \{智代}「うん…」 <0040> \{Tomoyo}「うん…」 // <0041> \{朋也}「乾杯」 <0041> \{Tomoya}「乾杯」 // <0042> 言って、ふたつのグラスを合わせた。 <0042> 言って、ふたつのグラスを合わせた。 // <0043> そして、日々うまくなっていく、智代の手料理を食べた。 <0043> そして、日々うまくなっていく、智代の手料理を食べた。 // <0044> ふたりで洗い物をして、ふたりでテレビを見る。 <0044> ふたりで洗い物をして、ふたりでテレビを見る。 // <0045> ブラウン管には、野球中継が映し出されていた。 <0045> ブラウン管には、野球中継が映し出されていた。 // <0046> \{智代}「朋也は野球が好きなんだな」 <0046> \{Tomoyo}「朋也は野球が好きなんだな」 // <0047> \{朋也}「スポーツなら大体は好きだよ」 <0047> \{Tomoya}「スポーツなら大体は好きだよ」 // <0048> \{智代}「そうか…朋也はスポーツ少年だったんだな」 <0048> \{Tomoyo}「そうか…朋也はスポーツ少年だったんだな」 // <0049> \{朋也}「それ以外取り柄なんてなかったからな」 <0049> \{Tomoya}「それ以外取り柄なんてなかったからな」 // <0050> \{智代}「………」 <0050> \{Tomoyo}「………」 // <0051> \{朋也}「今じゃ、それもしてなくて、取り柄もないけどさ」 <0051> \{Tomoya}「今じゃ、それもしてなくて、取り柄もないけどさ」 // <0052> \{智代}「そんなこと言うな」 <0052> \{Tomoyo}「そんなこと言うな」 // <0053> \{智代}「取り柄がないことなんてない」 <0053> \{Tomoyo}「取り柄がないことなんてない」 // <0054> \{智代}「おまえは私を幸せにできる」 <0054> \{Tomoyo}「おまえは私を幸せにできる」 // <0055> \{智代}「それが取り柄だ」 <0055> \{Tomoyo}「それが取り柄だ」 // <0056> ふたりを隔てるものは今はもう何もない。 <0056> ふたりを隔てるものは今はもう何もない。 // <0057> 体を傾けて、キスをした。 <0057> 体を傾けて、キスをした。 // <0058> しばらくしてから離して、顎を引いて口を開けさせる。 <0058> しばらくしてから離して、顎を引いて口を開けさせる。 // <0059> \{智代}「ちょっと待て…」 <0059> \{Tomoyo}「ちょっと待て…」 // <0060> 智代は身を引いて、そして両手で自分の口を覆った。 <0060> 智代は身を引いて、そして両手で自分の口を覆った。 // <0061> また息の匂いを確かめているようだ。 <0061> また息の匂いを確かめているようだ。 // <0062> \{朋也}「おまえは気にしすぎだ」 <0062> \{Tomoya}「おまえは気にしすぎだ」 // <0063> 俺はそのまま智代の体に覆い被さり、押し倒す。 <0063> 俺はそのまま智代の体に覆い被さり、押し倒す。 // <0064> \{智代}「デリカシーがない女は嫌なんだ」 <0064> \{Tomoyo}「デリカシーがない女は嫌なんだ」 // <0065> 仰向けのまま俺を睨む。 <0065> 仰向けのまま俺を睨む。 // <0066> \{智代}「それにおまえは…リップクリームとか…口臭剤のたぐいを使うのを嫌うからな…」 <0066> \{Tomoyo}「それにおまえは…リップクリームとか…口臭剤のたぐいを使うのを嫌うからな…」 // <0067> \{朋也}「無理にとは言わない。でも俺は、そのままのおまえがいいんだ」 <0067> \{Tomoya}「無理にとは言わない。でも俺は、そのままのおまえがいいんだ」 // <0068> 智代の腕をつかむ。そして口を寄せていく。 <0068> 智代の腕をつかむ。そして口を寄せていく。 // <0069> \{智代}「ああ…わかってる…だから使わない…」 <0069> \{Tomoyo}「ああ…わかってる…だから使わない…」 // <0070> 距離を縮めていく。智代が喋るたび、息がかかる。それさえ愛おしい。 <0070> 距離を縮めていく。智代が喋るたび、息がかかる。それさえ愛おしい。 // <0071> \{智代}「けど、私も女の子なんだ。気は遣わせてく…」 <0071> \{Tomoyo}「けど、私も女の子なんだ。気は遣わせてく…」 // <0072> その口を閉ざす。 <0072> その口を閉ざす。 // <0073> 舌を差し出す。歯に触れたところで、智代はそれを開いて中に通してくれる。 <0073> 舌を差し出す。歯に触れたところで、智代はそれを開いて中に通してくれる。 // <0074> その先で熱く濡れた舌が待っていてくれた。 <0074> その先で熱く濡れた舌が待っていてくれた。 // <0075> その舌の腹のあたりに自分の舌を擦りつける。執拗にその部分を味わう。 <0075> その舌の腹のあたりに自分の舌を擦りつける。執拗にその部分を味わう。 // <0076> 智代の唾液に濡れた粘膜を。 <0076> 智代の唾液に濡れた粘膜を。 // <0077> 智代の唇が、俺の舌を挟む。 <0077> 智代の唇が、俺の舌を挟む。 // <0078> そして、智代はそれを吸い出した。 <0078> そして、智代はそれを吸い出した。 // <0079> 俺の舌を味わうようにちゅうちゅうと何度も吸う。 <0079> 俺の舌を味わうようにちゅうちゅうと何度も吸う。 // <0080> 時に飲み込もうとするように強く吸う。 <0080> 時に飲み込もうとするように強く吸う。 // <0081> 舌の付け根が引っ張られて、痛いぐらいに。 <0081> 舌の付け根が引っ張られて、痛いぐらいに。 // <0082> \{智代}「んっ」 <0082> \{Tomoyo}「んっ」 // <0083> 最後に大きく吸う。じゅぱっと大きな音がして、俺の舌が解放される。 <0083> 最後に大きく吸う。じゅぱっと大きな音がして、俺の舌が解放される。 // <0084> \{智代}「はぁ…」 <0084> \{Tomoyo}「はぁ…」 // <0085> ため息ひとつ。 <0085> ため息ひとつ。 // <0086> けど休憩は一瞬。すぐまた、くわえられて、吸われていた。 <0086> けど休憩は一瞬。すぐまた、くわえられて、吸われていた。 // <0087> ちゅぅ…ちゅくっ…ちゅっく… <0087> ちゅぅ…ちゅくっ…ちゅっく… // <0088> 智代は夢中で俺の舌を吸う。 <0088> 智代は夢中で俺の舌を吸う。 // <0089> そうされていると、智代が俺のことを欲していることが感じられて、すごく興奮する。 <0089> そうされていると、智代が俺のことを欲していることが感じられて、すごく興奮する。 // <0090> そのまま下半身の興奮した部位を智代の太ももにこすりつける。 <0090> そのまま下半身の興奮した部位を智代の太ももにこすりつける。 // <0091> ちゅぅ…じゅぷっ… <0091> ちゅぅ…じゅぷっ… // <0092> 今、すごく強く舌を吸われた。 <0092> 今、すごく強く舌を吸われた。 // <0093> 一緒にあそこを擦りつけているから、それだけでいってしまいそうだ。 <0093> 一緒にあそこを擦りつけているから、それだけでいってしまいそうだ。 // <0094> ちゅぅ…じゅぷ…じゅぷ… <0094> ちゅぅ…じゅぷ…じゅぷ… // <0095> じゅぱっ! <0095> じゅぱっ! // <0096> また解放される。今度は俺は舌を戻した。 <0096> また解放される。今度は俺は舌を戻した。 // <0097> 智代はまだ欲しそうに口を小さく開けていた。 <0097> 智代はまだ欲しそうに口を小さく開けていた。 // <0098> 唇は唾液に濡れ、つややかに光っている。 <0098> 唇は唾液に濡れ、つややかに光っている。 // <0099> とてもいやらしい唇だ。 <0099> とてもいやらしい唇だ。 // <0100> そこに舌を差し入れれば、また吸ってくれる。 <0100> そこに舌を差し入れれば、また吸ってくれる。 // <0101> いつまでも吸い続けてくれるだろう。 <0101> いつまでも吸い続けてくれるだろう。 // <0102> でもずっと舌を出しているのは辛い。舌の付け根も引っ張られすぎて痛いし、顎もだるい。 <0102> でもずっと舌を出しているのは辛い。舌の付け根も引っ張られすぎて痛いし、顎もだるい。 // <0103> \{朋也}「今度は俺が吸う番」 <0103> \{Tomoya}「今度は俺が吸う番」 // <0104> だから俺はそう言った。 <0104> だから俺はそう言った。 // <0105> \{朋也}「智代のが吸いたい」 <0105> \{Tomoya}「智代のが吸いたい」 // <0106> \{智代}「………」 <0106> \{Tomoyo}「………」 // <0107> 熱っぽい顔。 <0107> 熱っぽい顔。 // <0108> \{智代}「うん…」 <0108> \{Tomoyo}「うん…」 // <0109> 濡れた舌が唇の隙間から現れる。 <0109> 濡れた舌が唇の隙間から現れる。 // <0110> 智代の舌は可愛い。 <0110> 智代の舌は可愛い。 // <0111> 唾液にぬめり、いやらしく光っていた。 <0111> 唾液にぬめり、いやらしく光っていた。 // <0112> 口全部を覆うようにキスをして、その中心にある舌を吸う。 <0112> 口全部を覆うようにキスをして、その中心にある舌を吸う。 // <0113> じゅじゅっ… <0113> じゅじゅっ… // <0114> 智代の唾を吸って、味わう。 <0114> 智代の唾を吸って、味わう。 // <0115> 智代の唾液は甘美な味がした。 <0115> 智代の唾液は甘美な味がした。 // <0116> 本当に人より甘いのかもしれない。俺のはこんなに美味しくない。 <0116> 本当に人より甘いのかもしれない。俺のはこんなに美味しくない。 // <0117> 智代の舌を吸い続ける。 <0117> 智代の舌を吸い続ける。 // <0118> 時に強く吸う。 <0118> 時に強く吸う。 // <0119> \{智代}「んっ…」 <0119> \{Tomoyo}「んっ…」 // <0120> 鼻から熱い息が漏れて、俺の頬にかかる。 <0120> 鼻から熱い息が漏れて、俺の頬にかかる。 // <0121> 智代も強く吸われると、すごく感じることを知っている。 <0121> 智代も強く吸われると、すごく感じることを知っている。 // <0122> しばらく、強く吸い続ける。 <0122> しばらく、強く吸い続ける。 // <0123> \{智代}「んっ…んっ…」 <0123> \{Tomoyo}「んっ…んっ…」 // <0124> 智代の興奮がやまない。 <0124> 智代の興奮がやまない。 // <0125> 智代の両太股が俺の片足を挟む。 <0125> 智代の両太股が俺の片足を挟む。 // <0126> その足に自分の感じる場所を物欲しげに擦りつけてくる。 <0126> その足に自分の感じる場所を物欲しげに擦りつけてくる。 // <0127> 俺とまったく同じことをする。 <0127> 俺とまったく同じことをする。 // <0128> 舌を強く吸いながら、あそこを擦りつけ合うのが好きなふたり。 <0128> 舌を強く吸いながら、あそこを擦りつけ合うのが好きなふたり。 // <0129> \{智代}「んっ…んんーっ」 <0129> \{Tomoyo}「んっ…んんーっ」 // <0130> そのままいってしまうんじゃないかというぐらいに、智代は興奮している。 <0130> そのままいってしまうんじゃないかというぐらいに、智代は興奮している。 // <0131> ちゅばっ! <0131> ちゅばっ! // <0132> 舌を解放した。 <0132> 舌を解放した。 // <0133> \{智代}「はぁ…はぁ…」 <0133> \{Tomoyo}「はぁ…はぁ…」 // <0134> 智代の熱い息が俺の鼻先にかかる。 <0134> 智代の熱い息が俺の鼻先にかかる。 // <0135> 挟まれていた足も解放されていた。 <0135> 挟まれていた足も解放されていた。 // <0136> 今度は… <0136> 今度は… // <0137> 普通にキスをする <0137> 普通にキスをする // <0138> 息にこだわる <0138> 息にこだわる // <0139> 唾液にこだわる <0139> 唾液にこだわる // <0140> 顔を近づけて、唇を合わせる。 <0140> 顔を近づけて、唇を合わせる。 // <0141> それだけのキスのつもりで。 <0141> それだけのキスのつもりで。 // <0142> けど、俺の唇を割って、熱い舌が入り込んでくる。 <0142> けど、俺の唇を割って、熱い舌が入り込んでくる。 // <0143> 歯を閉じてしまっていたので、それで進入を阻んでしまう。 <0143> 歯を閉じてしまっていたので、それで進入を阻んでしまう。 // <0144> 智代はすぐ舌を引っ込めて、俺を突き放した。 <0144> 智代はすぐ舌を引っ込めて、俺を突き放した。 // <0145> \{智代}「………」 <0145> \{Tomoyo}「………」 // <0146> 顔を横に向けて、火照った顔をさらに赤らめている。 <0146> 顔を横に向けて、火照った顔をさらに赤らめている。 // <0147> \{智代}「うう…」 <0147> \{Tomoyo}「うう…」 // <0148> 目を閉じて、うめく。 <0148> 目を閉じて、うめく。 // <0149> \{智代}「おまえの変態が移ってしまったんだ…」 <0149> \{Tomoyo}「おまえの変態が移ってしまったんだ…」 // <0150> 普通のキスだと気づかず、舌を自分から入れてしまったことを恥じている様子だ。 <0150> 普通のキスだと気づかず、舌を自分から入れてしまったことを恥じている様子だ。 // <0151> \{智代}「もう飽きただろ、どいてくれ…」 <0151> \{Tomoyo}「もう飽きただろ、どいてくれ…」 // <0152> \{朋也}「飽きてなかったらどかなくていいんだな」 <0152> \{Tomoya}「飽きてなかったらどかなくていいんだな」 // <0153> 智代の頬に手を添えて、こっちを向かせる。目は横を向いたままだ。 <0153> 智代の頬に手を添えて、こっちを向かせる。目は横を向いたままだ。 // <0154> \{智代}「どいてくれ…」 <0154> \{Tomoyo}「どいてくれ…」 // <0155> その口を塞ぐ。 <0155> その口を塞ぐ。 // <0156> 今度は俺から舌を差し入れる。歯をこじ開け、その奥へ。 <0156> 今度は俺から舌を差し入れる。歯をこじ開け、その奥へ。 // <0157> 夢中で智代の唇と舌をむさぼった。 <0157> 夢中で智代の唇と舌をむさぼった。 // <0158> そのうち、智代も積極的に舌を動かしはじめ、激しく絡み合い出す。 <0158> そのうち、智代も積極的に舌を動かしはじめ、激しく絡み合い出す。 // <0159> 顎がだるくなり、ようやく、口を離す。 <0159> 顎がだるくなり、ようやく、口を離す。 // <0160> つーと、糸が伸びて、それが切れて、智代の顎に伝う。 <0160> つーと、糸が伸びて、それが切れて、智代の顎に伝う。 // <0161> それを指でぬぐってやる。 <0161> それを指でぬぐってやる。 // <0162> \{朋也}「あのさ…」 <0162> \{Tomoya}「あのさ…」 // <0163> \{智代}「なんだ…」 <0163> \{Tomoyo}「なんだ…」 // <0164> \{朋也}「お願いがある」 <0164> \{Tomoya}「お願いがある」 // <0165> \{智代}「言うな…」 <0165> \{Tomoyo}「言うな…」 // <0166> \{朋也}「いや、言う…」 <0166> \{Tomoya}「いや、言う…」 // <0167> \{智代}「きっと、おまえのことだ…変態なことに違いない…」 <0167> \{Tomoyo}「きっと、おまえのことだ…変態なことに違いない…」 // <0168> \{朋也}「だな…」 <0168> \{Tomoya}「だな…」 // <0169> \{智代}「もうこれ以上私を変態の仲間にしないでくれ…」 <0169> \{Tomoyo}「もうこれ以上私を変態の仲間にしないでくれ…」 // <0170> \{朋也}「いや、でもどうしてなんだろう…」 <0170> \{Tomoya}「いや、でもどうしてなんだろう…」 // <0171> \{朋也}「他の奴では吐き気がするほど嫌悪すべきことが…」 <0171> \{Tomoya}「他の奴では吐き気がするほど嫌悪すべきことが…」 // <0172> \{朋也}「おまえだとすごく愛おしく感じる…」 <0172> \{Tomoya}「おまえだとすごく愛おしく感じる…」 // <0173> \{智代}「そんな変態なことをさせようというのか…」 <0173> \{Tomoyo}「そんな変態なことをさせようというのか…」 // <0174> \{朋也}「ああ…」 <0174> \{Tomoya}「ああ…」 // <0175> \{朋也}「だから、頼む…」 <0175> \{Tomoya}「だから、頼む…」 // <0176> \{智代}「言うな…」 <0176> \{Tomoyo}「言うな…」 // <0177> \{朋也}「はぁーってして…」 <0177> \{Tomoya}「はぁーってして…」 // <0178> \{智代}「なんのために…」 <0178> \{Tomoyo}「なんのために…」 // <0179> \{朋也}「匂いかぎたいんだ…」 <0179> \{Tomoya}「匂いかぎたいんだ…」 // <0180> 信じられないというような目で見られる。 <0180> 信じられないというような目で見られる。 // <0181> \{智代}「変態だ…ここに変態がいる…」 <0181> \{Tomoyo}「変態だ…ここに変態がいる…」 // <0182> \{朋也}「おまえの彼氏だ」 <0182> \{Tomoya}「おまえの彼氏だ」 // <0183> \{智代}「変態の彼氏だ…」 <0183> \{Tomoyo}「変態の彼氏だ…」 // <0184> \{朋也}「その彼氏からのお願い…」 <0184> \{Tomoya}「その彼氏からのお願い…」 // <0185> \{智代}「………」 <0185> \{Tomoyo}「………」 // <0186> \{朋也}「お願い…」 <0186> \{Tomoya}「お願い…」 // <0187> \{朋也}「ほら、はーってして」 <0187> \{Tomoya}「ほら、はーってして」 // <0188> \{智代}「………」 <0188> \{Tomoyo}「………」 // <0189> 智代は目を潤ませて、口を開く。 <0189> 智代は目を潤ませて、口を開く。 // <0190> はぁーっ、と息を俺の鼻先に吐きかけた。 <0190> はぁーっ、と息を俺の鼻先に吐きかけた。 // <0191> その甘さに酔う。 <0191> その甘さに酔う。 // <0192> それは人の息の匂いだ。 <0192> それは人の息の匂いだ。 // <0193> なんでそんなものを俺はかいでるんだ? <0193> なんでそんなものを俺はかいでるんだ? // <0194> 好きな女の子のだからだ。 <0194> 好きな女の子のだからだ。 // <0195> 好きな女の子のだから、かぎたい。 <0195> 好きな女の子のだから、かぎたい。 // <0196> 俺は顔を寄せて、舌を出す。 <0196> 俺は顔を寄せて、舌を出す。 // <0197> 智代の口の中に忍ばせて、舌を誘い出す。 <0197> 智代の口の中に忍ばせて、舌を誘い出す。 // <0198> 互いの舌が口と口の隙間で絡み合う。 <0198> 互いの舌が口と口の隙間で絡み合う。 // <0199> れろれろ… <0199> れろれろ… // <0200> この舌もそうだ。好きな女の子の舌だからだ。 <0200> この舌もそうだ。好きな女の子の舌だからだ。 // <0201> 好きな女の子の舌だから、味わいたい。 <0201> 好きな女の子の舌だから、味わいたい。 // <0202> そうして舌だけをすり合わせたまま、はぁーっ、とガラスを曇らせるような熱い息が。 <0202> そうして舌だけをすり合わせたまま、はぁーっ、とガラスを曇らせるような熱い息が。 // <0203> 匂いと味、両方で智代を感じる。 <0203> 匂いと味、両方で智代を感じる。 // <0204> それは片方だけよりも、強く、智代を感じられた。 <0204> それは片方だけよりも、強く、智代を感じられた。 // <0205> なんの飾りもない智代を。 <0205> なんの飾りもない智代を。 // <0206> 卑しいまでに。 <0206> 卑しいまでに。 // <0207> \{朋也}「あのさ…」 <0207> \{Tomoya}「あのさ…」 // <0208> \{智代}「なんだ…」 <0208> \{Tomoyo}「なんだ…」 // <0209> \{朋也}「お願いがある」 <0209> \{Tomoya}「お願いがある」 // <0210> \{智代}「言うな…」 <0210> \{Tomoyo}「言うな…」 // <0211> \{朋也}「いや、言う…」 <0211> \{Tomoya}「いや、言う…」 // <0212> \{智代}「きっと、おまえのことだ…変態なことに違いない…」 <0212> \{Tomoyo}「きっと、おまえのことだ…変態なことに違いない…」 // <0213> \{朋也}「だな…」 <0213> \{Tomoya}「だな…」 // <0214> \{智代}「もうこれ以上私を変態の仲間にしないでくれ…」 <0214> \{Tomoyo}「もうこれ以上私を変態の仲間にしないでくれ…」 // <0215> \{朋也}「いや、でもどうしてなんだろう…」 <0215> \{Tomoya}「いや、でもどうしてなんだろう…」 // <0216> \{朋也}「他の奴では吐き気がするほど嫌悪すべきことが…」 <0216> \{Tomoya}「他の奴では吐き気がするほど嫌悪すべきことが…」 // <0217> \{朋也}「おまえだとすごく愛おしく感じる…」 <0217> \{Tomoya}「おまえだとすごく愛おしく感じる…」 // <0218> \{智代}「そんな変態なことをさせようというのか…」 <0218> \{Tomoyo}「そんな変態なことをさせようというのか…」 // <0219> \{朋也}「ああ…」 <0219> \{Tomoya}「ああ…」 // <0220> \{朋也}「だから、頼む…」 <0220> \{Tomoya}「だから、頼む…」 // <0221> \{智代}「言うな…」 <0221> \{Tomoyo}「言うな…」 // <0222> \{朋也}「おまえの唾を飲んでみたい…」 <0222> \{Tomoya}「おまえの唾を飲んでみたい…」 // <0223> 信じられないというような目で見られる。 <0223> 信じられないというような目で見られる。 // <0224> \{朋也}「なんかおいしそうだから…」 <0224> \{Tomoya}「なんかおいしそうだから…」 // <0225> \{智代}「変態だ…ここに変態がいる…」 <0225> \{Tomoyo}「変態だ…ここに変態がいる…」 // <0226> \{朋也}「おまえの彼氏だ」 <0226> \{Tomoya}「おまえの彼氏だ」 // <0227> \{智代}「変態の彼氏だ…」 <0227> \{Tomoyo}「変態の彼氏だ…」 // <0228> \{朋也}「その彼氏からのお願い…」 <0228> \{Tomoya}「その彼氏からのお願い…」 // <0229> \{智代}「………」 <0229> \{Tomoyo}「………」 // <0230> \{朋也}「お願い…」 <0230> \{Tomoya}「お願い…」 // <0231> \{智代}「………」 <0231> \{Tomoyo}「………」 // <0232> \{朋也}「ほら、口の中に溜めて」 <0232> \{Tomoya}「ほら、口の中に溜めて」 // <0233> \{智代}「………」 <0233> \{Tomoyo}「………」 // <0234> 智代は潤んだ目を閉じる。 <0234> 智代は潤んだ目を閉じる。 // <0235> ………。 <0235> ………。 // <0236> しばらくして瞼を開ける。 <0236> しばらくして瞼を開ける。 // <0237> 溜まった、とその目が告げていた。 <0237> 溜まった、とその目が告げていた。 // <0238> \{朋也}「もっと」 <0238> \{Tomoya}「もっと」 // <0239> 一瞬頬のあたりが引きつったが、また目を閉じてくれる。 <0239> 一瞬頬のあたりが引きつったが、また目を閉じてくれる。 // <0240> ………。 <0240> ………。 // <0241> ……。 <0241> ……。 // <0242> ………。 <0242> ………。 // <0243> 目を開く。 <0243> 目を開く。 // <0244> \{朋也}「じゃ、おまえが上に」 <0244> \{Tomoya}「じゃ、おまえが上に」 // <0245> 体勢を入れ替える。 <0245> 体勢を入れ替える。 // <0246> 智代が手をついて、仰向けになった俺を見下ろす。 <0246> 智代が手をついて、仰向けになった俺を見下ろす。 // <0247> ゆっくりと近づいてくる恥じらいの色に染まった頬。 <0247> ゆっくりと近づいてくる恥じらいの色に染まった頬。 // <0248> 唇が合わさる。 <0248> 唇が合わさる。 // <0249> 薄く開く。 <0249> 薄く開く。 // <0250> どろりと熱い液体が俺の口内に流れ込んでくる。 <0250> どろりと熱い液体が俺の口内に流れ込んでくる。 // <0251> それは人の唾液だ。 <0251> それは人の唾液だ。 // <0252> なんでそんなものを俺は飲んでいるんだ? <0252> なんでそんなものを俺は飲んでいるんだ? // <0253> 好きな女の子のだからだ。 <0253> 好きな女の子のだからだ。 // <0254> 好きな女の子のだから、味わいたい。 <0254> 好きな女の子のだから、味わいたい。 // <0255> 結構な量… <0255> 結構な量… // <0256> 他人の唾で自分の口が満たされる状況なんてかつてない。 <0256> 他人の唾で自分の口が満たされる状況なんてかつてない。 // <0257> 他人の温度を持った粘性のある液体。 <0257> 他人の温度を持った粘性のある液体。 // <0258> 他人の温度のまま、俺はそれを一気に飲み干した。 <0258> 他人の温度のまま、俺はそれを一気に飲み干した。 // <0259> ごくん、喉が鳴る。 <0259> ごくん、喉が鳴る。 // <0260> \{朋也}「はぁ…」 <0260> \{Tomoya}「はぁ…」 // <0261> 口を離し、息をつく。 <0261> 口を離し、息をつく。 // <0262> きっと今の息の匂いは、智代の息の匂いと同じだ。 <0262> きっと今の息の匂いは、智代の息の匂いと同じだ。 // <0263> 智代は涙ぐんだ目で俺の顔をじっと見ていた。 <0263> 智代は涙ぐんだ目で俺の顔をじっと見ていた。 // <0264> \{智代}「………」 <0264> \{Tomoyo}「………」 // <0265> \{朋也}「おいしかった」 <0265> \{Tomoya}「おいしかった」 // <0266> \{智代}「変態…」 <0266> \{Tomoyo}「変態…」 // <0267> すねたようにそっぽを向いた。 <0267> すねたようにそっぽを向いた。 // <0268> その仕草が可愛くて仕方がない。 <0268> その仕草が可愛くて仕方がない。 // <0269> こういう時の智代はどんな女の子よりも女の子らしい。 <0269> こういう時の智代はどんな女の子よりも女の子らしい。 // <0270> 本当に俺の彼女でよかった。 <0270> 本当に俺の彼女でよかった。 // <0271> そう思う。 <0271> そう思う。 // <0272> 再びキスをしようと、智代の首筋に手を這わせる。 <0272> 再びキスをしようと、智代の首筋に手を這わせる。 // <0273> と…その顔色が変わった。 <0273> と…その顔色が変わった。 // <0274> 何かを視線の先に見つけたようだ。 <0274> 何かを視線の先に見つけたようだ。 // <0275> どんっ! <0275> どんっ! // <0276> ものすごい勢いで胸を突かれて、上体を起こされる。 <0276> ものすごい勢いで胸を突かれて、上体を起こされる。 // <0277> そして、智代は俺に背中を向けると、正座をしてうつむく。 <0277> そして、智代は俺に背中を向けると、正座をしてうつむく。 // <0278> \{朋也}「…どうした?」 <0278> \{Tomoya}「…どうした?」 // <0279> \{智代}「………」 <0279> \{Tomoyo}「………」 // <0280> 答えない。 <0280> 答えない。 // <0281> \{声}「ごめんっ!」 <0281> \{Voice}「ごめんっ!」 // <0282> 代わりに戸口のほうから声。 <0282> 代わりに戸口のほうから声。 // <0283> 見ると、台所の窓が少し開かれていて、その向こうに人影。 <0283> 見ると、台所の窓が少し開かれていて、その向こうに人影。 // <0284> それが動いて、戸口が開く。 <0284> それが動いて、戸口が開く。 // <0285> 現れたのは… <0285> 現れたのは… // <0286> \{鷹文}「覗いてたんじゃないよ、窓、開いてたんだよ」 <0286> \{Takafumi}「覗いてたんじゃないよ、窓、開いてたんだよ」 // <0287> 智代の弟、鷹文。 <0287> 智代の弟、鷹文。 // <0288> \{鷹文}「あがっていい?」 <0288> \{Takafumi}「あがっていい?」 // <0289> \{朋也}「ん? ああ、どうぞ」 <0289> \{Tomoya}「ん? ああ、どうぞ」 // <0290> 鷹文は靴を脱いであがってくると、テーブルの上に買い物袋を置いた。 <0290> 鷹文は靴を脱いであがってくると、テーブルの上に買い物袋を置いた。 // <0291> \{鷹文}「はい、差し入れ」 <0291> \{Takafumi}「はい、差し入れ」 // <0292> \{朋也}「そういうの気にしなくていいぞ」 <0292> \{Tomoya}「そういうの気にしなくていいぞ」 // <0293> \{鷹文}「手ぶらじゃ悪いからね」 <0293> \{Takafumi}「手ぶらじゃ悪いからね」 // <0294> \{鷹文}「単なるお邪魔虫になるじゃん?」 <0294> \{Takafumi}「単なるお邪魔虫になるじゃん?」 // <0295> \{朋也}「そりゃ、確かに」 <0295> \{Tomoya}「そりゃ、確かに」 // <0296> \{鷹文}「あ、言うねぇ、にぃちゃん」 <0296> \{Takafumi}「あ、言うねぇ、にぃちゃん」 // <0297> \{朋也}「実際邪魔されたんだし」 <0297> \{Tomoya}「実際邪魔されたんだし」 // <0298> \{鷹文}「だからそれはごめんっ、て謝ったじゃん」 <0298> \{Takafumi}「だからそれはごめんっ、て謝ったじゃん」 // <0299> \{鷹文}「座っていい?」 <0299> \{Takafumi}「座っていい?」 // <0300> \{朋也}「どうぞ」 <0300> \{Tomoya}「どうぞ」 // <0301> 俺と智代の間に腰を落ち着ける。 <0301> 俺と智代の間に腰を落ち着ける。 // <0302> 智代は背中を向けたまま沈黙を守っている。 <0302> 智代は背中を向けたまま沈黙を守っている。 // <0303> \{鷹文}「でも、びっくりしたよ」 <0303> \{Takafumi}「でも、びっくりしたよ」 // <0304> \{朋也}「何が?」 <0304> \{Tomoya}「何が?」 // <0305> \{鷹文}「ふたりだとあんなことしてるんだね」 <0305> \{Takafumi}「ふたりだとあんなことしてるんだね」 // <0306> 背中を向けたままの智代が、後ろに座る鷹文の腕をぽかぽかと叩き始める。 <0306> 背中を向けたままの智代が、後ろに座る鷹文の腕をぽかぽかと叩き始める。 // <0307> \{朋也}「いや、まあ、普通だろ」 <0307> \{Tomoya}「いや、まあ、普通だろ」 // <0308> ぽかぽか。 <0308> ぽかぽか。 // <0309> \{鷹文}「うーん…普通なのか…」 <0309> \{Takafumi}「うーん…普通なのか…」 // <0310> ぽかぽか。 <0310> ぽかぽか。 // <0311> \{鷹文}「そんなに…ねぇちゃんのっていい匂いなの?」 <0311> \{Takafumi}「そんなに…ねぇちゃんのっていい匂いなの?」 // <0312> ぽかぽか。 <0312> ぽかぽか。 // <0313> \{智代}「帰れ、おまえなんて帰ってしまえ」 <0313> \{Tomoyo}「帰れ、おまえなんて帰ってしまえ」 // <0314> 叩きながら、恨み言のように呟く。 <0314> 叩きながら、恨み言のように呟く。 // <0315> \{鷹文}「痛いよ、ねぇちゃん」 <0315> \{Takafumi}「痛いよ、ねぇちゃん」 // <0316> \{鷹文}「でも、それをかがせるねぇちゃんも、すごいよね…」 <0316> \{Takafumi}「でも、それをかがせるねぇちゃんも、すごいよね…」 // <0317> \{鷹文}「そんなに…ねぇちゃんのっておいしいの?」 <0317> \{Takafumi}「そんなに…ねぇちゃんのっておいしいの?」 // <0318> ぽかぽか。 <0318> ぽかぽか。 // <0319> \{智代}「帰れ、おまえなんて帰ってしまえ」 <0319> \{Tomoyo}「帰れ、おまえなんて帰ってしまえ」 // <0320> 叩きながら、恨み言のように呟く。 <0320> 叩きながら、恨み言のように呟く。 // <0321> \{鷹文}「痛いよ、ねぇちゃん」 <0321> \{Takafumi}「痛いよ、ねぇちゃん」 // <0322> \{鷹文}「でも、それをあげるねぇちゃんも、すごいよね…」 <0322> \{Takafumi}「でも、それをあげるねぇちゃんも、すごいよね…」 // <0323> \{智代}「帰れ、二度とくるな」 <0323> \{Tomoyo}「帰れ、二度とくるな」 // <0324> ぽかぽか。 <0324> ぽかぽか。 // <0325> \{鷹文}「でもこんな可愛げのあるところを見られるんだから、にぃちゃんはやっぱすごいよ」 <0325> \{Takafumi}「でもこんな可愛げのあるところを見られるんだから、にぃちゃんはやっぱすごいよ」 // <0326> \{鷹文}「うちでは、女の子らしいところなんてみじんも見せないくせにさ」 <0326> \{Takafumi}「うちでは、女の子らしいところなんてみじんも見せないくせにさ」 // <0327> ぽかぽか。 <0327> ぽかぽか。 // <0328> 鷹文の差し入れからせんべいの袋を見つけ、その封を開ける。 <0328> 鷹文の差し入れからせんべいの袋を見つけ、その封を開ける。 // <0329> \{朋也}「おまえにもわかる日がくる」 <0329> \{Tomoya}「おまえにもわかる日がくる」 // <0330> \{朋也}「愛だよ、愛」 <0330> \{Tomoya}「愛だよ、愛」 // <0331> ぱきっ…ぼりぼり。 <0331> ぱきっ…ぼりぼり。 // <0332> せんべいを食べながら、野球中継の続きを見る。 <0332> せんべいを食べながら、野球中継の続きを見る。 // <0333> ぽかぽか。 <0333> ぽかぽか。 // <0334> \{鷹文}「だから痛いって、ねぇちゃん」 <0334> \{Takafumi}「だから痛いって、ねぇちゃん」 // <0335> \{智代}「帰れ、帰れ」 <0335> \{Tomoyo}「帰れ、帰れ」 // <0336> 隣では、延々と鷹文が姉に叩かれていた。 <0336> 隣では、延々と鷹文が姉に叩かれていた。 // <0337> そんな風景の中にいる自分を見て思う。 <0337> そんな風景の中にいる自分を見て思う。 // <0338> まるで、慎ましく暮らす家族の中にいるようだと。 <0338> まるで、慎ましく暮らす家族の中にいるようだと。 // <0339> 高校を卒業し、春から俺は働き始めていた。 <0339> 高校を卒業し、春から俺は働き始めていた。 // <0340> 学校の就職案内で見つけた廃品回収会社。 <0340> 学校の就職案内で見つけた廃品回収会社。 // <0341> 色んな場所で廃品や故障したものを集めて修理する仕事だ。 <0341> 色んな場所で廃品や故障したものを集めて修理する仕事だ。 // <0342> 直しては、リサイクル店や中古業者に売り、生計を立てている。 <0342> 直しては、リサイクル店や中古業者に売り、生計を立てている。 // <0343> 会社は小さく、親方がひとりいるだけ。 <0343> 会社は小さく、親方がひとりいるだけ。 // <0344> 車がなくては話にならない、と免許も取った。 <0344> 車がなくては話にならない、と免許も取った。 // <0345> 軽トラで町中を走り回り、集めてきた廃品を修理する。 <0345> 軽トラで町中を走り回り、集めてきた廃品を修理する。 // <0346> 親方は、基本的には何も教えてくれない。 <0346> 親方は、基本的には何も教えてくれない。 // <0347> ただ、こうやるんだ、と言わんばかりに見せてくれる。 <0347> ただ、こうやるんだ、と言わんばかりに見せてくれる。 // <0348> 俺はそれを見様見真似で試し、覚えていった。 <0348> 俺はそれを見様見真似で試し、覚えていった。 // <0349> 扱うものは、車、バイクから家電製品、パソコンなんかもある。 <0349> 扱うものは、車、バイクから家電製品、パソコンなんかもある。 // <0350> 修理するものもあれば、パーツ取りだけに使うものもあった。 <0350> 修理するものもあれば、パーツ取りだけに使うものもあった。 // <0351> 役割として親方から命じられたのは、家電の修理だった。 <0351> 役割として親方から命じられたのは、家電の修理だった。 // <0352> 回路図の読み方と書き方。 <0352> 回路図の読み方と書き方。 // <0353> 電流の流れとケーブルやラインの種類。 <0353> 電流の流れとケーブルやラインの種類。 // <0354> コンデンサのチェックを行うオシロスコープの使い方。 <0354> コンデンサのチェックを行うオシロスコープの使い方。 // <0355> 半田ごてで基板の断線を修理する方法。 <0355> 半田ごてで基板の断線を修理する方法。 // <0356> 何もかもが初めての経験だ。 <0356> 何もかもが初めての経験だ。 // <0357> 俺が最初にひとりで修理できたのは掃除機だった。 <0357> 俺が最初にひとりで修理できたのは掃除機だった。 // <0358> 動くがまったく吸わないもので、親方が、これならできるだろ、と俺に命じたものだ。 <0358> 動くがまったく吸わないもので、親方が、これならできるだろ、と俺に命じたものだ。 // <0359> 慎重に分解し、目詰まりしていたフィルターや埃にまみれていたモーターを掃除する。 <0359> 慎重に分解し、目詰まりしていたフィルターや埃にまみれていたモーターを掃除する。 // <0360> 全ての部品を組み合わせ、スイッチを入れるとまるで新品のように動き出した。 <0360> 全ての部品を組み合わせ、スイッチを入れるとまるで新品のように動き出した。 // <0361> そんなに古くもなく程度の良いものだったが、親方はそれを売らなかった。 <0361> そんなに古くもなく程度の良いものだったが、親方はそれを売らなかった。 // <0362> 俺に、記念だ、持って帰れ、と言った。 <0362> 俺に、記念だ、持って帰れ、と言った。 // <0363> 今は自室の押入れに仕舞っている。 <0363> 今は自室の押入れに仕舞っている。 // <0364> 時々、智代が掃除するのに使っていた。 <0364> 時々、智代が掃除するのに使っていた。 // <0365> 俺が一人暮らしをしているこの部屋で。 <0365> 俺が一人暮らしをしているこの部屋で。 // <0366> 一人暮らしは就職と同時だった。 <0366> 一人暮らしは就職と同時だった。 // <0367> 最初は何もかもが大変だった。 <0367> 最初は何もかもが大変だった。 // <0368> 仕事で疲れ果てて帰ってくる俺は、食べるものもロクに用意できなかった。 <0368> 仕事で疲れ果てて帰ってくる俺は、食べるものもロクに用意できなかった。 // <0369> 智代が毎日のように駆けつけて助けてくれた。 <0369> 智代が毎日のように駆けつけて助けてくれた。 // <0370> 仕事にも慣れてきた頃、自炊も教わって、ひとりでご飯の支度もできるようになった。 <0370> 仕事にも慣れてきた頃、自炊も教わって、ひとりでご飯の支度もできるようになった。 // <0371> そうして仕事も、一人暮らしも、いつしかすべてが順調に進みはじめた。 <0371> そうして仕事も、一人暮らしも、いつしかすべてが順調に進みはじめた。 // <0372> 智代のおかげだ。 <0372> 智代のおかげだ。 // <0373> 智代がいなければ、すべて投げ出していた。 <0373> 智代がいなければ、すべて投げ出していた。 // <0374> 感謝した。 <0374> 感謝した。 // <0375> もしいるなら、彼女を俺のために残しておいてくれた神様にも。 <0375> もしいるなら、彼女を俺のために残しておいてくれた神様にも。
Script Chart
June | July | August | After | Other | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1st | SEEN0701 | SEEN0801 | SEEN5000 | SEEN7910 | ||||||
2nd | SEEN0702 | SEEN5001 | SEEN7920 | |||||||
3rd | SEEN0803 | SEEN5002 | SEEN7930 | |||||||
4th | SEEN0804 | SEEN5003 | SEEN7940 | |||||||
6th | SEEN0806 | BAD END | SEEN5004 | SEEN7950 | ||||||
SEEN1806 | SEEN5005 | |||||||||
7th | SEEN0707 | SEEN0807 | SEEN5006 | |||||||
8th | SEEN0708 | SEEN0808 | SEEN5007 | |||||||
9th | SEEN0709 | SEEN0809 | SEEN5010 | |||||||
10th | SEEN0710 | SEEN1710 | SEEN0810 | SEEN5011 | ||||||
11th | SEEN0711 | SEEN0811 | SEEN1811 | SEEN2811 | ||||||
12th | SEEN0712 | SEEN0812 | ||||||||
13th | SEEN0713 | SEEN0813 | SEEN1813 | SEEN2813 | ||||||
14th | SEEN0714 | SEEN1714 | SEEN0814 | BAD END | BAD END | BAD END | BAD END | |||
SEEN1814 | SEEN2814 | SEEN3814 | SEEN4814 | |||||||
15th | SEEN0715 | SEEN1715 | SEEN0815 | |||||||
16th | SEEN0716 | SEEN1716 | SEEN0816 | |||||||
17th | SEEN0717 | SEEN0817 | ||||||||
18th | SEEN0818 | |||||||||
19th | SEEN0819 | |||||||||
20th | BAD END | SEEN0820 | ||||||||
SEEN0720 | ||||||||||
21st | SEEN0721 | SEEN0821 | ||||||||
22nd | SEEN0722 | SEEN0822 | ||||||||
23rd | SEEN0723 | SEEN0823 | ||||||||
24th | SEEN0724 | |||||||||
25th | SEEN0725 | |||||||||
26th | SEEN0726 | |||||||||
27th | SEEN0727 | |||||||||
28th | SEEN0628 | SEEN0728 | ||||||||
29th | SEEN0629 | SEEN0729 | ||||||||
30th | SEEN0630 | |||||||||
BAD END | ||||||||||
SEEN0744 |