White Album 2/Script/2001: Difference between revisions

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== Editing ==
 
 
 
== Translation Notes ==
 
 
 
== Text ==
{{WA2ScriptTable}}
 
{{WA2ScriptLine
|1|???|???
|「ん………ん~」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|2|男子学生1|Male Student 1
|「お、いいところに!<br>あのさ、昨日の英語史のノート、<br>もちろん取ってるよな?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|3|???|???
|「すぅぅぅ…んぅ…?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|4|女子学生1|Female Student 1
|「ねぇねぇ、先週の日本経済論のゼミのことなんだけど、<br>ほら、グループでレポート提出ってなってたじゃない?<br>で、ものは相談なんだけど…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|5|???|???
|「~♪」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|6|???|???
|「…んぅ?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|7|???|???
|「っ!?<br>ん~…?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|8|???|???
|「寒っ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|9|春希|Haruki
|「もう11月も終わりだからな」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|10||
|うららかな晩秋の陽が差し込むとはいえ、<br>その風の冷たさはもう誤魔化しようがなかった。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|11|???|???
|「や、ちょっとぉ…閉~め~て~よぉ。<br>何してんのよぉ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|12|春希|Haruki
|「何してるのかと問いたいのはこっちだ。<br>危うく踏むところだったぞ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|13||
|『荻島研究室』というプレートの貼られたドアを開けると、<br>目の前に転がっていたのは等身大の芋虫。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|14||
|…に見える、<br>寝袋に身を包んで安らかに寝息を立てていた、<br>同じ三年のゼミ仲間だった。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|15|女子学生2|Female Student 2
|「昨夜はレポートにのめり込んじゃって…<br>気がついたら終電逃してて」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|16|春希|Haruki
|「嘘だな」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|17|女子学生2|Female Student 2
|「本当だよ。<br>週明けに提出だってすっかり忘れてて」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|18|春希|Haruki
|「やっぱり嘘だ。<br>俺の知ってる和泉は、レポートを期限通り提出したりとか、<br>そんなまっとうな努力をする人間じゃない」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|19|和泉|Izumi
|「………い~じゃん、学園祭も終わったことだし」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|20|春希|Haruki
|「終わったからこそだ。<br>心機一転、気を引き締めて生活態度を改めろ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|21||
|ついでに言えば、俺の知ってる和泉千晶という奴は、<br>すぐばれる嘘でその場を取り繕おうとして、<br>簡単に見破られると、たちまちふて腐れる人間だ。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|22|千晶|Chiaki
|「ほんと、春希ってさ…<br>可愛い女のコにだけはとことん冷たいよね」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|23|春希|Haruki
|「だらしない人間に冷たいだけだ。<br>あと、自分を指して可愛いとか言う臆面もない奴とか」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|24||
|そもそもそういう台詞は<br>きちんと寝癖を直してから言って欲しい。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|25|千晶|Chiaki
|「んんぅぅぅ~………<br>そういえば、今何曜日?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|26|春希|Haruki
|「人にものを尋ねるときはちゃんと推敲してからにしろ。<br>11時だよ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|27|千晶|Chiaki
|「…意味を取り違えたつもりはないけど?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|28|春希|Haruki
|「……水曜日だけど?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|29|千晶|Chiaki
|「うっわ~、30時間以上寝ちゃったんだ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|30|春希|Haruki
|「………」
|"........."
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|31||
|二度終電を逃した訳か…<br>よくそんなに寝られるな。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|32||
|人間の体内時計を持ってないのかこいつは。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|33|千晶|Chiaki
|「そうとわかったら急にお腹がすいてきた…<br>ね、春希、お昼ご飯おごってよ。<br>もちろん春希のおごりで」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|34|春希|Haruki
|「日本語の使い方が激しく間違ってるぞ。<br>特に厚かましい方向に」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|35|千晶|Chiaki
|「お財布の中50円しかないんだよ。<br>苦学生を助けると思ってさ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|36|春希|Haruki
|「助けて欲しいと思ったら、<br>少しは字面通り苦労して勉強してみせろ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|37|千晶|Chiaki
|「けちぃ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|38|春希|Haruki
|「俺だって苦しいんだよ。<br>今日だってこの後バイト2つ入れてるくらいだし」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|39|千晶|Chiaki
|「…ところでさ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|40|春希|Haruki
|「…なんだよ?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|41|千晶|Chiaki
|「あたしこれ聴きたいんだけど」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|42|春希|Haruki
|「大した曲じゃないだろ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|43|千晶|Chiaki
|「だからって消すことないじゃん。<br>なに? どうしても聴きたくないわけ?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|44|春希|Haruki
|「そういう訳じゃないけど…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|45|千晶|Chiaki
|「そういえば春希、付属からの持ち上がりだったね。<br>もしかして、この歌に何か…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|46|春希|Haruki
|「学食行くぞ。<br>A定までなら目を瞑る」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|47|千晶|Chiaki
|「そうこなくっちゃ!<br>春希愛してる~」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|48|春希|Haruki
|「………冗談でも軽々しくそういうこと言うな」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|49||
|冬が、間近に迫っていた。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|50||
|毎年、11月の後半に開催される峰城祭も終わり、<br>キャンパスの祭りの跡も、綺麗に洗い流された。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|51|春希|Haruki
|「だから何度も言わせてもらうけどな和泉」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|52|男子学生2|Male Student 2
|「あ、春希めっけ。<br>あのさ、この間のセミナーに呼んだ講師に支払う<br>講演料のことなんだけど」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|53|春希|Haruki
|「価格交渉して振り込みして受領も確認してもらってある。<br>ほら、通帳返すから。これ領収書な」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|54|男子学生2|Male Student 2
|「悪いないつもいつも。<br>…お、予算こんなに余ってるラッキー」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|55|千晶|Chiaki
|「………」
|"........."
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|56|春希|Haruki
|「ええと…なんだっけ?<br>あ、そうだそうだ。<br>何度も言わせてもらうけどな和泉…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|57|千晶|Chiaki
|「うん、何度も何度も聞かされてもらってる」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|58|春希|Haruki
|「飲み会で終電逃したからって研究室で寝るなよ。<br>最初に入ってきたのが俺だから良かったようなものの…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|59|千晶|Chiaki
|「でも先輩たちも時々見かけるよ?<br>あの寝袋だって研究室に置いてあったやつだし」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|60|春希|Haruki
|「それは四年以上の特権。<br>俺たち[R新参者^さんねん]には許されない領域なの」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|61||
|ある者にはうたかたの夢が、<br>そしてある者にはただの秋休みが過ぎ去り、<br>大学生としての日常の姿を取り戻していく。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|62|春希|Haruki
|「研究室で夜を明かしたければ教授にテーマもらえ。<br>お前、ゼミにも全然顔出してないだろ?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|63|千晶|Chiaki
|「この前質問に行ったらさぁ、<br>あたしの教育係は春希に決まったから、<br>まずはそっちに聞けって」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|64|春希|Haruki
|「教授…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|65||
|たった数か月で信頼を得たことは嬉しいですが、<br>たった数か月で教育義務を放棄しないで下さい…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|66|春希|Haruki
|「そもそも深夜の研究室に女が一人きりって…<br>もう少し危機意識というか…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|67|千晶|Chiaki
|「あ~わかったわかった。<br>わかりましたお巡りさん。<br>今度から気をつけますって」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|68|春希|Haruki
|「大学祭が終わって気が抜けたってのはわかるけど、<br>楽しいときこそ自らを律することを忘れずにだな…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|69|千晶|Chiaki
|「あ~わかったわかった。<br>わかりました神様。<br>来世から気をつけますって」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|70|春希|Haruki
|「…そう思うならもっと崇拝しろよ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|71||
|目の前にいる和泉千晶は、<br>心底悪びれずにアジフライを頬張っている。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|72||
|洒落っ気のない服にぼさぼさの髪。<br>化粧っ気のない、けれど整った顔。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|73||
|実は女のくせに、それを感じさせない単なるゼミ仲間は、<br>その点に関してだけは、とてもありがたい存在だった。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|74|千晶|Chiaki
|「でさ、今日は…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|75|女子学生3|Male Student 3
|「北原くん北原くん。<br>教授に頼まれてた来年のゼミ合宿の…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|76|春希|Haruki
|「とりあえず新潟で探してます。<br>テニスコートが近くにあるホテル<br>3つほどピックアップして交渉中です」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|77|女子学生3|Male Student 3
|「…もうそこまで進んでるんだ。<br>あ、それで下見…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|78|春希|Haruki
|「それは院生の人たちにお任せします。<br>年明けには絞り込みますから」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|79|女子学生3|Male Student 3
|「ありがと、完璧!<br>…あ、ごめんね和泉さん、お邪魔しちゃって」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|80|千晶|Chiaki
|「…いえ別に」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|81|女子学生3|Male Student 3
|「それじゃ、二人ともまた後でね」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|82|千晶|Chiaki
|「………」
|"........."
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|83|春希|Haruki
|「ええと…あ、そうだ、<br>そっちの話の途中だったよな?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|84|千晶|Chiaki
|「今日はこの後どうするの?<br>…って、ただそれだけだったんだけど」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|85|春希|Haruki
|「四コマ目まで出たら塾のバイト。<br>その後、夜中まで出版社のバイト」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|86|千晶|Chiaki
|「…相変わらずのワーカホリックだね。<br>あんたに私生活ってあるの?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|87|春希|Haruki
|「こちとら正真正銘の苦学生ですから」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|88||
|今は、な。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|89|千晶|Chiaki
|「なんかさ…<br>しなくてもいい苦労、わざとしてるみたいに見えるんだよ。<br>春希って」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|90|春希|Haruki
|「………」
|"........."
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|91|千晶|Chiaki
|「そんなだから、人にいいように利用されてさ。<br>絶対に人生損してるって」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|92||
|目の前の生き証人がしみじみとそんなことを言う…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|93|春希|Haruki
|「若いうちの苦労は買ってでもしろという<br>格言があってだな」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|94|千晶|Chiaki
|「…そこまで言うなら、あたしも売ってあげよう。<br>とりあえず220円でいいよ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|95|春希|Haruki
|「それ、苦労の売値じゃなくて<br>かき揚げうどんの買値だから」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|96|千晶|Chiaki
|「…わかったよ、かき揚げはやめる。<br>大負けに負けてコロッケうどん200円でいいや!」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|97||
|早速実践してくれなくてもとは思ったけどさ。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|98||
|………
|.........
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|99|春希|Haruki
|「はい、それじゃ今日のところはここまで。<br>来週は模試だからしっかり頑張ってな~」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|100||
|本日のバイトその1、無事終了。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|101||
|大手予備校とは施設も規模も、<br>ましてや講師の人材も雲泥の差の零細学習塾にも、<br>こうして大学進学を目指す生徒たちがそこそこに集う。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|102||
|ま、だからこそ、俺のような学生バイト講師も<br>こうしてありがたく働き口にありつける訳で。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|103|春希|Haruki
|「ふぅ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|104||
|現国と英文法という、<br>人材不足の塾ならではの掛け持ちを続けて一年半。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|105||
|ようやくある程度の余裕を持って<br>授業をこなせるようになった。<br>生徒たちの反応も、そこそこ掴めるようになってきた。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|106||
|けれどそれも…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|107|女生徒1|Female Student 1
|「北原先生…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|108|春希|Haruki
|「? ああ、矢田か」

Revision as of 02:48, 8 April 2014

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Editing

Translation Notes

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