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不意打ちを食らった気分だぜ。
 
 
『重要連絡』と言われて、高天原先生に運れてこられた校長室で……
 
 
校長から直々に、処分を言い渡された。
 
 
———退学。
 
 
た、たしかに重要連絡だったな。こいつは。
 
 
武偵高では教員への『聞き返し』は制限されているが、
 
 
「退学……ですか?」
 
 
つい、俺は声に出してしまった。
 
 
横でこっちを見てる高天原ゆとり・蘭豹の両教諭、そして俺と共に退学を三口い渡されたレキは無言のままだ。
 
 
緑松校長は機械的に頷いて、
 
 
「はい、はい。ただこれは君たちが問題行勁を起こしたせいではありませんので、そこは誤解の無いように」
 
 
人の記憶に残らない無個性な声で、そう言った。
 
 
君たちは転出甲請を2回提出しています。1回目は記載不備として不受理にしましたが、不備などありませんでした。実はあれは慣習のようなものでしてね。何者かによる偽造を疑ったのと、再提出までに気が変わる事を望んだんです」
 
 
確かに、俺は転出申讃を再提出させられている。
 
 
だが……あれが教務科の工作だった事なんかより、驚くべきは——
 
 
レキも転出を甲請していた、という事だ。
 
 
「レキ、お前……」
 
 
俺がチラ見すると、隣で突っ立っていたレキはこっちに振り向き、
 
 
「キンジさん。前にも申し上げた通り、私は、あなたのものです。ウルスの忠誠は、永遠。私はキンジさんがどこに行っても共に在り、共に滅びる者です」
 
 
校長の前でもお構いなしで、レキ語を喋ってくれてしまう。
 
 
それを曲解した高天原が「まあ」と赤くなり、蘭豹も片眉を上げているが……
 
 
そういえば過去、レキはそんな事を言っていたような気もする。
 
 
要は、ついてくるって事かよ。お前、俺に。学校やめてまで。
 
「——武偵高から一般校への転校は、至難の業なんです」
 
 
レキにはノーリアクションで、緑松校長が言う。
 
 
「本来は、3月末で一斉に転出させるべきなのですが……そうすると、転入先の学校から都教委にタレ込みが殺到するんですよ。武偵高出身の生徒は学力が低く、社会性に乏しく、転校先からの退学率も高いとか。それで一時は閉校の危機にも陥りました。教育界では、武偵高はまだ正しい理解を得られていないんです」
 
 
いや……まあ、正しい理解だよなそれは。
 
 
うちの生徒は変わり者だらけだし。
 
 
「従って、転校は一定期間ごとに少人数ずつ、密かに実施するようになったのです。でもそうなると今度は、4月の武装登録の更新期前に生徒が出ていく事になります。武装していようといるまいと、それを許可されている生徒というだけで……厭がられるんですよ。なので武偵高からの転出者と分かると、まず入学を認められません」
 

Latest revision as of 01:32, 22 October 2015

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