White Album 2/Script/3907: Difference between revisions

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== Text ==
== Text ==
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|311|かずさ|Kazusa
|311|かずさ|Kazusa
|「ん、ちゅぷ…」
|「あっ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|312||
|312|春希|Haruki
|しばらくゆっくりした後、<br>温泉につかりに行き。
|「どうした?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|313||
|313|かずさ|Kazusa
|……
|「まだ…こぼれてくる」
|......
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|314|かずさ|Kazusa
|314|春希|Haruki
|「んぅぅ…はぁ、ぁ、あむ…」
|「そ、そうか…」
|
|
|}}
|}}
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{{WA2ScriptLine
|315||
|315||
|二人揃って部屋に戻った時には、<br>もう、布団は敷かれていた。
|抱きあった後、色々な後始末をするために<br>もう一度二人で露天風呂へ行ったのは、<br>もう、午前三時を過ぎた頃だった。
|
|
|}}
|}}
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{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|316||
|316||
|それも、ぴったりとくっつけて。
|当然のように、男湯にも女湯にも誰もいなくて、<br>駄目元で声をかけてみたら、<br>かずさはおずおずと男湯へと移動してきた。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|317||
|317|かずさ|Kazusa
|
|「うぁぁ…なんかすごい異物感。<br>次、トイレ行くのが怖い」
|...
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|318|かずさ|Kazusa
|318|春希|Haruki
|「んぅぅぅぅっ、ん、んぐ…んむ、ぁ…<br>はぁ、ぁ、ああああっ」
|「えっと…洗おうか? 中まで」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|319|春希|Haruki
|319|かずさ|Kazusa
|「ん…れろ、は、あ、んむ…あ、ぁぁ」
|「ほんっと、変態め。<br>今度は指入れるつもりか」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|320||
|320|春希|Haruki
|だから、俺たちはもう、何も遠慮することはない。<br>後は、身体を触れ合わせるだけ。
|「…今まで入れたものに比べたら一番ノーマルな気も」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|321||
|321|かずさ|Kazusa
|全身の全てを、全身の全てとこすり合わせ、<br>互いの温かさと、匂いと、体液を擦りつける。
|「あ~、もう思い出させないでくれっ。<br>あまりにも恥ずかしくてのぼせそうになる」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|322|かずさ|Kazusa
|322||
|「はぁ、ぁ、ぁぁ、ああんっ、ん、んぅ…<br>んぷ…あ、はぁぁ、あっ、や、やぁ…」
|そして、そんなふうに俺を責めながらも、<br>俺の側にぴったりと寄り添うことをやめる気配はない。
|
|
|}}
|}}
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{{WA2ScriptLine
|323||
|323||
|いつもと違う、白い景色の中…
|濡れた髪と火照った頬が俺の首筋と肩に触れ、<br>心から繋がってるって幸福感を伝えてくれている。
|
|
|}}
|}}
Line 1,957: Line 1,956:
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{{WA2ScriptLine
|324||
|324||
|いつも以上に深く、強く、たくさん…<br>俺たちは、重なる。
|かずさは今、本当に嬉しいんだって。<br>…きっと、五年前と比べても。
|
|
|}}
|}}
Line 1,963: Line 1,962:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|325|かずさ|Kazusa
|325|かずさ|Kazusa
|「はぁ、はぁぁ…あ、んむ…<br>は、春希…お前、今夜は…すごいぞ?」
|「…けど、いい湯だな」
|
|
|}}
|}}
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|326|春希|Haruki
|326|春希|Haruki
|「か、かずさだって…んっ、く…あぁ…」
|「少し熱いけどな」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|327|かずさ|Kazusa
|327||
|「はぁぁんっ、ん、んく…だ、だって…<br>あ、朝から…ずっと、お預け食らって…っ」
|あの時、触れ合ってたのは背中だけだった。<br>そして心は、全て雪菜を介しての繋がりだった。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|328|春希|Haruki
|328||
|「お、俺も…んぅぅぅっ、ん…じゅぷ…ぁ」
|そう、無理やり決めていた。
|
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|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|329||
|329|かずさ|Kazusa
|朝からこういうことしないのは、<br>本当ならお預けでもなんでもないはずなのに…
|「それに、いい景色だな」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|330||
|330|春希|Haruki
|ここ一週間の俺たちは、<br>当然のように朝から抱き合っていたので、<br>たった一日で、我慢の限界を超えていた。
|「真っ暗だけどな」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|331|かずさ|Kazusa
|331||
|「あぁぁぁっ、あっ、あっ…や、こら…はぁぁ…<br>お、お前…それ…ふぁぁぁぁっ」
|雪菜の右手は俺の左手に。<br>雪菜の左手はかずさの右手に。<br>そんなふうに、三人の友情を形成してた。
|
|
|}}
|}}
Line 2,005: Line 2,004:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|332||
|332||
|だから、布団の上に座った瞬間、<br>かずさはあっという間に欲情して、<br>俺の上にまたがってきた。
|俺の右手と、かずさの左手は、<br>外に開かれたままだった。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|333||
|333|かずさ|Kazusa
|俺も嬉々としてかずさのはしたない光景を受け入れ、<br>その浴衣の裾をまくり上げると、<br>白いレースの下着がまぶしく挑発してきた。
|「眺めてるだけで、飽きないな」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|334||
|334|春希|Haruki
|どうせすぐに脱がされるってわかってて、<br>それでもかずさはきちんと穿いてきた。
|「………」
|
|"........."
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|335|かずさ|Kazusa
|335||
|「あぁぁ、だ、だめ、だ…<br>それ…お前、そのまま、なんて…ふぁぁぁんっ」
|けれど今、俺の右手とかずさの左手だけが、<br>こうして固く繋がれている。
|
|
|}}
|}}
Line 2,029: Line 2,028:
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{{WA2ScriptLine
|336||
|336||
|なら俺は、その挑発に応えるべく、<br>下着ごとかずさを舐め上げる。
|かずさは五年前に右手を雪菜から離し、<br>そして俺の左手は…
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|337||
|337|かずさ|Kazusa
|クロッチの部分に舌を押し当て、<br>布越しに膣内に差し込むように激しく責め立てる。
|「もう、帰りたくないかも…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|338|かずさ|Kazusa
|338|雪菜|Setsuna
|「あぁぁぁぁっ、ああっ、あっ、や、め…<br>春希…あ、んぷ…れろ…ん、ちゅ…ぅぅ」
|『こんなにいいお湯と、こんなにいい景色だよ?<br>もっと楽しもうよ』
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|339||
|339|雪菜|Setsuna
|滑らかなナイロンの布に、俺の唾液が染み込み、<br>かずさの秘肉の色を徐々に浮かび上がらせる。
|『どれだけ見ても、飽きないよね…』
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|340||
|340|雪菜|Setsuna
|と、かずさもようやく自分の欲求を思い出したのか、<br>俺の先端に、すぼめた舌を突き刺すように押しつける。
|『あ~あ、ほんと最高。<br>もう帰りたくないなぁ』
|
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|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|341|かずさ|Kazusa
|341||
|「ぇろ…ん、ちゅぷ…あ、んむ…じゅぷ…<br>ん、んく…ちゅぅぅぅ…ん、んぅぅぅぅっ」
|かずさは、気づいてるんだろうか。
|
|
|}}
|}}
Line 2,065: Line 2,064:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|342||
|342||
|亀頭の周囲をこねくり回すように舐め上げ、<br>先端の小さな穴をこじ開けるように舌先を突っ込み、<br>そこから溢れ出す透明な粘液を舌に載せ、唇で吸い上げる。
|今、自分の口から漏れた言葉が全部、<br>五年前、俺たち以外のもう一人が言った台詞の<br>焼き直しなんだって。
|
|
|}}
|}}
Line 2,071: Line 2,070:
{{WA2ScriptLine
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|343|春希|Haruki
|343|春希|Haruki
|「あ、あっ…はぁぁ、あ、くぁ…」
|「帰るなんて誰も言ってないだろ…」
|
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|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|344||
|344|かずさ|Kazusa
|ここ数日でめきめき上達した舌使いが、<br>俺の愛撫を妨げるように快感を送り込む。
|「春希…」
|
|
|}}
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{{WA2ScriptLine
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|345||
|345|春希|Haruki
|けれどそれは諸刃の剣で、<br>かずさは俺を愛撫するだけで、<br>自分も高まっていってしまうから…
|「そんな先のこと、今はまだ考えなくていい。<br>俺たち、今日着いたばかりなんだぞ?」
|
|
|}}
|}}
Line 2,089: Line 2,088:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|346|かずさ|Kazusa
|346|かずさ|Kazusa
|「やあぁぁっ、あっ、んむっ、あ、ん、む~っ、<br>んっ、んっ、んっ…いぅぅぅんっ、ん~っ」
|「ん…」
|
|
|}}
|}}
Line 2,095: Line 2,094:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|347||
|347||
|俺のものを口の中に咥え込みながら、<br>自分の下の口からだらしなく液を垂れ流し、<br>結局、それを俺の舌先で拾われ、激しい声を漏らす。
|だからって、そのことを指摘できるほど<br>空気を読めない俺じゃなく。
|
|
|}}
|}}
Line 2,101: Line 2,100:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|348||
|348||
|だから俺は、もっと主導権を握るため、<br>かずさの下着をずらし、やっと直接舌を触れさせる。
|だからって、笑顔で肯くことができるほど、<br>簡単に割り切れる俺でもなくて、<br>不器用に突っ込みを入れるしかなかった。
|
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|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|349|かずさ|Kazusa
|349|春希|Haruki
|「んくっ、んぷっ、ぷぁっ、あ、あああっ…<br>あぁぁぁ、や、やぁ…は、はいって…んぅぅっ」
|「温泉入って、美味しい料理食べて、雪見て…」
|
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|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|350|春希|Haruki
|350|かずさ|Kazusa
|「んっ、んぷ…は、あ、んむ…ぅぅ…」
|「寝て、起きたら、春希にまた変なことされて…」
|
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|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|351||
|351|春希|Haruki
|かずさの穴の奥に舌を潜り込ませ、<br>そのあまりの熱さとぬめりに蕩けそうになりながらも、<br>激しく舌を動かして、中の液体を掻き出す。
|「起きてすぐは危険なんじゃないか?<br>してる最中に仲居さんが入ってきたら…」
|
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|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|352||
|352|かずさ|Kazusa
|掻き出した液を舌先に溜め、口の中に導き、<br>喉を鳴らして飲み込む。
|「気にするのはそこなのかよ…」
|
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|}}
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{{WA2ScriptLine
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|353|かずさ|Kazusa
|353|春希|Haruki
|「うぁっ、あむぅ…む、んっ、んく…ぷぁっ、<br>あああああっ、あ~っ! やぁぁぁんっ、ん、く…」
|「朝飯食べて、朝風呂行ってからにしよう?<br>確か10時から、また[R露天風呂^ここ]開いてるよな?」
|
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|}}
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{{WA2ScriptLine
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|354||
|354|かずさ|Kazusa
|けれど、どれだけ掻き出しても、飲んでも、<br>次から次へと、温泉のように湧き出してくる。
|「お風呂行ってる間に<br>布団片づけられたりしないかな?」
|
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{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|355||
|355|春希|Haruki
|俺が鉱脈を見つけ、俺が掘り出し、<br>そして俺が溢れさせた、俺だけの泉…
|「俺が言っておくよ。<br>昼間も使うからそのままにしといてって。<br>ついでに夜まで入って来ないでくれって」
|
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|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|356|春希|Haruki
|356|かずさ|Kazusa
|「ん、んくっ、む、あ、ぁぁ…<br>ちゅぅぅ…ん、く…ぷぁ、あ、はぁぁ、かずさ…」
|「…なんてあからさまな。<br>あたしたちが何してるか絶対にバレるぞ?」
|
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{{WA2ScriptLine
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|357||
|357|春希|Haruki
|だから、俺だけの幸福に浸ろうと、<br>また激しく舌を動かし、かずさをほじる。
|「恥ずかしがることないだろ?<br>俺たちがそういうことするのは、<br>いけなくなんかない」
|
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|}}
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Line 2,161: Line 2,160:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|358|かずさ|Kazusa
|358|かずさ|Kazusa
|「は、春希、春希ぃ…<br>あ、あ…あたし…こんな、やらし…ふぁぁぁぁっ、<br>あ、あ…あ~っ、あぁぁぁぁぁ~っ!」
|「………う、うん」
|
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|}}
Line 2,167: Line 2,166:
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{{WA2ScriptLine
|359||
|359||
|そんな俺の求めに応えてくれるかのように、<br>かずさの膣がびくびくと痙攣し、俺の舌に刺激を与える。
|それは、俺が今まで生きてきた世界に対しての、<br>あまりにも酷い詭弁だったけれど…
|
|
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|}}
Line 2,173: Line 2,172:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|360||
|360||
|…少し、達したらしい。
|その台詞を、思ったよりも滑らかに口に出せた俺は、<br>もう、その世界の住人じゃないのかもしれなかった。
|
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|}}
Line 2,179: Line 2,178:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|361|かずさ|Kazusa
|361|かずさ|Kazusa
|「は~、はぁぁぁぁ~、あ、あむ…ん、むぅ…<br>あ、ぷぁ…はぁ、あむ…ちゅぷ…ん、んぅ…」
|「明日も明後日も、ずっと雪だといいな」
|
|
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|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|362||
|362|春希|Haruki
|けれどかずさは、そんな反応の後、恥ずかしそうに俯くと、<br>すぐに俺のものにむしゃぶりつき、音を立てて啜り始める。
|「そうだな…<br>窓から何も見えないくらい、<br>白い雪で覆い尽くされるのもいいな」
|
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|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|363||
|363|かずさ|Kazusa
|ちょっとだけ先走ってしまったことを<br>気づかれたくないのかも…
|「雪に閉じ込められるのも悪くないな。<br>電車も車も、何もかも止まっちゃってさ」
|
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|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|364|かずさ|Kazusa
|364|春希|Haruki
|「んむっ、ん、く、ぷぁぁ…ちゅぷ…あ、あむ…んくっ、<br>はぁぁ、あ、あ…ちゅぅぅぅ…ん、むぁ、はぁぁんっ」
|「自然には逆らえないよな。<br>仕方ないから、しばらくここにいるか」
|
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{{WA2ScriptLine
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|365|春希|Haruki
|365|かずさ|Kazusa
|「う、あ…あぁぁっ、あ、ん、ちゅ…ぷぅ、ぁ…ぇろ…」
|「あたしは構わないけどさ…いつまで?」
|
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{{WA2ScriptLine
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|366||
|366|春希|Haruki
|そして今度は俺の方が一気に快感に苛まれ、<br>かずさに咥えられたまま、びくびくと腰を動かしてしまう。
|「そりゃ…春が来るまでだろ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|367||
|367|かずさ|Kazusa
|だからって一気に逆転されるのも男として恥ずかしいから、<br>今度は舌先をかずさの先端に押しつけ、<br>さっき自分がされたみたいに、周囲をこねくり回す。
|「あはは…まるで氷河期だな。<br>で、数か月ぶりにやっと脱出できたと思ったら、<br>日本中、凍りついてたりして」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
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|368||
|368|春希|Haruki
|俺の舌先で、かずさのクリトリスが剥き出しにされ、<br>そのまま押し潰され、転がされ、吸い上げられる。
|「いいじゃん、地球温暖化の抑制になる」
|
|
|}}
|}}
Line 2,227: Line 2,226:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|369|かずさ|Kazusa
|369|かずさ|Kazusa
|「ふあぁぁぁんっ、いっ、い…痛…ぁぁ…<br>は、春希、それ、刺激強すぎ…やぁぁんっ」
|「そういうレベルの話かぁ?<br>ふふ…あはは…馬鹿馬鹿しい」
|
|
|}}
|}}
Line 2,233: Line 2,232:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|370|春希|Haruki
|370|春希|Haruki
|「ちゅぅぅ…んぷっ、ぷぁっ、あ…んぅ、<br>んっ、んぅぅ…ぷぅっ、あ、れろ…んっ」
|「ほんと、馬鹿馬鹿しい、な」
|
|
|}}
|}}
Line 2,239: Line 2,238:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|371||
|371||
|かずさが戸惑いと違和感の声を上げたけど、<br>構わずに弄り回し、さらに大きな音を立てる。
|そんな馬鹿馬鹿しいことが実現したらって、<br>俺は、少しだけ本気で思っていた。
|
|
|}}
|}}
Line 2,245: Line 2,244:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|372||
|372||
|唾液を一度、かずさの中に流し込み、<br>すぐに激しく吸い出し、かずさのと一緒に啜る。
|世界がずっと雪に閉ざされて…<br>雪解けなんか、ずっと訪れなくて。
|
|
|}}
|}}
Line 2,251: Line 2,250:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|373||
|373||
|そしてすぐにまた流し込んでは啜りを繰り返し、<br>かずさの恥ずかしいところをびしょ濡れにしていく。
|だから俺たちは『仕方なし』に、<br>ずっと一緒の時を過ごす。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|374|かずさ|Kazusa
|374||
|「んっ、んぅっ、むぅぅ…ぷはぁっ、ぁ…<br>は、春希…あたしだけじゃなくて…さぁ…っ、<br>あ、あ、あ、あ…あぁぁぁぁ~っ」
|そんな、終わらない白い世界。<br>二人だけの、閉ざされた世界が、<br>あったら、いいのにな…って。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|375|春希|Haruki
|375||
|「ん、んぷ…く…っ、<br>なら、もっと激しく…かずさ」
|そんなことを本気で願えるくらい、<br>今の俺たちは、互いを求め合っていた。
|
|
|}}
|}}
Line 2,269: Line 2,268:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|376|かずさ|Kazusa
|376|かずさ|Kazusa
|「や、やるよ…やるからぁ…<br>だから、春希の…くれよ…あ、んむっ…<br>んっ、んっ、んくっ…ぷぁぁぁっ、あ~っ」
|「…少し、眠くなってきたかな?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|377||
|377|春希|Haruki
|俺の責めに反抗するように、<br>かずさが更に口の動きを激しくして、<br>俺を責め立てる。
|「もし眠ったら、部屋まで運んでやるよ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|378||
|378|かずさ|Kazusa
|俺を、意地でも限界へと導こうとする。
|「運んでもいいけど…<br>あたしの裸、見るなよ?」
|
|
|}}
|}}
Line 2,287: Line 2,286:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|379|春希|Haruki
|379|春希|Haruki
|「はぁ、はぁ、ぁ…か、かず、さっ」
|「何言ってんだ、今さら」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|380|かずさ|Kazusa
|380||
|「んぷっ、んぅっ、ぷぁぁぁっ、んんっ、<br>ん、く、くぅっ…はぁ、ぁ、ぁぁぁ…っ」
|相変わらず、口では適当なことを言い合いながらも、<br>肩を抱く腕にも、握り合う手にも、<br>互いの必死さが伝わるくらい、力を込める俺たち。
|
|
|}}
|}}
Line 2,299: Line 2,298:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|381||
|381||
|かずさの舌が、口腔が、俺を咥え込み、<br>激しくこすり上げ、早く、早くと誘う。
|絶対に離さないって、<br>態度だけで示しあう俺たち。
|
|
|}}
|}}
Line 2,305: Line 2,304:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|382||
|382||
|けれど俺は、その導きに意地でも対抗したくなり、<br>かずさの割れ目を、さらに両手で大きく拡げていく。
|だって、一度でも手を離したら、<br>その瞬間に全て終わってしまうって…
|
|
|}}
|}}
Line 2,311: Line 2,310:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|383||
|383||
|いつもの場所だけでなく、<br>もっと丸くて、ボリュームのある肉の割れ目を…
|そんな錯覚のはずの思いが、<br>ずっと、頭から離れてくれないから。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|384|かずさ|Kazusa
|384||
|「んっ、んぅっ、んむぅぅっ…ん、んぅ…?<br>は、春希、そこは…っ」
|………
|
|.........
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|385||
|385||
|かずさの中心より、ほんの少し後ろ…<br>すぼまった小さな穴が、ひくひくと蠢いてた。
|……
|
|......
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|386|春希|Haruki
|386||
|「は、ぁ、ぁ…っ」
|
|
|...
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|387||
|387|かずさ|Kazusa
|かずさの…<br>多分、もっと恥ずかしいところ。
|「はぁっ、はぁっ、はぁ………ぁ、ぁ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|388||
|388|春希|Haruki
|予想もしなかった俺の視線を受けて、<br>驚いたようにひくひくと蠢き、<br>軽く開いたり閉じたりを繰り返す。
|「は、あ、あぁ…ん、んぅ…」
|
|
|}}
|}}
Line 2,347: Line 2,346:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|389|かずさ|Kazusa
|389|かずさ|Kazusa
|「よ、よせっ、そこは…<br>ああああああああああっ!?」
|「ひぅっ…あ、あぁ…や、ぁ…は、春希…<br>ちょっと………休ませてくれ」
|
|
|}}
|}}
Line 2,353: Line 2,352:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|390|春希|Haruki
|390|春希|Haruki
|「ん、れろ…ちゅ、ぷ…」
|「あ…」
|
|
|}}
|}}
Line 2,359: Line 2,358:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|391||
|391||
|かずさの大きな声は、<br>違和感か、羞恥心か、驚愕か、<br>多分、そのどれもが混ざり合ったものだろうけれど。
|と、かずさは胸を大きく上下させ、荒い息を吐きつつ…
|
|
|}}
|}}
Line 2,365: Line 2,364:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|392||
|392||
|今までにない、その悲鳴じみた声は、<br>俺の方も、限界に近づけていった。
|けれど、未だにその胸にむしゃぶりつく俺を、<br>優しく抱きとめた。
|
|
|}}
|}}
Line 2,371: Line 2,370:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|393|かずさ|Kazusa
|393|かずさ|Kazusa
|「ああああああんっ、んっ、や、やぁぁ…<br>は、春希、やめて、やめてぇ…あぁぁぁぁぁんっ」
|「お前…底なしだな。<br>朝からもう、何度したか覚えてないぞ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|394||
|394|春希|Haruki
|俺は、もちろんそんなかずさの懇願なんか聞き入れず、<br>その小さくて緊張している穴に、<br>すぼめた舌先を強めに差し入れていく。
|「かずさ、だから…<br>だから俺、全然止まらなくて」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|395||
|395|かずさ|Kazusa
|さすがに一気に奥までは入らなかった。<br>先端の所だけでもすごい締め付けが襲いかかり、<br>俺の舌を、外へ外へと吐き出していこうとする。
|「…そういう、感じさせること軽々しく言うな。<br>今度はあたしがすぐに我慢できなくなるだろ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|396|かずさ|Kazusa
|396|春希|Haruki
|「な、なにすんだぁ…この、変態ぃ…あ、ぁぁ…<br>いあぁぁぁっ、ああっ、だ、だめだってば…ひぅぅんっ」
|「かずさ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|397|春希|Haruki
|397||
|「ん、んむ…ちゅぷ…む、く…<br>か、かずさ…止めるなよ…っ」
|かずさの胸に顔を埋め、<br>その先端を口に含み、<br>舌先で愛撫して、唇で吸って。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|398|かずさ|Kazusa
|398||
|「お、お前は止めろぉ…っ、<br>ん、んぅ、んむっ、ん、ん、んんんんっ」
|かずさの体温で温まり、<br>かずさの匂いで恍惚となり、<br>かずさの鼓動で、心を落ち着かせていく。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|399||
|399|かずさ|Kazusa
|と、文句をたらたら言いながらも、<br>結局、俺の懇願に従い、口の動きを再開するかずさ。
|「あ~あ、お前ので全身ドロドロだ…<br>上も下も後ろも、全部使われた…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|400||
|400|春希|Haruki
|お尻を、舐められながらも…
|「だってお前、<br>どこでも感じてくれるようになったから…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|401|春希|Haruki
|401|かずさ|Kazusa
|「ん、んむ…はぁ、ぁ、ぁぁ…ぷぁ」
|「あ、あ~…今、何時かな」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|402|かずさ|Kazusa
|402|春希|Haruki
|「ん、んんっ、ん~っ!<br>ぷはぁっ、ああっ、あむぅ、ん、ん…んぅぅっ」
|「昼間だろ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|403||
|403|かずさ|Kazusa
|穴から抜いた舌を、今度はしわの部分に這わせ、<br>唾液をまぶし、舌先ですくい、これも喉の奥に運ぶ。
|「なんて大ざっぱな…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|404||
|404|春希|Haruki
|かずさの反応が、今まで以上に緊張しまくりで、<br>俺の嗜虐心をぞくぞくと湧き立てる。
|「何時何分とか、そんなの知る必要あるのか?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|405||
|405|かずさ|Kazusa
|ここも全部…<br>かずさの全てを、俺のものに…
|「いや、全然」
|
|
|}}
|}}
Line 2,449: Line 2,448:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|406|春希|Haruki
|406|春希|Haruki
|「っ、んっ、んっ、んっ、んっ、んっ…<br>んんんんん~っ、ん、ちゅぷ…あぁぁぁっ」
|「なんだよ、それ」
|
|
|}}
|}}
Line 2,455: Line 2,454:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|407|かずさ|Kazusa
|407|かずさ|Kazusa
|「んんっ、んんっ、んんっ…<br>あ、ふぁ、あ、あ、あ…あんっ、んんんんっ」
|「うるさいな~、春希は」
|
|
|}}
|}}
Line 2,461: Line 2,460:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|408||
|408||
|瞬間、膨れ上がった俺をかずさは敏感に察し、<br>一気にけりを付けようと、喉の奥まで飲み込む。
|自分の胸に抱えた俺の頭をぽふぽふ叩きながら、<br>色々なことを誤魔化すかずさ。
|
|
|}}
|}}
Line 2,467: Line 2,466:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|409||
|409||
|口いっぱいに頬張り、横にぐりぐりと動かし、<br>喉を絞るように締めつけて、<br>俺の先端を押し潰し…
|俺たちのどちらが旺盛なのかと問われたら、<br>正直、俺にはいい勝負に思えるし。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|410|春希|Haruki
|410|かずさ|Kazusa
|「あ、あ、あ、あ、あ…あぁぁぁぁぁっ!」
|「はぁぁぁぁ~…<br>にしても、今日も昼間からよく降るな。<br>本当に埋もれてしまいそうだ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|411|かずさ|Kazusa
|411|春希|Haruki
|「んむぅぅぅぅっ、んんっ、ん~っ!?<br>ぷぁっ、ああああぁぁぁぁぁぁっ…」
|「ん…」
|
|
|}}
|}}
Line 2,485: Line 2,484:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|412||
|412||
|そして俺は、その喉の隙間に、<br>大量の精液を放出した。
|二人、重なりながら、<br>窓の外の、相変わらず止まない雪を見上げる。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|413|かずさ|Kazusa
|413||
|「んぶぅっ、んっ、んぅぅぅぅっ…<br>あ、けほっ、こほっ、う、うぶっ…むぅんっ」
|あの厚く黒い雲から生まれ出たとは思えない、<br>白くまっさらな粉雪。
|
|
|}}
|}}
Line 2,497: Line 2,496:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|414||
|414||
|一気に喉の奥に叩きつけられたかずさは、<br>咳き込みながらも、俺から口を離さず、<br>必死に喉を動かすことで受け止めようとする。
|空は暗く、地面は明るく、その景色はまるで色を変えず、<br>だから、今が昼間ということしかわからないくらい<br>時間の感覚が奪われる。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|415||
|415|かずさ|Kazusa
|こくこくと喉を動かして、奥まで飲み込み、<br>飲みきれないものが口の端から咳とともにこぼれ出る。
|「次のコンサートまで、<br>あと一週間、だな」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|416|かずさ|Kazusa
|416|春希|Haruki
|「んぷっ、あ、はぁ、はぁぁ…ぁ、ぁ…<br>ん、ちゅ…れろ…ん、んむ、ん…」
|「………」
|
|"........."
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|417|春希|Haruki
|417|かずさ|Kazusa
|「あ、あ…っ」
|「もう、今から練習再開しても、<br>人に聴かせるレベルには程遠いだろうなぁ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|418||
|418|春希|Haruki
|けれどかずさは、そのこぼれたものまで勿体なさそうに、<br>もう一度舌ですくって、口の中へと戻していく。
|「ん…」
|
|
|}}
|}}
Line 2,527: Line 2,526:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|419|かずさ|Kazusa
|419|かずさ|Kazusa
|「ん、む、んぅ…んく、ん、んぅ…<br>は、はぁ、はぁぁ…ぁ」
|「またヘマしたら、週刊誌とか喜ぶだろうな。<br>ヒロインからヒールへと、華麗な転身ってやつだな」
|
|
|}}
|}}
Line 2,533: Line 2,532:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|420|春希|Haruki
|420|春希|Haruki
|「か、かず、さ…っ」
|「ん…んぅ」
|
|
|}}
|}}
Line 2,539: Line 2,538:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|421|かずさ|Kazusa
|421|かずさ|Kazusa
|「濃い…すごく、濃かった。<br>お前の…どろどろだった。<br>ん、んぷ…ちゅぷ…む」
|「ま、別に、いいけどな。<br>あいつらに気に入られたくて<br>ピアノやってる訳じゃないし」
|
|
|}}
|}}
Line 2,545: Line 2,544:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|422|春希|Haruki
|422|春希|Haruki
|「は、ぁ、ぁ…」
|「んぅぅ…ちゅ…ん」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|423||
|423|かずさ|Kazusa
|と、かずさは俺を更に挑発するような言葉とともに、<br>今放出したばかりの俺のものを、<br>また口の中へと戻す。
|「………っ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|424||
|424|春希|Haruki
|…そんなことしなくても、<br>全然、おさまってなんかいないのに。
|「んぅぅ…んく…ちゅ、れろ」
|
|
|}}
|}}
Line 2,563: Line 2,562:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|425|かずさ|Kazusa
|425|かずさ|Kazusa
|「ん、ちゅぷ…は、あ、あむ…<br>ん、ん、んぅ…」
|「は………春希ぃっ」
|
|
|}}
|}}
Line 2,569: Line 2,568:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|426|春希|Haruki
|426|春希|Haruki
|「あ、あ、あ…<br>な、なぁ、かずさ…っ」
|「ん…んん………なに?」
|
|
|}}
|}}
Line 2,575: Line 2,574:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|427|かずさ|Kazusa
|427|かずさ|Kazusa
|「んぅっ、ん…んぅ?」
|「人が話してるのに、<br>いつまでもおっぱい吸ってんなよ!」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|428||
|428|春希|Haruki
|そして、いつもの約束通り、<br>今度は俺が上になる番。
|「…何か問題あったか?<br>ん、んぷ…ちゅぷ、ん、むぅ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|429||
|429|かずさ|Kazusa
|けど今日は、<br>いつもの約束を、少しだけ破ってみたくて…
|「そ、そんなの…あぁんっ、<br>あ、あっ…も、もうっ、<br>そ、それが人の話を聞く態度かぁ?」
|
|
|}}
|}}
Line 2,593: Line 2,592:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|430|春希|Haruki
|430|春希|Haruki
|「あ、あのさ、今日は…ここに…」
|「だって…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|431|かずさ|Kazusa
|431||
|「………本気、か?」
|聞きたくもない話題だったから…
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|432||
|432|かずさ|Kazusa
|かずさの後ろの穴に、<br>もう一度、口づけをする。
|「お前、ほんと、おっぱい吸うの大好きだな。<br>終わったあと、いっつもそうしてるし」
|
|
|}}
|}}
Line 2,611: Line 2,610:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|433|春希|Haruki
|433|春希|Haruki
|「駄目か…?」
|「かずさのだから、大好きなんだ…」
|
|
|}}
|}}
Line 2,617: Line 2,616:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|434|かずさ|Kazusa
|434|かずさ|Kazusa
|「変態…」
|「お前、あたしのこと、<br>おかあさんと勘違いしてないか?<br>言っとくが、まだミルクは出ないぞ?」
|
|
|}}
|}}
Line 2,623: Line 2,622:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|435|春希|Haruki
|435|春希|Haruki
|「それ…質問の答えになってないぞ?<br>ん、ちゅぷ…ん、んぅっ」
|「母親なんかであるわけないだろ…<br>かずさは、ただの、俺のかずさだ」
|
|
|}}
|}}
Line 2,629: Line 2,628:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|436|かずさ|Kazusa
|436|かずさ|Kazusa
|「やぁぁぁっ、や、やめろぉ…っ、<br>そ、そこ…なんか、気持ち悪…ぅぁぁっ」
|「春希…?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|437||
|437|春希|Haruki
|もう一度、舌を差し込み、<br>その、排出されるようなきつい締め付けを堪能する。
|「だいたいさ…<br>母親のおっぱいなんて想像したくもない。<br>そんなもの欲しがる奴なんかいるのか?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|438|春希|Haruki
|438|かずさ|Kazusa
|「駄目か…?<br>なぁ、駄目か、かずさ…?<br>ん、ん、ちゅぅぅ…ん、んく…」
|「お前…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|439|かずさ|Kazusa
|439|春希|Haruki
|「あ、ああ、あっ…<br>こ、ら…入れるな、そんな、あ、ぁぁ…汚いだろ…っ」
|「別に、人の価値観を否定するつもりはないけど、<br>なんか、ピンと来ないな」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|440|春希|Haruki
|440|かずさ|Kazusa
|「全然…ん、んぷ…」
|「春希だって、子供の頃は<br>母親のおっぱい吸って育ったんだろ?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|441||
|441|春希|Haruki
|かずさの丸く豊かなお尻の肉に挟まれて、<br>俺の先端が、たった数秒で<br>はち切れんばかりに膨らんでいく。
|「だと思うけど、<br>育つにつれて、そんな記憶<br>綺麗さっぱり消えてったな」
|
|
|}}
|}}
Line 2,665: Line 2,664:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|442|かずさ|Kazusa
|442|かずさ|Kazusa
|「だ、だけど、だけどさ…<br>い、痛くないのか?」
|「………」
|
|"........."
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|443|春希|Haruki
|443|春希|Haruki
|「え…?」
|「わかんない。<br>勝手に消えたのか、無理やり消したのか…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|444|かずさ|Kazusa
|444||
|「本当に、気持ちいいのか?<br>その…こんなところに入れる、なんて」
|なんでだろ…
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|445|春希|Haruki
|445||
|「そんなの…俺が知るかよ。<br>ん、んむ…」
|かずさは、俺の母親じゃないのに。<br>そんなこと、心の底から理解してるのに。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|446|かずさ|Kazusa
|446||
|「なんだよそれ…<br>お前、そんなの無責任…っ、<br>だ、だから…舌入れるな…って…っ」
|なんでこんな、<br>肉親に話すような、生っぽい話をしてるんだろ、俺…
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|447|春希|Haruki
|447|かずさ|Kazusa
|「だって…今までしたことないんだから。<br>これが初めてなんだから、わかるわけないだろ」
|「わかったよ…なら好きにしろ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|448|かずさ|Kazusa
|448|春希|Haruki
|「馬鹿野郎、まだ許した訳じゃ…え?<br>………初めて、なのか?」
|「かずさ…?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|449|春希|Haruki
|449|かずさ|Kazusa
|「当たり前、だろ…<br>こんな、相手に変態なんて言われるようなこと」
|「あたしのおっぱいが伸びるまでしゃぶり尽くせばいい。<br>どうせお前にしか、見せも触らせもしないんだ。<br>だから、形が崩れても困るのはお前だけだ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|450|かずさ|Kazusa
|450|春希|Haruki
|「ないの、か?<br>…誰とも、したことないのか?」
|「お、い…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|451|春希|Haruki
|451||
|「………かずさだけだ」
|そんな、俺の戸惑いを察知したのか、<br>かずさが、自分の胸を掴み、俺の顔に押しつける。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|452|かずさ|Kazusa
|452||
|「…まだ許した訳じゃないって言ってるだろ。<br>なんでできるって決めつけてるんだよ」
|それはまるで、子供に乳を与える母親の…<br>って、俺にはそんなイメージ湧かないんだった。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|453||
|453|かずさ|Kazusa
|と、言いながらも、<br>かずさのお尻がぴくんと揺れた。
|「ほらほら、もっとちゅ~ちゅ~しないのか?<br>お前の大好きな、あたしのおっぱいだぞ?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|454||
|454|春希|Haruki
|『誰とも』という部分に反応したのか、<br>『かずさだけ』の方なのか。
|「け、けど…<br>なんかそう身も蓋もないこと言われると…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|455||
|455|かずさ|Kazusa
|それとも、そこに隠されたもう一人に対しての<br>複雑な思いに駆られたのか…
|「じゃあ、勝手にしろ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|456|かずさ|Kazusa
|456|春希|Haruki
|「そんなに…したいのか?」
|「………ああ、勝手にする。<br>ん…ちゅ、んぅ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|457|春希|Haruki
|457|かずさ|Kazusa
|「かずさの全部…<br>俺のものに、したい」
|「っ…馬鹿」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|458|かずさ|Kazusa
|458||
|「………お前のこと、変態って言うぞ?<br>世界中に、言いふらすぞ?」
|かずさにからかわれるのが悔しかったのか、<br>ただ、自分の欲望を誤魔化すことができなかったのか…
|
|
|}}
|}}
Line 2,767: Line 2,766:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|459|春希|Haruki
|459|春希|Haruki
|「いいよ…<br>正真正銘、俺は、お前に対してだけの変態だ」
|「は、んぷ…ちゅぅ…ちゅぅぅ…はぁ、あむ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|460|かずさ|Kazusa
|460||
|「………なんて、こんなこと許してるようじゃ、<br>あたしも、お前専用の変態だな」
|結局俺は、イメージが湧かないはずなのに、<br>まるで赤子のように、ただひたすらかずさの乳房を吸う。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|461|春希|Haruki
|461|かずさ|Kazusa
|「かずさ…」
|「はぁっ、ぁ、ぁぁぁ…<br>ん、ん~っ」
|
|
|}}
|}}
Line 2,785: Line 2,784:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|462||
|462||
|ゆっくりと、かずさがお尻をあげて、<br>俺の下半身の方へとずれていく。
|そしてかずさは…<br>母親とは思えない、はしたない声を上げた。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|463||
|463|春希|Haruki
|その時、かずさの胎内から、<br>熱い液がすこしだけ俺のお腹にこぼれた。
|「はぁ、あ、んむ…んぷ…<br>はぁぁ、かずさ…は、あぁ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|464||
|464|かずさ|Kazusa
|………
|「ぅ、んっ…あ、あぁ…春希ぃ。<br>あ、そこ…ふぅぅんっ、ん、んぅぅ…」
|.........
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|465|かずさ|Kazusa
|465|春希|Haruki
|「ひぅっ…」
|「今は…何も考えないでくれ。<br>ん、んく…は、ぁ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|466|春希|Haruki
|466|かずさ|Kazusa
|「…大丈夫、か?」
|「ひぅぅんっ、ん、んぅ………ぇ?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|467|かずさ|Kazusa
|467|春希|Haruki
|「…ここで大丈夫って言ったら、<br>あたしの方がして欲しいみたいじゃないか」
|「コンサートのこととか、周囲のこととか…<br>帰ったときのことなんか、考えるなよっ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|468|春希|Haruki
|468|かずさ|Kazusa
|「じゃ…痛いかもしれないけど、<br>我慢してくれな…俺のために」
|「春、希?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|469|かずさ|Kazusa
|469||
|「…わかってる。<br>春希のためなら、どんなことでも受け入れるから」
|それは、随分前に流れたはずの、<br>かずさの独り言に対する、遅すぎる反応。
|
|
|}}
|}}
Line 2,833: Line 2,832:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|470|春希|Haruki
|470|春希|Haruki
|「っ…あ、あぁ…ぁぁぁ…っ」
|「ここには、俺とお前しかいないんだ。<br>他に、何もない世界なんだよ」
|
|
|}}
|}}
Line 2,839: Line 2,838:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|471|かずさ|Kazusa
|471|かずさ|Kazusa
|「う、い、い、い………ぃぁぁぁぁぁぁっ!?」
|「………」
|
|"........."
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|472||
|472||
|いつもとは違い、<br>ものすごい締めつけが、俺の先端を襲う。
|かずさに、そして俺に言い聞かせる言葉。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|473||
|473|春希|Haruki
|びくびく動く膣内と違い、<br>そこはひたすらぎゅっと搾り取るように、<br>俺のものを受け入れず、排出しようと蠢く。
|「だから、かずさは何も考えないで…<br>ただ、俺を抱いててくれればいいんだ。<br>俺に、抱かれてくれてれば…」
|
|
|}}
|}}
Line 2,857: Line 2,856:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|474|かずさ|Kazusa
|474|かずさ|Kazusa
|「い、い、い…かはぁっ、あっ、あぅぅ…う…っ、<br>う、く、くぁぁ…ん、んぅぅ…」
|「っ…は、ぁぁ…ぁんっ」
|
|
|}}
|}}
Line 2,863: Line 2,862:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|475||
|475||
|けれど、そんな俺の圧迫感なんかよりも、<br>きっと、かずさの異物感のすさまじさの方が…
|言葉とともに、乳首を歯と唇で責め立てて、<br>俺の言葉を、かずさの身体に染み込ませる。
|
|
|}}
|}}
Line 2,869: Line 2,868:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|476|春希|Haruki
|476|春希|Haruki
|「ごめん…なっ」
|「ん、くぷ…あ、あむ…<br>そうすればさ…あ、ぁぁ…<br>何もかも、うまく行くから」
|
|
|}}
|}}
Line 2,875: Line 2,874:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|477|かずさ|Kazusa
|477|かずさ|Kazusa
|「う、るさいっ…<br>せめてお前だけでも…気持ちよくなりやがれっ」
|「ひ、ひぁぁっ、ぁ…<br>は、春希…ひっ、ぃぁ、ぁぁぁ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|478|春希|Haruki
|478||
|「っ…あ、あぁ、かずさ…はぁぁ、あ」
|かずさに信じ込ませることで、<br>俺自身が信じられるようになるために。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|479|かずさ|Kazusa
|479|春希|Haruki
|「ん、ん、ん~っ!<br>うあ、あぁぁ…はぁっ、あ、うく…ぅんっ、ん…っ」
|「人生なんて、簡単なもんだって…<br>気がついたら全部解決してるから…<br>はぁぁ、ん、んむっ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|480||
|480|かずさ|Kazusa
|それでも、悪態を付きながらも俺を想ってくれるかずさに、<br>俺はますます反応し、余計に苦しめてしまう。
|「ん、んっ…ん~っ!」
|
|
|}}
|}}
Line 2,899: Line 2,898:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|481||
|481||
|完全に回復した俺の茎が、<br>ずぶりとかずさのお尻の中に埋まっていく。
|今の俺にはもう、『こうすれば上手く行く』とか、<br>『俺が何とかする』って言葉は、出てこない。
|
|
|}}
|}}
Line 2,905: Line 2,904:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|482||
|482||
|入り口の肉が全て一緒に埋め込まれ、<br>唾液で濡らした部分以外も俺を包み込み、こすれていく。
|けどそんなの、当然と言えば当然だ…
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|483|かずさ|Kazusa
|483||
|「うあああぁぁぁっ、あっ、あぁぁ…あ~っ!<br>い、いた、いたぁ…ふぅぅぅんっ、んっ、く、ぁ…っ」
|今の俺は、自分自身を守ることすら<br>ロクに出来ないんだから。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|484|春希|Haruki
|484|かずさ|Kazusa
|「はぁぁっ、はぁっ、はぁ…く、くぅっ、<br>か、かずさ…力抜いて…あぁぁぁっ」
|「は、春希っ…うぁぁ、ぁぁ…っ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|485|かずさ|Kazusa
|485|春希|Haruki
|「う、うぅんっ、そ、そんなの無理っ…<br>あっ、あっ、あ~っ!<br>ひくっ、う、うぅぅ…いたぁぁぁ…ぁぁっ」
|「なに…?」
|
|
|}}
|}}
Line 2,929: Line 2,928:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|486||
|486||
|身体を支える腕と脚ががくがく震え、<br>枕に顔を押しつけ、すすり泣くように呻くかずさ。
|どれだけ言い含めても。<br>抱きしめて、忘れさせようとしても。
|
|
|}}
|}}
Line 2,935: Line 2,934:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|487||
|487||
|その表情や反応からも、<br>まだ、このプレイに対しての快さを<br>感じ取れていないことは明白で…
|そうやって、どこまでも逃避しようとも、<br>ほんの先の未来への不安が止められない。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|488|春希|Haruki
|488||
|「かずさ…やっぱ、抜こうか?」
|かずさじゃなくて、俺の方が…
|
|
|}}
|}}
Line 2,947: Line 2,946:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|489|かずさ|Kazusa
|489|かずさ|Kazusa
|「そんなこと気にしてる暇があるなら、<br>早く自分だけでも気持ちよくなれよっ」
|「あ、あたしさぁ…もう…っ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|490|春希|Haruki
|490||
|「………もっと、痛いかもしれないぞ?」
|会社も人間関係も全て切り落としたこれからの俺は、<br>これからも俺のままでいられるんだろうか。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|491|かずさ|Kazusa
|491|春希|Haruki
|「なら、ずっと気持ちいいって言ってろ。<br>愛してるって口説け。<br>…そしたら、あたし痛くてもイくから」
|「…休もうって言ったのは、かずさの方だぞ?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|492|春希|Haruki
|492||
|「~っ、あ、あ、ああ…あ…っ」
|かずさは、コンサートに間に合うんだろうか?<br>間に合ったとして、ちゃんと弾けるんだろうか?
|
|
|}}
|}}
Line 2,971: Line 2,970:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|493|かずさ|Kazusa
|493|かずさ|Kazusa
|「んっ、ん~っ、んぅぅぅぅ~っ、<br>あっ、あっ、あぁぁ…ああ…言え、春希っ」
|「そ、そんなの…っ、<br>何時間も、前のことじゃないかぁ」
|
|
|}}
|}}
Line 2,977: Line 2,976:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|494|春希|Haruki
|494|春希|Haruki
|「はぁ、ぁ…か、かずさ…<br>お前のなか…気持ちいい…あ、ぅぁぁ…っ」
|「…あれから、そんなに経ったっけ?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|495|かずさ|Kazusa
|495||
|「そうだよ…気持ちよさそうな声出せよ…っ、<br>あたし、それで、それだけで…あぁぁぁっ」
|…かずさは、これからもピアノを続けるんだろうか?<br>それとも、俺と一緒にずっと逃げてくれるんだろうか?
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|496||
|496|かずさ|Kazusa
|いつもそうだった…<br>かずさは、俺の声で気持ちよくなれる。<br>俺の愛の言葉だけで達することができる。
|「今のあたしたちに…<br>時間の経過なんて、意味あるのか?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|497|春希|Haruki
|497||
|「これでお前…全部、俺の…<br>俺のものだ…かずさは俺のだ…っ、<br>もう、触れてないところ、ないからな…?」
|そして、もしかずさが後者の未来を選んでくれたとしたら、<br>そのとき俺は、かずさにどうやって応えれば…
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|498|かずさ|Kazusa
|498|春希|Haruki
|「んぅぅぅぅ~っ、んっ、あ、ああっ、はぁぁんっ、<br>そ、そうだ…もっと…もっと言え…」
|「………うん、ないな。<br>ん、んぷ…あ、あむ…んくっ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|499|春希|Haruki
|499|かずさ|Kazusa
|「愛してる…誰よりも、お前だけ…っ、<br>もう、もう…絶対に…はぁぁぁっ」
|「あっ、あっ、ああああああっ!<br>うぁぁぁんっ、ん、んく…あぁ、ぁぁぁ…っ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|500|かずさ|Kazusa
|500||
|「んっ、んぅっ、あぁぁ…いい、それ、すごく…っ、<br>はぁぁぁっ、あっ、ああぁぁぁぁ~っ」
|考えても、結論なんか出るわけがない。<br>そして、考えたくなんかない。
|
|
|}}
|}}
Line 3,019: Line 3,018:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|501||
|501||
|かずさの尻穴が、徐々に拡がっていく。
|だから俺は、胸の奥から湧き出てくる<br>そんな不安を押し潰すために、<br>かずさで、胸の奥をいっぱいにする。
|
|
|}}
|}}
Line 3,025: Line 3,024:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|502||
|502||
|俺のものに押し拡げられたせいってのもあるけれど、<br>多分、それだけじゃなくて…
|………
|
|.........
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|503|春希|Haruki
|503||
|「んぅぅっ、はぁっ、あ、あ…気持ち、いい…<br>かずさ、お前…ああ、最高、だ…ぁぁ…っ」
|……
|
|......
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|504|かずさ|Kazusa
|504||
|「んっ、んぅっ、ふぅぅんっ、ん、うん、うん…っ、<br>あ、あ、あたし…お前の、入れ物だから…はぁぁんっ」
|
|
|...
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|505||
|505|仲居|Waitress
|俺の、わざとらしいまでの愛の言葉が、<br>俺の、おかしくなってしまったくらいの快感の喘ぎが。
|「お客さんたち退屈じゃないです?<br>この雪でどこにも出かけられなくて」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|506||
|506|春希|Haruki
|肉体の快感以上に、<br>かずさを高みに昇らせていくから。
|「いえ全然。<br>俺たち、この雪そのものを見に来たんで」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|507|かずさ|Kazusa
|507|仲居|Waitress
|「ふぅんっ、あぁっ、あぁぁ…い、ああ、んっ…<br>ん、くぅ…はぁ、あぁぁ…あぅ、う、うんっ」
|「あらま珍しい。<br>この辺りじゃどこだってこんな景色なのにねぇ」
|
|
|}}
|}}
Line 3,061: Line 3,060:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|508|春希|Haruki
|508|春希|Haruki
|「はぁ、あ、あぁ…あああ…っ、<br>はぁっ、はぁっ、あぁぁぁっ」
|「どこにでもあるようなところが良かったんです。<br>…って、ちょっと失礼ですね、すいません」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|509||
|509|かずさ|Kazusa
|穴が拡がっただけじゃなく、<br>徐々に滑りも良くなっていく。
|「………」
|
|"........."
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|510||
|510||
|本来は受け入れるべき場所でないにもかかわらず、<br>かずさの身体が、無理やり俺を許そうと<br>足掻いてるみたいだった。
|仲居さんと俺が世間話をする間も、かずさは俯きながら、<br>そこはかとなく居心地の悪さを醸し出していた。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|511|かずさ|Kazusa
|511||
|「あ、あ、あ…や、あぁんっ、い、あ…<br>んっ、んっ、んっ…はぁぁ、ああ、春希…」
|相手が温厚な一般人だろうがマスコミだろうが、<br>相変わらず、その人見知りの激しさは直りそうにない。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|512|春希|Haruki
|512||
|「う、ん…かずさ。<br>俺、俺…お前だけ…もう、お前だけしか…っ」
|…おかげで二人きりになった後の内向的な激しさが、<br>ますます際立っていくことになる訳だけど。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|513||
|513|仲居|Waitress
|かずさの背中にのしかかり、胸に腕を回し、<br>その豊かな乳房を鷲掴みにして強く愛撫する。
|「あ、そうそう、さっきみんなと話してたんですけどね、<br>ほら、あれですよねあれ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|514||
|514|春希|Haruki
|両脚の太股に俺の脚をこすりつけ、<br>全身をぴったりと重ね、俺の律動を伝える。
|「あれですか…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|515|かずさ|Kazusa
|515||
|「あ、あたしの…春希は、あたしの…っ、<br>はぁぁっ、ああっ、あっ、あ~っ!」
|それは、どこかの誰かのお母さんがよく使う指示語で、<br>大抵は、『あれ』が何を指しているのか、<br>さっぱりわからない類のもので。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|516||
|516|仲居|Waitress
|ぬるりと、かずさのお尻に俺のが埋まり、<br>ずるりと、その狭い穴からはみ出してくる。
|「こちらのお嬢さん。<br>ほんと、びっくりするほど綺麗じゃないですか。<br>でね、どこかで見たような気がしてねぇ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|517||
|517|かずさ|Kazusa
|俺の腰に密着してるかずさの白いお尻が、<br>熱く蠢き、俺の全てを刺激する。
|「っ…!?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|518||
|518|春希|Haruki
|かずさが、全身で俺を飲み込もうとしてる。
|「あ、あ~!<br>あれでしょあれ、ほら、なんだっけ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|519|春希|Haruki
|519|仲居|Waitress
|「はぁっ、あっ、あぁぁ…ああっ!<br>い、あ、くぅっ…う、うあぁぁ…ぁっ」
|「そうそう! えっと、ほら、ピアノの人で、<br>この前、コンサートやってた!」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|520|かずさ|Kazusa
|520|春希|Haruki
|「やぁぁんっ、あんっ、んっ、んんっ、んぅっ、<br>あ、あ、あ、あ、あ…いぁぁんっ」
|「ああ、そうそうあの人!<br>来日してから言われまくりなんですよこいつ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|521||
|521|かずさ|Kazusa
|かずさの声が、徐々に軽快に弾んでいく。
|「え…」
|
|
|}}
|}}
Line 3,145: Line 3,144:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|522||
|522||
|最初の、重苦しい吐息とは対照的な、<br>突き上げられることにも悦びを見出してる、<br>いつものセックスの時のような喘ぎ声…
|だからこそ、こういう危険な会話になると、<br>その曖昧さが逆に十分なカムフラージュになる。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|523|かずさ|Kazusa
|523|春希|Haruki
|「あああっ、ああっ、あ~っ、<br>春希、は、あぁ、いぃ…んぅんっ、んっ、んんっ…<br>あ、ああ…奥、いい…あぁぁぁぁ、ん~っ!」
|「なんか今みたいに眼鏡外して髪下ろすと<br>そっくりに見えるって…<br>俺からしてみれば全然似てないんだけど」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|524||
|524|仲居|Waitress
|とうとう、お尻で…
|「そりゃ、お兄さんはいつも側で見てるから。<br>細かい違いまですっかりわかってなさるんでしょ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|525||
|525|春希|Haruki
|いや、俺との全てのセックスで、<br>感じてくれるように、自分を作り替えた。
|「正直、比べるのも失礼と思うんですけどね。<br>…だってこいつ、あんな芸能人より<br>よっぽど美人でしょ?」
|
|
|}}
|}}
Line 3,169: Line 3,168:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|526|かずさ|Kazusa
|526|かずさ|Kazusa
|「あぁぁ、ぁぁぁ、ああっ、んん、く、ぁぁ…っ、<br>はぁんっ、んっ、んんっ、や、あ、あ…っ」
|「なっ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|527|春希|Haruki
|527|仲居|Waitress
|「うあ、あぁぁ…あああああっ、<br>か、かずさ…あ、あぁぁ、んっ、<br>お、お前のなか…熱くて…も、もう…っ」
|「ええ、本当ですねぇ。<br>比べ物にならないくらい」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|528||
|528|春希|Haruki
|だから俺も、自然とかずさに応えられるよう、<br>自分を、変えていく。
|「…なんて上手いな~おばさん。<br>さっきまでそっくりだって言ってたくせに」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|529||
|529|仲居|Waitress
|気持ちよさそうな声を上げ、<br>かずさを想う心を耳元で囁き、<br>かずさを独占し、かずさに独占されようとする。
|「ウチのお湯に浸かったせいで、<br>ますますお綺麗になられたんですよ。<br>お肌なんて真っ白で、まるで雪のようで」
|
|
|}}
|}}
Line 3,193: Line 3,192:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|530|かずさ|Kazusa
|530|かずさ|Kazusa
|「出るのか、春希…?<br>あたしのお尻の中、射精するのか…?<br>あっ、あっ、ああ…あ、ん~っ」
|「ちょ、ちょっと…やめ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|531|春希|Haruki
|531|仲居|Waitress
|「あ、ああ…ごめん。<br>俺、こんなに早く…<br>だってお前の、これ…凄…っ」
|「あらあらごめんなさい見立て違いでした。<br>ちょっとのぼせたみたいですねぇ。<br>いつの間にか桜の花みたいになっちゃいました」
|
|
|}}
|}}
Line 3,205: Line 3,204:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|532|かずさ|Kazusa
|532|かずさ|Kazusa
|「あぁぁぁんっ、んんっ、んく…あ、あぁ…<br>お前の気持ちいいこと…全部、知ってるぞ? あたし」
|「っ…」
|
|
|}}
|}}
Line 3,211: Line 3,210:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|533|春希|Haruki
|533|春希|Haruki
|「っ…あ、あ、あ…ああああっ」
|「あはは、そんなにからかってあげないでよ。<br>ただでさえ引っ込み思案なんだから」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|534|かずさ|Kazusa
|534|仲居|Waitress
|「はぁぁっ、あっ、あ、ぅんっ…<br>な、なにしても…いいんだ…ぞ?<br>あたし、お前になら…はぁぁっ、あっ、あぁぁぁんっ」
|「まぁまぁこんなにお綺麗なのに控えめなお嬢さんで。<br>ほんとお兄さんが羨ましい」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|535||
|535|春希|Haruki
|もう、いつものセックスと何も変わらない。
|「でしょう?<br>………俺たち、もうすぐ結婚するんです」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|536||
|536|かずさ|Kazusa
|かずさのお尻に、俺の腰を叩きつける大きな音が<br>部屋中に響いてる。
|「っ!?<br>は、春希…?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|537||
|537|仲居|Waitress
|窓の外の止まない雪も…<br>この部屋の、五年前の光景も…
|「あらあらぁ、それはおめでとうございます。<br>ほんと、とてもお似合いですよ。<br>お兄さんもね、よく見ればいい男だし」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|538||
|538|春希|Haruki
|今の俺たちの想いを揺るがせることはできない。
|「なにその俺に対してだけ取ってつけたような誉め言葉」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|539|かずさ|Kazusa
|539|仲居|Waitress
|「ああっ、ああっ、あああんっ、<br>き、来て、春希…熱い、熱っ…はぁっ、あ、あ…<br>あああああっ、あんっ、い、く、ふぁっ、あっ…」
|「ま、それはともかく、奥さんもおめでとうございます。<br>末永く幸せになってくださいね?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|540|春希|Haruki
|540|かずさ|Kazusa
|「ああ、あああっ、ん、く…あ、あ…っ、<br>か、かずさ…出す…お前の…あ、あ…っ」
|「お、お、お………奥…っ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|541|かずさ|Kazusa
|541|春希|Haruki
|「ふぁぁぁぁっ、ああっ、あっ、あ~っ!<br>お、大きく…あ、あ、あ…いあああああっ!」
|「…落ち着けよ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|542|春希|Haruki
|542|仲居|Waitress
|「うああ…ああああああああああっ!」
|「…桜の花がとうとう茹だっちゃいましたねぇ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|543|かずさ|Kazusa
|543||
|「あ~っ!<br>あああああああ~っ!<br>ああああああああああああああ~………っ!?」
|………
|
|.........
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|544||
|544|かずさ|Kazusa
|狭いかずさの穴を、<br>さらに押し拡げるように…
|「………」
|
|"........."
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|545||
|545|春希|Haruki
|ぐいっと奥まで押し進めた後、<br>俺は、頭の中が真っ白になるほどの射精をした。
|「………」
|
|"........."
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|546|かずさ|Kazusa
|546|かずさ|Kazusa
|「うあぁぁぁぁ…ああっ、あっ、あんっ…<br>あっ…あぁぁ…上がって…うえ…っ、<br>う、く…んぅぅ…はぁ、あ、ぁぁ…っ」
|「お、お前…<br>一体なんであんなこと…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|547||
|547|春希|Haruki
|かずさのお尻が、びくん、びくんと白い肉を揺らし、<br>俺のものがなかで暴れている現状を晒す。
|「あんなこと…って?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|548||
|548|かずさ|Kazusa
|あらためて結合部を見つめると、<br>かずさのその穴は、痛ましいほどに拡げられ、<br>俺の暴虐を、なすすべもなく受け止めているようだった。
|「どこで結婚しようってんだよ、あたしたち。<br>…二人の夢の中でかよ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|549|かずさ|Kazusa
|549|春希|Haruki
|「はぁ、あ、あぁぁ…あんっ、んっ、んぅぅ…<br>うあぁぁ…いつもと違うとこ、入ってきて…ぅぇぇ…」
|「………」
|
|"........."
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|550|春希|Haruki
|550|かずさ|Kazusa
|「か、かずさ…ぁぁ…」
|「あたしのこと誤魔化すにしてもやり過ぎだろ。<br>お前…すっごい嘘つくんだなぁ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|551|かずさ|Kazusa
|551|春希|Haruki
|「んっ、んんっ…あっ…ぁぁ…<br>は、春希、お前………今、謝ろうとしたろ?」
|「………っ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|552|春希|Haruki
|552|かずさ|Kazusa
|「う…っ」
|「…春希?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|553|かずさ|Kazusa
|553||
|「あはは…図星だ。<br>お前、あたしのなかに射精した後、<br>いっつも後悔するもんなぁ…」
|迂闊だった…
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|554|春希|Haruki
|554||
|「そ、それは…<br>俺だけじゃなくて、男は大抵…」
|二人でいられることの幸せに、<br>頭が完全に麻痺していたのかもしれない。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|555|かずさ|Kazusa
|555|春希|Haruki
|「ふん…余計なお世話だ。<br>お前に壊されるのなら、後悔なんかするもんか」
|「かずさ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|556|春希|Haruki
|556|かずさ|Kazusa
|「っ…」
|「え?」
|
|
|}}
|}}
Line 3,355: Line 3,354:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|557||
|557||
|布団の上に、ぺたりとうつ伏せに倒れ…
|きっともう、宿の中で噂になってる。<br>雑誌に載ってる写真と本物を見比べられてる。
|
|
|}}
|}}
Line 3,361: Line 3,360:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|558||
|558||
|かずさは、荒い呼吸で全身を大きく上下させ、<br>押し拡げられたお尻をひくひく痙攣させ…
|俺の必死のすり替えに、<br>仲居さんは乗ってくれてたけど、<br>その視線はずっとかずさの顔から離れなかった。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|559||
|559|春希|Haruki
|けれど、そんな身体なのにも関わらず、<br>やっぱり言葉だけは胸を張っていた。
|「明日の朝、発とう」
|
|
|}}
|}}
Line 3,373: Line 3,372:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|560|かずさ|Kazusa
|560|かずさ|Kazusa
|「だから、謝るなとは言わないけどさ…<br>あたし、聞き入れないからな?」
|「ぁ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|561|春希|Haruki
|561||
|「………俺も、<br>お前と一緒に壊れても、後悔しない」
|気づいてる。<br>多分、いや絶対、かずさの正体に辿り着いてる。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|562|かずさ|Kazusa
|562||
|「………………………馬鹿っ」
|ぴったりと閉じていたはずの二人だけの世界に…<br>とうとう、ひとすじの亀裂が入った。
|
|
|}}
|}}
Line 3,391: Line 3,390:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|563||
|563||
|最後の言葉は、<br>心の底から出た、<br>かずさの奥に届くはずの言葉だったけど。
|………
|
|.........
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|564||
|564|かずさ|Kazusa
|でもかずさは、一言『馬鹿』と呟いたきり、<br>しばらく布団から顔を上げることはなかった。
|「………」
|
|"........."
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|565||
|565|春希|Haruki
|………
|「………」
|.........
|"........."
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|566|かずさ|Kazusa
|566||
|「あっ…」
|夜になっても、雪は止まなかった。<br>それどころか、昼間以上に吹雪いてきた。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|567|春希|Haruki
|567||
|「どうした?」
|窓の外を、粉雪が真横に飛び回る。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|568|かずさ|Kazusa
|568||
|「まだ…こぼれてくる」
|真っ暗な部屋の中、その白い粒だけが浮かび上がり、<br>かずさの肌を、髪を、瞳をほのかに照らす。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|569|春希|Haruki
|569|かずさ|Kazusa
|「そ、そうか…」
|「明日…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|570||
|570|春希|Haruki
|抱きあった後、色々な後始末をするために<br>もう一度二人で露天風呂へ行ったのは、<br>もう、午前三時を過ぎた頃だった。
|「ん…?」
|
|
|}}
|}}
Line 3,439: Line 3,438:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|571||
|571||
|当然のように、男湯にも女湯にも誰もいなくて、<br>駄目元で声をかけてみたら、<br>かずさはおずおずと男湯へと移動してきた。
|闇の中、もう一つ新たに照らされたのは、<br>ゆっくりと動き始めた、かずさの濡れた唇。
|
|
|}}
|}}
Line 3,445: Line 3,444:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|572|かずさ|Kazusa
|572|かずさ|Kazusa
|「うぁぁ…なんかすごい異物感。<br>次、トイレ行くのが怖い」
|「帰る、のか?<br>東京に」
|
|
|}}
|}}
Line 3,451: Line 3,450:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|573|春希|Haruki
|573|春希|Haruki
|「えっと…洗おうか? 中まで」
|「………」
|
|"........."
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|574|かずさ|Kazusa
|574||
|「ほんっと、変態め。<br>今度は指入れるつもりか」
|夕食の間、俺たちはずっと無言だった。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|575|春希|Haruki
|575||
|「…今まで入れたものに比べたら一番ノーマルな気も」
|酒も飲まず、身体も寄せ合わず、<br>せっかくのご馳走の味も全然わからずに、<br>ただ黙々と口に運ぶだけの30分だった。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|576|かずさ|Kazusa
|576||
|「あ~、もう思い出させないでくれっ。<br>あまりにも恥ずかしくてのぼせそうになる」
|けれど…<br>仲居さんが食事を片づけ、布団を敷いてくれた直後、<br>そんな二人のたがが劇的に外れた。
|
|
|}}
|}}
Line 3,475: Line 3,474:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|577||
|577||
|そして、そんなふうに俺を責めながらも、<br>俺の側にぴったりと寄り添うことをやめる気配はない。
|昨夜よりも、今朝よりも強く、激しく、<br>獣のような声を上げ、全身を絡め、互いを傷つけ…
|
|
|}}
|}}
Line 3,481: Line 3,480:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|578||
|578||
|濡れた髪と火照った頬が俺の首筋と肩に触れ、<br>心から繋がってるって幸福感を伝えてくれている。
|何度も何度も、奥に吐き出して、<br>かずさが少しの間気を失って…<br>それでやっと、二人の間に再びの静けさが訪れた。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|579||
|579|かずさ|Kazusa
|かずさは今、本当に嬉しいんだって。<br>…きっと、五年前と比べても。
|「仕方ない、よな」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|580|かずさ|Kazusa
|580||
|「…けど、いい湯だな」
|たった一日で、かずさの正体が割れてしまったことが、<br>俺たちを追い詰めた。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|581|春希|Haruki
|581||
|「少し熱いけどな」
|明日になれば、事務所に捕捉されるかもしれない。<br>曜子さんの部下に、無理やり連れ戻されるかもしれない。
|
|
|}}
|}}
Line 3,505: Line 3,504:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|582||
|582||
|あの時、触れ合ってたのは背中だけだった。<br>そして心は、全て雪菜を介しての繋がりだった。
|いや、それならまだいい方で、<br>もし、先に情報を掴むのが、俺の同業者だったとしたら…
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|583||
|583|かずさ|Kazusa
|そう、無理やり決めていた。
|「春希もそろそろ仕事に戻らないといけないもんな。<br>…あたしのためだけに、一週間も使ってくれたんだし」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|584|かずさ|Kazusa
|584||
|「それに、いい景色だな」
|もう、かずさを部屋の外にも出せない。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|585|春希|Haruki
|585||
|「真っ暗だけどな」
|かずさを見る、宿の人の視線の意味が、<br>彼らの声を潜めた会話の内容が、<br>フロントで鳴る電話の呼び出し音が恐ろしい。
|
|
|}}
|}}
Line 3,529: Line 3,528:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|586||
|586||
|雪菜の右手は俺の左手に。<br>雪菜の左手はかずさの右手に。<br>そんなふうに、三人の友情を形成してた。
|俺の疑心を、ますます煽り立てる。
|
|
|}}
|}}
Line 3,535: Line 3,534:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|587||
|587||
|俺の右手と、かずさの左手は、<br>外に開かれたままだった。
|俺たちの世界にできた裂け目が、<br>徐々に拡っていく感覚に囚われる。
|
|
|}}
|}}
Line 3,541: Line 3,540:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|588|かずさ|Kazusa
|588|かずさ|Kazusa
|「眺めてるだけで、飽きないな」
|「そうだよな、これ以上ワガママなんか言えないよな。<br>…あたしだって、しなきゃいけないこと、あるしな」
|
|
|}}
|}}
Line 3,553: Line 3,552:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|590||
|590||
|けれど今、俺の右手とかずさの左手だけが、<br>こうして固く繋がれている。
|そろそろ、限界かもしれなかった。
|
|
|}}
|}}
Line 3,559: Line 3,558:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|591||
|591||
|かずさは五年前に右手を雪菜から離し、<br>そして俺の左手は…
|もう、俺たちが二人きりでいられる場所は、<br>どこを探しても見つからないのかもしれなかった。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|592|かずさ|Kazusa
|592||
|「もう、帰りたくないかも…」
|日本の中にも、そして心の中にも。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|593|雪菜|Setsuna
|593|かずさ|Kazusa
|『こんなにいいお湯と、こんなにいい景色だよ?<br>もっと楽しもうよ』
|「もう、戻らないとな。<br>あたしはピアノに。<br>そしてお前は…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|594|雪菜|Setsuna
|594||
|『どれだけ見ても、飽きないよね…』
|だったら、俺は…
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|595|雪菜|Setsuna
|595|春希|Haruki
|『あ~あ、ほんと最高。<br>もう帰りたくないなぁ』
|「嫌だ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|596||
|596|かずさ|Kazusa
|かずさは、気づいてるんだろうか。
|「春希…」
|
|
|}}
|}}
Line 3,595: Line 3,594:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|597||
|597||
|今、自分の口から漏れた言葉が全部、<br>五年前、俺たち以外のもう一人が言った台詞の<br>焼き直しなんだって。
|潔く、諦めとともに予想通りの結末を迎えるなんて、<br>やっぱり、できるわけがなかった。
|
|
|}}
|}}
Line 3,601: Line 3,600:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|598|春希|Haruki
|598|春希|Haruki
|「帰るなんて誰も言ってないだろ…」
|「何言ってんだよかずさ…<br>俺たち、帰るわけなんかないだろ。<br>だってお前、帰りたくないって言ったじゃないか」
|
|
|}}
|}}
Line 3,607: Line 3,606:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|599|かずさ|Kazusa
|599|かずさ|Kazusa
|「春希…」
|「嬉しいよ。<br>そう言い続けてくれるの、本当に嬉しいんだよ、春希。<br>でもお前…」
|
|
|}}
|}}
Line 3,613: Line 3,612:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|600|春希|Haruki
|600|春希|Haruki
|「そんな先のこと、今はまだ考えなくていい。<br>俺たち、今日着いたばかりなんだぞ?」
|「誰にも邪魔させない。<br>俺とかずさのこと、誰にも…」
|
|
|}}
|}}
Line 3,619: Line 3,618:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|601|かずさ|Kazusa
|601|かずさ|Kazusa
|「ん…」
|「………」
|
|"........."
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|602||
|602||
|だからって、そのことを指摘できるほど<br>空気を読めない俺じゃなく。
|その先の言葉を聞きたくなかったのか、<br>俺は、かずさを遮るように否定する。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|603||
|603|春希|Haruki
|だからって、笑顔で肯くことができるほど、<br>簡単に割り切れる俺でもなくて、<br>不器用に突っ込みを入れるしかなかった。
|「北へ行こう…ここよりもっと北へ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|604|春希|Haruki
|604|かずさ|Kazusa
|「温泉入って、美味しい料理食べて、雪見て…」
|「北…?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|605|かずさ|Kazusa
|605|春希|Haruki
|「寝て、起きたら、春希にまた変なことされて…」
|「もっと山奥の、もっとひなびた温泉とか…<br>いや、逆に都会の方が目立たないかも」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|606|春希|Haruki
|606|かずさ|Kazusa
|「起きてすぐは危険なんじゃないか?<br>してる最中に仲居さんが入ってきたら…」
|「………」
|
|"........."
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|607|かずさ|Kazusa
|607|春希|Haruki
|「気にするのはそこなのかよ…」
|「そうだ、その手があったよな…<br>この際だから思い切って札幌なんてどうかな?<br>あっちの雪はここより綺麗だぞ、きっと」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|608|春希|Haruki
|608|かずさ|Kazusa
|「朝飯食べて、朝風呂行ってからにしよう?<br>確か10時から、また[R露天風呂^ここ]開いてるよな?」
|「なぁ、春希…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|609|かずさ|Kazusa
|609|春希|Haruki
|「お風呂行ってる間に<br>布団片づけられたりしないかな?」
|「うん…でもとりあえず行動指針はできた。<br>明日は始発で移動しよう?<br>目が覚めたら、すぐにチェックアウトして…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|610|春希|Haruki
|610|かずさ|Kazusa
|「俺が言っておくよ。<br>昼間も使うからそのままにしといてって。<br>ついでに夜まで入って来ないでくれって」
|「春希…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|611|かずさ|Kazusa
|611|春希|Haruki
|「…なんてあからさまな。<br>あたしたちが何してるか絶対にバレるぞ?」
|「そうと決まったら、今日はもう休んだ方がいい。<br>寝ておかないと明日キツいぞ?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|612|春希|Haruki
|612|かずさ|Kazusa
|「恥ずかしがることないだろ?<br>俺たちがそういうことするのは、<br>いけなくなんかない」
|「春希っ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|613|かずさ|Kazusa
|613|春希|Haruki
|「………う、うん」
|「かずさ…?」
|
|
|}}
|}}
Line 3,697: Line 3,696:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|614||
|614||
|それは、俺が今まで生きてきた世界に対しての、<br>あまりにも酷い詭弁だったけれど…
|かずさが、俺の胸に顔を押しつけてきた。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|615||
|615|かずさ|Kazusa
|その台詞を、思ったよりも滑らかに口に出せた俺は、<br>もう、その世界の住人じゃないのかもしれなかった。
|「っ…ぅ、ぅぅ…っ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|616|かずさ|Kazusa
|616||
|「明日も明後日も、ずっと雪だといいな」
|今までよりも強い力でしがみつくと、<br>熱くて冷たいしずくが、俺の胸を濡らす。
|
|
|}}
|}}
Line 3,715: Line 3,714:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|617|春希|Haruki
|617|春希|Haruki
|「そうだな…<br>窓から何も見えないくらい、<br>白い雪で覆い尽くされるのもいいな」
|「そんなに心配しなくても大丈夫だ…<br>絶対に、なんとかなるから」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|618|かずさ|Kazusa
|618||
|「雪に閉じ込められるのも悪くないな。<br>電車も車も、何もかも止まっちゃってさ」
|両手の指が、俺の肩にぎゅっと食い込む。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|619|春希|Haruki
|619|かずさ|Kazusa
|「自然には逆らえないよな。<br>仕方ないから、しばらくここにいるか」
|「お前…お前、さ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|620|かずさ|Kazusa
|620||
|「あたしは構わないけどさ…いつまで?」
|その、ピアニストらしい力強い指先から、<br>全身の震えが伝わってくる。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|621|春希|Haruki
|621||
|「そりゃ…春が来るまでだろ」
|不安が、伝わってくる。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|622|かずさ|Kazusa
|622|春希|Haruki
|「あはは…まるで氷河期だな。<br>で、数か月ぶりにやっと脱出できたと思ったら、<br>日本中、凍りついてたりして」
|「幸せになれるから、俺たち…<br>俺が、お前を幸せにするから」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|623|春希|Haruki
|623|かずさ|Kazusa
|「いいじゃん、地球温暖化の抑制になる」
|「………っ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|624|かずさ|Kazusa
|624|春希|Haruki
|「そういうレベルの話かぁ?<br>ふふ…あはは…馬鹿馬鹿しい」
|「だから、泣くなよ…<br>悲しむことなんか、何もないだろ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|625|春希|Haruki
|625||
|「ほんと、馬鹿馬鹿しい、な」
|だから俺は、かずさを包み込み、その髪を撫で、<br>ゆっくりと、安心を伝えていく。
|
|
|}}
|}}
Line 3,769: Line 3,768:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|626||
|626||
|そんな馬鹿馬鹿しいことが実現したらって、<br>俺は、少しだけ本気で思っていた。
|震えが止まるまで、不安が消え去るまで、<br>…俺たちの、夜明けを迎えるまで。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|627||
|627|かずさ|Kazusa
|世界がずっと雪に閉ざされて…<br>雪解けなんか、ずっと訪れなくて。
|「幸せに…してくれるのか?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|628||
|628|春希|Haruki
|だから俺たちは『仕方なし』に、<br>ずっと一緒の時を過ごす。
|「ああ、約束する。<br>いつかきっと、必ず…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|629||
|629|かずさ|Kazusa
|そんな、終わらない白い世界。<br>二人だけの、閉ざされた世界が、<br>あったら、いいのにな…って。
|「いつかじゃ嫌だ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|630||
|630|春希|Haruki
|そんなことを本気で願えるくらい、<br>今の俺たちは、互いを求め合っていた。
|「え…」
|
|
|}}
|}}
Line 3,799: Line 3,798:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|631|かずさ|Kazusa
|631|かずさ|Kazusa
|「…少し、眠くなってきたかな?」
|「今すぐだ…<br>今すぐ、ほんの少しでいいから、<br>あたしを幸せにしてくれよ」
|
|
|}}
|}}
Line 3,805: Line 3,804:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|632|春希|Haruki
|632|春希|Haruki
|「もし眠ったら、部屋まで運んでやるよ」
|「どうすれば…いいんだ?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|633|かずさ|Kazusa
|633||
|「運んでもいいけど…<br>あたしの裸、見るなよ?」
|胸にしがみつくかずさの目尻を指で撫で、<br>涙を隠すため、俺から背けてる顔を覗き込む。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|634|春希|Haruki
|634||
|「何言ってんだ、今さら」
|かずさの身体は、まだ震えが止まっていなかったけど、<br>それでも、そんなワガママが言えるようになったのは<br>いい兆候だった。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|635||
|635|かずさ|Kazusa
|相変わらず、口では適当なことを言い合いながらも、<br>肩を抱く腕にも、握り合う手にも、<br>互いの必死さが伝わるくらい、力を込める俺たち。
|「もう一度…さっきの言葉、言ってくれ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|636||
|636|春希|Haruki
|絶対に離さないって、<br>態度だけで示しあう俺たち。
|「さっきの…って?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|637||
|637|かずさ|Kazusa
|だって、一度でも手を離したら、<br>その瞬間に全て終わってしまうって…
|「ほら、旅館の人に言った、あの…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|638||
|638|春希|Haruki
|そんな錯覚のはずの思いが、<br>ずっと、頭から離れてくれないから。
|「あ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|639||
|639|かずさ|Kazusa
|………
|「頼むよ…<br>嘘でもいいから、もう一度だけ聞かせて欲しいんだよ…」
|.........
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|640||
|640|春希|Haruki
|……
|「嘘なんか…言ってない」
|......
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|641||
|641|かずさ|Kazusa
|
|「ぇ…」
|...
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|642|かずさ|Kazusa
|642|春希|Haruki
|「はぁっ、はぁっ、はぁ………ぁ、ぁ…」
|「結婚しよう、俺たち。<br>これからは、ずっと一緒にいるんだ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|643|春希|Haruki
|643|かずさ|Kazusa
|「は、あ、あぁ…ん、んぅ…」
|「………春希っ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|644|かずさ|Kazusa
|644||
|「ひぅっ…あ、あぁ…や、ぁ…は、春希…<br>ちょっと………休ませてくれ」
|せっかく落ち着いたかと思ったのに、<br>また、元の木阿弥だった。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|645|春希|Haruki
|645||
|「あ…」
|かずさの指が、思いっきり俺の肩に食い込み、<br>全身がぶるりと震え、<br>胸に涙がぽろぽろと落ちていく。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|646||
|646|春希|Haruki
|と、かずさは胸を大きく上下させ、荒い息を吐きつつ…
|「嘘なんかであるもんか…<br>誰が離れるもんか…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|647||
|647|かずさ|Kazusa
|けれど、未だにその胸にむしゃぶりつく俺を、<br>優しく抱きとめた。
|「春希…お前、お前…っ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|648|かずさ|Kazusa
|648||
|「お前…底なしだな。<br>朝からもう、何度したか覚えてないぞ」
|けれど今度は、不安は伝わってこない。
|
|
|}}
|}}
Line 3,907: Line 3,906:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|649|春希|Haruki
|649|春希|Haruki
|「かずさ、だから…<br>だから俺、全然止まらなくて」
|「あの時の…五年前の二の舞は、もう嫌だよ…っ」
|
|
|}}
|}}
Line 3,913: Line 3,912:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|650|かずさ|Kazusa
|650|かずさ|Kazusa
|「…そういう、感じさせること軽々しく言うな。<br>今度はあたしがすぐに我慢できなくなるだろ」
|「あたしも…あたしもっ!」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|651|春希|Haruki
|651||
|「かずさ…」
|それは悲しみとは違う、<br>むしろ正反対の感情に突き動かされた<br>想いの発露だった。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|652||
|652|春希|Haruki
|かずさの胸に顔を埋め、<br>その先端を口に含み、<br>舌先で愛撫して、唇で吸って。
|「かずさ…もう離さない」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|653||
|653|かずさ|Kazusa
|かずさの体温で温まり、<br>かずさの匂いで恍惚となり、<br>かずさの鼓動で、心を落ち着かせていく。
|「う、うん…離すなよ。<br>今夜だけは、ずっとあたしを捕まえててくれ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|654|かずさ|Kazusa
|654|春希|Haruki
|「あ~あ、お前ので全身ドロドロだ…<br>上も下も後ろも、全部使われた…」
|「今夜だけじゃない…これからずっとだ。<br>だって俺たち、約束、したんだから」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|655|春希|Haruki
|655|かずさ|Kazusa
|「だってお前、<br>どこでも感じてくれるようになったから…」
|「あたし…お前の妻…なんだよな?<br>北原かずさ…なんだよな?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|656|かずさ|Kazusa
|656|春希|Haruki
|「あ、あ~…今、何時かな」
|「明日の宿帳には、そう書くんだぞ?<br>もう、偽名なんて名乗る必要ないからな」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|657|春希|Haruki
|657|かずさ|Kazusa
|「昼間だろ」
|「誓うのか?<br>あたしを妻にするって、誓うのか、春希?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|658|かずさ|Kazusa
|658|春希|Haruki
|「なんて大ざっぱな…」
|「ああ…<br>健やかなるときも、病めるときも…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|659|春希|Haruki
|659|かずさ|Kazusa
|「何時何分とか、そんなの知る必要あるのか?」
|「喜びのときも、悲しみのときも?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|660|かずさ|Kazusa
|660|春希|Haruki
|「いや、全然」
|「富めるときも、貧しいときも」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|661|春希|Haruki
|661|かずさ|Kazusa
|「なんだよ、それ」
|「これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|662|かずさ|Kazusa
|662|春希|Haruki
|「うるさいな~、春希は」
|「その命ある限り、<br>真心を尽くすことを、ここに誓います…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|663||
|663|かずさ|Kazusa
|自分の胸に抱えた俺の頭をぽふぽふ叩きながら、<br>色々なことを誤魔化すかずさ。
|「ああ…春希、春希…っ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|664||
|664|春希|Haruki
|俺たちのどちらが旺盛なのかと問われたら、<br>正直、俺にはいい勝負に思えるし。
|「あぁ…かずさ…っ、<br>ん、んぅ…は、あぁ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|665|かずさ|Kazusa
|665||
|「はぁぁぁぁ~…<br>にしても、今日も昼間からよく降るな。<br>本当に埋もれてしまいそうだ」
|滅茶苦茶に抱き合い、<br>滅茶苦茶に唇を重ねる。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|666|春希|Haruki
|666||
|「ん…」
|二つ並べた布団を転がり、<br>自分が上になり、相手が上になり、<br>でも、どんなに動いても唇は離れず。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|667||
|667|かずさ|Kazusa
|二人、重なりながら、<br>窓の外の、相変わらず止まない雪を見上げる。
|「は、春…んむぅぅっ、ん、ん~っ、<br>は、あ、あぁぁ…もっと、もっとぉ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|668||
|668|春希|Haruki
|あの厚く黒い雲から生まれ出たとは思えない、<br>白くまっさらな粉雪。
|「ああ…もっと…は、んむ…んぷ、ぁ…<br>かずさ…あ、あぁ…ぁぁぁ…」
|
|
|}}
|}}
Line 4,027: Line 4,026:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|669||
|669||
|空は暗く、地面は明るく、その景色はまるで色を変えず、<br>だから、今が昼間ということしかわからないくらい<br>時間の感覚が奪われる。
|ドレスもない。タキシードもない。<br>立会人もいないから、指輪の交換もない。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|670|かずさ|Kazusa
|670||
|「次のコンサートまで、<br>あと一週間、だな」
|それどころか俺たちには、<br>祝福してくれる人たちなんか一人もいない。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|671|春希|Haruki
|671|かずさ|Kazusa
|「………」
|「ん、んぅぅ…は、あ、あっ、<br>は、春希、お願い、ねぇ…あ、あぁぁ…んっ」
|"........."
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|672|かずさ|Kazusa
|672||
|「もう、今から練習再開しても、<br>人に聴かせるレベルには程遠いだろうなぁ」
|けれど今、俺たちは二人きり…
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|673|春希|Haruki
|673||
|「ん…」
|互いの誓いの言葉にのっとり、<br>夫婦の儀式を、執り行う。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|674|かずさ|Kazusa
|674||
|「またヘマしたら、週刊誌とか喜ぶだろうな。<br>ヒロインからヒールへと、華麗な転身ってやつだな」
|………
|
|.........
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|675|春希|Haruki
|675||
|「ん…んぅ」
|……
|
|......
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|676|かずさ|Kazusa
|676||
|「ま、別に、いいけどな。<br>あいつらに気に入られたくて<br>ピアノやってる訳じゃないし」
|
|
|...
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|677|春希|Haruki
|677|春希|Haruki
|「んぅぅ…ちゅ…ん」
|「………」
|
|"........."
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|678|かずさ|Kazusa
|678|春希|Haruki
|「………っ」
|「んぅ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|679|春希|Haruki
|679|仲居|Waitress
|「んぅぅ…んく…ちゅ、れろ」
|「おはようございます」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|680|かずさ|Kazusa
|680|春希|Haruki
|「は………春希ぃっ」
|「ぇ…?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|681|春希|Haruki
|681|仲居|Waitress
|「ん…んん………なに?」
|「おはようございます。<br>あの、朝食のご用意させていただいてよろしいですか?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|682|かずさ|Kazusa
|682|春希|Haruki
|「人が話してるのに、<br>いつまでもおっぱい吸ってんなよ!」
|「え? あ、ああ…ちょっと待ってください!」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|683|春希|Haruki
|683||
|「…何か問題あったか?<br>ん、んぷ…ちゅぷ、ん、むぅ」
|目を開いた瞬間、窓の外から入り込むまぶしい光に、<br>一瞬目がくらむ。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|684|かずさ|Kazusa
|684||
|「そ、そんなの…あぁんっ、<br>あ、あっ…も、もうっ、<br>そ、それが人の話を聞く態度かぁ?」
|そして同時に、今日は外が晴れていること、<br>そして俺が寝坊したことを悟る。
|
|
|}}
|}}
Line 4,123: Line 4,122:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|685|春希|Haruki
|685|春希|Haruki
|「だって…」
|「おい、かずさ、起きろ。<br>とりあえず服着ろ」
|
|
|}}
|}}
Line 4,129: Line 4,128:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|686||
|686||
|聞きたくもない話題だったから…
|朝食よりも前に…<br>また、仲居さんに詮索されるよりも前に、<br>宿を出て行くはずだったのに。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|687|かずさ|Kazusa
|687||
|「お前、ほんと、おっぱい吸うの大好きだな。<br>終わったあと、いっつもそうしてるし」
|それどころか、<br>冬の朝に、陽が昇りきるまで目覚めないなんて、<br>疲れていたのか、気が緩んだのか…
|
|
|}}
|}}
Line 4,141: Line 4,140:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|688|春希|Haruki
|688|春希|Haruki
|「かずさのだから、大好きなんだ…」
|「あれ…?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|689|かずさ|Kazusa
|689||
|「お前、あたしのこと、<br>おかあさんと勘違いしてないか?<br>言っとくが、まだミルクは出ないぞ?」
|それとも…
|
|
|}}
|}}
Line 4,153: Line 4,152:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|690|春希|Haruki
|690|春希|Haruki
|「母親なんかであるわけないだろ…<br>かずさは、ただの、俺のかずさだ」
|「かずさ…?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|691|かずさ|Kazusa
|691||
|「春希…?」
|隣に感じるべき体温を、<br>いつの間にか見失っていたせいか。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|692|春希|Haruki
|692||
|「だいたいさ…<br>母親のおっぱいなんて想像したくもない。<br>そんなもの欲しがる奴なんかいるのか?」
|………
|
|.........
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|693|かずさ|Kazusa
|693|春希|Haruki
|「お前…」
|「っ…っ…はぁっ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|694|春希|Haruki
|694||
|「別に、人の価値観を否定するつもりはないけど、<br>なんか、ピンと来ないな」
|昨夜まで降り続けた深い雪に足を取られ、<br>俺の、駆け足のつもりの歩みは、遅々として進まない。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|695|かずさ|Kazusa
|695||
|「春希だって、子供の頃は<br>母親のおっぱい吸って育ったんだろ?」
|気ばかりは、こんなに焦ってるのに、<br>いや、焦っているからこそ、手足がついてこない。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|696|春希|Haruki
|696|仲居|Waitress
|「だと思うけど、<br>育つにつれて、そんな記憶<br>綺麗さっぱり消えてったな」
|『ああ、お連れ様でしたら<br>散歩に出かけるとおっしゃって…』
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|697|かずさ|Kazusa
|697||
|「………」
|あの出不精のかずさが…
|"........."
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|698|春希|Haruki
|698||
|「わかんない。<br>勝手に消えたのか、無理やり消したのか…」
|しかも外に出ることを、<br>俺に止められていたにもかかわらず。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|699||
|699|春希|Haruki
|なんでだろ…
|「かずさ…かずさっ!」
|
|
|}}
|}}
Line 4,213: Line 4,212:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|700||
|700||
|かずさは、俺の母親じゃないのに。<br>そんなこと、心の底から理解してるのに。
|旅館の人たちは、その時の俺の反応を心配して、<br>警察を呼ぼうかと申し出てくれたけど、<br>俺はその余計なお世話を全力で拒絶した。
|
|
|}}
|}}
Line 4,219: Line 4,218:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|701||
|701||
|なんでこんな、<br>肉親に話すような、生っぽい話をしてるんだろ、俺…
|だって、ただ朝早く散歩に出かけただけ。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|702|かずさ|Kazusa
|702||
|「わかったよ…なら好きにしろ」
|いつまでも起きない寝ぼすけな俺に呆れて、<br>一人で朝の空気を堪能しようとしただけ。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|703|春希|Haruki
|703||
|「かずさ…?」
|だから、しばらくしたらすぐに戻ってきて、<br>外の綺麗な雪景色を興奮気味に語ってくれるに違いない。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|704|かずさ|Kazusa
|704||
|「あたしのおっぱいが伸びるまでしゃぶり尽くせばいい。<br>どうせお前にしか、見せも触らせもしないんだ。<br>だから、形が崩れても困るのはお前だけだ」
|………こんなに慌てる必要なんか、ないんだ。
|
|
|}}
|}}
Line 4,243: Line 4,242:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|705|春希|Haruki
|705|春希|Haruki
|「お、い…」
|「はぁっ、はぁっ、はぁぁっ…<br>かずさ…かずさ………返事しろぉぉ!」
|
|
|}}
|}}
Line 4,249: Line 4,248:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|706||
|706||
|そんな、俺の戸惑いを察知したのか、<br>かずさが、自分の胸を掴み、俺の顔に押しつける。
|…そんなはずはない。<br>何が『そんな』なのかもわからないけれど、<br>それでも、そんなはずはないんだ。
|
|
|}}
|}}
Line 4,255: Line 4,254:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|707||
|707||
|それはまるで、子供に乳を与える母親の…<br>って、俺にはそんなイメージ湧かないんだった。
|だって俺たちは、約束をしたんだ。<br>永遠に結ばれるって、誓ったんだ。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|708|かずさ|Kazusa
|708||
|「ほらほら、もっとちゅ~ちゅ~しないのか?<br>お前の大好きな、あたしのおっぱいだぞ?」
|辛いことも、悲しいことも、苦しいことも…<br>何もかも昨夜、解決したはずなんだ。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|709|春希|Haruki
|709||
|「け、けど…<br>なんかそう身も蓋もないこと言われると…」
|俺たち二人の未来には、<br>彩り豊かな人生が広がっているはずなんだ。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|710|かずさ|Kazusa
|710||
|「じゃあ、勝手にしろ」
|だから、だから…
|
|
|}}
|}}
Line 4,279: Line 4,278:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|711|春希|Haruki
|711|春希|Haruki
|「………ああ、勝手にする。<br>ん…ちゅ、んぅ」
|「かずさぁぁぁっ!」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|712|かずさ|Kazusa
|712||
|「っ…馬鹿」
|俺の元から、もういなくならないでくれ…
|
|
|}}
|}}
Line 4,291: Line 4,290:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|713||
|713||
|かずさにからかわれるのが悔しかったのか、<br>ただ、自分の欲望を誤魔化すことができなかったのか…
|………
|
|.........
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|714|春希|Haruki
|714||
|「は、んぷ…ちゅぅ…ちゅぅぅ…はぁ、あむ…」
|……
|
|......
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|715||
|715||
|結局俺は、イメージが湧かないはずなのに、<br>まるで赤子のように、ただひたすらかずさの乳房を吸う。
|
|
|...
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|716|かずさ|Kazusa
|716|春希|Haruki
|「はぁっ、ぁ、ぁぁぁ…<br>ん、ん~っ」
|「あ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|717||
|717|かずさ|Kazusa
|そしてかずさは…<br>母親とは思えない、はしたない声を上げた。
|「春希…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|718|春希|Haruki
|718||
|「はぁ、あ、んむ…んぷ…<br>はぁぁ、かずさ…は、あぁ…」
|見つけた…
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|719|かずさ|Kazusa
|719||
|「ぅ、んっ…あ、あぁ…春希ぃ。<br>あ、そこ…ふぅぅんっ、ん、んぅぅ…」
|元々、手がかりが何もない訳じゃなかった。<br>だって、雪の上にはたった一つの足跡がずっと続いてた。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|720|春希|Haruki
|720||
|「今は…何も考えないでくれ。<br>ん、んく…は、ぁ」
|雪道を抜けて、脇道の山道に入って、<br>10分ほど登り続けたその先に、<br>いきなり平原が開き…
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|721|かずさ|Kazusa
|721|春希|Haruki
|「ひぅぅんっ、ん、んぅ………ぇ?」
|「かずさ…」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|722|春希|Haruki
|722||
|「コンサートのこととか、周囲のこととか…<br>帰ったときのことなんか、考えるなよっ」
|その、朝陽を浴びて輝く雪の絨毯の上…<br>絵画のモチーフさながらに、中央に佇む長い黒髪の女。
|
|
|}}
|}}
Line 4,351: Line 4,350:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|723|かずさ|Kazusa
|723|かずさ|Kazusa
|「春、希?」
|「おはよ…<br>とうとう、雪、止んじゃったな」
|
|
|}}
|}}
Line 4,357: Line 4,356:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|724||
|724||
|それは、随分前に流れたはずの、<br>かずさの独り言に対する、遅すぎる反応。
|ほんのちょっとバツの悪そうな表情を浮かべ、<br>けれど、俺の視線をまっすぐに受け止めた。
|
|
|}}
|}}
Line 4,363: Line 4,362:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|725|春希|Haruki
|725|春希|Haruki
|「ここには、俺とお前しかいないんだ。<br>他に、何もない世界なんだよ」
|「は、はは…はははっ…<br>は、はぁっ、はぁぁぁぁ~」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|726|かずさ|Kazusa
|726||
|「………」
|その、数時間ぶりの懐かしい顔を見た瞬間…<br>俺は、全身の力を失い、雪の上に倒れそうになる。
|"........."
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|727||
|727|かずさ|Kazusa
|かずさに、そして俺に言い聞かせる言葉。
|「なんだよお前…<br>その、『死ぬほど心配したんだぞ』みたいな顔は」
|
|
|}}
|}}
Line 4,381: Line 4,380:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|728|春希|Haruki
|728|春希|Haruki
|「だから、かずさは何も考えないで…<br>ただ、俺を抱いててくれればいいんだ。<br>俺に、抱かれてくれてれば…」
|「死ぬほど心配したんだよ…<br>お前、俺を殺す気か?」
|
|
|}}
|}}
Line 4,387: Line 4,386:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|729|かずさ|Kazusa
|729|かずさ|Kazusa
|「っ…は、ぁぁ…ぁんっ」
|「ちょっと散歩に出たくらいで<br>どうしてそこまで心配するんだよ?<br>過保護にも程があるだろ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|730||
|730|春希|Haruki
|言葉とともに、乳首を歯と唇で責め立てて、<br>俺の言葉を、かずさの身体に染み込ませる。
|「そ、それは…だから…っ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|731|春希|Haruki
|731|かずさ|Kazusa
|「ん、くぷ…あ、あむ…<br>そうすればさ…あ、ぁぁ…<br>何もかも、うまく行くから」
|「…まさかお前、<br>あたしが深く思い詰めてるんじゃないかとか、<br>そんな見当外れなこと考えてたのか?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|732|かずさ|Kazusa
|732|春希|Haruki
|「ひ、ひぁぁっ、ぁ…<br>は、春希…ひっ、ぃぁ、ぁぁぁ…」
|「違うって!」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|733||
|733|かずさ|Kazusa
|かずさに信じ込ませることで、<br>俺自身が信じられるようになるために。
|「怪しいもんだなぁ…<br>そんなに足ガクガク震わせて、<br>今にも地べたにへたり込みそうじゃないか」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|734|春希|Haruki
|734||
|「人生なんて、簡単なもんだって…<br>気がついたら全部解決してるから…<br>はぁぁ、ん、んむっ」
|かずさが、意地悪く微笑みながら、<br>ゆっくりと俺に近づいてくる。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|735|かずさ|Kazusa
|735|春希|Haruki
|「ん、んっ…ん~っ!」
|「そんなことないって!<br>別になんでもないから近づくな!」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|736||
|736|かずさ|Kazusa
|今の俺にはもう、『こうすれば上手く行く』とか、<br>『俺が何とかする』って言葉は、出てこない。
|「お前が追いかけてきたんだろう?<br>なのに近づくなってのは変な話じゃないか?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|737||
|737|春希|Haruki
|けどそんなの、当然と言えば当然だ…
|「だからぁ、俺は朝飯の時間だから呼びに来ただけだ。<br>変なこと言うな」
|
|
|}}
|}}
Line 4,441: Line 4,440:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|738||
|738||
|今の俺は、自分自身を守ることすら<br>ロクに出来ないんだから。
|そして俺は、そんなかずさの悪戯心を<br>かえって刺激してしまうくらいうろたえて、<br>かずさが近づくのを避けようとする。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|739|かずさ|Kazusa
|739||
|「は、春希っ…うぁぁ、ぁぁ…っ」
|…思わずこぼれてしまった涙を見られないために。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|740|春希|Haruki
|740|かずさ|Kazusa
|「なに…?」
|「なぁなぁ春希、こっち向けよ…<br>ほら、ちゃんとあたしの顔、まっすぐ見てみろよ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|741||
|741|春希|Haruki
|どれだけ言い含めても。<br>抱きしめて、忘れさせようとしても。
|「お、お前…いい加減に…っ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|742||
|742|かずさ|Kazusa
|そうやって、どこまでも逃避しようとも、<br>ほんの先の未来への不安が止められない。
|「えいっ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|743||
|743|春希|Haruki
|かずさじゃなくて、俺の方が…
|「うわっ!?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|744|かずさ|Kazusa
|744||
|「あ、あたしさぁ…もう…っ」
|…と、逆ギレとともにかずさをにらみつけようとした瞬間、<br>くだらない意地を張り続けた俺に、天からの罰がくだる。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|745||
|745|かずさ|Kazusa
|会社も人間関係も全て切り落としたこれからの俺は、<br>これからも俺のままでいられるんだろうか。
|「やっぱ、直接触ると冷たいな…<br>雪合戦、できるな…」
|
|
|}}
|}}
Line 4,489: Line 4,488:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|746|春希|Haruki
|746|春希|Haruki
|「…休もうって言ったのは、かずさの方だぞ?」
|「か、かずさ…?」
|
|
|}}
|}}
Line 4,495: Line 4,494:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|747||
|747||
|かずさは、コンサートに間に合うんだろうか?<br>間に合ったとして、ちゃんと弾けるんだろうか?
|かずさという、庭を駆け回ったりはしないけど、<br>実は心の中で喜んでいる、犬の手によって。
|
|
|}}
|}}
Line 4,501: Line 4,500:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|748|かずさ|Kazusa
|748|かずさ|Kazusa
|「そ、そんなの…っ、<br>何時間も、前のことじゃないかぁ」
|「えい、えいっ」
|
|
|}}
|}}
Line 4,507: Line 4,506:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|749|春希|Haruki
|749|春希|Haruki
|「…あれから、そんなに経ったっけ?」
|「わ、こ、こ、こらっ!<br>お前は…この野郎っ!」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|750||
|750|かずさ|Kazusa
|…かずさは、これからもピアノを続けるんだろうか?<br>それとも、俺と一緒にずっと逃げてくれるんだろうか?
|「ひゃっ!?<br>あ、このぉ、服の中に入ってったじゃないか!<br>ひどいぞ春希!」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|751|かずさ|Kazusa
|751|春希|Haruki
|「今のあたしたちに…<br>時間の経過なんて、意味あるのか?」
|「俺は最初から酷い目に遭ってるんだよ!<br>全然釣り合い取れてないだろ!」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|752||
|752|かずさ|Kazusa
|そして、もしかずさが後者の未来を選んでくれたとしたら、<br>そのとき俺は、かずさにどうやって応えれば…
|「そんなの知るか!<br>浴衣のままで追いかけてくるお前が悪いんじゃないか」
|
|
|}}
|}}
Line 4,531: Line 4,530:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|753|春希|Haruki
|753|春希|Haruki
|「………うん、ないな。<br>ん、んぷ…あ、あむ…んくっ」
|「そんなこと言ったって…言ったってなぁ、<br>心配だったんだからしょうがないじゃないか!」
|
|
|}}
|}}
Line 4,537: Line 4,536:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|754|かずさ|Kazusa
|754|かずさ|Kazusa
|「あっ、あっ、ああああああっ!<br>うぁぁぁんっ、ん、んく…あぁ、ぁぁぁ…っ」
|「だからぁ、どうして心配するんだよ!<br>さっきからそれを答えてないだろ春希」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|755||
|755|春希|Haruki
|考えても、結論なんか出るわけがない。<br>そして、考えたくなんかない。
|「うるさい! うるさいっ!<br>あ~うるさいっ!」
|
|
|}}
|}}
Line 4,549: Line 4,548:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|756||
|756||
|だから俺は、胸の奥から湧き出てくる<br>そんな不安を押し潰すために、<br>かずさで、胸の奥をいっぱいにする。
|あの時…ってのがいつだか忘れたけれど。
|
|
|}}
|}}
Line 4,555: Line 4,554:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|757||
|757||
|………
|でも、あの時みたいに、<br>俺たちは、スイッチが入ってしまった。
|.........
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|758||
|758||
|……
|ちょっとした非現実な日々に、<br>非現実なイベントが重なって、<br>特におかしくもないのに、俺たちは笑いあう。
|......
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|759||
|759||
|
|今の俺たちが抱えている気持ちが嬉しさだと信じて、<br>気持ちを、雪に込めてぶつけあい…
|...
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|760|仲居|Waitress
|760||
|「お客さんたち退屈じゃないです?<br>この雪でどこにも出かけられなくて」
|いつしか肉弾戦へと移り、<br>そのまま抱き合い、雪の上を転げ回る。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|761|春希|Haruki
|761||
|「いえ全然。<br>俺たち、この雪そのものを見に来たんで」
|………
|
|.........
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|762|仲居|Waitress
|762|かずさ|Kazusa
|「あらま珍しい。<br>この辺りじゃどこだってこんな景色なのにねぇ」
|「はぁっ、はぁっ、はぁっ…<br>あ~、朝から余計な運動した」
|
|
|}}
|}}
Line 4,591: Line 4,590:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|763|春希|Haruki
|763|春希|Haruki
|「どこにでもあるようなところが良かったんです。<br>…って、ちょっと失礼ですね、すいません」
|「お前が仕掛けてきたんだろうが…」
|
|
|}}
|}}
Line 4,597: Line 4,596:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|764|かずさ|Kazusa
|764|かずさ|Kazusa
|「………」
|「なんかあったかくなって来たよ…<br>雪の上に寝転がってるってのになぁ」
|"........."
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|765||
|765|春希|Haruki
|仲居さんと俺が世間話をする間も、かずさは俯きながら、<br>そこはかとなく居心地の悪さを醸し出していた。
|「それはコートまで着込んでるお前だけだ。<br>俺は今にも凍え死にそうだ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|766||
|766|かずさ|Kazusa
|相手が温厚な一般人だろうがマスコミだろうが、<br>相変わらず、その人見知りの激しさは直りそうにない。
|「…じゃ、そろそろ戻るか?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|767||
|767|春希|Haruki
|…おかげで二人きりになった後の内向的な激しさが、<br>ますます際立っていくことになる訳だけど。
|「…ん、もうちょっと」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|768|仲居|Waitress
|768|かずさ|Kazusa
|「あ、そうそう、さっきみんなと話してたんですけどね、<br>ほら、あれですよねあれ」
|「ふふ…」
|
|
|}}
|}}
Line 4,627: Line 4,626:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|769|春希|Haruki
|769|春希|Haruki
|「あれですか…」
|「笑うな」
|
|
|}}
|}}
Line 4,633: Line 4,632:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|770||
|770||
|それは、どこかの誰かのお母さんがよく使う指示語で、<br>大抵は、『あれ』が何を指しているのか、<br>さっぱりわからない類のもので。
|雪の上に仰向けになり、<br>朝陽を眺め。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|771|仲居|Waitress
|771||
|「こちらのお嬢さん。<br>ほんと、びっくりするほど綺麗じゃないですか。<br>でね、どこかで見たような気がしてねぇ」
|手と手をしっかりと繋いで、<br>互いの体温と、冷え切った指先を感じあう。
|
|
|}}
|}}
Line 4,645: Line 4,644:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|772|かずさ|Kazusa
|772|かずさ|Kazusa
|「っ…!?」
|「………」
|
|"........."
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|773|春希|Haruki
|773|春希|Haruki
|「あ、あ~!<br>あれでしょあれ、ほら、なんだっけ…」
|「………」
|
|"........."
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|774|仲居|Waitress
|774||
|「そうそう! えっと、ほら、ピアノの人で、<br>この前、コンサートやってた!」
|この、二人以外誰もいない世界で、<br>お互いの存在をしっかり確かめあう。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|775|春希|Haruki
|775|かずさ|Kazusa
|「ああ、そうそうあの人!<br>来日してから言われまくりなんですよこいつ」
|「なぁ、春希」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|776|かずさ|Kazusa
|776|春希|Haruki
|「え…」
|「ん~…?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|777||
|777|かずさ|Kazusa
|だからこそ、こういう危険な会話になると、<br>その曖昧さが逆に十分なカムフラージュになる。
|「本当に、本当に…<br>これからも、一緒にいてくれるのか?」
|
|
|}}
|}}
Line 4,681: Line 4,680:
{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|778|春希|Haruki
|778|春希|Haruki
|「なんか今みたいに眼鏡外して髪下ろすと<br>そっくりに見えるって…<br>俺からしてみれば全然似てないんだけど」
|「…ああ」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|779|仲居|Waitress
|779||
|「そりゃ、お兄さんはいつも側で見てるから。<br>細かい違いまですっかりわかってなさるんでしょ」
|昨夜、誓いを立てた俺たちだから、<br>だから俺は、もうその答えに躊躇わない。
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|780|春希|Haruki
|780|かずさ|Kazusa
|「正直、比べるのも失礼と思うんですけどね。<br>…だってこいつ、あんな芸能人より<br>よっぽど美人でしょ?」
|「あたしが行くところに、<br>ずっと、ついてきてくれるのか…?」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|781|かずさ|Kazusa
|781|春希|Haruki
|「なっ…」
|「どこへ、でも」
|
|
|}}
|}}


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|782|仲居|Waitress
|782||
|「ええ、本当ですねぇ。<br>比べ物にならないくらい」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|783|春希|Haruki
|「…なんて上手いな~おばさん。<br>さっきまでそっくりだって言ってたくせに」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|784|仲居|Waitress
|「ウチのお湯に浸かったせいで、<br>ますますお綺麗になられたんですよ。<br>お肌なんて真っ白で、まるで雪のようで」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|785|かずさ|Kazusa
|「ちょ、ちょっと…やめ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|786|仲居|Waitress
|「あらあらごめんなさい見立て違いでした。<br>ちょっとのぼせたみたいですねぇ。<br>いつの間にか桜の花みたいになっちゃいました」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|787|かずさ|Kazusa
|「っ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|788|春希|Haruki
|「あはは、そんなにからかってあげないでよ。<br>ただでさえ引っ込み思案なんだから」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|789|仲居|Waitress
|「まぁまぁこんなにお綺麗なのに控えめなお嬢さんで。<br>ほんとお兄さんが羨ましい」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|790|春希|Haruki
|「でしょう?<br>………俺たち、もうすぐ結婚するんです」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|791|かずさ|Kazusa
|「っ!?<br>は、春希…?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|792|仲居|Waitress
|「あらあらぁ、それはおめでとうございます。<br>ほんと、とてもお似合いですよ。<br>お兄さんもね、よく見ればいい男だし」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|793|春希|Haruki
|「なにその俺に対してだけ取ってつけたような誉め言葉」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|794|仲居|Waitress
|「ま、それはともかく、奥さんもおめでとうございます。<br>末永く幸せになってくださいね?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|795|かずさ|Kazusa
|「お、お、お………奥…っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|796|春希|Haruki
|「…落ち着けよ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|797|仲居|Waitress
|「…桜の花がとうとう茹だっちゃいましたねぇ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|798||
|………
|.........
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|799|かずさ|Kazusa
|「………」
|"........."
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|800|春希|Haruki
|「………」
|"........."
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|801|かずさ|Kazusa
|「お、お前…<br>一体なんであんなこと…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|802|春希|Haruki
|「あんなこと…って?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|803|かずさ|Kazusa
|「どこで結婚しようってんだよ、あたしたち。<br>…二人の夢の中でかよ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|804|春希|Haruki
|「………」
|"........."
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|805|かずさ|Kazusa
|「あたしのこと誤魔化すにしてもやり過ぎだろ。<br>お前…すっごい嘘つくんだなぁ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|806|春希|Haruki
|「………っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|807|かずさ|Kazusa
|「…春希?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|808||
|迂闊だった…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|809||
|二人でいられることの幸せに、<br>頭が完全に麻痺していたのかもしれない。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|810|春希|Haruki
|「かずさ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|811|かずさ|Kazusa
|「え?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|812||
|きっともう、宿の中で噂になってる。<br>雑誌に載ってる写真と本物を見比べられてる。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|813||
|俺の必死のすり替えに、<br>仲居さんは乗ってくれてたけど、<br>その視線はずっとかずさの顔から離れなかった。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|814|春希|Haruki
|「明日の朝、発とう」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|815|かずさ|Kazusa
|「ぁ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|816||
|気づいてる。<br>多分、いや絶対、かずさの正体に辿り着いてる。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|817||
|ぴったりと閉じていたはずの二人だけの世界に…<br>とうとう、ひとすじの亀裂が入った。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|818||
|………
|.........
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|819|かずさ|Kazusa
|「………」
|"........."
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|820|春希|Haruki
|「………」
|"........."
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|821||
|夜になっても、雪は止まなかった。<br>それどころか、昼間以上に吹雪いてきた。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|822||
|窓の外を、粉雪が真横に飛び回る。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|823||
|真っ暗な部屋の中、その白い粒だけが浮かび上がり、<br>かずさの肌を、髪を、瞳をほのかに照らす。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|824|かずさ|Kazusa
|「明日…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|825|春希|Haruki
|「ん…?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|826||
|闇の中、もう一つ新たに照らされたのは、<br>ゆっくりと動き始めた、かずさの濡れた唇。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|827|かずさ|Kazusa
|「帰る、のか?<br>東京に」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|828|春希|Haruki
|「………」
|"........."
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|829||
|夕食の間、俺たちはずっと無言だった。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|830||
|酒も飲まず、身体も寄せ合わず、<br>せっかくのご馳走の味も全然わからずに、<br>ただ黙々と口に運ぶだけの30分だった。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|831||
|けれど…<br>仲居さんが食事を片づけ、布団を敷いてくれた直後、<br>そんな二人のたがが劇的に外れた。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|832||
|昨夜よりも、今朝よりも強く、激しく、<br>獣のような声を上げ、全身を絡め、互いを傷つけ…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|833||
|何度も何度も、奥に吐き出して、<br>かずさが少しの間気を失って…<br>それでやっと、二人の間に再びの静けさが訪れた。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|834|かずさ|Kazusa
|「仕方ない、よな」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|835||
|たった一日で、かずさの正体が割れてしまったことが、<br>俺たちを追い詰めた。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|836||
|明日になれば、事務所に捕捉されるかもしれない。<br>曜子さんの部下に、無理やり連れ戻されるかもしれない。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|837||
|いや、それならまだいい方で、<br>もし、先に情報を掴むのが、俺の同業者だったとしたら…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|838|かずさ|Kazusa
|「春希もそろそろ仕事に戻らないといけないもんな。<br>…あたしのためだけに、一週間も使ってくれたんだし」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|839||
|もう、かずさを部屋の外にも出せない。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|840||
|かずさを見る、宿の人の視線の意味が、<br>彼らの声を潜めた会話の内容が、<br>フロントで鳴る電話の呼び出し音が恐ろしい。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|841||
|俺の疑心を、ますます煽り立てる。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|842||
|俺たちの世界にできた裂け目が、<br>徐々に拡っていく感覚に囚われる。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|843|かずさ|Kazusa
|「そうだよな、これ以上ワガママなんか言えないよな。<br>…あたしだって、しなきゃいけないこと、あるしな」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|844|春希|Haruki
|「………」
|"........."
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|845||
|そろそろ、限界かもしれなかった。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|846||
|もう、俺たちが二人きりでいられる場所は、<br>どこを探しても見つからないのかもしれなかった。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|847||
|日本の中にも、そして心の中にも。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|848|かずさ|Kazusa
|「もう、戻らないとな。<br>あたしはピアノに。<br>そしてお前は…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|849||
|だったら、俺は…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|850|春希|Haruki
|「嫌だ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|851|かずさ|Kazusa
|「春希…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|852||
|潔く、諦めとともに予想通りの結末を迎えるなんて、<br>やっぱり、できるわけがなかった。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|853|春希|Haruki
|「何言ってんだよかずさ…<br>俺たち、帰るわけなんかないだろ。<br>だってお前、帰りたくないって言ったじゃないか」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|854|かずさ|Kazusa
|「嬉しいよ。<br>そう言い続けてくれるの、本当に嬉しいんだよ、春希。<br>でもお前…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|855|春希|Haruki
|「誰にも邪魔させない。<br>俺とかずさのこと、誰にも…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|856|かずさ|Kazusa
|「………」
|"........."
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|857||
|その先の言葉を聞きたくなかったのか、<br>俺は、かずさを遮るように否定する。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|858|春希|Haruki
|「北へ行こう…ここよりもっと北へ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|859|かずさ|Kazusa
|「北…?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|860|春希|Haruki
|「もっと山奥の、もっとひなびた温泉とか…<br>いや、逆に都会の方が目立たないかも」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|861|かずさ|Kazusa
|「………」
|"........."
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|862|春希|Haruki
|「そうだ、その手があったよな…<br>この際だから思い切って札幌なんてどうかな?<br>あっちの雪はここより綺麗だぞ、きっと」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|863|かずさ|Kazusa
|「なぁ、春希…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|864|春希|Haruki
|「うん…でもとりあえず行動指針はできた。<br>明日は始発で移動しよう?<br>目が覚めたら、すぐにチェックアウトして…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|865|かずさ|Kazusa
|「春希…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|866|春希|Haruki
|「そうと決まったら、今日はもう休んだ方がいい。<br>寝ておかないと明日キツいぞ?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|867|かずさ|Kazusa
|「春希っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|868|春希|Haruki
|「かずさ…?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|869||
|かずさが、俺の胸に顔を押しつけてきた。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|870|かずさ|Kazusa
|「っ…ぅ、ぅぅ…っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|871||
|今までよりも強い力でしがみつくと、<br>熱くて冷たいしずくが、俺の胸を濡らす。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|872|春希|Haruki
|「そんなに心配しなくても大丈夫だ…<br>絶対に、なんとかなるから」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|873||
|両手の指が、俺の肩にぎゅっと食い込む。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|874|かずさ|Kazusa
|「お前…お前、さ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|875||
|その、ピアニストらしい力強い指先から、<br>全身の震えが伝わってくる。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|876||
|不安が、伝わってくる。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|877|春希|Haruki
|「幸せになれるから、俺たち…<br>俺が、お前を幸せにするから」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|878|かずさ|Kazusa
|「………っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|879|春希|Haruki
|「だから、泣くなよ…<br>悲しむことなんか、何もないだろ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|880||
|だから俺は、かずさを包み込み、その髪を撫で、<br>ゆっくりと、安心を伝えていく。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|881||
|震えが止まるまで、不安が消え去るまで、<br>…俺たちの、夜明けを迎えるまで。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|882|かずさ|Kazusa
|「幸せに…してくれるのか?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|883|春希|Haruki
|「ああ、約束する。<br>いつかきっと、必ず…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|884|かずさ|Kazusa
|「いつかじゃ嫌だ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|885|春希|Haruki
|「え…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|886|かずさ|Kazusa
|「今すぐだ…<br>今すぐ、ほんの少しでいいから、<br>あたしを幸せにしてくれよ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|887|春希|Haruki
|「どうすれば…いいんだ?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|888||
|胸にしがみつくかずさの目尻を指で撫で、<br>涙を隠すため、俺から背けてる顔を覗き込む。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|889||
|かずさの身体は、まだ震えが止まっていなかったけど、<br>それでも、そんなワガママが言えるようになったのは<br>いい兆候だった。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|890|かずさ|Kazusa
|「もう一度…さっきの言葉、言ってくれ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|891|春希|Haruki
|「さっきの…って?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|892|かずさ|Kazusa
|「ほら、旅館の人に言った、あの…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|893|春希|Haruki
|「あ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|894|かずさ|Kazusa
|「頼むよ…<br>嘘でもいいから、もう一度だけ聞かせて欲しいんだよ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|895|春希|Haruki
|「嘘なんか…言ってない」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|896|かずさ|Kazusa
|「ぇ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|897|春希|Haruki
|「結婚しよう、俺たち。<br>これからは、ずっと一緒にいるんだ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|898|かずさ|Kazusa
|「………春希っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|899||
|せっかく落ち着いたかと思ったのに、<br>また、元の木阿弥だった。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|900||
|かずさの指が、思いっきり俺の肩に食い込み、<br>全身がぶるりと震え、<br>胸に涙がぽろぽろと落ちていく。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|901|春希|Haruki
|「嘘なんかであるもんか…<br>誰が離れるもんか…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|902|かずさ|Kazusa
|「春希…お前、お前…っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|903||
|けれど今度は、不安は伝わってこない。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|904|春希|Haruki
|「あの時の…五年前の二の舞は、もう嫌だよ…っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|905|かずさ|Kazusa
|「あたしも…あたしもっ!」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|906||
|それは悲しみとは違う、<br>むしろ正反対の感情に突き動かされた<br>想いの発露だった。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|907|春希|Haruki
|「かずさ…もう離さない」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|908|かずさ|Kazusa
|「う、うん…離すなよ。<br>今夜だけは、ずっとあたしを捕まえててくれ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|909|春希|Haruki
|「今夜だけじゃない…これからずっとだ。<br>だって俺たち、約束、したんだから」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|910|かずさ|Kazusa
|「あたし…お前の妻…なんだよな?<br>北原かずさ…なんだよな?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|911|春希|Haruki
|「明日の宿帳には、そう書くんだぞ?<br>もう、偽名なんて名乗る必要ないからな」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|912|かずさ|Kazusa
|「誓うのか?<br>あたしを妻にするって、誓うのか、春希?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|913|春希|Haruki
|「ああ…<br>健やかなるときも、病めるときも…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|914|かずさ|Kazusa
|「喜びのときも、悲しみのときも?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|915|春希|Haruki
|「富めるときも、貧しいときも」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|916|かずさ|Kazusa
|「これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|917|春希|Haruki
|「その命ある限り、<br>真心を尽くすことを、ここに誓います…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|918|かずさ|Kazusa
|「ああ…春希、春希…っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|919|春希|Haruki
|「あぁ…かずさ…っ、<br>ん、んぅ…は、あぁ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|920||
|滅茶苦茶に抱き合い、<br>滅茶苦茶に唇を重ねる。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|921||
|二つ並べた布団を転がり、<br>自分が上になり、相手が上になり、<br>でも、どんなに動いても唇は離れず。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|922|かずさ|Kazusa
|「は、春…んむぅぅっ、ん、ん~っ、<br>は、あ、あぁぁ…もっと、もっとぉ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|923|春希|Haruki
|「ああ…もっと…は、んむ…んぷ、ぁ…<br>かずさ…あ、あぁ…ぁぁぁ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|924||
|ドレスもない。タキシードもない。<br>立会人もいないから、指輪の交換もない。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|925||
|それどころか俺たちには、<br>祝福してくれる人たちなんか一人もいない。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|926|かずさ|Kazusa
|「ん、んぅぅ…は、あ、あっ、<br>は、春希、お願い、ねぇ…あ、あぁぁ…んっ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|927||
|けれど今、俺たちは二人きり…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|928||
|互いの誓いの言葉にのっとり、<br>夫婦の儀式を、執り行う。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|929||
|………
|.........
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|930|かずさ|Kazusa
|「はぁっ、はぁっ、はぁぁっ、<br>あ、あ、あ…春希、春希ぃ…っ、<br>い、いぅっ、う、ぅぅんっ、は、あぁ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|931|春希|Haruki
|「ん、んぅ、く…<br>かずさ、あ、あく…っ、ぃぃっ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|932||
|互いの身体が溶けあうくらい絡み、<br>二人の体温を合わせていく。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|933||
|灼けるくらいに、熱く…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|934|かずさ|Kazusa
|「はむっ、ん、ちゅぷ…ん、んぷ、ぁ…あぁぁ…<br>ぃぅっ、は、はむ…ちゅ、ぷぁ、ぁぁぁ…あ、む」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|935||
|互いの唇が繋がり、互いの舌を送りあい、<br>二人の唾液を混ぜて、体内に注ぎ込む。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|936|かずさ|Kazusa
|「ん、んむぅ、む、あ、あ…<br>いぃぃぃっ、ふぁぁ、あ、んっ…はぁ、は、あぁぁ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|937||
|互いの手が、背中に、胸に、身体じゅうに触れ、<br>二人の想いを高めていく。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|938|かずさ|Kazusa
|「は、はぁ…あはは…あ、あぁぁ…春希ぃ…<br>あ、あたしの…あたしの…春希」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|939|春希|Haruki
|「うん…、ぅ、ぅんっ…<br>俺、の…かずさ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|940||
|互いの脚が、太股と、ふくらはぎと、足の甲でこすれ、<br>快感と一体感を育んでいく。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|941|かずさ|Kazusa
|「ふぇぇぇぇっ、う、うぇぇ…ぅぅんっ、ん、んぅ…<br>んっ、ふぁぁ、ああああっ、ひぁぁぁんっ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|942||
|二人の繋がりが、深く、浅く…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|943||
|時には快感を高めるために速く、<br>時には想いを確かめるためにゆっくりと。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|944|かずさ|Kazusa
|「あっ、あっ、あぁぁっ…や、もう…やだ、やだ…<br>終わりたくない…ずっと、してたいのに…っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|945|春希|Haruki
|「終わらないから…<br>俺たち、ずっと終わらないから…っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|946|かずさ|Kazusa
|「は、春希、春希…っ、<br>あ、あ、あ、だめっ、そんなおく…ああぁぁぁんっ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|947|春希|Haruki
|「今日が終わっても、明日も、明後日も…<br>ずっと、ずっと、ずっと…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|948||
|二人の、心と、身体と…そして人生を繋げる。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|949||
|世界の重みから解き放たれたなら…<br>たった二人の重みなら、支え合える。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|950|かずさ|Kazusa
|「は、はぁっ、あ、あ…離すな…<br>二度とあたしを離すな…春希…っ!<br>あ、あ、あ、あ、あ…あああああっ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|951|春希|Haruki
|「か、かず、さ…ああぁぁぁぁ…っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|952||
|そんなふうに俺たちは。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|953||
|男と女の器官のすべてを使って、<br>男と女のすべての愛の営みを…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|954|かずさ|Kazusa
|「はぁっ、はぁっ、はぁぁっ…あ、あ、あ…<br>やっ、来る、だめ、来て、やだ、もっと…あぁぁぁぁ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|955||
|夫婦の、営みを…<br>永遠の愛の誓いを…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|956||
|今、ここに…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|957|かずさ|Kazusa
|「ああああああああっ!<br>ああぁぁぁぁぁぁ~っ!」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|958|春希|Haruki
|「か、かずさっ、あああぁぁぁぁっ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|959|かずさ|Kazusa
|「うぅぅぅぁぁああああっ、ああっ、あんっ、<br>い、いぅっ、くぅっ、う、んぅぅぅぅっ…<br>ふぁぁぁ、あぁぁぁぁぁ…っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|960||
|それは、ここ数日、毎日のように…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|961||
|それどころか、今日一日だって、<br>もう、何度したかもわからない、<br>俺の射精とかずさの収縮。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|962|かずさ|Kazusa
|「あ…っ、あっ、あぁぁっ…<br>はぁ、あ、春希が、入って…<br>どくんどくん、入って、くる…っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|963|春希|Haruki
|「はぁっ、はぁっ、はぁぁぁ…ぁ…<br>か、かずさ…気持ちい…ぅぁ、ぁ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|964||
|なのに、俺の射精はいつまで経っても止まらずに、<br>かずさの波も、おさまる気配を見せていない。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|965|かずさ|Kazusa
|「ぃ、ぅぅ…ぁ…まだ、もっと…すごぃ…<br>あ、あぁぁ…あなた…は、あぁ、うぅん…っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|966|春希|Haruki
|「っ…ぅ、あぁぁ…あ…っ、<br>か、かず…んぅぅぅんっ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|967|かずさ|Kazusa
|「ん、んぷ…ちゅぷ、ふぅ、んむぅんっ…<br>あ、あ、あぷ…んぅ、む、ちゅぷ…あ、あぁ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|968||
|だって、繋がってるから…<br>俺たちは、人としての全てを繋げてるから。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|969||
|ドレスだって、指輪だって、<br>届け出の書類も、印鑑も、<br>俺たちの誓いを証明するものは、今は何もないけれど。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|970||
|それでも今夜…<br>間違いなく、俺たちは結ばれたんだから。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|971||
|………
|.........
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|972||
|……
|......
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|973||
|…
|...
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|974|春希|Haruki
|「………」
|"........."
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|975|春希|Haruki
|「んぅ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|976|仲居|Waitress
|「おはようございます」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|977|春希|Haruki
|「ぇ…?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|978|仲居|Waitress
|「おはようございます。<br>あの、朝食のご用意させていただいてよろしいですか?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|979|春希|Haruki
|「え? あ、ああ…ちょっと待ってください!」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|980||
|目を開いた瞬間、窓の外から入り込むまぶしい光に、<br>一瞬目がくらむ。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|981||
|そして同時に、今日は外が晴れていること、<br>そして俺が寝坊したことを悟る。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|982|春希|Haruki
|「おい、かずさ、起きろ。<br>とりあえず服着ろ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|983||
|朝食よりも前に…<br>また、仲居さんに詮索されるよりも前に、<br>宿を出て行くはずだったのに。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|984||
|それどころか、<br>冬の朝に、陽が昇りきるまで目覚めないなんて、<br>疲れていたのか、気が緩んだのか…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|985|春希|Haruki
|「あれ…?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|986||
|それとも…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|987|春希|Haruki
|「かずさ…?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|988||
|隣に感じるべき体温を、<br>いつの間にか見失っていたせいか。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|989||
|………
|.........
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|990|春希|Haruki
|「っ…っ…はぁっ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|991||
|昨夜まで降り続けた深い雪に足を取られ、<br>俺の、駆け足のつもりの歩みは、遅々として進まない。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|992||
|気ばかりは、こんなに焦ってるのに、<br>いや、焦っているからこそ、手足がついてこない。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|993|仲居|Waitress
|『ああ、お連れ様でしたら<br>散歩に出かけるとおっしゃって…』
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|994||
|あの出不精のかずさが…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|995||
|しかも外に出ることを、<br>俺に止められていたにもかかわらず。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|996|春希|Haruki
|「かずさ…かずさっ!」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|997||
|旅館の人たちは、その時の俺の反応を心配して、<br>警察を呼ぼうかと申し出てくれたけど、<br>俺はその余計なお世話を全力で拒絶した。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|998||
|だって、ただ朝早く散歩に出かけただけ。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|999||
|いつまでも起きない寝ぼすけな俺に呆れて、<br>一人で朝の空気を堪能しようとしただけ。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1000||
|だから、しばらくしたらすぐに戻ってきて、<br>外の綺麗な雪景色を興奮気味に語ってくれるに違いない。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1001||
|………こんなに慌てる必要なんか、ないんだ。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1002|春希|Haruki
|「はぁっ、はぁっ、はぁぁっ…<br>かずさ…かずさ………返事しろぉぉ!」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1003||
|…そんなはずはない。<br>何が『そんな』なのかもわからないけれど、<br>それでも、そんなはずはないんだ。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1004||
|だって俺たちは、約束をしたんだ。<br>永遠に結ばれるって、誓ったんだ。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1005||
|辛いことも、悲しいことも、苦しいことも…<br>何もかも昨夜、解決したはずなんだ。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1006||
|俺たち二人の未来には、<br>彩り豊かな人生が広がっているはずなんだ。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1007||
|だから、だから…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1008|春希|Haruki
|「かずさぁぁぁっ!」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1009||
|俺の元から、もういなくならないでくれ…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1010||
|………
|.........
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1011||
|……
|......
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1012||
|…
|...
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1013|春希|Haruki
|「あ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1014|かずさ|Kazusa
|「春希…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1015||
|見つけた…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1016||
|元々、手がかりが何もない訳じゃなかった。<br>だって、雪の上にはたった一つの足跡がずっと続いてた。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1017||
|雪道を抜けて、脇道の山道に入って、<br>10分ほど登り続けたその先に、<br>いきなり平原が開き…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1018|春希|Haruki
|「かずさ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1019||
|その、朝陽を浴びて輝く雪の絨毯の上…<br>絵画のモチーフさながらに、中央に佇む長い黒髪の女。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1020|かずさ|Kazusa
|「おはよ…<br>とうとう、雪、止んじゃったな」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1021||
|ほんのちょっとバツの悪そうな表情を浮かべ、<br>けれど、俺の視線をまっすぐに受け止めた。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1022|春希|Haruki
|「は、はは…はははっ…<br>は、はぁっ、はぁぁぁぁ~」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1023||
|その、数時間ぶりの懐かしい顔を見た瞬間…<br>俺は、全身の力を失い、雪の上に倒れそうになる。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1024|かずさ|Kazusa
|「なんだよお前…<br>その、『死ぬほど心配したんだぞ』みたいな顔は」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1025|春希|Haruki
|「死ぬほど心配したんだよ…<br>お前、俺を殺す気か?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1026|かずさ|Kazusa
|「ちょっと散歩に出たくらいで<br>どうしてそこまで心配するんだよ?<br>過保護にも程があるだろ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1027|春希|Haruki
|「そ、それは…だから…っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1028|かずさ|Kazusa
|「…まさかお前、<br>あたしが深く思い詰めてるんじゃないかとか、<br>そんな見当外れなこと考えてたのか?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1029|春希|Haruki
|「違うって!」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1030|かずさ|Kazusa
|「怪しいもんだなぁ…<br>そんなに足ガクガク震わせて、<br>今にも地べたにへたり込みそうじゃないか」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1031||
|かずさが、意地悪く微笑みながら、<br>ゆっくりと俺に近づいてくる。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1032|春希|Haruki
|「そんなことないって!<br>別になんでもないから近づくな!」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1033|かずさ|Kazusa
|「お前が追いかけてきたんだろう?<br>なのに近づくなってのは変な話じゃないか?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1034|春希|Haruki
|「だからぁ、俺は朝飯の時間だから呼びに来ただけだ。<br>変なこと言うな」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1035||
|そして俺は、そんなかずさの悪戯心を<br>かえって刺激してしまうくらいうろたえて、<br>かずさが近づくのを避けようとする。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1036||
|…思わずこぼれてしまった涙を見られないために。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1037|かずさ|Kazusa
|「なぁなぁ春希、こっち向けよ…<br>ほら、ちゃんとあたしの顔、まっすぐ見てみろよ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1038|春希|Haruki
|「お、お前…いい加減に…っ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1039|かずさ|Kazusa
|「えいっ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1040|春希|Haruki
|「うわっ!?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1041||
|…と、逆ギレとともにかずさをにらみつけようとした瞬間、<br>くだらない意地を張り続けた俺に、天からの罰がくだる。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1042|かずさ|Kazusa
|「やっぱ、直接触ると冷たいな…<br>雪合戦、できるな…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1043|春希|Haruki
|「か、かずさ…?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1044||
|かずさという、庭を駆け回ったりはしないけど、<br>実は心の中で喜んでいる、犬の手によって。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1045|かずさ|Kazusa
|「えい、えいっ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1046|春希|Haruki
|「わ、こ、こ、こらっ!<br>お前は…この野郎っ!」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1047|かずさ|Kazusa
|「ひゃっ!?<br>あ、このぉ、服の中に入ってったじゃないか!<br>ひどいぞ春希!」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1048|春希|Haruki
|「俺は最初から酷い目に遭ってるんだよ!<br>全然釣り合い取れてないだろ!」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1049|かずさ|Kazusa
|「そんなの知るか!<br>浴衣のままで追いかけてくるお前が悪いんじゃないか」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1050|春希|Haruki
|「そんなこと言ったって…言ったってなぁ、<br>心配だったんだからしょうがないじゃないか!」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1051|かずさ|Kazusa
|「だからぁ、どうして心配するんだよ!<br>さっきからそれを答えてないだろ春希」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1052|春希|Haruki
|「うるさい! うるさいっ!<br>あ~うるさいっ!」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1053||
|あの時…ってのがいつだか忘れたけれど。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1054||
|でも、あの時みたいに、<br>俺たちは、スイッチが入ってしまった。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1055||
|ちょっとした非現実な日々に、<br>非現実なイベントが重なって、<br>特におかしくもないのに、俺たちは笑いあう。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1056||
|今の俺たちが抱えている気持ちが嬉しさだと信じて、<br>気持ちを、雪に込めてぶつけあい…
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1057||
|いつしか肉弾戦へと移り、<br>そのまま抱き合い、雪の上を転げ回る。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1058||
|………
|.........
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1059|かずさ|Kazusa
|「はぁっ、はぁっ、はぁっ…<br>あ~、朝から余計な運動した」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1060|春希|Haruki
|「お前が仕掛けてきたんだろうが…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1061|かずさ|Kazusa
|「なんかあったかくなって来たよ…<br>雪の上に寝転がってるってのになぁ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1062|春希|Haruki
|「それはコートまで着込んでるお前だけだ。<br>俺は今にも凍え死にそうだ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1063|かずさ|Kazusa
|「…じゃ、そろそろ戻るか?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1064|春希|Haruki
|「…ん、もうちょっと」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1065|かずさ|Kazusa
|「ふふ…」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1066|春希|Haruki
|「笑うな」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1067||
|雪の上に仰向けになり、<br>朝陽を眺め。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1068||
|手と手をしっかりと繋いで、<br>互いの体温と、冷え切った指先を感じあう。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1069|かずさ|Kazusa
|「………」
|"........."
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1070|春希|Haruki
|「………」
|"........."
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1071||
|この、二人以外誰もいない世界で、<br>お互いの存在をしっかり確かめあう。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1072|かずさ|Kazusa
|「なぁ、春希」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1073|春希|Haruki
|「ん~…?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1074|かずさ|Kazusa
|「本当に、本当に…<br>これからも、一緒にいてくれるのか?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1075|春希|Haruki
|「…ああ」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1076||
|昨夜、誓いを立てた俺たちだから、<br>だから俺は、もうその答えに躊躇わない。
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1077|かずさ|Kazusa
|「あたしが行くところに、<br>ずっと、ついてきてくれるのか…?」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1078|春希|Haruki
|「どこへ、でも」
|
|}}
 
{{WA2ScriptLine
|1079||
|俺の手を握るかずさの手が、<br>ぎゅっと、強く握り込まれる。
|俺の手を握るかずさの手が、<br>ぎゅっと、強く握り込まれる。
|
|
Line 6,492: Line 4,709:


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|1080|かずさ|Kazusa
|783|かずさ|Kazusa
|「もっと北にでも…<br>それとも、このまま海外にでも」
|「もっと北にでも…<br>それとも、このまま海外にでも」
|
|
Line 6,498: Line 4,715:


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|1081|春希|Haruki
|784|春希|Haruki
|「お前が望むなら。<br>だって俺たちは、もう…」
|「お前が望むなら。<br>だって俺たちは、もう…」
|
|
Line 6,504: Line 4,721:


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|1082|かずさ|Kazusa
|785|かずさ|Kazusa
|「このまま………地獄にでも?」
|「このまま………地獄にでも?」
|
|
Line 6,510: Line 4,727:


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|1083|春希|Haruki
|786|春希|Haruki
|「ああ、どこまでも一緒だ」
|「ああ、どこまでも一緒だ」
|
|
Line 6,516: Line 4,733:


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|1084|かずさ|Kazusa
|787|かずさ|Kazusa
|「春希…」
|「春希…」
|
|
Line 6,522: Line 4,739:


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|1085|春希|Haruki
|788|春希|Haruki
|「かずさ…」
|「かずさ…」
|
|
Line 6,528: Line 4,745:


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|1086||
|789||
|かずさが、ゆっくりとこちらに顔を向ける。
|かずさが、ゆっくりとこちらに顔を向ける。
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|
Line 6,534: Line 4,751:


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|1087||
|790||
|その、雪と同化したように白い肌と、<br>混ざり合うのを拒絶するような漆黒の髪と瞳が、<br>相変わらず、透き通るような美しさを醸し出す。
|その、雪と同化したように白い肌と、<br>混ざり合うのを拒絶するような漆黒の髪と瞳が、<br>相変わらず、透き通るような美しさを醸し出す。
|
|
Line 6,540: Line 4,757:


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|1088||
|791||
|そしてかずさは、その造形に似合った声を…<br>透き通る声を使って、俺に、その言葉を告げた。
|そしてかずさは、その造形に似合った声を…<br>透き通る声を使って、俺に、その言葉を告げた。
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|
Line 6,546: Line 4,763:


{{WA2ScriptLine
{{WA2ScriptLine
|1089|かずさ|Kazusa
|792|かずさ|Kazusa
|「なんてな…お断りだ。<br>あたしはお前と一緒には行けない」
|「なんてな…お断りだ。<br>あたしはお前と一緒には行けない」
|
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Revision as of 02:05, 22 May 2017

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Editing

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