Tomoyo After:SEEN0744

From Baka-Tsuki
Revision as of 05:15, 19 March 2010 by Suppish (talk | contribs) (→‎Text)
Jump to navigation Jump to search

Text

// Resources for SEEN0744.TXT

// #character '朋也'
#character 'Tomoya'

// #character '鷹文'
#character 'Takafumi'

// #character '智代'
#character 'Tomoyo'

// #character '主婦'
#character 'Housewife'


// <0000> バッドエンド
<0000> バッドエンド

// <0001> \{朋也}「ただいま…」
<0001> \{Tomoya}「ただいま…」

// <0002> 返事がなかった。
<0002> 返事がなかった。

// <0003> 誰もいなかった。
<0003> 誰もいなかった。

// <0004> 狭い、と最近思っていたのだが、誰もいない部屋はやけに広く思えた。
<0004> 狭い、と最近思っていたのだが、誰もいない部屋はやけに広く思えた。

// <0005> 鷹文が来なくなってから、しばらくして河南子もいなくなった。別れの言葉もなく。
<0005> 鷹文が来なくなってから、しばらくして河南子もいなくなった。別れの言葉もなく。

// <0006> あの憎まれ口が、すごく聞きたかった。
<0006> あの憎まれ口が、すごく聞きたかった。

// <0007> 騒がしい毎日を懐かしく思った。
<0007> 騒がしい毎日を懐かしく思った。

// <0008> しばし感傷に浸った後、俺は冷蔵庫を開け、冷えた麦茶を取り出そうとする。
<0008> しばし感傷に浸った後、俺は冷蔵庫を開け、冷えた麦茶を取り出そうとする。

// <0009> が、作り置きの麦茶は入っていなかった。
<0009> が、作り置きの麦茶は入っていなかった。

// <0010> \{朋也}「珍しいな…智代が忘れるなんて」
<0010> \{Tomoya}「珍しいな…智代が忘れるなんて」

// <0011> とりあえず俺はやかんに水を溜め、ガスレンジにかけた。
<0011> とりあえず俺はやかんに水を溜め、ガスレンジにかけた。

// <0012> TVから終盤の白熱した野球中継が流れている。
<0012> TVから終盤の白熱した野球中継が流れている。

// <0013> だが、俺の耳にはほとんど入ってこなかった。
<0013> だが、俺の耳にはほとんど入ってこなかった。

// <0014> 時計は9時を過ぎた頃。
<0014> 時計は9時を過ぎた頃。

// <0015> 心配を通り越して、怖くなってきた。
<0015> 心配を通り越して、怖くなってきた。

// <0016> 事故にでも遭ったんじゃないか。
<0016> 事故にでも遭ったんじゃないか。

// <0017> もしかして誘拐なんかに…
<0017> もしかして誘拐なんかに…

// <0018> 唐突に電話の音が鳴り響く。
<0018> 唐突に電話の音が鳴り響く。

// <0019> \{朋也}「うわっ」
<0019> \{Tomoya}「うわっ」

// <0020> びっくりした。
<0020> びっくりした。

// <0021> ちょっと気を落ち着かせてから、受話器を取った。
<0021> ちょっと気を落ち着かせてから、受話器を取った。

// <0022> \{朋也}「はい、岡崎です」
<0022> \{Tomoya}「はい、岡崎です」

// <0023> \{鷹文}『あ、にぃちゃん?』
<0023> \{Takafumi}『あ、にぃちゃん?』

// <0024> 鷹文だった。久しぶりに声を聞いた気がする。
<0024> 鷹文だった。久しぶりに声を聞いた気がする。

// <0025> \{朋也}「…なんだ、鷹文か」
<0025> \{Tomoya}「…なんだ、鷹文か」

// <0026> \{鷹文}『なんだって、久しぶりなのにひどいね』
<0026> \{Takafumi}『なんだって、久しぶりなのにひどいね』

// <0027> \{朋也}「いや、ともと智代がいないんだ」
<0027> \{Tomoya}「いや、ともと智代がいないんだ」

// <0028> \{鷹文}『うちにいるよ。とりあえず元気だけど』
<0028> \{Takafumi}『うちにいるよ。とりあえず元気だけど』

// <0029> \{朋也}「ああ、そっか。なら安心…\p…待て」
<0029> \{Tomoya}「ああ、そっか。なら安心…\p…待て」

// <0030> 引っかかる。
<0030> 引っかかる。

// <0031> 智代はまだしも『とも』が『うち』にいるということに。
<0031> 智代はまだしも『とも』が『うち』にいるということに。

// <0032> \{鷹文}『うん、にぃちゃんの想像どおりなんだけどね』
<0032> \{Takafumi}『うん、にぃちゃんの想像どおりなんだけどね』

// <0033> \{鷹文}『母さんにばれちゃった』
<0033> \{Takafumi}『母さんにばれちゃった』

// <0034> \{鷹文}『もう、ウチの家、すごいことになってる』
<0034> \{Takafumi}『もう、ウチの家、すごいことになってる』

// <0035> 鷹文の口調は、いつもと変わらない。
<0035> 鷹文の口調は、いつもと変わらない。

// <0036> 諦めているのか、それとも慣れているのか。
<0036> 諦めているのか、それとも慣れているのか。

// <0037> \{朋也}「…どうしてだ?」
<0037> \{Tomoya}「…どうしてだ?」

// <0038> \{鷹文}『んー、ごめん。僕が余計な意地張ったからなのもあるんだけど』
<0038> \{Takafumi}『んー、ごめん。僕が余計な意地張ったからなのもあるんだけど』

// <0039> \{鷹文}『ここんとこ、にぃちゃん、僕をつかまえようとして実家に来てたじゃない』
<0039> \{Takafumi}『ここんとこ、にぃちゃん、僕をつかまえようとして実家に来てたじゃない』

// <0040> \{鷹文}『そしたら、にぃちゃんを迎えに来てたねぇちゃんとともを見かけたらしいんだよね』
<0040> \{Takafumi}『そしたら、にぃちゃんを迎えに来てたねぇちゃんとともを見かけたらしいんだよね』

// <0041> \{鷹文}『母さん、すごい顔して『朋也さんにはお子さんがいるの!?』って責め立てられて』
<0041> \{Takafumi}『母さん、すごい顔して『朋也さんにはお子さんがいるの!?』って責め立てられて』

// <0042> \{鷹文}『僕はとぼけ通したんだけど、結局ねぇちゃんからばれちゃった』
<0042> \{Takafumi}『僕はとぼけ通したんだけど、結局ねぇちゃんからばれちゃった』

// <0043> \{鷹文}『ねぇちゃん、嘘つくの下手だからさ…』
<0043> \{Takafumi}『ねぇちゃん、嘘つくの下手だからさ…』

// <0044> 意味がわからない。理解したくない。
<0044> 意味がわからない。理解したくない。

// <0045> 無理やり言葉を飲み下した後、とてつもない後悔が襲ってきた。
<0045> 無理やり言葉を飲み下した後、とてつもない後悔が襲ってきた。

// <0046> 発端は、俺の浅はかな行動だ。
<0046> 発端は、俺の浅はかな行動だ。

// <0047> \{鷹文}『あ、にぃちゃんのせいじゃないからね?』
<0047> \{Takafumi}『あ、にぃちゃんのせいじゃないからね?』

// <0048> \{鷹文}『元々無理な相談だったんだよ』
<0048> \{Takafumi}『元々無理な相談だったんだよ』

// <0049> \{鷹文}『ごめんね、うちの家族の揉めごとに巻き込んじゃって…』
<0049> \{Takafumi}『ごめんね、うちの家族の揉めごとに巻き込んじゃって…』

// <0050> それはまるで、他人に言う台詞のようだった。
<0050> それはまるで、他人に言う台詞のようだった。

// <0051> \{鷹文}『…もしもし? 聞いてる?』
<0051> \{Takafumi}『…もしもし? 聞いてる?』

// <0052> \{朋也}「…ああ、聞こえてる」
<0052> \{Tomoya}「…ああ、聞こえてる」

// <0053> \{朋也}「自分が嫌になってるところだ」
<0053> \{Tomoya}「自分が嫌になってるところだ」

// <0054> \{鷹文}『駄目だよ、自分の責任とか考えちゃ』
<0054> \{Takafumi}『駄目だよ、自分の責任とか考えちゃ』

// <0055> \{鷹文}『今は大丈夫だからね。また電話するよ』
<0055> \{Takafumi}『今は大丈夫だからね。また電話するよ』

// <0056> \{朋也}「…ああ」
<0056> \{Tomoya}「…ああ」

// <0057> 俺は受話器を置き、ひっくり返った。
<0057> 俺は受話器を置き、ひっくり返った。

// <0058> 何も考えたくない。
<0058> 何も考えたくない。

// <0059> ただ、そのまま落ちていき、埋もれてしまいたかった。
<0059> ただ、そのまま落ちていき、埋もれてしまいたかった。

// <0060> 眠れないまま、俺は布団に転がっていた。
<0060> 眠れないまま、俺は布団に転がっていた。

// <0061> かしゃん、と小さく開錠の音が響き、古い玄関が音を立てて開いた。
<0061> かしゃん、と小さく開錠の音が響き、古い玄関が音を立てて開いた。

// <0062> \{智代}「…寝てたか?」
<0062> \{Tomoyo}「…寝てたか?」

// <0063> \{朋也}「起きてる」
<0063> \{Tomoya}「起きてる」

// <0064> \{智代}「…そうか」
<0064> \{Tomoyo}「…そうか」

// <0065> 智代は靴を脱ぎ、布団の側へ座り、俺の手を握った。
<0065> 智代は靴を脱ぎ、布団の側へ座り、俺の手を握った。

// <0066> \{朋也}「電気、つけなくていいのか?」
<0066> \{Tomoya}「電気、つけなくていいのか?」

// <0067> \{智代}「今はいい…」
<0067> \{Tomoyo}「今はいい…」

// <0068> …長い沈黙があった。
<0068> …長い沈黙があった。

// <0069> 何回も、何十回も謝ろう、と考えた。
<0069> 何回も、何十回も謝ろう、と考えた。

// <0070> だが、俺の口からは何も出なかった。
<0070> But I couldn't say anything.

// <0071> 深い後悔と、自分への憤りが上っ面だけの謝りをせせら笑っていた。
<0071> I was just too ashamed of myself

// <0072> \{智代}「…すまない」
<0072> \{Tomoyo}「Sorry...」

// <0073> \{智代}「とものこと…隠しきれなかった」
<0073> \{Tomoyo}「I couldn't... Keep Tomo a secret.」

// <0074> やめてくれ。
<0074> Stop it.

// <0075> それは俺の言葉だ。
<0075> I should be saying sorry.

// <0076> \{智代}「最初は…ともはおまえの子だと思われていた」
<0076> \{Tomoyo}「First, they thought Tomo was your child.」

// <0077> \{智代}「事情を話すわけにもいかず耐えていたんだが…」
<0077> \{Tomoyo}「I couldn't tell them the truth and sad there...」

// <0078> \{智代}「母親は、次第におまえを罵るようになった」
<0078> \{Tomoyo}「But mom started insulting you... and...」

// <0079> \{智代}「耐えきれなくて、言い返してしまったんだ」
<0079> \{Tomoyo}「I couldn't take it anymore so I argued back.」

// <0080> \{智代}「朋也は、私たちの家族を守っていてくれたんだ…」
<0080> \{Tomoyo}「I said you were protecting our family...」

// <0081> \{智代}「私たち家族が、平穏に暮らせるように、と…」
<0081> \{Tomoyo}「So that we can live in pearce.」

// <0082> \{智代}「自分の身を削っても、私とともを、両親を守っていたんだ」
<0082> \{Tomoyo}「Even if you get hurt trying to do so.」

// <0083> \{智代}「父親が産ませた、何の関係もない子供を必死に守って…」
<0083> \{Tomoyo}「You were trying to protect father's son.」

// <0084> \{智代}「すまない…」
<0084> \{Tomoyo}「Sorry...」

// <0085> \{智代}「本当に…すまない…」
<0085> \{Tomoyo}「Really... really... sorry...」

// <0086> すすり泣く声。
<0086> I can hear her crying.

// <0087> 繋がれた手が、強く握られた。
<0087> Her grip tightened in my hand.

// <0088> \{朋也}「違う…」
<0088> \{Tomoya}「No...」

// <0089> \{朋也}「俺は何もできなかった」
<0089> \{Tomoya}「I couldn't do anything.」

// <0090> \{朋也}「他に方法があったはずなんだ…」
<0090> \{Tomoya}「There had to be another way...」

// <0091> \{朋也}「俺が余計なことをしなければ…」
<0091> \{Tomoya}「If only I hadn't done that...」

// <0092> \{朋也}「もう少し気を遣っていれば、こんなことにはならなかった…」
<0092> \{Tomoya}「If I was more careful, this wouldn't have happened.」

// <0093> \{朋也}「俺がもっとがんばっていれば…」
<0093> \{Tomoya}「If I had only worked harder...」

// <0094> ぎりぎり、と噛み締めた歯が軋む。
<0094> My heart was aching,

// <0095> なぜかそれが、これまでの生活が次第に壊れていく音に思えた。
<0095> It felt like my life was crumbling away.

// <0096> \{智代}「…そろそろ帰る」
<0096> \{Tomoyo}「I'm going to go now.」

// <0097> \{朋也}「ああ」
<0097> \{Tomoya}「Okay.」

// <0098> \{智代}「すまない…家を黙って抜け出してきたから帰らないといけないんだ」
<0098> \{Tomoyo}「Sorry... I sneaked out of the house, so I can't stay too long.」

// <0099> \{朋也}「こっちは気にするな」
<0099> \{Tomoya}「Don't worry about this place.」

// <0100> \{智代}「また、電話する」
<0100> \{Tomoyo}「I'll call you later.」

// <0101> 智代が同じように、暗い部屋から出ていった。
<0101> Tomoyo left the apartment.

// <0102> 正直、ありがたかった。
<0102> In all honestly, I was somewhat glad that she had left.

// <0103> もともと、俺なんかが守るなんておこがましい話だ。
<0103> It was an impossible task for me to take care of Tomo.

// <0104> つい半年前まで、自分ひとりの面倒すら見られなかった。
<0104> After all, it wasn't until half a year ago that I was able to take care of myself.

// <0105> 智代とふたりで、幸せな生活を夢見て。
<0105> I had dreamt about living with Tomoyo.

// <0106> 努力すれば何でもできる、といい気になって。
<0106> Dreamt that that if I worked hard enough, anything is possible.

// <0107> 結果、俺に何ができたのだろうか?
<0107> In the end, what could I possibly do

// <0108> 挑戦し、失敗しただけ。
<0108> I tried and failed.

// <0109> \{朋也}「…はは」
<0109> \{Tomoya}「Ha... ha... haa...」

// <0110> 思い出したことに、つい笑ってしまった。
<0110> I laughed weakly and remembered something.

// <0111> いつだったか、智代を残しておいてくれた神様に感謝した覚えがある。
<0111> Some time ago, I had thanked god for allowing me to leave Tomoyo.

// <0112> 恨みを言うつもりはないが、ただ教えてほしかった。
<0112> If it was possible.

// <0113> 俺に何をさせたかったのかと。
<0113> I would have liked to know that god had wanted me to do with her.

// <0114> …寝よう。
<0114> I should sleep...

// <0115> ひとしきり笑ってから、寝返りを打って目を閉じた。
<0115> After laughing, I closed my eyes.

// <0116> そろそろ後悔にも飽きてきたから。
<0116> I'm starting to get tired of feeling guilty.

// <0117> \{主婦}「ちょっとごめんなさい、これ運んでくれるかしら?」
<0117> \{Housewife}「Excuese me, can you help me move this?」

// <0118> \{朋也}「はい、いいですよ」
<0118> \{Tomoya}「Yeah, sure.」

// <0119> 体は勝手に動いてくれる。
<0119> My body moved without any thought.

// <0120> 愛想もいつからかわからないが、表情が覚えていた。
<0120> My facial expression automatically changes to smile at the customer.

// <0121> \{朋也}「故障とかあったら、言ってください。これ、連絡先です」
<0121> \{Tomoya}「If there is a problem, please contact us. Here is our number.」

// <0122> 社会人としては、うまくいっているんじゃないか、と思う。
<0122> As an adult, I think that I'm doing okay, I think.

// <0123> もちろん智代の支えがあってこそ。
<0123> This is all because of Tomoyo's support.

// <0124> その智代の実家は…あの後どうなったか、それはもう考えない。
<0124> As for her family... I stopped thinking about it.

// <0125> 俺は、自分以外の誰の面倒も見られない。
<0125> I decided that I am only going to look after myself from now on.

// <0126> 智代を支えに、今日も生きていく。
<0126> To support Tomoyo, I am going to live my life.

Script Chart

June July August After Other
1st SEEN0701 SEEN0801 SEEN5000 SEEN7910
2nd SEEN0702 SEEN5001 SEEN7920
3rd SEEN0803 SEEN5002 SEEN7930
4th SEEN0804 SEEN5003 SEEN7940
6th SEEN0806 BAD END SEEN5004 SEEN7950
SEEN1806 SEEN5005
7th SEEN0707 SEEN0807 SEEN5006
8th SEEN0708 SEEN0808 SEEN5007
9th SEEN0709 SEEN0809 SEEN5010
10th SEEN0710 SEEN1710 SEEN0810 SEEN5011
11th SEEN0711 SEEN0811 SEEN1811 SEEN2811
12th SEEN0712 SEEN0812
13th SEEN0713 SEEN0813 SEEN1813 SEEN2813
14th SEEN0714 SEEN1714 SEEN0814 BAD END BAD END BAD END BAD END
SEEN1814 SEEN2814 SEEN3814 SEEN4814
15th SEEN0715 SEEN1715 SEEN0815
16th SEEN0716 SEEN1716 SEEN0816
17th SEEN0717 SEEN0817
18th SEEN0818
19th SEEN0819
20th BAD END SEEN0820
SEEN0720
21st SEEN0721 SEEN0821
22nd SEEN0722 SEEN0822
23rd SEEN0723 SEEN0823
24th SEEN0724
25th SEEN0725
26th SEEN0726
27th SEEN0727
28th SEEN0628 SEEN0728
29th SEEN0629 SEEN0729
30th SEEN0630
BAD END
SEEN0744