Difference between revisions of "Tomoyo After:SEEN4814"

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// Resources for SEEN4814.TXT
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// Resources [[http://www.fondueforks.org Fondue Forks]
   
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[http://www.fondueforks.org/BulkFondueForks.html Bulk Fondue Forks]
// #character '管理人'
 
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[http://www.fondueforks.org/FondueForkSet.html Fondue Fork Set]
  +
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[http://www.fondueforks.org/FondueForksforSale.html Fondue Forks for Sale]
  +
  +
[http://www.fondueforks.org/FondueForksUK.html Fondue Forks UK]
  +
  +
[http://www.fondueforks.org/StainlessSteelFondueForks.html Stainless Steel Fondue Forks] for SEEN4814.TXT
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+
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+
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<0000> August 13th (Fri)
   
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// <0002> \朋也「そりゃ確かに暇なんだが…」
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// <0003> 結局、学校を作るのはやめてしまった。
// <0003> 結局、学校を作るのはやめてしまった。
 
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<0003> 結局、学校を作るのはやめてしまった。
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// <0004> その事を管理人に報告すると、ならこれを、と言い出してきたのだ。
// <0004> その事を管理人に報告すると、ならこれを、と言い出してきたのだ。
 
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<0004> その事を管理人に報告すると、ならこれを、と言い出してきたのだ。
<0004> その事を管理人に報告すると、ならこれを、と言い出してきたのだ。
 
   
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// <0005> \管理人「一宿一飯の恩義って言うじゃない」
// <0005> \{管理人}「一宿一飯の恩義って言うじゃない」
 
  +
<0005> \Manager「一宿一飯の恩義って言うじゃない」
<0005> \{Manager}「一宿一飯の恩義って言うじゃない」
 
   
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// <0006> \朋也「わかったよ。直せばいいんだろ?」
// <0006> \{朋也}「わかったよ。直せばいいんだろ?」
 
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<0006> \Tomoya「わかったよ。直せばいいんだろ?」
<0006> \{Tomoya}「わかったよ。直せばいいんだろ?」
 
   
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// <0007> 持ち込まれたのはどれも旧式の電化製品ばかり。
// <0007> 持ち込まれたのはどれも旧式の電化製品ばかり。
 
  +
<0007> 持ち込まれたのはどれも旧式の電化製品ばかり。
<0007> 持ち込まれたのはどれも旧式の電化製品ばかり。
 
   
  +
// <0008> \管理人「これと、これなんか使えると助かるのよね」
// <0008> \{管理人}「これと、これなんか使えると助かるのよね」
 
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<0008> \Manager「これと、これなんか使えると助かるのよね」
<0008> \{Manager}「これと、これなんか使えると助かるのよね」
 
   
  +
// <0009> 管理人はぽんぽんと、机に置かれた家電を示した。
// <0009> 管理人はぽんぽんと、机に置かれた家電を示した。
 
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<0009> 管理人はぽんぽんと、机に置かれた家電を示した。
<0009> 管理人はぽんぽんと、机に置かれた家電を示した。
 
   
  +
// <0010> 外見は綺麗なミキサーとビデオデッキ。
// <0010> 外見は綺麗なミキサーとビデオデッキ。
 
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<0010> 外見は綺麗なミキサーとビデオデッキ。
<0010> 外見は綺麗なミキサーとビデオデッキ。
 
   
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// <0011> だが、どちらもスイッチを入れても反応がまったくない。
// <0011> だが、どちらもスイッチを入れても反応がまったくない。
 
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<0011> だが、どちらもスイッチを入れても反応がまったくない。
<0011> だが、どちらもスイッチを入れても反応がまったくない。
 
   
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// <0012> 使えるかどうかわからないが、ひとつずつ試してみることにした。
// <0012> 使えるかどうかわからないが、ひとつずつ試してみることにした。
 
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<0012> 使えるかどうかわからないが、ひとつずつ試してみることにした。
<0012> 使えるかどうかわからないが、ひとつずつ試してみることにした。
 
   
  +
// <0013> \朋也「やっぱり、交換部品のないところで直すのって、ものすごく面倒だな…」
// <0013> \{朋也}「やっぱり、交換部品のないところで直すのって、ものすごく面倒だな…」
 
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<0013> \Tomoya「やっぱり、交換部品のないところで直すのって、ものすごく面倒だな…」
<0013> \{Tomoya}「やっぱり、交換部品のないところで直すのって、ものすごく面倒だな…」
 
   
  +
// <0014> 昨日までの作業で身にしみて分かっていたが、言わずにはいられない。
// <0014> 昨日までの作業で身にしみて分かっていたが、言わずにはいられない。
 
  +
<0014> 昨日までの作業で身にしみて分かっていたが、言わずにはいられない。
<0014> 昨日までの作業で身にしみて分かっていたが、言わずにはいられない。
 
   
  +
// <0015> 集めた材料でまかなえれば助かるのだが…。
// <0015> 集めた材料でまかなえれば助かるのだが…。
 
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<0015> 集めた材料でまかなえれば助かるのだが…。
<0015> 集めた材料でまかなえれば助かるのだが…。
 
   
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// <0016> \朋也「…あー、ちくしょー。これがダメか」
// <0016> \{朋也}「…あー、ちくしょー。これがダメか」
 
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<0016> \Tomoya「…あー、ちくしょー。これがダメか」
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// <0017> 俺はぼやきながら、作業を開始する。
// <0017> 俺はぼやきながら、作業を開始する。
 
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<0017> 俺はぼやきながら、作業を開始する。
<0017> 俺はぼやきながら、作業を開始する。
 
   
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// <0018> \智代「だーれだっ」
// <0018> \{智代}「だーれだっ」
 
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<0018> \Tomoyo「だーれだっ」
<0018> \{Tomoyo}「だーれだっ」
 
   
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// <0019> 唐突に目隠しがされる。
// <0019> 唐突に目隠しがされる。
 
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<0019> 唐突に目隠しがされる。
<0019> 唐突に目隠しがされる。
 
   
// <0020> \{朋也}「智代」
+
// <0020> \朋也「智代」
<0020> \{Tomoya}「智代」
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<0020> \Tomoya「智代」
   
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// <0021> \智代「うん、正解だ」
// <0021> \{智代}「うん、正解だ」
 
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<0021> \Tomoyo「うん、正解だ」
<0021> \{Tomoyo}「うん、正解だ」
 
   
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// <0022> 言って、軽やかに俺の前に躍り出た。
// <0022> 言って、軽やかに俺の前に躍り出た。
 
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<0022> 言って、軽やかに俺の前に躍り出た。
<0022> 言って、軽やかに俺の前に躍り出た。
 
   
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// <0023> \智代「今のは女の子らしかったと思わないか?」
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<0023> \Tomoyo「今のは女の子らしかったと思わないか?」
<0023> \{Tomoyo}「今のは女の子らしかったと思わないか?」
 
   
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// <0024> \朋也「思わないし…作業の邪魔だ」
// <0024> \{朋也}「思わないし…作業の邪魔だ」
 
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<0024> \Tomoya「思わないし…作業の邪魔だ」
<0024> \{Tomoya}「思わないし…作業の邪魔だ」
 
   
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// <0025> \智代「邪魔しにきたんだ」
// <0025> \{智代}「邪魔しにきたんだ」
 
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<0025> \Tomoyo「邪魔しにきたんだ」
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// <0026> \{朋也}「………」
+
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<0026> \Tomoya「………」
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// <0027> \智代「ほら、ここでは人の目に入る」
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<0027> \Tomoyo「ほら、ここでは人の目に入る」
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// <0028> 俺の手を引いていった。
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<0028> 俺の手を引いていった。
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  +
// <0029> そうしてふたり、ここにいる間の時間を卑しく過ごした。
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// <0030> バッドエンド
+
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// <0031> そして今日、俺の夏休みが終わる。
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<0031> そして今日、俺の夏休みが終わる。
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// <0032> 智代は笑顔で、管理人に向けて手を振っている。
// <0032> 智代は笑顔で、管理人に向けて手を振っている。
 
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<0032> 智代は笑顔で、管理人に向けて手を振っている。
<0032> 智代は笑顔で、管理人に向けて手を振っている。
 
   
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// <0033> その姿は、勝ち誇っているように俺には映った。
// <0033> その姿は、勝ち誇っているように俺には映った。
 
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<0033> その姿は、勝ち誇っているように俺には映った。
<0033> その姿は、勝ち誇っているように俺には映った。
 
   
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// <0034> 夜もふけた電車の窓は、遠くに民家の明かりがいくつか見えるだけだ。
// <0034> 夜もふけた電車の窓は、遠くに民家の明かりがいくつか見えるだけだ。
 
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<0034> 夜もふけた電車の窓は、遠くに民家の明かりがいくつか見えるだけだ。
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  +
// <0035> 乗客のいないローカル線の車内に、智代の明るい声だけが響く。
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<0035> 乗客のいないローカル線の車内に、智代の明るい声だけが響く。
<0035> 乗客のいないローカル線の車内に、智代の明るい声だけが響く。
 
   
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// <0036> せっかくの夏休みだから、ともと一緒に海へいこう。
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// <0037> 花火もしよう、きっと面白いぞ。
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<0037> 花火もしよう、きっと面白いぞ。
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  +
// <0038> 楽しいこと全部してあげよう。
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// <0039> その都度、俺は相づちを打つ。
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<0039> その都度、俺は相づちを打つ。
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// <0040> ああ、そうだな。
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<0040> ああ、そうだな。
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// <0041> きっと面白いな。
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// <0042> 半ば機械的に頷きながら、ぼんやりと考えた。
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// <0043> ともに母親はいない。
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// <0044> もう、いなくなった。
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// <0045> だけど、血の繋がりだけが親子ではない。
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// <0046> たとえ血が繋がっていても、俺と親父のようになることもある。
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<0046> たとえ血が繋がっていても、俺と親父のようになることもある。
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// <0047> 俺のそばに智代がいて、真ん中に笑顔のともがいる。
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// <0048> 素晴らしく微笑ましい家庭じゃないか。
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// <0049> 生活は厳しいが、親子三人、慎ましく暮らせる。
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<0049> 生活は厳しいが、親子三人、慎ましく暮らせる。
<0049> 生活は厳しいが、親子三人、慎ましく暮らせる。
 
   
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// <0050> そう、納得できないことなんか、ない。
// <0050> そう、納得できないことなんか、ない。
 
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<0050> そう、納得できないことなんか、ない。
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// <0051> なのに…
+
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<0051> なのに…
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// <0052> 河南子はアパートにもいなかった。
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<0052> 河南子はアパートにもいなかった。
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// <0053> 今度は鷹文に、家に帰ると言付けを残して。
// <0053> 今度は鷹文に、家に帰ると言付けを残して。
 
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<0053> 今度は鷹文に、家に帰ると言付けを残して。
<0053> 今度は鷹文に、家に帰ると言付けを残して。
 
   
  +
// <0054> そして夏休みが終わり、鷹文もあまり姿を見せなくなった。もう一度陸上を始める、とだけ聞いた。
// <0054> そして夏休みが終わり、鷹文もあまり姿を見せなくなった。もう一度陸上を始める、とだけ聞いた。
 
  +
<0054> そして夏休みが終わり、鷹文もあまり姿を見せなくなった。もう一度陸上を始める、とだけ聞いた。
<0054> そして夏休みが終わり、鷹文もあまり姿を見せなくなった。もう一度陸上を始める、とだけ聞いた。
 
   
  +
// <0055> 土曜の昼下がり、ぼんやりとしている。
// <0055> 土曜の昼下がり、ぼんやりとしている。
 
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<0055> 土曜の昼下がり、ぼんやりとしている。
<0055> 土曜の昼下がり、ぼんやりとしている。
 
   
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// <0056> ともは智代の背中にもたれ、絵本を読んでいる。
// <0056> ともは智代の背中にもたれ、絵本を読んでいる。
 
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<0056> ともは智代の背中にもたれ、絵本を読んでいる。
<0056> ともは智代の背中にもたれ、絵本を読んでいる。
 
   
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// <0057> 智代の膝を枕代わりにして、テレビを見ていている。そこで、ふと気づいた。
// <0057> 智代の膝を枕代わりにして、テレビを見ていている。そこで、ふと気づいた。
 
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<0057> 智代の膝を枕代わりにして、テレビを見ていている。そこで、ふと気づいた。
<0057> 智代の膝を枕代わりにして、テレビを見ていている。そこで、ふと気づいた。
 
   
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// <0058> \朋也「…なあ、今日学校はどうしたんだ?」
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<0058> \Tomoya「…なあ、今日学校はどうしたんだ?」
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// <0059> 土曜日は午前中だけ授業のはずだ。今年から変わったのだろうか。
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// <0062> \朋也「行かないのか?」
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<0062> \Tomoya「行かないのか?」
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// <0063> \智代「…朋也がいけと言うなら行くが」
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<0063> \Tomoyo「…朋也がいけと言うなら行くが」
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// <0064> さわり、さわり、と頬を撫でられる。
// <0064> さわり、さわり、と頬を撫でられる。
 
  +
<0064> さわり、さわり、と頬を撫でられる。
<0064> さわり、さわり、と頬を撫でられる。
 
   
  +
// <0065> \智代「折角の休みだ」
// <0065> \{智代}「折角の休みだ」
 
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<0065> \Tomoyo「折角の休みだ」
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// <0066> \智代「一緒にいてもいいだろう?」
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<0066> \Tomoyo「一緒にいてもいいだろう?」
<0066> \{Tomoyo}「一緒にいてもいいだろう?」
 
   
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// <0067> 無邪気に微笑んでいる。
// <0067> 無邪気に微笑んでいる。
 
  +
<0067> 無邪気に微笑んでいる。
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// <0068> \朋也「…そうだな」
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  +
<0068> \Tomoya「…そうだな」
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  +
// <0069> 頷くしかない。
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  +
<0069> 頷くしかない。
<0069> 頷くしかない。
 
   
  +
// <0070> そのまま、智代は嬉しそうに、俺の上へと圧しかかってきた。
// <0070> そのまま、智代は嬉しそうに、俺の上へと圧しかかってきた。
 
  +
<0070> そのまま、智代は嬉しそうに、俺の上へと圧しかかってきた。
<0070> そのまま、智代は嬉しそうに、俺の上へと圧しかかってきた。
 
   
  +
// <0071> 少しずつ生活が変わっていった。
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  +
<0071> 少しずつ生活が変わっていった。
<0071> 少しずつ生活が変わっていった。
 
   
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// <0072> 智代が学校に行かなくなった。
// <0072> 智代が学校に行かなくなった。
 
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<0072> 智代が学校に行かなくなった。
<0072> 智代が学校に行かなくなった。
 
   
  +
// <0073> 押入れに、智代の私服と下着が入るようになった。
// <0073> 押入れに、智代の私服と下着が入るようになった。
 
  +
<0073> 押入れに、智代の私服と下着が入るようになった。
<0073> 押入れに、智代の私服と下着が入るようになった。
 
   
  +
// <0074> ドライヤーが新しいものに変わり、物干し場には女性ものが掛かるようになった。
// <0074> ドライヤーが新しいものに変わり、物干し場には女性ものが掛かるようになった。
 
  +
<0074> ドライヤーが新しいものに変わり、物干し場には女性ものが掛かるようになった。
<0074> ドライヤーが新しいものに変わり、物干し場には女性ものが掛かるようになった。
 
   
  +
// <0075> 一泊が二泊になり、やがて言い方も『帰る』から『行ってくる』になった。
// <0075> 一泊が二泊になり、やがて言い方も『帰る』から『行ってくる』になった。
 
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<0075> 一泊が二泊になり、やがて言い方も『帰る』から『行ってくる』になった。
<0075> 一泊が二泊になり、やがて言い方も『帰る』から『行ってくる』になった。
 
   
  +
// <0076> そして、自分から誘うようになった。
// <0076> そして、自分から誘うようになった。
 
  +
<0076> そして、自分から誘うようになった。
<0076> そして、自分から誘うようになった。
 
   
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// <0077> 最初は昼飯を弁当から家で食べるようにしたとき。
// <0077> 最初は昼飯を弁当から家で食べるようにしたとき。
 
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<0077> 最初は昼飯を弁当から家で食べるようにしたとき。
<0077> 最初は昼飯を弁当から家で食べるようにしたとき。
 
   
  +
// <0078> ともが幼稚園に行った朝のうちに。
// <0078> ともが幼稚園に行った朝のうちに。
 
  +
<0078> ともが幼稚園に行った朝のうちに。
<0078> ともが幼稚園に行った朝のうちに。
 
   
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// <0079> おつかいを頼み、その間に。
// <0079> おつかいを頼み、その間に。
 
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<0079> おつかいを頼み、その間に。
<0079> おつかいを頼み、その間に。
 
   
  +
// <0080> 狭い風呂へ三人で入り、ともを先に上がらせて。
// <0080> 狭い風呂へ三人で入り、ともを先に上がらせて。
 
  +
<0080> 狭い風呂へ三人で入り、ともを先に上がらせて。
<0080> 狭い風呂へ三人で入り、ともを先に上がらせて。
 
   
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// <0081> 次第に緩く、浅ましく。
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<0081> 次第に緩く、浅ましく。
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// <0082> \{智代}「ん…」
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// <0082> \智代「ん…」
<0082> \{Tomoyo}「ん…」
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// <0083> \智代「んふっ…」
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<0083> \Tomoyo「んふっ…」
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// <0084> 智代が声を出さずにセックスすることを覚えた。
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<0084> 智代が声を出さずにセックスすることを覚えた。
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// <0085> 俺はその体を貪る。
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<0085> 俺はその体を貪る。
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// <0086> 汗まみれになって。
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<0086> 汗まみれになって。
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// <0087> カーテンの隙間から漏れる月明かり。
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<0087> カーテンの隙間から漏れる月明かり。
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// <0088> それに照らし出されているのは智代の白い腕。
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<0088> それに照らし出されているのは智代の白い腕。
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// <0089> その先は、つややかなな黒髪を撫でていた。
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<0089> その先は、つややかなな黒髪を撫でていた。
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// <0090> その持ち主は小さく寝息を立てている。
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<0090> その持ち主は小さく寝息を立てている。
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// <0091> どこまでもおだやかに。
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<0091> どこまでもおだやかに。
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// <0092> その隣で俺たちは貪る。
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<0092> その隣で俺たちは貪る。
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// <0093> どこまでも卑しく。
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Revision as of 07:46, 25 July 2012

Text

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// #character '管理人'
#character 'Manager'

// #character '朋也'
#character 'Tomoya'

// #character '智代'
#character 'Tomoyo'


// <0000> 8月13日(金)
<0000> August 13th (Fri)

// <0001> \管理人「暇でしょ?」
<0001> \Manager「暇でしょ?」

// <0002> \朋也「そりゃ確かに暇なんだが…」
<0002> \Tomoya「そりゃ確かに暇なんだが…」

// <0003> 結局、学校を作るのはやめてしまった。
<0003> 結局、学校を作るのはやめてしまった。

// <0004> その事を管理人に報告すると、ならこれを、と言い出してきたのだ。
<0004> その事を管理人に報告すると、ならこれを、と言い出してきたのだ。

// <0005> \管理人「一宿一飯の恩義って言うじゃない」
<0005> \Manager「一宿一飯の恩義って言うじゃない」

// <0006> \朋也「わかったよ。直せばいいんだろ?」
<0006> \Tomoya「わかったよ。直せばいいんだろ?」

// <0007> 持ち込まれたのはどれも旧式の電化製品ばかり。
<0007> 持ち込まれたのはどれも旧式の電化製品ばかり。

// <0008> \管理人「これと、これなんか使えると助かるのよね」
<0008> \Manager「これと、これなんか使えると助かるのよね」

// <0009> 管理人はぽんぽんと、机に置かれた家電を示した。
<0009> 管理人はぽんぽんと、机に置かれた家電を示した。

// <0010> 外見は綺麗なミキサーとビデオデッキ。
<0010> 外見は綺麗なミキサーとビデオデッキ。

// <0011> だが、どちらもスイッチを入れても反応がまったくない。
<0011> だが、どちらもスイッチを入れても反応がまったくない。

// <0012> 使えるかどうかわからないが、ひとつずつ試してみることにした。
<0012> 使えるかどうかわからないが、ひとつずつ試してみることにした。

// <0013> \朋也「やっぱり、交換部品のないところで直すのって、ものすごく面倒だな…」
<0013> \Tomoya「やっぱり、交換部品のないところで直すのって、ものすごく面倒だな…」

// <0014> 昨日までの作業で身にしみて分かっていたが、言わずにはいられない。
<0014> 昨日までの作業で身にしみて分かっていたが、言わずにはいられない。

// <0015> 集めた材料でまかなえれば助かるのだが…。
<0015> 集めた材料でまかなえれば助かるのだが…。

// <0016> \朋也「…あー、ちくしょー。これがダメか」
<0016> \Tomoya「…あー、ちくしょー。これがダメか」

// <0017> 俺はぼやきながら、作業を開始する。
<0017> 俺はぼやきながら、作業を開始する。

// <0018> \智代「だーれだっ」
<0018> \Tomoyo「だーれだっ」

// <0019> 唐突に目隠しがされる。
<0019> 唐突に目隠しがされる。

// <0020> \朋也「智代」
<0020> \Tomoya「智代」

// <0021> \智代「うん、正解だ」
<0021> \Tomoyo「うん、正解だ」

// <0022> 言って、軽やかに俺の前に躍り出た。
<0022> 言って、軽やかに俺の前に躍り出た。

// <0023> \智代「今のは女の子らしかったと思わないか?」
<0023> \Tomoyo「今のは女の子らしかったと思わないか?」

// <0024> \朋也「思わないし…作業の邪魔だ」
<0024> \Tomoya「思わないし…作業の邪魔だ」

// <0025> \智代「邪魔しにきたんだ」
<0025> \Tomoyo「邪魔しにきたんだ」

// <0026> \朋也「………」
<0026> \Tomoya「………」

// <0027> \智代「ほら、ここでは人の目に入る」
<0027> \Tomoyo「ほら、ここでは人の目に入る」

// <0028> 俺の手を引いていった。
<0028> 俺の手を引いていった。

// <0029> そうしてふたり、ここにいる間の時間を卑しく過ごした。
<0029> そうしてふたり、ここにいる間の時間を卑しく過ごした。

// <0030> バッドエンド
<0030> バッドエンド

// <0031> そして今日、俺の夏休みが終わる。
<0031> そして今日、俺の夏休みが終わる。

// <0032> 智代は笑顔で、管理人に向けて手を振っている。
<0032> 智代は笑顔で、管理人に向けて手を振っている。

// <0033> その姿は、勝ち誇っているように俺には映った。
<0033> その姿は、勝ち誇っているように俺には映った。

// <0034> 夜もふけた電車の窓は、遠くに民家の明かりがいくつか見えるだけだ。
<0034> 夜もふけた電車の窓は、遠くに民家の明かりがいくつか見えるだけだ。

// <0035> 乗客のいないローカル線の車内に、智代の明るい声だけが響く。
<0035> 乗客のいないローカル線の車内に、智代の明るい声だけが響く。

// <0036> せっかくの夏休みだから、ともと一緒に海へいこう。
<0036> せっかくの夏休みだから、ともと一緒に海へいこう。

// <0037> 花火もしよう、きっと面白いぞ。
<0037> 花火もしよう、きっと面白いぞ。

// <0038> 楽しいこと全部してあげよう。
<0038> 楽しいこと全部してあげよう。

// <0039> その都度、俺は相づちを打つ。
<0039> その都度、俺は相づちを打つ。

// <0040> ああ、そうだな。
<0040> ああ、そうだな。

// <0041> きっと面白いな。
<0041> きっと面白いな。

// <0042> 半ば機械的に頷きながら、ぼんやりと考えた。
<0042> 半ば機械的に頷きながら、ぼんやりと考えた。

// <0043> ともに母親はいない。
<0043> ともに母親はいない。

// <0044> もう、いなくなった。
<0044> もう、いなくなった。

// <0045> だけど、血の繋がりだけが親子ではない。
<0045> だけど、血の繋がりだけが親子ではない。

// <0046> たとえ血が繋がっていても、俺と親父のようになることもある。
<0046> たとえ血が繋がっていても、俺と親父のようになることもある。

// <0047> 俺のそばに智代がいて、真ん中に笑顔のともがいる。
<0047> 俺のそばに智代がいて、真ん中に笑顔のともがいる。

// <0048> 素晴らしく微笑ましい家庭じゃないか。
<0048> 素晴らしく微笑ましい家庭じゃないか。

// <0049> 生活は厳しいが、親子三人、慎ましく暮らせる。
<0049> 生活は厳しいが、親子三人、慎ましく暮らせる。

// <0050> そう、納得できないことなんか、ない。
<0050> そう、納得できないことなんか、ない。

// <0051> なのに…
<0051> なのに…

// <0052> 河南子はアパートにもいなかった。
<0052> 河南子はアパートにもいなかった。

// <0053> 今度は鷹文に、家に帰ると言付けを残して。
<0053> 今度は鷹文に、家に帰ると言付けを残して。

// <0054> そして夏休みが終わり、鷹文もあまり姿を見せなくなった。もう一度陸上を始める、とだけ聞いた。
<0054> そして夏休みが終わり、鷹文もあまり姿を見せなくなった。もう一度陸上を始める、とだけ聞いた。

// <0055> 土曜の昼下がり、ぼんやりとしている。
<0055> 土曜の昼下がり、ぼんやりとしている。

// <0056> ともは智代の背中にもたれ、絵本を読んでいる。
<0056> ともは智代の背中にもたれ、絵本を読んでいる。

// <0057> 智代の膝を枕代わりにして、テレビを見ていている。そこで、ふと気づいた。
<0057> 智代の膝を枕代わりにして、テレビを見ていている。そこで、ふと気づいた。

// <0058> \朋也「…なあ、今日学校はどうしたんだ?」
<0058> \Tomoya「…なあ、今日学校はどうしたんだ?」

// <0059> 土曜日は午前中だけ授業のはずだ。今年から変わったのだろうか。
<0059> 土曜日は午前中だけ授業のはずだ。今年から変わったのだろうか。

// <0060> \智代「もういいんだ」
<0060> \Tomoyo「もういいんだ」

// <0061> \智代「私に学校はもう必要ない」
<0061> \Tomoyo「私に学校はもう必要ない」

// <0062> \朋也「行かないのか?」
<0062> \Tomoya「行かないのか?」

// <0063> \智代「…朋也がいけと言うなら行くが」
<0063> \Tomoyo「…朋也がいけと言うなら行くが」

// <0064> さわり、さわり、と頬を撫でられる。
<0064> さわり、さわり、と頬を撫でられる。

// <0065> \智代「折角の休みだ」
<0065> \Tomoyo「折角の休みだ」

// <0066> \智代「一緒にいてもいいだろう?」
<0066> \Tomoyo「一緒にいてもいいだろう?」

// <0067> 無邪気に微笑んでいる。
<0067> 無邪気に微笑んでいる。

// <0068> \朋也「…そうだな」
<0068> \Tomoya「…そうだな」

// <0069> 頷くしかない。
<0069> 頷くしかない。

// <0070> そのまま、智代は嬉しそうに、俺の上へと圧しかかってきた。
<0070> そのまま、智代は嬉しそうに、俺の上へと圧しかかってきた。

// <0071> 少しずつ生活が変わっていった。
<0071> 少しずつ生活が変わっていった。

// <0072> 智代が学校に行かなくなった。
<0072> 智代が学校に行かなくなった。

// <0073> 押入れに、智代の私服と下着が入るようになった。
<0073> 押入れに、智代の私服と下着が入るようになった。

// <0074> ドライヤーが新しいものに変わり、物干し場には女性ものが掛かるようになった。
<0074> ドライヤーが新しいものに変わり、物干し場には女性ものが掛かるようになった。

// <0075> 一泊が二泊になり、やがて言い方も『帰る』から『行ってくる』になった。
<0075> 一泊が二泊になり、やがて言い方も『帰る』から『行ってくる』になった。

// <0076> そして、自分から誘うようになった。
<0076> そして、自分から誘うようになった。

// <0077> 最初は昼飯を弁当から家で食べるようにしたとき。
<0077> 最初は昼飯を弁当から家で食べるようにしたとき。

// <0078> ともが幼稚園に行った朝のうちに。
<0078> ともが幼稚園に行った朝のうちに。

// <0079> おつかいを頼み、その間に。
<0079> おつかいを頼み、その間に。

// <0080> 狭い風呂へ三人で入り、ともを先に上がらせて。
<0080> 狭い風呂へ三人で入り、ともを先に上がらせて。

// <0081> 次第に緩く、浅ましく。
<0081> 次第に緩く、浅ましく。

// <0082> \智代「ん…」
<0082> \Tomoyo「ん…」

// <0083> \智代「んふっ…」
<0083> \Tomoyo「んふっ…」

// <0084> 智代が声を出さずにセックスすることを覚えた。
<0084> 智代が声を出さずにセックスすることを覚えた。

// <0085> 俺はその体を貪る。
<0085> 俺はその体を貪る。

// <0086> 汗まみれになって。
<0086> 汗まみれになって。

// <0087> カーテンの隙間から漏れる月明かり。
<0087> カーテンの隙間から漏れる月明かり。

// <0088> それに照らし出されているのは智代の白い腕。
<0088> それに照らし出されているのは智代の白い腕。

// <0089> その先は、つややかなな黒髪を撫でていた。
<0089> その先は、つややかなな黒髪を撫でていた。

// <0090> その持ち主は小さく寝息を立てている。
<0090> その持ち主は小さく寝息を立てている。

// <0091> どこまでもおだやかに。
<0091> どこまでもおだやかに。

// <0092> その隣で俺たちは貪る。
<0092> その隣で俺たちは貪る。

// <0093> どこまでも卑しく。
<0093> どこまでも卑しく。

Script Chart

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