Difference between revisions of "Tomoyo After:SEEN0806"
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// <0009> 遠くから聞こえる蝉がひどく喧しかった。 |
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− | <0009> The chirps of cicada heard from a distance were awfully noisy |
+ | <0009> The chirps of cicada that were heard from a distance were awfully noisy. |
// <0010> \{有子}「あの子は、元気ですか」 |
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− | <0010> \{Yuuko} |
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// <0011> 開口一番そう訊く。 |
// <0011> 開口一番そう訊く。 |
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+ | <0011> She asks as she opens her mouth. |
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// <0012> \{朋也}「元気だよ、ほら」 |
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// <0013> 厚めの封筒を渡す。中身はともの写真だ。 |
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+ | <0013> I give her a thick envelope. There are pictures of Tomo inside. |
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− | <0013> 厚めの封筒を渡す。中身はともの写真だ。 |
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// <0014> その場で開封して、彼女は微笑む。 |
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+ | <0014> She opens it right where she stands, and smiles. |
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// <0015> \{有子}「この隣の方は?」 |
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− | <0015> \{Yuuko} |
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// <0016> \{朋也}「河南子。ともの友達」 |
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− | <0016> \{Tomoya} |
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// <0017> \{有子}「お友達できたんですね。よかった」 |
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− | <0017> \{Yuuko} |
+ | <0017> \{Yuuko} "She made a friend. I'm relieved." |
// <0018> もう一度、よかった、と繰り返す。それは自分は間違ってなかった、というように。 |
// <0018> もう一度、よかった、と繰り返す。それは自分は間違ってなかった、というように。 |
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+ | <0018> She repeats the quote again like she was convincing herself that she made a right choice. |
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− | <0018> もう一度、よかった、と繰り返す。それは自分は間違ってなかった、というように。 |
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// <0019> \{朋也}「他に聞きたいことは?」 |
// <0019> \{朋也}「他に聞きたいことは?」 |
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− | <0019> \{Tomoya} |
+ | <0019> \{Tomoya} "You got anything else to ask?" |
// <0020> \{有子}「なんでも聞かせてください。あの子のことならすべて」 |
// <0020> \{有子}「なんでも聞かせてください。あの子のことならすべて」 |
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+ | <0020> \{Yuuko} "Tell me everything. Everything about Tomo." |
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− | <0020> \{Yuuko}「なんでも聞かせてください。あの子のことならすべて」 |
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// <0021> 俺は、思い出せるともとの日常をすべて話して聞かせた。 |
// <0021> 俺は、思い出せるともとの日常をすべて話して聞かせた。 |
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+ | <0021> I told her everything that I could remember about the days with Tomo. |
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− | <0021> 俺は、思い出せるともとの日常をすべて話して聞かせた。 |
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// <0022> 智代はその反対側に座り、黙ったままでいた。 |
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// <0023> \{朋也}「じゃあ、こちらからも」 |
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Revision as of 07:53, 8 June 2009
Text
// Resources for SEEN0806.TXT // #character '有子' #character 'Yuuko' // #character '朋也' #character 'Tomoya' // #character '智代' #character 'Tomoyo' // #character '河南子' #character 'Kanako' // #character '鷹文' #character 'Takafumi' // #character 'とも' #character 'Tomo' // <0000> 8月6日(金) <0000> August 6th (Fri) // <0001> 公園で俺と智代は待ち続けていた。 <0001> Tomoyo and I were still waiting at the park. // <0002> じっとしていても、汗が伝い落ちる真夏日だ。 <0002> It was one of those midsummer days that made me sweat by just standing still. // <0003> 前と同じように、ゆっくりと日傘が近づいてくる。 <0003> Just like before, the same parasol approaches. // <0004> まるで、VTRでも再生しているかのようだった。 <0004> As if it was replayed with the VCR. // <0005> あるいは、暑さにやられて、白昼夢でも見ているか。 <0005> Or maybe I'm just seeing an illusion from the heat. // <0006> \{有子}「こんにちは」 <0006> \{Yuuko} "Good Afternoon." // <0007> しばらく声を返せなかったが、智代が俺の腕を引っ張り、これが現実だと教えてくれた。 <0007> I couldn't reply her for a while. Tomoyo pulled my arm and made me realize that this was a reality. // <0008> ベンチに並んで、腰をかける。俺はポケットからハンカチを出し、汗をぬぐった。 <0008> I lined up alongside the bench and sat down. I took out a handkerchief out of the pocket and wiped off my sweat. // <0009> 遠くから聞こえる蝉がひどく喧しかった。 <0009> The chirps of cicada that were heard from a distance were awfully noisy. // <0010> \{有子}「あの子は、元気ですか」 <0010> \{Yuuko} "How is she doing?" // <0011> 開口一番そう訊く。 <0011> She asks as she opens her mouth. // <0012> \{朋也}「元気だよ、ほら」 <0012> \{Tomoya} "She's fine. Here." // <0013> 厚めの封筒を渡す。中身はともの写真だ。 <0013> I give her a thick envelope. There are pictures of Tomo inside. // <0014> その場で開封して、彼女は微笑む。 <0014> She opens it right where she stands, and smiles. // <0015> \{有子}「この隣の方は?」 <0015> \{Yuuko} "Who is the person next to her?" // <0016> \{朋也}「河南子。ともの友達」 <0016> \{Tomoya} "Kanako. She's her friend." // <0017> \{有子}「お友達できたんですね。よかった」 <0017> \{Yuuko} "She made a friend. I'm relieved." // <0018> もう一度、よかった、と繰り返す。それは自分は間違ってなかった、というように。 <0018> She repeats the quote again like she was convincing herself that she made a right choice. // <0019> \{朋也}「他に聞きたいことは?」 <0019> \{Tomoya} "You got anything else to ask?" // <0020> \{有子}「なんでも聞かせてください。あの子のことならすべて」 <0020> \{Yuuko} "Tell me everything. Everything about Tomo." // <0021> 俺は、思い出せるともとの日常をすべて話して聞かせた。 <0021> I told her everything that I could remember about the days with Tomo. // <0022> 智代はその反対側に座り、黙ったままでいた。 <0022> Tomoyo kept silent as she sat on the other side. // <0023> \{朋也}「じゃあ、こちらからも」 <0023> \{Tomoya}「じゃあ、こちらからも」 // <0024> 話し終えたところで切り返した。 <0024> 話し終えたところで切り返した。 // <0025> \{朋也}「あなたが今いる場所を教えてくれ。なにかあった時に必要だ」 <0025> \{Tomoya}「あなたが今いる場所を教えてくれ。なにかあった時に必要だ」 // <0026> \{有子}「必要ありません」 <0026> \{Yuuko}「必要ありません」 // <0027> 俺は言葉に詰まる。 <0027> 俺は言葉に詰まる。 // <0028> それは…\pそこまで責任を放棄したってことか。 <0028> それは…\pそこまで責任を放棄したってことか。 // <0029> \{朋也}「頼む。少しでも、どんなことでもいいから教えてくれ」 <0029> \{Tomoya}「頼む。少しでも、どんなことでもいいから教えてくれ」 // <0030> 引き下がれない。必死にすがりつく。 <0030> 引き下がれない。必死にすがりつく。 // <0031> \{朋也}「ともに、教えてやりたいんだ」 <0031> \{Tomoya}「ともに、教えてやりたいんだ」 // <0032> 遠くで鳴いていたはずの蝉がいなくなっていた。 <0032> 遠くで鳴いていたはずの蝉がいなくなっていた。 // <0033> \{有子}「…春には、山一面に桜が咲くそうです」 <0033> \{Yuuko}「…春には、山一面に桜が咲くそうです」 // <0034> \{有子}「今は、それだけが楽しみなんです」 <0034> \{Yuuko}「今は、それだけが楽しみなんです」 // <0035> 彼女は少しだけ笑った。 <0035> 彼女は少しだけ笑った。 // <0036> \{有子}「本日はありがとうございました」 <0036> \{Yuuko}「本日はありがとうございました」 // <0037> 三島有子が立ち上がる。 <0037> 三島有子が立ち上がる。 // <0038> \{朋也}「送るよ」 <0038> \{Tomoya}「送るよ」 // <0039> 俺と智代はそれに続いた。 <0039> 俺と智代はそれに続いた。 // <0040> もう、彼女は何も喋らなくなった。 <0040> もう、彼女は何も喋らなくなった。 // <0041> ただ足下を見つめたまま、ゆっくりと歩くだけだ。 <0041> ただ足下を見つめたまま、ゆっくりと歩くだけだ。 // <0042> 偶然でいい。ともが通らないだろうか。 <0042> 偶然でいい。ともが通らないだろうか。 // <0043> おまえの母親は今この町にいるのに。今ここにいるのに。 <0043> おまえの母親は今この町にいるのに。今ここにいるのに。 // <0044> とものことばかり考えて歩いた。 <0044> とものことばかり考えて歩いた。 // <0045> 駅に着いたところで、彼女は足を止めた。 <0045> 駅に着いたところで、彼女は足を止めた。 // <0046> \{有子}「それでは、また…」 <0046> \{Yuuko}「それでは、また…」 // <0047> \{朋也}「ああ」 <0047> \{Tomoya}「ああ」 // <0048> 俺は去っていく母親をゆっくりと見送った。 <0048> 俺は去っていく母親をゆっくりと見送った。 // <0049> 買った切符を駅員に渡しているところで、向こうから会釈するのが見えた。 <0049> 買った切符を駅員に渡しているところで、向こうから会釈するのが見えた。 // <0050> 俺は黙って頭を下げ、閑散としたホームへと消えてくのをじっと見ていた。 <0050> 俺は黙って頭を下げ、閑散としたホームへと消えてくのをじっと見ていた。 // <0051> 最後まで智代は黙ったままだった。 <0051> 最後まで智代は黙ったままだった。 // <0052> \{智代}「あの人はもろすぎる」 <0052> \{Tomoyo}「あの人はもろすぎる」 // <0053> その背中が見えなくなってからそう漏らした。 <0053> その背中が見えなくなってからそう漏らした。 // <0054> \{智代}「彼女をここまでもろくしたものとはなんなんだろう…」 <0054> \{Tomoyo}「彼女をここまでもろくしたものとはなんなんだろう…」 // <0055> \{朋也}「知りたいのか?」 <0055> \{Tomoya}「知りたいのか?」 // <0056> \{智代}「………」 <0056> \{Tomoyo}「………」 // <0057> \{智代}「うん…」 <0057> \{Tomoyo}「うん…」 // <0058> しばらく迷ってから頷いた。 <0058> しばらく迷ってから頷いた。 // <0059> \{智代}「もちろん恐いんだ」 <0059> \{Tomoyo}「もちろん恐いんだ」 // <0060> \{智代}「でも、今日まで…いろんな家族を見てきた」 <0060> \{Tomoyo}「でも、今日まで…いろんな家族を見てきた」 // <0061> \{智代}「自分の家族も含めて」 <0061> \{Tomoyo}「自分の家族も含めて」 // <0062> \{智代}「いつも教えられるのは、自分が理解している家族の姿なんてのは、ほんのちょっとで…」 <0062> \{Tomoyo}「いつも教えられるのは、自分が理解している家族の姿なんてのは、ほんのちょっとで…」 // <0063> \{智代}「その形は無数にあって、そのひとつひとつは、海のようにどこまでも深くて…」 <0063> \{Tomoyo}「その形は無数にあって、そのひとつひとつは、海のようにどこまでも深くて…」 // <0064> \{智代}「簡単に計り知れるようなものではない、ということだ」 <0064> \{Tomoyo}「簡単に計り知れるようなものではない、ということだ」 // <0065> \{智代}「それでも、私は知りたい」 <0065> \{Tomoyo}「それでも、私は知りたい」 // <0066> \{智代}「たくさんの家族の形を知りたいんだ」 <0066> \{Tomoyo}「たくさんの家族の形を知りたいんだ」 // <0067> \{智代}「そうすることで、もっといろんなものが、輝き出すと思うんだ」 <0067> \{Tomoyo}「そうすることで、もっといろんなものが、輝き出すと思うんだ」 // <0068> \{智代}「当たり前のことを、もっとかけがえなく感じられると思うんだ」 <0068> \{Tomoyo}「当たり前のことを、もっとかけがえなく感じられると思うんだ」 // <0069> \{智代}「大切に生きなければと思うようになると思うんだ」 <0069> \{Tomoyo}「大切に生きなければと思うようになると思うんだ」 // <0070> \{智代}「そして、そういう経験をたくさんの人に伝えたい」 <0070> \{Tomoyo}「そして、そういう経験をたくさんの人に伝えたい」 // <0071> \{智代}「人生の素晴らしさを伝えたい」 <0071> \{Tomoyo}「人生の素晴らしさを伝えたい」 // <0072> \{智代}「いろんなことで悩んでいる人がいる」 <0072> \{Tomoyo}「いろんなことで悩んでいる人がいる」 // <0073> \{智代}「そういう人の力になりたい」 <0073> \{Tomoyo}「そういう人の力になりたい」 // <0074> \{朋也}「おまえがそうしたいのか?」 <0074> \{Tomoya}「おまえがそうしたいのか?」 // <0075> \{智代}「うん、そうだ」 <0075> \{Tomoyo}「うん、そうだ」 // <0076> \{智代}「そうしたい」 <0076> \{Tomoyo}「そうしたい」 // <0077> \{朋也}「そっか…」 <0077> \{Tomoya}「そっか…」 // <0078> \{朋也}「おまえならきっとできるよ」 <0078> \{Tomoya}「おまえならきっとできるよ」 // <0079> \{朋也}「そんな気がする」 <0079> \{Tomoya}「そんな気がする」 // <0080> \{智代}「うん」 <0080> \{Tomoyo}「うん」 // <0081> 図書館に寄り、新しい絵本をどっさりと借りて帰った。 <0081> 図書館に寄り、新しい絵本をどっさりと借りて帰った。 // <0082> ともが絵本に夢中になっている間に、俺たちは話し合いを始める。 <0082> ともが絵本に夢中になっている間に、俺たちは話し合いを始める。 // <0083> \{朋也}「というわけで、ともの母親にこっちから会いに行くことにした」 <0083> \{Tomoya}「というわけで、ともの母親にこっちから会いに行くことにした」 // <0084> \{朋也}「ともを手放した理由を聞くまでは帰ってこないつもりだ」 <0084> \{Tomoya}「ともを手放した理由を聞くまでは帰ってこないつもりだ」 // <0085> \{河南子}「でもさ、探すったって簡単じゃないよ」 <0085> \{Kanako}「でもさ、探すったって簡単じゃないよ」 // <0086> それはよくわかっていた。警察に捜索願は出していたものの、結局今日までまったく音沙汰なしだった。 <0086> それはよくわかっていた。警察に捜索願は出していたものの、結局今日までまったく音沙汰なしだった。 // <0087> \{鷹文}「何か手がかりはないの」 <0087> \{Takafumi}「何か手がかりはないの」 // <0088> 俺がどうにか聞き出せたのは、一言だけだ。 <0088> 俺がどうにか聞き出せたのは、一言だけだ。 // <0089> \{朋也}「山一面に桜が咲いている」 <0089> \{Tomoya}「山一面に桜が咲いている」 // <0090> \{鷹文}「ちょっと調べてみようか」 <0090> \{Takafumi}「ちょっと調べてみようか」 // <0091> 鷹文は部屋の片隅にあるパソコンを起動させる。 <0091> 鷹文は部屋の片隅にあるパソコンを起動させる。 // <0092> \{朋也}「そんなのがパソコンで調べられるのか?」 <0092> \{Tomoya}「そんなのがパソコンで調べられるのか?」 // <0093> \{鷹文}「わかんないけど…とりあえず検索してみるよ」 <0093> \{Takafumi}「わかんないけど…とりあえず検索してみるよ」 // <0094> \{鷹文}「桜が山一面ね…」 <0094> \{Takafumi}「桜が山一面ね…」 // <0095> \{朋也}「ああ」 <0095> \{Tomoya}「ああ」 // <0096> \{鷹文}「もっと他にない?」 <0096> \{Takafumi}「もっと他にない?」 // <0097> \{朋也}「そんなに遠くじゃないはずだ。日帰りでいける程度だと思う」 <0097> \{Tomoya}「そんなに遠くじゃないはずだ。日帰りでいける程度だと思う」 // <0098> \{鷹文}「…三時間あったら、日本ならどこでも行けるよ」 <0098> \{Takafumi}「…三時間あったら、日本ならどこでも行けるよ」 // <0099> 鷹文はキーを叩きながらぼやいた。 <0099> 鷹文はキーを叩きながらぼやいた。 // <0100> \{鷹文}「観光地とか名所じゃないよね」 <0100> \{Takafumi}「観光地とか名所じゃないよね」 // <0101> \{朋也}「わからない」 <0101> \{Tomoya}「わからない」 // <0102> \{鷹文}「それじゃ、探しようがないよ…」 <0102> \{Takafumi}「それじゃ、探しようがないよ…」 // <0103> \{鷹文}「数万件の中から、どうやって探す?」 <0103> \{Takafumi}「数万件の中から、どうやって探す?」 // <0104> しばらく四人、頭を抱え込む。 <0104> しばらく四人、頭を抱え込む。 // <0105> 俺はふと思い出し、ラックの前に座り直すと、中から封筒を取り出す。 <0105> 俺はふと思い出し、ラックの前に座り直すと、中から封筒を取り出す。 // <0106> \{朋也}「そこから届いた郵便物がある」 <0106> \{Tomoya}「そこから届いた郵便物がある」 // <0107> \{鷹文}「差出人の住所は?」 <0107> \{Takafumi}「差出人の住所は?」 // <0108> \{朋也}「それがあれば、早いんだけどな」 <0108> \{Tomoya}「それがあれば、早いんだけどな」 // <0109> 封筒には宛名があるだけだった。 <0109> 封筒には宛名があるだけだった。 // <0110> \{朋也}「消印でわからないか?」 <0110> \{Tomoya}「消印でわからないか?」 // <0111> ○○中央と書いてあった。 <0111> ○○中央と書いてあった。 // <0112> \{朋也}「…どこだ? これ」 <0112> \{Tomoya}「…どこだ? これ」 // <0113> \{鷹文}「調べてみるよ」 <0113> \{Takafumi}「調べてみるよ」 // <0114> 鷹文が早速検索してくれた。 <0114> 鷹文が早速検索してくれた。 // <0115> \{鷹文}「これ、隣の県だよ。県庁からはずっと北の割と大きな都市だね」 <0115> \{Takafumi}「これ、隣の県だよ。県庁からはずっと北の割と大きな都市だね」 // <0116> \{鷹文}「電車で2時間くらいかな」 <0116> \{Takafumi}「電車で2時間くらいかな」 // <0117> \{朋也}「そんなのまでわかるのか?」 <0117> \{Tomoya}「そんなのまでわかるのか?」 // <0118> 鷹文はこれぐらいなんてことないと頷くだけだった。 <0118> 鷹文はこれぐらいなんてことないと頷くだけだった。 // <0119> 中から便せんを取り出し、それを広げる。皆が一斉にのぞき込む。 <0119> 中から便せんを取り出し、それを広げる。皆が一斉にのぞき込む。 // <0120> \{朋也}「なんかわかることないか?」 <0120> \{Tomoya}「なんかわかることないか?」 // <0121> \{鷹文}「特には…」 <0121> \{Takafumi}「特には…」 // <0122> \{河南子}「写真くださいって書いてあるね」 <0122> \{Kanako}「写真くださいって書いてあるね」 // <0123> \{朋也}「内容なんて何回も読んでるからわかってるよ」 <0123> \{Tomoya}「内容なんて何回も読んでるからわかってるよ」 // <0124> \{河南子}「訊くから答えただけだろ、ぼけーっ!」 <0124> \{Kanako}「訊くから答えただけだろ、ぼけーっ!」 // <0125> \{とも}「またけんかしてるのー?」 <0125> \{Tomo}「またけんかしてるのー?」 // <0126> ともの顔がこちらを向いていた。 <0126> ともの顔がこちらを向いていた。 // <0127> \{河南子}「え、いや、なんでもないです。どーぞ、絵本の続きをお楽しみください」 <0127> \{Kanako}「え、いや、なんでもないです。どーぞ、絵本の続きをお楽しみください」 // <0128> \{とも}「けんかしたらダメだよー」 <0128> \{Tomo}「けんかしたらダメだよー」 // <0129> \{とも}「これすごくおもしろいよー、もーダメだよー? かなりいいよー」 <0129> \{Tomo}「これすごくおもしろいよー、もーダメだよー? かなりいいよー」 // <0130> \{河南子}「なんだ? ケンカしてもいいのか?」 <0130> \{Kanako}「なんだ? ケンカしてもいいのか?」 // <0131> \{朋也}「絵本の感想が入り交じってる。それぐらい夢中なんだろ」 <0131> \{Tomoya}「絵本の感想が入り交じってる。それぐらい夢中なんだろ」 // <0132> ともはすでに、読書に没頭している。 <0132> ともはすでに、読書に没頭している。 // <0133> 俺たちはまた顔を突き合わせる。 <0133> 俺たちはまた顔を突き合わせる。 // <0134> \{朋也}「で、他にわかることは?」 <0134> \{Tomoya}「で、他にわかることは?」 // <0135> \{河南子}「さっきからさ、なんか引っかかってんだよね…」 <0135> \{Kanako}「さっきからさ、なんか引っかかってんだよね…」 // <0136> \{朋也}「なんだよ、それを言えよ」 <0136> \{Tomoya}「なんだよ、それを言えよ」 // <0137> \{河南子}「うーん…」 <0137> \{Kanako}「うーん…」 // <0138> \{河南子}「ダメだ、頭が回らない…アイス買ってきて」 <0138> \{Kanako}「ダメだ、頭が回らない…アイス買ってきて」 // <0139> \{朋也}「それ食えば、出てくるんだな」 <0139> \{Tomoya}「それ食えば、出てくるんだな」 // <0140> \{河南子}「うんうん、でてきますとも」 <0140> \{Kanako}「うんうん、でてきますとも」 // <0141> \{河南子}「おいしいねー、ともさん」 <0141> \{Kanako}「おいしいねー、ともさん」 // <0142> \{朋也}「おまえ、ちゃんと考えろよ」 <0142> \{Tomoya}「おまえ、ちゃんと考えろよ」 // <0143> \{河南子}「くかー」 <0143> \{Kanako}「くかー」 // <0144> \{朋也}「寝てるし!」 <0144> \{Tomoya}「寝てるし!」 // <0145> \{朋也}「おいっ、起きろっ」 <0145> \{Tomoya}「おいっ、起きろっ」 // <0146> その体を揺する。 <0146> その体を揺する。 // <0147> \{智代}「もうこんな時間だ。寝かせてやろう。起こすのは可哀想だ」 <0147> \{Tomoyo}「もうこんな時間だ。寝かせてやろう。起こすのは可哀想だ」 // <0148> \{朋也}「俺、パシリ損じゃん…」 <0148> \{Tomoya}「俺、パシリ損じゃん…」 // <0149> \{智代}「まあ、そう言うな。喜んでくれたらそれだけでもいいじゃないか」 <0149> \{Tomoyo}「まあ、そう言うな。喜んでくれたらそれだけでもいいじゃないか」 // <0150> \{朋也}「鷹文も帰ったし…じゃあ続きはふたりで考えるか」 <0150> \{Tomoya}「鷹文も帰ったし…じゃあ続きはふたりで考えるか」 // <0151> \{朋也}「…あれ? 手紙がねぇ…」 <0151> \{Tomoya}「…あれ? 手紙がねぇ…」 // <0152> \{河南子}「あー…」 <0152> \{Kanako}「あー…」 // <0153> 河南子が寝言なのか、うめき声を上げる。 <0153> 河南子が寝言なのか、うめき声を上げる。 // <0154> \{河南子}「なんでこの手紙、いまどき筆書きなんだろうねー…」 <0154> \{Kanako}「なんでこの手紙、いまどき筆書きなんだろうねー…」 // <0155> 振り返ると、河南子が手紙を掲げて仰向けのまま見上げていた。 <0155> 振り返ると、河南子が手紙を掲げて仰向けのまま見上げていた。 // <0156> その腕がくたっと折れる。 <0156> その腕がくたっと折れる。 // <0157> \{河南子}「くかー」 <0157> \{Kanako}「くかー」 // <0158> \{智代}「可愛らしい。無邪気なもんだな」 <0158> \{Tomoyo}「可愛らしい。無邪気なもんだな」 // <0159> …そんな手がかりがあったか。 <0159> …そんな手がかりがあったか。
Script Chart
June | July | August | After | Other | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1st | SEEN0701 | SEEN0801 | SEEN5000 | SEEN7910 | ||||||
2nd | SEEN0702 | SEEN5001 | SEEN7920 | |||||||
3rd | SEEN0803 | SEEN5002 | SEEN7930 | |||||||
4th | SEEN0804 | SEEN5003 | SEEN7940 | |||||||
6th | SEEN0806 | BAD END | SEEN5004 | SEEN7950 | ||||||
SEEN1806 | SEEN5005 | |||||||||
7th | SEEN0707 | SEEN0807 | SEEN5006 | |||||||
8th | SEEN0708 | SEEN0808 | SEEN5007 | |||||||
9th | SEEN0709 | SEEN0809 | SEEN5010 | |||||||
10th | SEEN0710 | SEEN1710 | SEEN0810 | SEEN5011 | ||||||
11th | SEEN0711 | SEEN0811 | SEEN1811 | SEEN2811 | ||||||
12th | SEEN0712 | SEEN0812 | ||||||||
13th | SEEN0713 | SEEN0813 | SEEN1813 | SEEN2813 | ||||||
14th | SEEN0714 | SEEN1714 | SEEN0814 | BAD END | BAD END | BAD END | BAD END | |||
SEEN1814 | SEEN2814 | SEEN3814 | SEEN4814 | |||||||
15th | SEEN0715 | SEEN1715 | SEEN0815 | |||||||
16th | SEEN0716 | SEEN1716 | SEEN0816 | |||||||
17th | SEEN0717 | SEEN0817 | ||||||||
18th | SEEN0818 | |||||||||
19th | SEEN0819 | |||||||||
20th | BAD END | SEEN0820 | ||||||||
SEEN0720 | ||||||||||
21st | SEEN0721 | SEEN0821 | ||||||||
22nd | SEEN0722 | SEEN0822 | ||||||||
23rd | SEEN0723 | SEEN0823 | ||||||||
24th | SEEN0724 | |||||||||
25th | SEEN0725 | |||||||||
26th | SEEN0726 | |||||||||
27th | SEEN0727 | |||||||||
28th | SEEN0628 | SEEN0728 | ||||||||
29th | SEEN0629 | SEEN0729 | ||||||||
30th | SEEN0630 | |||||||||
BAD END | ||||||||||
SEEN0744 |