// Resources for SEEN1710.TXT
// #character '鷹文'
#character 'Takafumi'
// #character '朋也'
#character 'Tomoya'
// #character '智代'
#character 'Tomoyo'
// #character 'とも'
#character 'Tomo'
// <0000> 7月10日(土)
<0000> July 10th (Sat)
// <0001> 翌日は、ともがやってきてから初めての休日。
<0001> 翌日は、ともがやってきてから初めての休日。
// <0002> 昼ご飯を食べ終わると、俺と智代はともを連れて公園に遊びにでることにした。
<0002> 昼ご飯を食べ終わると、俺と智代はともを連れて公園に遊びにでることにした。
// <0003> 支度をしていると、狙ったように鷹文が現れる。
<0003> 支度をしていると、狙ったように鷹文が現れる。
// <0004> \{鷹文}「あ、出かけるんだ」
<0004> \{Takafumi}「あ、出かけるんだ」
// <0005> \{朋也}「ああ、公園まで。おまえも来るか?」
<0005> \{Tomoya}「ああ、公園まで。おまえも来るか?」
// <0006> \{鷹文}「いや、遠慮しとく」
<0006> \{Takafumi}「いや、遠慮しとく」
// <0007> \{鷹文}「あ、いない間にさ、ここにマシン持ってきていい?」
<0007> \{Takafumi}「あ、いない間にさ、ここにマシン持ってきていい?」
// <0008> \{朋也}「ましん? なんだよそれ」
<0008> \{Tomoya}「ましん? なんだよそれ」
// <0009> \{鷹文}「コンピューター」
<0009> \{Takafumi}「コンピューター」
// <0010> \{朋也}「なんで」
<0010> \{Tomoya}「なんで」
// <0011> \{鷹文}「インターネットしたいから」
<0011> \{Takafumi}「インターネットしたいから」
// <0012> \{朋也}「なんで」
<0012> \{Tomoya}「なんで」
// <0013> \{鷹文}「趣味」
<0013> \{Takafumi}「趣味」
// <0014> \{朋也}「自分の家でしろよ」
<0014> \{Tomoya}「自分の家でしろよ」
// <0015> \{鷹文}「うん、してたんだけどね」
<0015> \{Takafumi}「うん、してたんだけどね」
// <0016> \{鷹文}「勉強がおろそかになるって言って、家のマシンは封印されちゃったんだよ」
<0016> \{Takafumi}「勉強がおろそかになるって言って、家のマシンは封印されちゃったんだよ」
// <0017> \{鷹文}「だからこっちで。いいでしょ」
<0017> \{Takafumi}「だからこっちで。いいでしょ」
// <0018> \{朋也}「勉強がおろそかになる。やめとけ」
<0018> \{Tomoya}「勉強がおろそかになる。やめとけ」
// <0019> \{鷹文}「そんなみじんも考えてないこと言わないでよ」
<0019> \{Takafumi}「そんなみじんも考えてないこと言わないでよ」
// <0020> \{鷹文}「にぃちゃんも、ネットできるんだから好都合でしょ」
<0020> \{Takafumi}「にぃちゃんも、ネットできるんだから好都合でしょ」
// <0021> \{朋也}「別に興味ないし」
<0021> \{Tomoya}「別に興味ないし」
// <0022> \{鷹文}「ねぇちゃんはどう?」
<0022> \{Takafumi}「ねぇちゃんはどう?」
// <0023> 鷹文は体を回転させ、矛先を変える。
<0023> 鷹文は体を回転させ、矛先を変える。
// <0024> \{智代}「勉強がおろそかになる。やめておけ」
<0024> \{Tomoyo}「勉強がおろそかになる。やめておけ」
// <0025> \{鷹文}「うわぁ」
<0025> \{Takafumi}「うわぁ」
// <0026> \{智代}「私はそこの男と違って口先だけじゃない。真剣におまえのことを考えてだぞ、鷹文」
<0026> \{Tomoyo}「私はそこの男と違って口先だけじゃない。真剣におまえのことを考えてだぞ、鷹文」
// <0027> \{智代}「インターネットというものは、ハマッたら、毎日夜更かししてしまうものらしいじゃないか」
<0027> \{Tomoyo}「インターネットというものは、ハマッたら、毎日夜更かししてしまうものらしいじゃないか」
// <0028> \{智代}「心配だ」
<0028> \{Tomoyo}「心配だ」
// <0029> \{鷹文}「節度は守るって」
<0029> \{Takafumi}「節度は守るって」
// <0030> \{鷹文}「それに、この機会にねぇちゃんも触ってみるべきだよ」
<0030> \{Takafumi}「それに、この機会にねぇちゃんも触ってみるべきだよ」
// <0031> \{智代}「どうして」
<0031> \{Tomoyo}「どうして」
// <0032> \{鷹文}「なんでとか、どうしてとかが多いふたりだなあ」
<0032> \{Takafumi}「なんでとか、どうしてとかが多いふたりだなあ」
// <0033> \{鷹文}「それはさ、ねぇちゃんだったら、いろんな人の力になれるかもしれないから」
<0033> \{Takafumi}「それはさ、ねぇちゃんだったら、いろんな人の力になれるかもしれないから」
// <0034> \{智代}「ん? どういう意味だ」
<0034> \{Tomoyo}「ん? どういう意味だ」
// <0035> \{鷹文}「ネットは世界中のいろんな人と出会い、交流することができる」
<0035> \{Takafumi}「ネットは世界中のいろんな人と出会い、交流することができる」
// <0036> \{鷹文}「悩みを抱えてる人たちもたくさんいる」
<0036> \{Takafumi}「悩みを抱えてる人たちもたくさんいる」
// <0037> \{鷹文}「そういう人たちに、ねぇちゃんはアドバイスしてあげることができる」
<0037> \{Takafumi}「そういう人たちに、ねぇちゃんはアドバイスしてあげることができる」
// <0038> \{智代}「私はそんな、えらそうなことはしたくない」
<0038> \{Tomoyo}「私はそんな、えらそうなことはしたくない」
// <0039> \{鷹文}「ありゃ…」
<0039> \{Takafumi}「ありゃ…」
// <0040> \{智代}「でも…」
<0040> \{Tomoyo}「でも…」
// <0041> \{智代}「いろんな人たちと出会い、交流できる…それはなんだかいいものだな」
<0041> \{Tomoyo}「いろんな人たちと出会い、交流できる…それはなんだかいいものだな」
// <0042> \{鷹文}「やった、決定だね」
<0042> \{Takafumi}「やった、決定だね」
// <0043> \{智代}「こら、勝手に決定するな。部屋の持ち主にちゃんと承諾を得ろ」
<0043> \{Tomoyo}「こら、勝手に決定するな。部屋の持ち主にちゃんと承諾を得ろ」
// <0044> \{鷹文}「いいよね、にぃちゃん?」
<0044> \{Takafumi}「いいよね、にぃちゃん?」
// <0045> \{朋也}「………」
<0045> \{Tomoya}「………」
// <0046> いいと言うしかなかった。
<0046> いいと言うしかなかった。
// <0047> \{朋也}(でもなんだか、鷹文にまんまと陥れられた気分だな…)
<0047> \{Tomoya}(でもなんだか、鷹文にまんまと陥れられた気分だな…)
// <0048> \{朋也}(電話代とかどうなるんだろ…。すごく大変なんじゃないのか実は…)
<0048> \{Tomoya}(電話代とかどうなるんだろ…。すごく大変なんじゃないのか実は…)
// <0049> \{とも}「ぶらんこー」
<0049> \{Tomo}「ぶらんこー」
// <0050> 公園に着くと、ともがブランコに駆け寄っていった。
<0050> 公園に着くと、ともがブランコに駆け寄っていった。
// <0051> \{朋也}「気をつけるんだぞ」
<0051> \{Tomoya}「気をつけるんだぞ」
// <0052> \{智代}「大丈夫だ、私が一緒に乗ろう」
<0052> \{Tomoyo}「大丈夫だ、私が一緒に乗ろう」
// <0053> 智代がともを膝に乗せ、勢いよくブランコを揺り動かした。
<0053> 智代がともを膝に乗せ、勢いよくブランコを揺り動かした。
// <0054> 一回転しそうな高さまで上がる。
<0054> 一回転しそうな高さまで上がる。
// <0055> \{とも}「うわー、すごーい」
<0055> \{Tomo}「うわー、すごーい」
// <0056> ともは怖がりもせず、ぶんぶんと揺れるブランコに歓声を上げる。
<0056> ともは怖がりもせず、ぶんぶんと揺れるブランコに歓声を上げる。
// <0057> 俺はベンチに腰掛け、しばらく眺めていた。
<0057> 俺はベンチに腰掛け、しばらく眺めていた。
// <0058> その後は砂場で山を作り、トンネルを掘った。
<0058> その後は砂場で山を作り、トンネルを掘った。
// <0059> トンネル越しに手を繋ぐと、ともはとても喜んでいた。
<0059> トンネル越しに手を繋ぐと、ともはとても喜んでいた。
// <0060> 俺も智代も童心に返り、一緒になってはしゃいだ。
<0060> 俺も智代も童心に返り、一緒になってはしゃいだ。
// <0061> \{朋也}「ただいま」
<0061> \{Tomoya}「ただいま」
// <0062> 帰ってくると部屋の片隅をパソコンが占拠していた。
<0062> 帰ってくると部屋の片隅をパソコンが占拠していた。
// <0063> その前で鷹文がカタカタと軽快な音を立てている。
<0063> その前で鷹文がカタカタと軽快な音を立てている。
// <0064> 後ろから覗いてみても、何をしているのかは俺にはちんぷんかんぷんだった。
<0064> 後ろから覗いてみても、何をしているのかは俺にはちんぷんかんぷんだった。
// <0065> \{鷹文}「ああ、おかえり。楽しかった?」
<0065> \{Takafumi}「ああ、おかえり。楽しかった?」
// <0066> \{智代}「私たちは表で遊んで楽しかったが、おまえはまるで友達のいない暗い子のようだぞ」
<0066> \{Tomoyo}「私たちは表で遊んで楽しかったが、おまえはまるで友達のいない暗い子のようだぞ」
// <0067> \{鷹文}「十分ここから世界は開けてるし、いろんな人と繋がってるよ」
<0067> \{Takafumi}「十分ここから世界は開けてるし、いろんな人と繋がってるよ」
// <0068> \{鷹文}「まあ、ここにきて、見てみてよ」
<0068> \{Takafumi}「まあ、ここにきて、見てみてよ」
// <0069> 鷹文が立ち上がり、席を空けた。
<0069> 鷹文が立ち上がり、席を空けた。
// <0070> 智代は半信半疑のまま、そこに座る。
<0070> 智代は半信半疑のまま、そこに座る。
// <0071> \{智代}「よく見えない」
<0071> \{Tomoyo}「よく見えない」
// <0072> 自分の鞄から、眼鏡ケースを取り出し、眼鏡をかける。
<0072> 自分の鞄から、眼鏡ケースを取り出し、眼鏡をかける。
// <0073> 再びモニターに目を向ける。
<0073> 再びモニターに目を向ける。
// <0074> そのまましばらく黙り込む。
<0074> そのまましばらく黙り込む。
// <0075> 夢中になって読みふけっているのだ。
<0075> 夢中になって読みふけっているのだ。
// <0076> そんなに興味深いことが書いてあるのだろうか。
<0076> そんなに興味深いことが書いてあるのだろうか。
// <0077> \{智代}「いや、それは違う」
<0077> \{Tomoyo}「いや、それは違う」
// <0078> \{智代}「それは間違ったことだ。周りの人間のことを考えていない」
<0078> \{Tomoyo}「それは間違ったことだ。周りの人間のことを考えていない」
// <0079> 画面の中の人と話を始めた。
<0079> 画面の中の人と話を始めた。
// <0080> \{鷹文}「だったら、そう書き込んであげたら?」
<0080> \{Takafumi}「だったら、そう書き込んであげたら?」
// <0081> \{智代}「書き込む? このつるっつるの画面にか」
<0081> \{Tomoyo}「書き込む? このつるっつるの画面にか」
// <0082> \{鷹文}「いや、キーボードで」
<0082> \{Takafumi}「いや、キーボードで」
// <0083> 鷹文がその扱い方を手取り足取り、教え始める。
<0083> 鷹文がその扱い方を手取り足取り、教え始める。
// <0084> 智代はキーボードと、モニターを交互に見ながら、たどたどしくキーを叩く。
<0084> 智代はキーボードと、モニターを交互に見ながら、たどたどしくキーを叩く。
// <0085> 俺はそっと背後に立って、画面を覗き込んでみる。
<0085> 俺はそっと背後に立って、画面を覗き込んでみる。
// <0086> そこには…
<0086> そこには…
// <0087> \ そのkしについて
<0087> \ そのkしについて
// <0088> \ gぽおえky
<0088> \ gぽおえky
// <0089> \ おlきかせください
<0089> \ おlきかせください
// <0090> \{智代}「…どうだっ」
<0090> \{Tomoyo}「…どうだっ」
// <0091> \{智代}「ぽおえ? ぽおえとはなんだ?」
<0091> \{Tomoyo}「ぽおえ? ぽおえとはなんだ?」
// <0092> \{鷹文}「単なるタイプミスだから」
<0092> \{Takafumi}「単なるタイプミスだから」
// <0093> 慌てて、打ち直す。その動きもぎこちない。
<0093> 慌てて、打ち直す。その動きもぎこちない。
// <0094> なんでもできるようでいて、実は結構不器用なところが可愛らしい。
<0094> なんでもできるようでいて、実は結構不器用なところが可愛らしい。
// <0095> \{鷹文}「で、エンターキー」
<0095> \{Takafumi}「で、エンターキー」
// <0096> \{智代}「これでいいのか」
<0096> \{Tomoyo}「これでいいのか」
// <0097> \{鷹文}「うん。後は放っておけば返事がついてるよ」
<0097> \{Takafumi}「うん。後は放っておけば返事がついてるよ」
// <0098> \{智代}「ふぅ…」
<0098> \{Tomoyo}「ふぅ…」
// <0099> 眼鏡をはずし、伸びをする。
<0099> 眼鏡をはずし、伸びをする。
// <0100> \{朋也}「おまえのほうがはまって、勉強がおろそかになりそうだな」
<0100> \{Tomoya}「おまえのほうがはまって、勉強がおろそかになりそうだな」
// <0101> \{智代}「うん、まあ、初めてだから、最初のうちは夢中になってしまうな。これはやっかいだ」
<0101> \{Tomoyo}「うん、まあ、初めてだから、最初のうちは夢中になってしまうな。これはやっかいだ」
// <0102> 夕食の時間になり、智代が支度を始めると、ともが手伝った。
<0102> 夕食の時間になり、智代が支度を始めると、ともが手伝った。
// <0103> 小さくいびつな形になったけど、ひとつずつ真剣な顔でコロッケを丸める。
<0103> 小さくいびつな形になったけど、ひとつずつ真剣な顔でコロッケを丸める。
// <0104> 食事中、フォークに刺したミニコロッケをあーんと、食べさせてもらった。
<0104> 食事中、フォークに刺したミニコロッケをあーんと、食べさせてもらった。
// <0105> おいしかった。
<0105> おいしかった。
// <0106> 食後は、バラエティー番組を見て、皆で楽しく時間を過ごす。
<0106> 食後は、バラエティー番組を見て、皆で楽しく時間を過ごす。
// <0107> \{鷹文}「じゃ、帰るね」
<0107> \{Takafumi}「じゃ、帰るね」
// <0108> パソコンの電源を落として、鷹文が立ち上がる。
<0108> パソコンの電源を落として、鷹文が立ち上がる。
// <0109> そろそろともも寝ないといけない時間だった。
<0109> そろそろともも寝ないといけない時間だった。
// <0110> 鷹文がいなくなると、ともをお風呂に入れてもらい、寝る準備を始めた。
<0110> 鷹文がいなくなると、ともをお風呂に入れてもらい、寝る準備を始めた。
// <0111> \{朋也}「おやすみ」
<0111> \{Tomoya}「おやすみ」
// <0112> \{智代}「うん、おやすみ」
<0112> \{Tomoyo}「うん、おやすみ」
// <0113> 今日という日が終わる。
<0113> 今日という日が終わる。