Difference between revisions of "Tomoyo After:SEEN0813"

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// <0009> \{河南子}「そのまま、どっかから飛び降りちゃうんじゃないかと思って」
 
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<0009> \{Kanako}"I think I'll jump from somewhere."
<0009> \{Kanako}「そのまま、どっかから飛び降りちゃうんじゃないかと思って」
 
   
 
// <0010> \{朋也}「するかよ…」
 
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<0010> \{Tomoya}「するかよ…」
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<0010> \{Tomoya}"You either ..."
   
 
// <0011> 山道を、何も考えずにぶらぶらと歩いた。
 
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// <0027> 確かに降ってきそうなほどの星が瞬いていた。
 
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<0027> The stars were blinking, its getting to rain for sure.
<0027> 確かに降ってきそうなほどの星が瞬いていた。
 
   
 
// <0028> \{河南子}「あー、ともにも見せてあげたかったなー」
 
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// <0029> …鷹文には。
 
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<0029> Takafumi ...
   
 
// <0030> \{河南子}「こんなにも星がキレイなんだからさ…」
 
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// <0033> こいつなりに元気づけてくれていたのか。
 
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<0033> This guy is encouraging me.
<0033> こいつなりに元気づけてくれていたのか。
 
   
 
// <0034> \{朋也}「でも、結局何もできそうにないからな」
 
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<0034> \{Tomoya}「でも、結局何もできそうにないからな」
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<0034> \{Tomoya}"But that will not be able to do anything after all."
   
 
// <0035> 未来や希望なんてものが、この俺に作り出せるはずもなかった。
 
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<0035> I hope the future of something, they couldn't produce this for me.
<0035> 未来や希望なんてものが、この俺に作り出せるはずもなかった。
 
   
 
// <0036> どこかの資産家か、お偉いさんならできたのかもしれないが、俺はしがない労働者だ。
 
// <0036> どこかの資産家か、お偉いさんならできたのかもしれないが、俺はしがない労働者だ。
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<0036> Wealthy or somewhere, you could maybe higher-up, I'm a lowly worker.
<0036> どこかの資産家か、お偉いさんならできたのかもしれないが、俺はしがない労働者だ。
 
   
 
// <0037> できることといったら、壊れた掃除機や洗濯機を直すことぐらいだ。
 
// <0037> できることといったら、壊れた掃除機や洗濯機を直すことぐらいだ。
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<0037> How much you can, I think I can fix a broken vacuum cleaners and washing machines.
<0037> できることといったら、壊れた掃除機や洗濯機を直すことぐらいだ。
 
   
 
// <0038> しばらく歩くと、ゴミの山へと辿り着いた。
 
// <0038> しばらく歩くと、ゴミの山へと辿り着いた。
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// <0040> 畑は月光に照らされ、施設の街灯だけが浮かんで見えた。
 
// <0040> 畑は月光に照らされ、施設の街灯だけが浮かんで見えた。
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<0040> The fields lit by moonlight, I saw only the lamps in floating facilities. I think I can fix the machine.
<0040> 畑は月光に照らされ、施設の街灯だけが浮かんで見えた。
 
   
 
// <0041> \{河南子}「ここにともが住めるようにすればいいんじゃないの?」
 
// <0041> \{河南子}「ここにともが住めるようにすればいいんじゃないの?」
<0041> \{Kanako}「ここにともが住めるようにすればいいんじゃないの?
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<0041> \{Kanako}「Its good if you also have to live here?
   
 
// <0042> \{朋也}「そんなことはわかってるよ…」
 
// <0042> \{朋也}「そんなことはわかってるよ…」
<0042> \{Tomoya}「そんなことはわかってるよ…
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<0042> \{Tomoya}「I know such a thing ...
   
 
// <0043> \{朋也}「それができないから考えてるんだろうが」
 
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<0043> \{Tomoya}「それができないから考えてるんだろうが
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<0043> \{Tomoya}「What is it I cant think.
   
 
// <0044> \{河南子}「部屋も余ってたじゃん」
 
// <0044> \{河南子}「部屋も余ってたじゃん」
<0044> \{Kanako}「部屋も余ってたじゃん
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<0044> \{Kanako}「Rooms are spare.
   
 
// <0045> \{朋也}「学校がないだろ」
 
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// <0049> こともなげに言う河南子に呆れる。
 
// <0049> こともなげに言う河南子に呆れる。
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<0049> Kanako amazed.
<0049> こともなげに言う河南子に呆れる。
 
   
 
// <0050> 学校を作る
 
// <0050> 学校を作る
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// <0055> あれでもあいつなりに考えてくれたのだろう。でも、常識を逸していた。残念ながら応えることができない。
 
// <0055> あれでもあいつなりに考えてくれたのだろう。でも、常識を逸していた。残念ながら応えることができない。
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<0055> Who would even think that he will. But common sense was missed. Unfortunately unable to respond.
<0055> あれでもあいつなりに考えてくれたのだろう。でも、常識を逸していた。残念ながら応えることができない。
 
   
 
// <0056> ただ、馬鹿という発言だけは余計だったな、と反省する。
 
// <0056> ただ、馬鹿という発言だけは余計だったな、と反省する。
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// <0058> \{朋也}「…おまえな」
 
// <0058> \{朋也}「…おまえな」
<0058> \{Tomoya}「…おまえな
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<0058> \{Tomoya}「You ...
   
 
// <0059> 馬鹿だろ、と続けようとしてやめた。
 
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<0059> Idiot and keep as quit。
<0059> 馬鹿だろ、と続けようとしてやめた。
 
   
 
// <0060> なければ作ればいいなんて発想、思いついたとしてもすぐ到底無理だと諦めてしまっていただろう。
 
// <0060> なければ作ればいいなんて発想、思いついたとしてもすぐ到底無理だと諦めてしまっていただろう。
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<0060> Without thinking I should make would just give up and even thought it is far。
<0060> なければ作ればいいなんて発想、思いついたとしてもすぐ到底無理だと諦めてしまっていただろう。
 
   
 
// <0061> でも、俺は今日まで、到底無理だと思えたことも根性だけで実現してきたんだ。
 
// <0061> でも、俺は今日まで、到底無理だと思えたことも根性だけで実現してきたんだ。
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<0061> But until today I just have to realize that nature seemed to be impossible even。
<0061> でも、俺は今日まで、到底無理だと思えたことも根性だけで実現してきたんだ。
 
   
 
// <0062> 連夜の喧嘩に勝ち続けた。
 
// <0062> 連夜の喧嘩に勝ち続けた。
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// <0063> 鷹文とのタイピング勝負にも勝った。
 
// <0063> 鷹文とのタイピング勝負にも勝った。
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<0063> Takafumi types and also won the game。
<0063> 鷹文とのタイピング勝負にも勝った。
 
   
 
// <0064> みんなであいつの呪いも解いた。
 
// <0064> みんなであいつの呪いも解いた。
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<0064> He also lifted the curse at all。
<0064> みんなであいつの呪いも解いた。
 
   
 
// <0065> この場所だって、一枚の手紙から突き止めてみせた。
 
// <0065> この場所だって、一枚の手紙から突き止めてみせた。
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<0065> Because this place from the track and showed a single letter。
<0065> この場所だって、一枚の手紙から突き止めてみせた。
 
   
 
// <0066> これまでそうしてきたはずなのに。
 
// <0066> これまでそうしてきたはずなのに。
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<0066> I shouldn't done so far。
<0066> これまでそうしてきたはずなのに。
 
   
 
// <0067> \{朋也}(なんで忘れてたんだろう…)
 
// <0067> \{朋也}(なんで忘れてたんだろう…)
<0067> \{Tomoya}(なんで忘れてたんだろう…)
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<0067> \{Tomoya}(I wonder why I forgot ...)
   
 
// <0068> 河南子の言葉を受け、ようやく思い出せた。
 
// <0068> 河南子の言葉を受け、ようやく思い出せた。
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<0068> Kanako remembered the words only。
<0068> 河南子の言葉を受け、ようやく思い出せた。
 
   
 
// <0069> \{河南子}「あたしが何?」
 
// <0069> \{河南子}「あたしが何?」
<0069> \{Kanako}「あたしが何?
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<0069> \{Kanako}「I what?
   
 
// <0070> \{河南子}「どうせ、馬鹿だろ、とか言うんだろ」
 
// <0070> \{河南子}「どうせ、馬鹿だろ、とか言うんだろ」
<0070> \{Kanako}「どうせ、馬鹿だろ、とか言うんだろ
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<0070> \{Kanako}「Anyway, I know you fool, You know you're saying that I
   
 
// <0071> \{朋也}「いや、これでも見直してるんだぞ」
 
// <0071> \{朋也}「いや、これでも見直してるんだぞ」
<0071> \{Tomoya}「いや、これでも見直してるんだぞ
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<0071> \{Tomoya}「No, I'm still reviewing it
   
 
// <0072> \{朋也}「おまえはさ…」
 
// <0072> \{朋也}「おまえはさ…」
<0072> \{Tomoya}「おまえはさ…
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<0072> \{Tomoya}「You will be ...
   
 
// <0073> \{朋也}「馬鹿の中の馬鹿だよ」
 
// <0073> \{朋也}「馬鹿の中の馬鹿だよ」
<0073> \{Tomoya}「馬鹿の中の馬鹿だよ
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<0073> \{Tomoya}「Its stupid in a stupid
   
 
// <0074> どぐしっ!
 
// <0074> どぐしっ!
<0074> どぐしっ!
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<0074> Ill Comb them!
   
 
// <0075> 8月13日(金)
 
// <0075> 8月13日(金)
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// <0078> 住人は施設か、その周囲の民家に住んでいるため、離れた場所には誰も住んでいない。
 
// <0078> 住人は施設か、その周囲の民家に住んでいるため、離れた場所には誰も住んでいない。
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<0078> More residents live in the houses around it and no one lives in a remote location。
<0078> 住人は施設か、その周囲の民家に住んでいるため、離れた場所には誰も住んでいない。
 
   
 
// <0079> ひとつずつ、もう打ち捨てられた家々を見て回る。
 
// <0079> ひとつずつ、もう打ち捨てられた家々を見て回る。
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<0079> One by one, I look around for other abandoned houses。
<0079> ひとつずつ、もう打ち捨てられた家々を見て回る。
 
   
 
// <0080> だが、見つかった家はとても使えそうもなかった。
 
// <0080> だが、見つかった家はとても使えそうもなかった。
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<0080> But the family found it had no great use。
<0080> だが、見つかった家はとても使えそうもなかった。
 
   
 
// <0081> 朽ちて、天井が抜け落ちていた家。
 
// <0081> 朽ちて、天井が抜け落ちていた家。
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<0081> Decay, the house was missing ceiling。
<0081> 朽ちて、天井が抜け落ちていた家。
 
   
 
// <0082> 床がまったくなく、傾いでしまった家。
 
// <0082> 床がまったくなく、傾いでしまった家。
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<0082> Absolutely no floor in the house had tilted。
<0082> 床がまったくなく、傾いでしまった家。
 
   
 
// <0083> ひとまわりして、俺はやや遠くにあった家の前にいた。
 
// <0083> ひとまわりして、俺はやや遠くにあった家の前にいた。
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<0083> I was slightly in front of the house was far away people around you。
<0083> ひとまわりして、俺はやや遠くにあった家の前にいた。
 
   
 
// <0084> 厳重に戸締りがされているが、人は誰も住んでいない。
 
// <0084> 厳重に戸締りがされているが、人は誰も住んでいない。
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<0084> Have been closing up tightly, anyone who doesn't live。
<0084> 厳重に戸締りがされているが、人は誰も住んでいない。
 
   
 
// <0085> 古びてはいたが、屋根も、柱もしっかりしている。
 
// <0085> 古びてはいたが、屋根も、柱もしっかりしている。
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<0085> Although it was dated, the roof, the pillars are firm。
<0085> 古びてはいたが、屋根も、柱もしっかりしている。
 
   
 
// <0086> 戸越しに見える中も、それほど痛んではなさそうだ。
 
// <0086> 戸越しに見える中も、それほど痛んではなさそうだ。
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<0086> While you look over the door, this will be less damaged。
<0086> 戸越しに見える中も、それほど痛んではなさそうだ。
 
   
 
// <0087> \{朋也}「…これなら、何とかなるかも」
 
// <0087> \{朋也}「…これなら、何とかなるかも」
<0087> \{Tomoya}「…これなら、何とかなるかも
+
<0087> \{Tomoya}「... If it could somehow be
   
 
// <0088> 俺は走って、施設へと戻った。
 
// <0088> 俺は走って、施設へと戻った。
<0088> 俺は走って、施設へと戻った
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<0088> I ran and returned to the facility
   
 
// <0089> 久しぶりに爽快感を覚えていた。
 
// <0089> 久しぶりに爽快感を覚えていた。
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<0089> A long time had a sense of exhilaration。
<0089> 久しぶりに爽快感を覚えていた。
 
   
 
// <0090> \{智代}「学校を作る?」
 
// <0090> \{智代}「学校を作る?」
<0090> \{Tomoyo}「学校を作る?
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<0090> \{Tomoyo}「Make a school?
   
 
// <0091> \{朋也}「そうだ。ちょうどいい廃屋があるんだ。誰も住んでいないようだから、それを使わせてもらう」
 
// <0091> \{朋也}「そうだ。ちょうどいい廃屋があるんだ。誰も住んでいないようだから、それを使わせてもらう」
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<0091> \{Tomoya}「Yes. I have a perfect deserted house. Because as everyone doesn't live, we have used it」
<0091> \{Tomoya}「そうだ。ちょうどいい廃屋があるんだ。誰も住んでいないようだから、それを使わせてもらう」
 
   
 
// <0092> \{智代}「どうやって」
 
// <0092> \{智代}「どうやって」
<0092> \{Tomoyo}「どうやって
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<0092> \{Tomoyo}「How
   
 
// <0093> \{朋也}「経験を活かして。体動かすぐらいしか能がないからな」
 
// <0093> \{朋也}「経験を活かして。体動かすぐらいしか能がないからな」
<0093> \{Tomoya}「経験を活かして。体動かすぐらいしか能がないからな
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<0093> \{Tomoya}「Experience a little more than useless move from body
   
 
// <0094> \{智代}「そんなことをしていいのか?」
 
// <0094> \{智代}「そんなことをしていいのか?」
<0094> \{Tomoyo}「そんなことをしていいのか?
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<0094> \{Tomoyo}「What do you do that?
   
 
// <0095> \{朋也}「もちろん許可は取るよ、管理人に」
 
// <0095> \{朋也}「もちろん許可は取るよ、管理人に」
<0095> \{Tomoya}「もちろん許可は取るよ、管理人に
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<0095> \{Tomoya}「Of course, I get permission, the administrator
   
 
// <0096> \{管理人}「学校を作る?」
 
// <0096> \{管理人}「学校を作る?」
<0096> \{Manager}「学校を作る?
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<0096> \{Manager}「Make a school?
   
 
// <0097> \{朋也}「ああ。西にあった廃屋を使わせてくれ」
 
// <0097> \{朋也}「ああ。西にあった廃屋を使わせてくれ」
<0097> \{Tomoya}「ああ。西にあった廃屋を使わせてくれ
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<0097> \{Tomoya}「Yeah. Let me use an abandoned house in the west here
   
 
// <0098> \{朋也}「後はこちらですべて用意する」
 
// <0098> \{朋也}「後はこちらですべて用意する」
<0098> \{Tomoya}「後はこちらですべて用意する
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<0098> \{Tomoya}「After all here is to provide
   
 
// <0099> \{管理人}「学校ねぇ…」
 
// <0099> \{管理人}「学校ねぇ…」
<0099> \{Manager}「学校ねぇ…
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<0099> \{Manager}「Hey School ...
   
 
// <0100> \{管理人}「そんなもの作れるのかしら?」
 
// <0100> \{管理人}「そんなもの作れるのかしら?」
<0100> \{Manager}「そんなもの作れるのかしら?
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<0100> \{Manager}「I wonder what make of that?
   
 
// <0101> \{朋也}「作ってやるとも」
 
// <0101> \{朋也}「作ってやるとも」

Revision as of 11:33, 5 June 2010

Text

// Resources for SEEN0813.TXT

// #character '朋也'
#character 'Tomoya'

// #character '河南子'
#character 'Kanako'

// #character '声'
#character 'Voice'

// #character '智代'
#character 'Tomoyo'

// #character '管理人'
#character 'Manager'


// <0000> 何も思いつかないまま、今日も泊めてもらうことになった。
<0000> I’ll be stuck today without having anything to think about。

// <0001> このままずるずると何もしないで、休みが終わるのが恐かった。
<0001> It was scary that the holiday was over without having done anything。

// <0002> 焦りが俺をじっとされてくれない。
<0002> The feeling that I want to rush forward won't let me sit still.。

// <0003> 散歩と称して、山道を歩いていた。
<0003> In my mind, I walk along a mountain path。

// <0004> すると、なぜか河南子までついてきた。
<0004> Then for some reason, I came across Kanako。

// <0005> \{朋也}「なんだよ」
<0005> \{Tomoya}「What is it?」

// <0006> \{河南子}「いや、暗い顔してるからさ」
<0006> \{Kanako}「Nah, because you have such a gloomy face.」

// <0007> \{朋也}「そうか?」
<0007> \{Tomoya}「Is that so?」

// <0008> 言われるまで気がつかなかった。
<0008> I didn’t notice until she had said。

// <0009> \{河南子}「そのまま、どっかから飛び降りちゃうんじゃないかと思って」
<0009> \{Kanako}"I think I'll jump from somewhere."

// <0010> \{朋也}「するかよ…」
<0010> \{Tomoya}"You either ..."

// <0011> 山道を、何も考えずにぶらぶらと歩いた。
<0011> Without thinking, I aimlessly walked along the mountain path。

// <0012> 崖に行き着く。
<0012> I arrive at a cliff。

// <0013> 街灯がないので危険だ。無闇に歩いてると、本当に落ちそうだ。
<0013> Because there are no streetlights, it’s dangerous. If I am thoughtless and walk, I might actually fall。

// <0014> 底のほうを眺めていると、吸い込まれていきそうになる。.
<0014> When I look towards the bottom, I feel like I’m being sucked in。

// <0015> \{声}「わあぁっ!」\shake{4}
<0015> \{Voice}「Aaah!」\shake{4}

// <0016> \{朋也}「うわあぁっ!」
<0016> \{Tomoya}「Whoaaah!」

// <0017> 大声と共に肩を掴まれて、飛び上がるほど驚く。
<0017> A loud voice caught me by surprise, making me to jump。

// <0018> \{朋也}「落とす気かっ!」
<0018> \{Tomoya}「Are you trying to make me fall!?」

// <0019> \{河南子}「いや、危ないよーって」
<0019> \{Kanako}「No, I said “it’s dangerous“」

// <0020> \{朋也}「冗談になってないからな…」
<0020> \{Tomoya}「That isn’t even a joke…」

// <0021> どうしていいかわからないままに、月明かりの中を歩く。
<0021> We walk in the moonlight because we don’t know what else to do。

// <0022> \{河南子}「うわー、すごい星空」
<0022> \{Kanako}「Wow, what an amazing starlit sky」

// <0023> 河南子が足を止めて、空を見上げていた。
<0023> Kanako stopped walking and looked up at the sky。

// <0024> \{河南子}「向こうでも結構すごいなって思ってたんだけど」
<0024> \{Kanako}「I thought they were pretty awesome, but」

// <0025> \{河南子}「けた違いだぁね」
<0025> \{Kanako}「They’re a step beyond」

// <0026> 俺も見上げてみる。
<0026> I also look up at the sky。

// <0027> 確かに降ってきそうなほどの星が瞬いていた。
<0027> The stars were blinking, its getting to rain for sure.

// <0028> \{河南子}「あー、ともにも見せてあげたかったなー」
<0028> \{Kanako}「I wanted to show youー」

// <0029> …鷹文には。
<0029> Takafumi ...

// <0030> \{河南子}「こんなにも星がキレイなんだからさ…」
<0030> \{Kanako}「That the stars are so beautiful …」

// <0031> \{河南子}「元気、だそうよ、ね」
<0031> \{Kanako}「It seems that you're alright now」

// <0032> \{朋也}「ああ、そうだな」
<0032> \{Tomoya}「Oh, is that so」

// <0033> こいつなりに元気づけてくれていたのか。
<0033> This guy is encouraging me.

// <0034> \{朋也}「でも、結局何もできそうにないからな」
<0034> \{Tomoya}"But that will not be able to do anything after all."

// <0035> 未来や希望なんてものが、この俺に作り出せるはずもなかった。
<0035> I hope the future of something, they couldn't produce this for me.

// <0036> どこかの資産家か、お偉いさんならできたのかもしれないが、俺はしがない労働者だ。
<0036> Wealthy or somewhere, you could maybe higher-up, I'm a lowly worker.

// <0037> できることといったら、壊れた掃除機や洗濯機を直すことぐらいだ。
<0037> How much you can, I think I can fix a broken vacuum cleaners and washing machines.

// <0038> しばらく歩くと、ゴミの山へと辿り着いた。
<0038> After walking for a while, I arrived at a mountain of rubbish。

// <0039> 剥き出しの岩に腰かけ、わずかに見える村を眺める。
<0039> I sit on a bare rock, watching the barely visible village。

// <0040> 畑は月光に照らされ、施設の街灯だけが浮かんで見えた。
<0040> The fields lit by moonlight, I saw only the lamps in floating facilities. I think I can fix the machine.

// <0041> \{河南子}「ここにともが住めるようにすればいいんじゃないの?」
<0041> \{Kanako}「Its good if you also have to live here?」

// <0042> \{朋也}「そんなことはわかってるよ…」
<0042> \{Tomoya}「I know such a thing ...」

// <0043> \{朋也}「それができないから考えてるんだろうが」
<0043> \{Tomoya}「What is it I cant think.」

// <0044> \{河南子}「部屋も余ってたじゃん」
<0044> \{Kanako}「Rooms are spare.」

// <0045> \{朋也}「学校がないだろ」
<0045> \{Tomoya}「There’s no school」

// <0046> \{河南子}「じゃあ、作ればいいじゃん」
<0046> \{Kanako}「Well then, you should make it」

// <0047> \{朋也}「何を?」
<0047> \{Tomoya}「What?」

// <0048> \{河南子}「学校」
<0048> \{Kanako}「School」

// <0049> こともなげに言う河南子に呆れる。
<0049> Kanako amazed.

// <0050> 学校を作る
<0050> I make the school

// <0051> 別の案を考える
<0051> I think of another plan

// <0052> \{朋也}「おまえな、馬鹿だろ」
<0052> \{Tomoya}「You’re an idiot」

// <0053> \{河南子}「なんだよ、せっかく考えてあげたのに」
<0053> \{Kanako}「But I really thought about it with care」

// <0054> 河南子は膨れて、来た道を引き返していった。
<0054> Kanako sulked and retraced her steps。

// <0055> あれでもあいつなりに考えてくれたのだろう。でも、常識を逸していた。残念ながら応えることができない。
<0055> Who would even think that he will. But common sense was missed. Unfortunately unable to respond.

// <0056> ただ、馬鹿という発言だけは余計だったな、と反省する。
<0056> But I reflect upon my remark, calling her an idiot was unnecessary。

// <0057> 戻ったら謝っておこう。
<0057> I’ll apologise when she comes back。

// <0058> \{朋也}「…おまえな」
<0058> \{Tomoya}「You ...」

// <0059> 馬鹿だろ、と続けようとしてやめた。
<0059> Idiot and keep as quit。

// <0060> なければ作ればいいなんて発想、思いついたとしてもすぐ到底無理だと諦めてしまっていただろう。
<0060> Without thinking I should make would just give up and even thought it is far。

// <0061> でも、俺は今日まで、到底無理だと思えたことも根性だけで実現してきたんだ。
<0061> But until today I just have to realize that nature seemed to be impossible even。

// <0062> 連夜の喧嘩に勝ち続けた。
<0062> I continued to win the quarrel every night。

// <0063> 鷹文とのタイピング勝負にも勝った。
<0063> Takafumi types and also won the game。

// <0064> みんなであいつの呪いも解いた。
<0064> He also lifted the curse at all。

// <0065> この場所だって、一枚の手紙から突き止めてみせた。
<0065> Because this place from the track and showed a single letter。

// <0066> これまでそうしてきたはずなのに。
<0066> I shouldn't done so far。

// <0067> \{朋也}(なんで忘れてたんだろう…)
<0067> \{Tomoya}(I wonder why I forgot ...)

// <0068> 河南子の言葉を受け、ようやく思い出せた。
<0068> Kanako remembered the words only。

// <0069> \{河南子}「あたしが何?」
<0069> \{Kanako}「I what?」

// <0070> \{河南子}「どうせ、馬鹿だろ、とか言うんだろ」
<0070> \{Kanako}「Anyway, I know you fool, You know you're saying that I」

// <0071> \{朋也}「いや、これでも見直してるんだぞ」
<0071> \{Tomoya}「No, I'm still reviewing it」

// <0072> \{朋也}「おまえはさ…」
<0072> \{Tomoya}「You will be ...」

// <0073> \{朋也}「馬鹿の中の馬鹿だよ」
<0073> \{Tomoya}「Its stupid in a stupid」

// <0074> どぐしっ!
<0074> Ill Comb them!

// <0075> 8月13日(金)
<0075> August 13th (Fri)

// <0076> 俺は朝から村をさまよっていた。
<0076> I wandered around the village from the morning。

// <0077> 昨日の考えが本当にできるかどうか、それを確かめるために。
<0077> To find out whether yesterdays thought is actually possible。

// <0078> 住人は施設か、その周囲の民家に住んでいるため、離れた場所には誰も住んでいない。
<0078> More residents live in the houses around it and no one lives in a remote location。

// <0079> ひとつずつ、もう打ち捨てられた家々を見て回る。
<0079> One by one, I look around for other abandoned houses。

// <0080> だが、見つかった家はとても使えそうもなかった。
<0080> But the family found it had no great use。

// <0081> 朽ちて、天井が抜け落ちていた家。
<0081> Decay, the house was missing ceiling。

// <0082> 床がまったくなく、傾いでしまった家。
<0082> Absolutely no floor in the house had tilted。

// <0083> ひとまわりして、俺はやや遠くにあった家の前にいた。
<0083> I was slightly in front of the house was far away people around you。

// <0084> 厳重に戸締りがされているが、人は誰も住んでいない。
<0084> Have been closing up tightly, anyone who doesn't live。

// <0085> 古びてはいたが、屋根も、柱もしっかりしている。
<0085> Although it was dated, the roof, the pillars are firm。

// <0086> 戸越しに見える中も、それほど痛んではなさそうだ。
<0086> While you look over the door, this will be less damaged。

// <0087> \{朋也}「…これなら、何とかなるかも」
<0087> \{Tomoya}「... If it could somehow be」

// <0088> 俺は走って、施設へと戻った。
<0088> I ran and returned to the facility。

// <0089> 久しぶりに爽快感を覚えていた。
<0089> A long time had a sense of exhilaration。

// <0090> \{智代}「学校を作る?」
<0090> \{Tomoyo}「Make a school?」

// <0091> \{朋也}「そうだ。ちょうどいい廃屋があるんだ。誰も住んでいないようだから、それを使わせてもらう」
<0091> \{Tomoya}「Yes. I have a perfect deserted house. Because as everyone doesn't live, we have used it」

// <0092> \{智代}「どうやって」
<0092> \{Tomoyo}「How」

// <0093> \{朋也}「経験を活かして。体動かすぐらいしか能がないからな」
<0093> \{Tomoya}「Experience a little more than useless move from body」

// <0094> \{智代}「そんなことをしていいのか?」
<0094> \{Tomoyo}「What do you do that?」

// <0095> \{朋也}「もちろん許可は取るよ、管理人に」
<0095> \{Tomoya}「Of course, I get permission, the administrator」

// <0096> \{管理人}「学校を作る?」
<0096> \{Manager}「Make a school?」

// <0097> \{朋也}「ああ。西にあった廃屋を使わせてくれ」
<0097> \{Tomoya}「Yeah. Let me use an abandoned house in the west here」

// <0098> \{朋也}「後はこちらですべて用意する」
<0098> \{Tomoya}「After all here is to provide」

// <0099> \{管理人}「学校ねぇ…」
<0099> \{Manager}「Hey School ...」

// <0100> \{管理人}「そんなもの作れるのかしら?」
<0100> \{Manager}「I wonder what make of that?」

// <0101> \{朋也}「作ってやるとも」
<0101> \{Tomoya}「作ってやるとも」

// <0102> \{管理人}「はぁ…」
<0102> \{Manager}「はぁ…」

// <0103> \{朋也}「いいのか?」
<0103> \{Tomoya}「いいのか?」

// <0104> \{管理人}「畑仕事の邪魔にならないんだったら、どうぞお好きに」
<0104> \{Manager}「畑仕事の邪魔にならないんだったら、どうぞお好きに」

// <0105> 到底無理だと思っての返答だろう。
<0105> 到底無理だと思っての返答だろう。

// <0106> 彼女は後悔することになるかもしれない。
<0106> 彼女は後悔することになるかもしれない。

// <0107> 悪いが、俺はとものことを一番に考えて動く。
<0107> 悪いが、俺はとものことを一番に考えて動く。

// <0108> とにかく使えるものを探さなくてはいけない。
<0108> とにかく使えるものを探さなくてはいけない。

// <0109> 俺は朝から、うずたかく積まれたゴミの山と格闘していた。
<0109> 俺は朝から、うずたかく積まれたゴミの山と格闘していた。

// <0110> 最初に見つけたのは蛍光灯の傘だ。
<0110> 最初に見つけたのは蛍光灯の傘だ。

// <0111> 逆富士型という業務用のものだから、室内の灯りに使えそうだ。
<0111> 逆富士型という業務用のものだから、室内の灯りに使えそうだ。

// <0112> 雑巾でふき取ると、若干歪んでいたが十分に使える。
<0112> 雑巾でふき取ると、若干歪んでいたが十分に使える。

// <0113> 広げたビニールシートの上に並べ、掘り起こしに取りかかった。
<0113> 広げたビニールシートの上に並べ、掘り起こしに取りかかった。

// <0114> \{朋也}「智代、見ろっ、黒板があったぞっ」
<0114> \{Tomoya}「智代、見ろっ、黒板があったぞっ」

// <0115> 俺は嬉しさのあまり、思わず声を張り上げてしまう。
<0115> 俺は嬉しさのあまり、思わず声を張り上げてしまう。

// <0116> \{智代}「そうか…」
<0116> \{Tomoyo}「そうか…」

// <0117> けど、智代はそれとは逆に、弱々しく答えた。
<0117> けど、智代はそれとは逆に、弱々しく答えた。

// <0118> \{朋也}「足元に気をつけて、ここまで来てくれないか」
<0118> \{Tomoya}「足元に気をつけて、ここまで来てくれないか」

// <0119> \{朋也}「掘り出すのを手伝ってほしいんだ」
<0119> \{Tomoya}「掘り出すのを手伝ってほしいんだ」

// <0120> \{智代}「あ、ああ」
<0120> \{Tomoyo}「あ、ああ」

// <0121> 真っ直ぐにのぼってこようとする。
<0121> 真っ直ぐにのぼってこようとする。

// <0122> \{朋也}「足元!」
<0122> \{Tomoya}「足元!」

// <0123> 注意するが遅かった。何かの板が智代の体重を載せて滑った。
<0123> 注意するが遅かった。何かの板が智代の体重を載せて滑った。

// <0124> 派手に回転して、赤ん坊のような格好で仰向けになる。
<0124> 派手に回転して、赤ん坊のような格好で仰向けになる。

// <0125> \{朋也}「大丈夫かよっ」
<0125> \{Tomoya}「大丈夫かよっ」

// <0126> 寄っていって、手を伸ばす。
<0126> 寄っていって、手を伸ばす。

// <0127> \{智代}「………」
<0127> \{Tomoyo}「………」

// <0128> 智代は無言のまま、引き上げられる。
<0128> 智代は無言のまま、引き上げられる。

// <0129> \{朋也}「怪我なかったか」
<0129> \{Tomoya}「怪我なかったか」

// <0130> \{智代}「………」
<0130> \{Tomoyo}「………」

// <0131> 智代は答えない。痛みはないようだった。
<0131> 智代は答えない。痛みはないようだった。

// <0132> \{朋也}「どうした?」
<0132> \{Tomoya}「どうした?」

// <0133> \{智代}「…こんなゴミの山で何をしてるんだ」
<0133> \{Tomoyo}「…こんなゴミの山で何をしてるんだ」

// <0134> 我に返ったかのように言われる。
<0134> 我に返ったかのように言われる。

// <0135> \{朋也}「黒板を掘り出す」
<0135> \{Tomoya}「黒板を掘り出す」

// <0136> 平然と答えてやる。
<0136> 平然と答えてやる。

// <0137> \{智代}「どうして」
<0137> \{Tomoyo}「どうして」

// <0138> \{朋也}「学校を作る」
<0138> \{Tomoya}「学校を作る」

// <0139> \{智代}「どうして」
<0139> \{Tomoyo}「どうして」

// <0140> \{朋也}「ともが通うために」
<0140> \{Tomoya}「ともが通うために」

// <0141> \{智代}「ちょっと待て…ともはまだ幼稚園児だぞ」
<0141> \{Tomoyo}「ちょっと待て…ともはまだ幼稚園児だぞ」

// <0142> \{智代}「作るなら…幼稚園じゃないのか…」
<0142> \{Tomoyo}「作るなら…幼稚園じゃないのか…」

// <0143> \{朋也}「俺がここに作りたいのは、未来とか希望とか…そんなのなんだよ」
<0143> \{Tomoya}「俺がここに作りたいのは、未来とか希望とか…そんなのなんだよ」

// <0144> \{朋也}「学校はその象徴だ」
<0144> \{Tomoya}「学校はその象徴だ」

// <0145> \{朋也}「だから学校でいい」
<0145> \{Tomoya}「だから学校でいい」

// <0146> \{智代}「そうか…」
<0146> \{Tomoyo}「そうか…」

// <0147> \{智代}「どうして学校なのかは…まだ理解していないが…」
<0147> \{Tomoyo}「どうして学校なのかは…まだ理解していないが…」

// <0148> \{智代}「朋也は、ともがここで暮らしていけるように、がんばってるんだな」
<0148> \{Tomoyo}「朋也は、ともがここで暮らしていけるように、がんばってるんだな」

// <0149> \{朋也}「そうだ」
<0149> \{Tomoya}「そうだ」

// <0150> \{朋也}「だから、おまえも頑張ってくれよ」
<0150> \{Tomoya}「だから、おまえも頑張ってくれよ」

// <0151> \{朋也}「さっきので怪我はなかったか?」
<0151> \{Tomoya}「さっきので怪我はなかったか?」

// <0152> \{智代}「朋也…」
<0152> \{Tomoyo}「朋也…」

// <0153> \{智代}「話を聞いてほしいんだ…」
<0153> \{Tomoyo}「話を聞いてほしいんだ…」

// <0154> \{朋也}「俺は怪我はなかったか訊いてるんだけどな…」
<0154> \{Tomoya}「俺は怪我はなかったか訊いてるんだけどな…」

// <0155> それでも智代は答えない。
<0155> それでも智代は答えない。

// <0156> \{智代}「とものことなんだが…」
<0156> \{Tomoyo}「とものことなんだが…」

// <0157> 話を続ける。
<0157> 話を続ける。

// <0158> \{智代}「本当に…母親の元に戻すべきなんだろうか?」
<0158> \{Tomoyo}「本当に…母親の元に戻すべきなんだろうか?」

// <0159> ともの母親の話を聞いてから、智代はそのことだけをずっと考えていたのだろう。
<0159> ともの母親の話を聞いてから、智代はそのことだけをずっと考えていたのだろう。

// <0160> \{朋也}「戻すべきだろう」
<0160> \{Tomoya}「戻すべきだろう」

// <0161> 俺は当然のように答える。
<0161> 俺は当然のように答える。

// <0162> \{智代}「そうなのだろうか…」
<0162> \{Tomoyo}「そうなのだろうか…」

// <0163> \{智代}「もしかしたら、それは短絡的かもしれないぞ…?」
<0163> \{Tomoyo}「もしかしたら、それは短絡的かもしれないぞ…?」

// <0164> 恐る恐るといった調子で言葉を紡ぐ。
<0164> 恐る恐るといった調子で言葉を紡ぐ。

// <0165> \{智代}「私はともの立場に立って考えてみたんだ」
<0165> \{Tomoyo}「私はともの立場に立って考えてみたんだ」

// <0166> \{智代}「ともは、母親に捨てられたと思っている」
<0166> \{Tomoyo}「ともは、母親に捨てられたと思っている」

// <0167> \{智代}「…それについて異論はないな?」
<0167> \{Tomoyo}「…それについて異論はないな?」

// <0168> \{朋也}「ああ、いいよ」
<0168> \{Tomoya}「ああ、いいよ」

// <0169> \{智代}「それを知ったあの日、ともは傷つき、泣きはらした」
<0169> \{Tomoyo}「それを知ったあの日、ともは傷つき、泣きはらした」

// <0170> \{智代}「私はずっとそばにいて…なぐさめた」
<0170> \{Tomoyo}「私はずっとそばにいて…なぐさめた」

// <0171> \{智代}「翌日からは泣かなかった」
<0171> \{Tomoyo}「翌日からは泣かなかった」

// <0172> \{智代}「ともは…その悲しみを乗り越えたんだ」
<0172> \{Tomoyo}「ともは…その悲しみを乗り越えたんだ」

// <0173> \{朋也}「乗り越えていない。今も、悲しんでるはずだ」
<0173> \{Tomoya}「乗り越えていない。今も、悲しんでるはずだ」

// <0174> \{智代}「そうか…朋也はそう考えてるんだな」
<0174> \{Tomoyo}「そうか…朋也はそう考えてるんだな」

// <0175> \{朋也}「ああ」
<0175> \{Tomoya}「ああ」

// <0176> \{智代}「まあ、悲しんでいたとしても、だ…」
<0176> \{Tomoyo}「まあ、悲しんでいたとしても、だ…」

// <0177> \{智代}「私という母がいる」
<0177> \{Tomoyo}「私という母がいる」

// <0178> \{智代}「その悲しみも癒えていくと思うんだ」
<0178> \{Tomoyo}「その悲しみも癒えていくと思うんだ」

// <0179> \{朋也}「かもな」
<0179> \{Tomoya}「かもな」

// <0180> \{智代}「うん、きっとそうなる」
<0180> \{Tomoyo}「うん、きっとそうなる」

// <0181> \{智代}「自信はあるんだ」
<0181> \{Tomoyo}「自信はあるんだ」

// <0182> \{智代}「でも、仮に今、ここでともを母親に引き渡したことを考えてみてほしい」
<0182> \{Tomoyo}「でも、仮に今、ここでともを母親に引き渡したことを考えてみてほしい」

// <0183> \{智代}「ともの立場で」
<0183> \{Tomoyo}「ともの立場で」

// <0184> \{智代}「どうなる…?」
<0184> \{Tomoyo}「どうなる…?」

// <0185> \{朋也}「母親との暮らしが取り戻せる」
<0185> \{Tomoya}「母親との暮らしが取り戻せる」

// <0186> \{智代}「その通りだ」
<0186> \{Tomoyo}「その通りだ」

// <0187> \{智代}「しかし…その時間は悲しいことに長くは続かないんだ」
<0187> \{Tomoyo}「しかし…その時間は悲しいことに長くは続かないんだ」

// <0188> \{朋也}「ああ」
<0188> \{Tomoya}「ああ」

// <0189> \{智代}「ともは目の前で母親をなくすことになる」
<0189> \{Tomoyo}「ともは目の前で母親をなくすことになる」

// <0190> \{智代}「この悲しみはどれほどのものだろう…」
<0190> \{Tomoyo}「この悲しみはどれほどのものだろう…」

// <0191> \{智代}「一度失って、そして戻ってきたと思ったのに、また失うんだぞ…」
<0191> \{Tomoyo}「一度失って、そして戻ってきたと思ったのに、また失うんだぞ…」

// <0192> \{智代}「まるで、神様のたちの悪いいたずらのようじゃないか」
<0192> \{Tomoyo}「まるで、神様のたちの悪いいたずらのようじゃないか」

// <0193> \{智代}「悲しみは一度きりでいいじゃないか」
<0193> \{Tomoyo}「悲しみは一度きりでいいじゃないか」

// <0194> \{智代}「なにもそんなにたくさん課さなくてもいいじゃないか」
<0194> \{Tomoyo}「なにもそんなにたくさん課さなくてもいいじゃないか」

// <0195> \{智代}「あんなに小さいのに…」
<0195> \{Tomoyo}「あんなに小さいのに…」

// <0196> \{智代}「そんな不幸に矢継ぎ早に見舞われるなんて…かわいそうじゃないか」
<0196> \{Tomoyo}「そんな不幸に矢継ぎ早に見舞われるなんて…かわいそうじゃないか」

// <0197> \{智代}「もういいじゃないか…もう…」
<0197> \{Tomoyo}「もういいじゃないか…もう…」

// <0198> \{智代}「そもそも、私たちだって知らないまま終わるはずだった…」
<0198> \{Tomoyo}「そもそも、私たちだって知らないまま終わるはずだった…」

// <0199> \{智代}「あんなにも必死に…この場所を突きとめてしまったから…」
<0199> \{Tomoyo}「あんなにも必死に…この場所を突きとめてしまったから…」

// <0200> \{智代}「だから、朋也…」
<0200> \{Tomoyo}「だから、朋也…」

// <0201> \{智代}「私たちも、このまま…」
<0201> \{Tomoyo}「私たちも、このまま…」

// <0202> \{智代}「この場所を去ろう」
<0202> \{Tomoyo}「この場所を去ろう」

// <0203> それが、智代が導き出した答え。
<0203> それが、智代が導き出した答え。

// <0204> けど、俺は…\p違う。
<0204> けど、俺は…\p違う。

// <0205> \{朋也}「俺は…」
<0205> \{Tomoya}「俺は…」

// <0206> \{朋也}「それでも、ふたりは一緒にいるべきだと思う」
<0206> \{Tomoya}「それでも、ふたりは一緒にいるべきだと思う」

// <0207> \{智代}「どうして…」
<0207> \{Tomoyo}「どうして…」

// <0208> \{朋也}「親子だから」
<0208> \{Tomoya}「親子だから」

// <0209> \{朋也}「そうとしか言えない」
<0209> \{Tomoya}「そうとしか言えない」

// <0210> \{智代}「そうか…」
<0210> \{Tomoyo}「そうか…」

// <0211> \{智代}「初めてかもな…」
<0211> \{Tomoyo}「初めてかもな…」

// <0212> \{朋也}「何が」
<0212> \{Tomoya}「何が」

// <0213> \{智代}「ふたりの意見が分かれるなんて…」
<0213> \{Tomoyo}「ふたりの意見が分かれるなんて…」

// <0214> \{朋也}「そうだな…」
<0214> \{Tomoya}「そうだな…」

// <0215> \{智代}「私にも信念がある…」
<0215> \{Tomoyo}「私にも信念がある…」

// <0216> \{智代}「だから、悪いが…手伝えない」
<0216> \{Tomoyo}「だから、悪いが…手伝えない」

// <0217> \{朋也}「そりゃ残念だ」
<0217> \{Tomoya}「そりゃ残念だ」

// <0218> 智代は背を向け、ゴミの山を降りていく。
<0218> 智代は背を向け、ゴミの山を降りていく。

// <0219> 地面に降り立ったところで、俺を振り返った。
<0219> 地面に降り立ったところで、俺を振り返った。

// <0220> \{智代}「………」
<0220> \{Tomoyo}「………」

// <0221> 何か言いたそうにしていたが、結局言わなかった。
<0221> 何か言いたそうにしていたが、結局言わなかった。

// <0222> そのままセミの鳴く木々の間に姿を消した。
<0222> そのままセミの鳴く木々の間に姿を消した。

// <0223> \{朋也}(…親子だからか)
<0223> \{Tomoya}(…親子だからか)

// <0224> 今言った自分のセリフが皮肉めいていて、笑えた。
<0224> 今言った自分のセリフが皮肉めいていて、笑えた。

// <0225> あるいは、もしかしたら…
<0225> あるいは、もしかしたら…

// <0226> 今の俺なら、あの人を受け入れられるのかもしれない。
<0226> 今の俺なら、あの人を受け入れられるのかもしれない。

// <0227> …どちらにしても、それは先の話だ。今はやることがある。
<0227> …どちらにしても、それは先の話だ。今はやることがある。

// <0228> 手を動かすんだ。
<0228> 手を動かすんだ。

// <0229> 軍手を外し、首から下げたタオルで顔を拭いた。
<0229> 軍手を外し、首から下げたタオルで顔を拭いた。

// <0230> 着ていたTシャツを脱ぎ、絞ると、汗が滴り落ちる。
<0230> 着ていたTシャツを脱ぎ、絞ると、汗が滴り落ちる。

// <0231> 陽射しをまともに浴びているため、高地とはいえ暑かった。
<0231> 陽射しをまともに浴びているため、高地とはいえ暑かった。

// <0232> 日射病にならないよう、水を飲んで、また作業へと戻る。
<0232> 日射病にならないよう、水を飲んで、また作業へと戻る。

// <0233> \{朋也}(こんなところ…か)
<0233> \{Tomoya}(こんなところ…か)

// <0234> 掘り起こせたのは黒板と蛍光灯、ぼろぼろの学習机。
<0234> 掘り起こせたのは黒板と蛍光灯、ぼろぼろの学習机。

// <0235> 椅子はパイプ椅子があったが、探せば他にもありそうだ。
<0235> 椅子はパイプ椅子があったが、探せば他にもありそうだ。

// <0236> しかしこれらをどうやって運べばいい?
<0236> しかしこれらをどうやって運べばいい?

// <0237> 黒板は両手を広げたくらいはある大きなものだ。
<0237> 黒板は両手を広げたくらいはある大きなものだ。

// <0238> 何とか山から引きずり出せたが、運ぶとなると一仕事だ。
<0238> 何とか山から引きずり出せたが、運ぶとなると一仕事だ。

// <0239> 俺は一旦、山を降りることにした。
<0239> 俺は一旦、山を降りることにした。

// <0240> \{管理人}「台車ねえ…」
<0240> \{Manager}「台車ねえ…」

// <0241> \{朋也}「何か運べそうなのがあれば助かる」
<0241> \{Tomoya}「何か運べそうなのがあれば助かる」

// <0242> \{管理人}「こんなのでよければあるけど」
<0242> \{Manager}「こんなのでよければあるけど」

// <0243> 出てきたのは古めかしい金属の台車だ。
<0243> 出てきたのは古めかしい金属の台車だ。

// <0244> 動かすとぎしぎしと嫌な音を立てる。
<0244> 動かすとぎしぎしと嫌な音を立てる。

// <0245> \{朋也}「…ないよりマシだな」
<0245> \{Tomoya}「…ないよりマシだな」

// <0246> 先にこっちを修理する必要があった。
<0246> 先にこっちを修理する必要があった。

// <0247> キャスターのベアリングは生きていたので、潤滑油を吹き込み強引に動かす。
<0247> キャスターのベアリングは生きていたので、潤滑油を吹き込み強引に動かす。

// <0248> 歪んでいる台座が軋みの原因だったので、ビスを外し叩いて伸ばすことにした。
<0248> 歪んでいる台座が軋みの原因だったので、ビスを外し叩いて伸ばすことにした。

// <0249> 組み上げてみると、それなりに動くようになった。
<0249> 組み上げてみると、それなりに動くようになった。

// <0250> 修理したことのないものだったが、今まで勉強してきたことの応用で何とかなるものだな。自分のことながら驚く。
<0250> 修理したことのないものだったが、今まで勉強してきたことの応用で何とかなるものだな。自分のことながら驚く。

// <0251> ビニールシートを広げ、庭先に運び出した廃品を並べる。
<0251> ビニールシートを広げ、庭先に運び出した廃品を並べる。

// <0252> 俺はまず、埃だらけの廃屋を掃除するところから始めた。
<0252> 俺はまず、埃だらけの廃屋を掃除するところから始めた。

// <0253> 土間に放置されていた農機具を除け、奥の間に積まれていた古い畳を退かす。
<0253> 土間に放置されていた農機具を除け、奥の間に積まれていた古い畳を退かす。

// <0254> ゴミは庭先の一角にまとめて置くことにした。
<0254> ゴミは庭先の一角にまとめて置くことにした。

// <0255> 掃除をしていて気がついた。
<0255> 掃除をしていて気がついた。

// <0256> たぶん、誰かが最近までこの家を使っていたのだろう。
<0256> たぶん、誰かが最近までこの家を使っていたのだろう。

// <0257> ひどく汚れてはいたが、ところどころ補修された跡があった。
<0257> ひどく汚れてはいたが、ところどころ補修された跡があった。

// <0258> ススを払い、家中を水拭きするだけで、住めそうな家に変わっていった。
<0258> ススを払い、家中を水拭きするだけで、住めそうな家に変わっていった。

// <0259> 掃除が一段落し、次に取りかかったのは配電盤だ。
<0259> 掃除が一段落し、次に取りかかったのは配電盤だ。

// <0260> 電線は家まで繋がっているが、ブレーカーを上げても反応がなかった。
<0260> 電線は家まで繋がっているが、ブレーカーを上げても反応がなかった。

// <0261> \{朋也}(電気が来てないのか…?)
<0261> \{Tomoya}(電気が来てないのか…?)

// <0262> 生憎と電気工事はしたことがない。
<0262> 生憎と電気工事はしたことがない。

// <0263> とはいえ、基礎は勉強させられたから、ある程度は理解していた。
<0263> とはいえ、基礎は勉強させられたから、ある程度は理解していた。

// <0264> 作業を続ける。
<0264> 作業を続ける。

// <0265> 結果はともあれ、今、自分にできることがあることを喜びとして実感していた。
<0265> 結果はともあれ、今、自分にできることがあることを喜びとして実感していた。

// <0266> 学生の頃は、無力で、無気力な自分がいた。
<0266> 学生の頃は、無力で、無気力な自分がいた。

// <0267> 智代をひとりにしたあの八ヶ月は、その自分が招いたものだ。
<0267> 智代をひとりにしたあの八ヶ月は、その自分が招いたものだ。

// <0268> 今は、やれることがある、そしてやろうという気になれる。
<0268> 今は、やれることがある、そしてやろうという気になれる。

// <0269> 誰かのために。
<0269> 誰かのために。

// <0270> 俺はあの日より、人を好きになっていた。
<0270> 俺はあの日より、人を好きになっていた。

// <0271> \{河南子}「うおおっ、こいつマジで作ってやがるっ」
<0271> \{Kanako}「うおおっ、こいつマジで作ってやがるっ」

// <0272> \{河南子}「あたしを馬鹿の中の馬鹿呼ばわりしておいて、それを実行するおまえは、どんな馬鹿だよっ」
<0272> \{Kanako}「あたしを馬鹿の中の馬鹿呼ばわりしておいて、それを実行するおまえは、どんな馬鹿だよっ」

// <0273> \{朋也}「いいよ、なんとでも呼んでくれ」
<0273> \{Tomoya}「いいよ、なんとでも呼んでくれ」

// <0274> \{河南子}「ザ・うんこマン」
<0274> \{Kanako}「ザ・うんこマン」

// <0275> \{朋也}「ごめん、やめてくれ」
<0275> \{Tomoya}「ごめん、やめてくれ」

// <0276> \{河南子}「それよりも見てさ、これー」
<0276> \{Kanako}「それよりも見てさ、これー」

// <0277> 河南子が自慢げに見せびらかすのはアイスだった。
<0277> 河南子が自慢げに見せびらかすのはアイスだった。

// <0278> \{河南子}「村の人がくれたんだよ」
<0278> \{Kanako}「村の人がくれたんだよ」

// <0279> \{河南子}「いい人もいるんだねぇ」
<0279> \{Kanako}「いい人もいるんだねぇ」

// <0280> \{朋也}「ちゃんと礼言ったか?」
<0280> \{Tomoya}「ちゃんと礼言ったか?」

// <0281> \{河南子}「言ったよ。子供扱いすんなよ、もー」
<0281> \{Kanako}「言ったよ。子供扱いすんなよ、もー」

// <0282> \{朋也}「子供みたいなもんじゃないか、おまえ」
<0282> \{Tomoya}「子供みたいなもんじゃないか、おまえ」

// <0283> \{河南子}「んだよ、てめー、誘惑すっぞ」
<0283> \{Kanako}「んだよ、てめー、誘惑すっぞ」

// <0284> \{朋也}「いいから大人しくしておけ」
<0284> \{Tomoya}「いいから大人しくしておけ」

// <0285> \{河南子}「しかし、ここあっついねー、よくいるね、こんなとこ」
<0285> \{Kanako}「しかし、ここあっついねー、よくいるね、こんなとこ」

// <0286> \{河南子}「涼んでこよーっと」
<0286> \{Kanako}「涼んでこよーっと」

// <0287> のんきに来た道を戻っていった。
<0287> のんきに来た道を戻っていった。

// <0288> \{朋也}「これでよし…と」
<0288> \{Tomoya}「これでよし…と」

// <0289> ブレーカーの修理が終わり、電気が通るようになった。
<0289> ブレーカーの修理が終わり、電気が通るようになった。

// <0290> あくまでも応急処置だから、そのうち漏電装置の交換はしなくてはならないだろう。
<0290> あくまでも応急処置だから、そのうち漏電装置の交換はしなくてはならないだろう。

// <0291> 拾ってきた蛍光灯は安定器が壊れていた。
<0291> 拾ってきた蛍光灯は安定器が壊れていた。

// <0292> 簡単な検査しかできなかったが、ほぼ間違いないと思う。
<0292> 簡単な検査しかできなかったが、ほぼ間違いないと思う。

// <0293> だが交換部品が手元にないので、ゴミの山から探し出すしかなかった。
<0293> だが交換部品が手元にないので、ゴミの山から探し出すしかなかった。

// <0294> 暑さも手伝って、一瞬気が遠くなる。
<0294> 暑さも手伝って、一瞬気が遠くなる。

// <0295> \{朋也}「ふぅ…」
<0295> \{Tomoya}「ふぅ…」

// <0296> 深く息をついた後、こんなことぐらいでへこたれるな、と自分を鼓舞し、もう一度ゴミの山に戻った。
<0296> 深く息をついた後、こんなことぐらいでへこたれるな、と自分を鼓舞し、もう一度ゴミの山に戻った。

// <0297> \{管理人}「あ、いたいた」
<0297> \{Manager}「あ、いたいた」

// <0298> ゴミの山に向かう途中、管理人に会った。
<0298> ゴミの山に向かう途中、管理人に会った。

// <0299> \{管理人}「本当に作ってるの?」
<0299> \{Manager}「本当に作ってるの?」

// <0300> \{管理人}「さっきかなちゃんに聞いたんだけど」
<0300> \{Manager}「さっきかなちゃんに聞いたんだけど」

// <0301> \{朋也}「かなちゃん…?」
<0301> \{Tomoya}「かなちゃん…?」

// <0302> 思わず訊き返す。
<0302> 思わず訊き返す。

// <0303> \{管理人}「あなたの連れの子よ」
<0303> \{Manager}「あなたの連れの子よ」

// <0304> \{朋也}「ああ…」
<0304> \{Tomoya}「ああ…」

// <0305> \{朋也}「いつの間にか親しくなってんだな」
<0305> \{Tomoya}「いつの間にか親しくなってんだな」

// <0306> \{管理人}「いろんな人にお菓子せがんでるんだもの」
<0306> \{Manager}「いろんな人にお菓子せがんでるんだもの」

// <0307> \{管理人}「手のかかる子ね。今じゃ村一番の有名人よ」
<0307> \{Manager}「手のかかる子ね。今じゃ村一番の有名人よ」

// <0308> その言葉が嫌味に聞こえなかったのが意外だった。
<0308> その言葉が嫌味に聞こえなかったのが意外だった。

// <0309> \{管理人}「で、話を戻すけど…」
<0309> \{Manager}「で、話を戻すけど…」

// <0310> \{朋也}「ああ。あんたの言葉通り、好きにさせてもらってる」
<0310> \{Tomoya}「ああ。あんたの言葉通り、好きにさせてもらってる」

// <0311> \{管理人}「どうして?」
<0311> \{Manager}「どうして?」

// <0312> \{朋也}「前にも言ったと思うけど、ともがここで…」
<0312> \{Tomoya}「前にも言ったと思うけど、ともがここで…」

// <0313> \{管理人}「あ、ごめん、そうじゃなくてね」
<0313> \{Manager}「あ、ごめん、そうじゃなくてね」

// <0314> \{管理人}「どうして、そこまで有子さんのためにするのかってこと」
<0314> \{Manager}「どうして、そこまで有子さんのためにするのかってこと」

// <0315> \{管理人}「有子さんのお子さん、あなたの彼女の義妹になるのかな」
<0315> \{Manager}「有子さんのお子さん、あなたの彼女の義妹になるのかな」

// <0316> \{管理人}「言い方はわるいんだけど、あなたにとっては他人よ?」
<0316> \{Manager}「言い方はわるいんだけど、あなたにとっては他人よ?」

// <0317> \{朋也}「それがどうかしたか?」
<0317> \{Tomoya}「それがどうかしたか?」

// <0318> \{管理人}「なんで、そんな面倒なことに首を突っ込むのかってこと」
<0318> \{Manager}「なんで、そんな面倒なことに首を突っ込むのかってこと」

// <0319> 俺は黙った。
<0319> 俺は黙った。

// <0320> しばらく考えてから…
<0320> しばらく考えてから…

// <0321> はは、と笑ってしまった。
<0321> はは、と笑ってしまった。

// <0322> \{管理人}「なんで笑うのよ」
<0322> \{Manager}「なんで笑うのよ」

// <0323> \{朋也}「いや、全然考えたことなかったから」
<0323> \{Tomoya}「いや、全然考えたことなかったから」

// <0324> \{朋也}「多分、知り合ったからだな」
<0324> \{Tomoya}「多分、知り合ったからだな」

// <0325> \{朋也}「赤の他人のことまでは考えない。それはそいつの知り合いに任せておく」
<0325> \{Tomoya}「赤の他人のことまでは考えない。それはそいつの知り合いに任せておく」

// <0326> \{朋也}「でも、俺が知ってる奴が苦しんでるなら、何とかしてやりたい」
<0326> \{Tomoya}「でも、俺が知ってる奴が苦しんでるなら、何とかしてやりたい」

// <0327> \{朋也}「こんな俺にできることだったら、してやりたい」
<0327> \{Tomoya}「こんな俺にできることだったら、してやりたい」

// <0328> \{管理人}「どうして?」
<0328> \{Manager}「どうして?」

// <0329> \{朋也}「そうやって考えて生きたら、もっとみんなが幸せになれそうだからな」
<0329> \{Tomoya}「そうやって考えて生きたら、もっとみんなが幸せになれそうだからな」

// <0330> \{管理人}「…そうなの」
<0330> \{Manager}「…そうなの」

// <0331> \{朋也}「たしかに、この施設に迷惑かけてるってのはわかる」
<0331> \{Tomoya}「たしかに、この施設に迷惑かけてるってのはわかる」

// <0332> \{朋也}「それはすまないと思ってる」
<0332> \{Tomoya}「それはすまないと思ってる」

// <0333> \{朋也}「でも、ともは今も苦しんでいる」
<0333> \{Tomoya}「でも、ともは今も苦しんでいる」

// <0334> \{朋也}「母親のことをずっと考えてる」
<0334> \{Tomoya}「母親のことをずっと考えてる」

// <0335> \{朋也}「その母親も、とものことが好きで…」
<0335> \{Tomoya}「その母親も、とものことが好きで…」

// <0336> \{朋也}「だったら、ふたりは一緒にいるべきだ」
<0336> \{Tomoya}「だったら、ふたりは一緒にいるべきだ」

// <0337> \{朋也}「それで、俺にできることを考えてみたら、これだった」
<0337> \{Tomoya}「それで、俺にできることを考えてみたら、これだった」

// <0338> \{朋也}「それだけ」
<0338> \{Tomoya}「それだけ」

// <0339> \{管理人}「本気みたいね」
<0339> \{Manager}「本気みたいね」

// <0340> \{朋也}「当然」
<0340> \{Tomoya}「当然」

// <0341> 管理人は一度肩をすくめてから、大きく息を吐いた。
<0341> 管理人は一度肩をすくめてから、大きく息を吐いた。

// <0342> \{管理人}「…止めようかと思ったけど、あなたの話を聞いてたら無理だと悟っちゃったわ」
<0342> \{Manager}「…止めようかと思ったけど、あなたの話を聞いてたら無理だと悟っちゃったわ」

// <0343> \{朋也}「そりゃ助かる。あんたの相手をしてる時間も惜しかったんだ」
<0343> \{Tomoya}「そりゃ助かる。あんたの相手をしてる時間も惜しかったんだ」

// <0344> ぽん、と管理人は俺の肩を叩いてくれた。
<0344> ぽん、と管理人は俺の肩を叩いてくれた。

// <0345> \{管理人}「でも、せめてお昼ご飯くらいは食べに帰っていらっしゃい。ぶっ倒れるわよ?」
<0345> \{Manager}「でも、せめてお昼ご飯くらいは食べに帰っていらっしゃい。ぶっ倒れるわよ?」

// <0346> \{朋也}「ああ、明日からそうさせてもらうよ」
<0346> \{Tomoya}「ああ、明日からそうさせてもらうよ」

// <0347> ゴミの山から古い蛍光灯についた安定器が何個か見つかった。
<0347> ゴミの山から古い蛍光灯についた安定器が何個か見つかった。

// <0348> テスターで通電を確かめたところ、使えそうなものがあった。
<0348> テスターで通電を確かめたところ、使えそうなものがあった。

// <0349> 記憶を振り絞り、前に覚えた作業を思い出しながら試行錯誤する。
<0349> 記憶を振り絞り、前に覚えた作業を思い出しながら試行錯誤する。

// <0350> 無茶な作業なのは理解できていた。
<0350> 無茶な作業なのは理解できていた。

// <0351> 今すぐ会社に戻って、材料と工具を持ち出したいとさえ思う。
<0351> 今すぐ会社に戻って、材料と工具を持ち出したいとさえ思う。

// <0352> だが、そう簡単には帰れない距離に村はあった。
<0352> だが、そう簡単には帰れない距離に村はあった。

// <0353> それに智代のこともある。
<0353> それに智代のこともある。

// <0354> 俺が帰ると言い出せば、智代もついてくるだろうし、内緒でひとりいなくなるわけにもいかない。
<0354> 俺が帰ると言い出せば、智代もついてくるだろうし、内緒でひとりいなくなるわけにもいかない。

// <0355> \{朋也}(ここで耐えるしかないな…)
<0355> \{Tomoya}(ここで耐えるしかないな…)

// <0356> 学校を作り上げるまでは。
<0356> 学校を作り上げるまでは。

// <0357> 手元が見にくくなり、俺は顔を上げた。
<0357> 手元が見にくくなり、俺は顔を上げた。

// <0358> 山は朱色に染まり、日は山の陰に隠れようとしていた。
<0358> 山は朱色に染まり、日は山の陰に隠れようとしていた。

// <0359> 次第に暗くなり、作業に差し支え始めた。
<0359> 次第に暗くなり、作業に差し支え始めた。

// <0360> 仕方ない。今日は終わりにしよう。
<0360> 仕方ない。今日は終わりにしよう。

// <0361> 俺はまだ使えそうな部品を、同じように山から拾い出した木箱に詰めた。
<0361> 俺はまだ使えそうな部品を、同じように山から拾い出した木箱に詰めた。

// <0362> 持ち手もあり、かき集めた部品同様、これからの修理に役に立ってくれるはずだ。
<0362> 持ち手もあり、かき集めた部品同様、これからの修理に役に立ってくれるはずだ。

// <0363> また、スチール製の棚もけっこう綺麗な形で見つかった。
<0363> また、スチール製の棚もけっこう綺麗な形で見つかった。

// <0364> こういうものも学校には必要だ。
<0364> こういうものも学校には必要だ。

// <0365> 想いが少しずつ形になり始める。
<0365> 想いが少しずつ形になり始める。

// <0366> 手足は疲れで鉛が詰まったように重く感じたが、不思議と辛くなかった。
<0366> 手足は疲れで鉛が詰まったように重く感じたが、不思議と辛くなかった。

Script Chart

June July August After Other
1st SEEN0701 SEEN0801 SEEN5000 SEEN7910
2nd SEEN0702 SEEN5001 SEEN7920
3rd SEEN0803 SEEN5002 SEEN7930
4th SEEN0804 SEEN5003 SEEN7940
6th SEEN0806 BAD END SEEN5004 SEEN7950
SEEN1806 SEEN5005
7th SEEN0707 SEEN0807 SEEN5006
8th SEEN0708 SEEN0808 SEEN5007
9th SEEN0709 SEEN0809 SEEN5010
10th SEEN0710 SEEN1710 SEEN0810 SEEN5011
11th SEEN0711 SEEN0811 SEEN1811 SEEN2811
12th SEEN0712 SEEN0812
13th SEEN0713 SEEN0813 SEEN1813 SEEN2813
14th SEEN0714 SEEN1714 SEEN0814 BAD END BAD END BAD END BAD END
SEEN1814 SEEN2814 SEEN3814 SEEN4814
15th SEEN0715 SEEN1715 SEEN0815
16th SEEN0716 SEEN1716 SEEN0816
17th SEEN0717 SEEN0817
18th SEEN0818
19th SEEN0819
20th BAD END SEEN0820
SEEN0720
21st SEEN0721 SEEN0821
22nd SEEN0722 SEEN0822
23rd SEEN0723 SEEN0823
24th SEEN0724
25th SEEN0725
26th SEEN0726
27th SEEN0727
28th SEEN0628 SEEN0728
29th SEEN0629 SEEN0729
30th SEEN0630
BAD END
SEEN0744