// Resources for SEEN0712.TXT
// #character '声'
#character 'Voice'
// #character 'とも'
#character 'Tomo'
// #character '朋也'
#character 'Tomoya'
// #character '智代'
#character 'Tomoyo'
// #character '鷹文'
#character 'Takafumi'
// #character '主婦'
#character 'Housewife'
// <0000> 7月12日(月)
<0000> July 12th (Mon)
// <0001> \{声}「パパーーっ!」
<0001> \{Voice}「パパーーっ!」
// <0002> 外から声がする騒々しい朝。
<0002> 外から声がする騒々しい朝。
// <0003> 時計を見るがまだ起きるには早い。
<0003> 時計を見るがまだ起きるには早い。
// <0004> この時間は智代がともの弁当を作っているはずだが。
<0004> この時間は智代がともの弁当を作っているはずだが。
// <0005> \{とも}「パパーー!」
<0005> \{Tomo}「パパーー!」
// <0006> 戸口から呼ぶともの声に、俺は渋々布団を抜け出る。
<0006> 戸口から呼ぶともの声に、俺は渋々布団を抜け出る。
// <0007> 外に出ると、すぐドアの隣、壁に上体を預けた格好で見知らぬ若い男が倒れていた。
<0007> 外に出ると、すぐドアの隣、壁に上体を預けた格好で見知らぬ若い男が倒れていた。
// <0008> \{朋也}「なんだこいつ、酔っぱらいが家でも間違えたのか?」
<0008> \{Tomoya}「なんだこいつ、酔っぱらいが家でも間違えたのか?」
// <0009> \{智代}「よく見ろ、朋也」
<0009> \{Tomoyo}「よく見ろ、朋也」
// <0010> \{朋也}「なにを」
<0010> \{Tomoya}「なにを」
// <0011> 智代の真剣な眼差し。
<0011> 智代の真剣な眼差し。
// <0012> 俺はそれに応えるように、男の顔をじっと見る。
<0012> 俺はそれに応えるように、男の顔をじっと見る。
// <0013> 金色に染められた毛、グラサン、はだけた胸元…
<0013> 金色に染められた毛、グラサン、はだけた胸元…
// <0014> 見るからに軟派な感じだ。
<0014> 見るからに軟派な感じだ。
// <0015> \{智代}「もしわからなければ、おまえは相当、薄情な男、ということになるぞ」
<0015> \{Tomoyo}「もしわからなければ、おまえは相当、薄情な男、ということになるぞ」
// <0016> \{朋也}「なんで?」
<0016> \{Tomoya}「なんで?」
// <0017> 智代が男のグラサンに手を伸ばし、それを取ってみせる。
<0017> 智代が男のグラサンに手を伸ばし、それを取ってみせる。
// <0018> それでようやく俺も気づく。
<0018> それでようやく俺も気づく。
// <0019> \{朋也}「た…鷹文」
<0019> \{Tomoya}「た…鷹文」
// <0020> 鷹文は俺が寝ていた布団に横たえられる。
<0020> 鷹文は俺が寝ていた布団に横たえられる。
// <0021> \{とも}「おにぃちゃん、どうしたのかなー」
<0021> \{Tomo}「おにぃちゃん、どうしたのかなー」
// <0022> ともも心配そうに覗き込む。
<0022> ともも心配そうに覗き込む。
// <0023> \{智代}「どうせ、また質の悪い悪戯だろう」
<0023> \{Tomoyo}「どうせ、また質の悪い悪戯だろう」
// <0024> \{智代}「おい、起きろ、鷹文。水を入れてきてやったぞ」
<0024> \{Tomoyo}「おい、起きろ、鷹文。水を入れてきてやったぞ」
// <0025> 枕元に跪き、その頬をぺちぺちと叩く。
<0025> 枕元に跪き、その頬をぺちぺちと叩く。
// <0026> \{鷹文}「う…」
<0026> \{Takafumi}「う…」
// <0027> うめき声。
<0027> うめき声。
// <0028> 目を覚ます。
<0028> 目を覚ます。
// <0029> しばらく目を動かして、俺たちの顔を確認した後、ようやく上体を起こす。
<0029> しばらく目を動かして、俺たちの顔を確認した後、ようやく上体を起こす。
// <0030> \{智代}「大丈夫か、ほら、水だ」
<0030> \{Tomoyo}「大丈夫か、ほら、水だ」
// <0031> \{鷹文}「………」
<0031> \{Takafumi}「………」
// <0032> そちらに目を向ける。
<0032> そちらに目を向ける。
// <0033> 奪い取るようにそれを受け取ると、一気に喉に流し込んだ。
<0033> 奪い取るようにそれを受け取ると、一気に喉に流し込んだ。
// <0034> そして、空になったグラスを智代に差し出す。
<0034> そして、空になったグラスを智代に差し出す。
// <0035> \{鷹文}「サンキュ」
<0035> \{Takafumi}「サンキュ」
// <0036> インパクトがある絵だなあ…。
<0036> インパクトがある絵だなあ…。
// <0037> \{鷹文}「ちょっとばかし人生を急ぎすぎたようだ。休ませてもらうよ」
<0037> \{Takafumi}「ちょっとばかし人生を急ぎすぎたようだ。休ませてもらうよ」
// <0038> \{智代}「………」
<0038> \{Tomoyo}「………」
// <0039> 一体どういうつもりなのか。智代と俺はお互い顔を見合わせることしかできない。
<0039> 一体どういうつもりなのか。智代と俺はお互い顔を見合わせることしかできない。
// <0040> \{とも}「おにぃちゃん、なにかあったのー?」
<0040> \{Tomo}「おにぃちゃん、なにかあったのー?」
// <0041> ともが無邪気に訊く。
<0041> ともが無邪気に訊く。
// <0042> \{鷹文}「ハロー、とも」
<0042> \{Takafumi}「ハロー、とも」
// <0043> その髪を撫でる。
<0043> その髪を撫でる。
// <0044> \{鷹文}「ともは可愛いね。無邪気なまんまだ」
<0044> \{Takafumi}「ともは可愛いね。無邪気なまんまだ」
// <0045> \{鷹文}「僕は好きだよ」
<0045> \{Takafumi}「僕は好きだよ」
// <0046> \{とも}「とももすき」
<0046> \{Tomo}「とももすき」
// <0047> \{鷹文}「じゃあ、両思いだ」
<0047> \{Takafumi}「じゃあ、両思いだ」
// <0048> 言って、わっしと両腕で抱きしめる。
<0048> 言って、わっしと両腕で抱きしめる。
// <0049> \{智代}「こら、鷹文」
<0049> \{Tomoyo}「こら、鷹文」
// <0050> \{鷹文}「ねぇちゃん」
<0050> \{Takafumi}「ねぇちゃん」
// <0051> \{鷹文}「人はいつまでも無垢のままいられないんだよ」
<0051> \{Takafumi}「人はいつまでも無垢のままいられないんだよ」
// <0052> \{鷹文}「いつか人は大いなる悲しみを知る」
<0052> \{Takafumi}「いつか人は大いなる悲しみを知る」
// <0053> \{鷹文}「それは人が生まれてきた時に運命づけられていることなんだ」
<0053> \{Takafumi}「それは人が生まれてきた時に運命づけられていることなんだ」
// <0054> \{鷹文}「でもそれを乗り越えていけるだけの力が人にはある」
<0054> \{Takafumi}「でもそれを乗り越えていけるだけの力が人にはある」
// <0055> \{鷹文}「そこから悲しみとの融和が始まるんだ」
<0055> \{Takafumi}「そこから悲しみとの融和が始まるんだ」
// <0056> \{鷹文}「人が人らしく人であるために」
<0056> \{Takafumi}「人が人らしく人であるために」
// <0057> \{鷹文}「僕も、もう無垢ではなくなってしまったから…」
<0057> \{Takafumi}「僕も、もう無垢ではなくなってしまったから…」
// <0058> \{鷹文}「だから無邪気なままのともがこんなにも愛おしい」
<0058> \{Takafumi}「だから無邪気なままのともがこんなにも愛おしい」
// <0059> \{鷹文}「この世の摂理とはこんなにも尊く、悲しいんだね」
<0059> \{Takafumi}「この世の摂理とはこんなにも尊く、悲しいんだね」
// <0060> \{朋也}「………」
<0060> \{Tomoya}「………」
// <0061> \{朋也}「…要約するとロリコンになったってことだが」
<0061> \{Tomoya}「…要約するとロリコンになったってことだが」
// <0062> \{智代}「鷹文、そうなのか…?」
<0062> \{Tomoyo}「鷹文、そうなのか…?」
// <0063> \{鷹文}「違うよっ」
<0063> \{Takafumi}「違うよっ」
// <0064> \{鷹文}「みんなにもわかる日がくるさ」
<0064> \{Takafumi}「みんなにもわかる日がくるさ」
// <0065> \{鷹文}「じゃあ、僕は一度帰るよ」
<0065> \{Takafumi}「じゃあ、僕は一度帰るよ」
// <0066> そう言って起きあがる。
<0066> そう言って起きあがる。
// <0067> \{朋也}「生まれ変わったおまえを両親も温かく迎えてくれるだろうよ」
<0067> \{Tomoya}「生まれ変わったおまえを両親も温かく迎えてくれるだろうよ」
// <0068> \{鷹文}「楽しみだね」
<0068> \{Takafumi}「楽しみだね」
// <0069> 爽やかな笑みを残して、部屋を出ていく。
<0069> 爽やかな笑みを残して、部屋を出ていく。
// <0070> \{智代}「朋也、なんなんだ、あれは」
<0070> \{Tomoyo}「朋也、なんなんだ、あれは」
// <0071> \{朋也}「おまえがキスしたからだろ」
<0071> \{Tomoya}「おまえがキスしたからだろ」
// <0072> \{智代}「あれは冗談だぞ?」
<0072> \{Tomoyo}「あれは冗談だぞ?」
// <0073> \{朋也}「だとしても実の姉となればいろいろ考えるところがあるんだろ」
<0073> \{Tomoya}「だとしても実の姉となればいろいろ考えるところがあるんだろ」
// <0074> \{智代}「それでどうして、ああなるんだ」
<0074> \{Tomoyo}「それでどうして、ああなるんだ」
// <0075> \{朋也}「ほら、夏休みが終わったら、いきなり垢抜けてる奴が学校でも何人かいるだろ?」
<0075> \{Tomoya}「ほら、夏休みが終わったら、いきなり垢抜けてる奴が学校でも何人かいるだろ?」
// <0076> \{朋也}「それをあいつは一日でやり遂げたんだ。おまえのキスをきっかけにして」
<0076> \{Tomoya}「それをあいつは一日でやり遂げたんだ。おまえのキスをきっかけにして」
// <0077> \{智代}「質の悪いいやがらせとしか思えないぞ…」
<0077> \{Tomoyo}「質の悪いいやがらせとしか思えないぞ…」
// <0078> \{智代}「まあ、キスしたことは後で謝っておこう」
<0078> \{Tomoyo}「まあ、キスしたことは後で謝っておこう」
// <0079> \{声}「ただいま」
<0079> \{Voice}「ただいま」
// <0080> 鷹文の声。
<0080> 鷹文の声。
// <0081> \{鷹文}「………」
<0081> \{Takafumi}「………」
// <0082> \{朋也}「更生すんの早っ」
<0082> \{Tomoya}「更生すんの早っ」
// <0083> \{鷹文}「父さんに見つかったら、速攻で元の色に染められたよ…」
<0083> \{Takafumi}「父さんに見つかったら、速攻で元の色に染められたよ…」
// <0084> \{鷹文}「しかも無断外泊で怒られるし」
<0084> \{Takafumi}「しかも無断外泊で怒られるし」
// <0085> \{朋也}「悲しみとの融和とか世の摂理とかはどうなったんだよ…」
<0085> \{Tomoya}「悲しみとの融和とか世の摂理とかはどうなったんだよ…」
// <0086> とものことがあったから、どんな父親かと思ったら、結構まともな人のようだった。
<0086> とものことがあったから、どんな父親かと思ったら、結構まともな人のようだった。
// <0087> 鷹文の事故を経て、今では家族をなにより大事にする人間に変わったのかもしれない。
<0087> 鷹文の事故を経て、今では家族をなにより大事にする人間に変わったのかもしれない。
// <0088> 少しだけ、今なら、ともの存在が受け入れられるのでは…と考えた。
<0088> 少しだけ、今なら、ともの存在が受け入れられるのでは…と考えた。
// <0089> でも本当に少しだけだ。すぐ打ち消した。
<0089> でも本当に少しだけだ。すぐ打ち消した。
// <0090> こうして今俺たちは家族のようにうまくやっている。
<0090> こうして今俺たちは家族のようにうまくやっている。
// <0091> だったらいいじゃないかと思えた。
<0091> だったらいいじゃないかと思えた。
// <0092> \{鷹文}「ねぇちゃんだけ卑怯だよ」
<0092> \{Takafumi}「ねぇちゃんだけ卑怯だよ」
// <0093> \{智代}「私はちゃんと許可をとっている」
<0093> \{Tomoyo}「私はちゃんと許可をとっている」
// <0094> \{智代}「それに私の昔のことがある」
<0094> \{Tomoyo}「それに私の昔のことがある」
// <0095> \{智代}「おまえには真っ直ぐ育ってほしいんだろう」
<0095> \{Tomoyo}「おまえには真っ直ぐ育ってほしいんだろう」
// <0096> \{鷹文}「なんだか、それ不公平な気がするなあ」
<0096> \{Takafumi}「なんだか、それ不公平な気がするなあ」
// <0097> 智代が不公平なもんか、と答えながら窓を開け放つ。
<0097> 智代が不公平なもんか、と答えながら窓を開け放つ。
// <0098> 切り取ったかのような青空が広がる。
<0098> 切り取ったかのような青空が広がる。
// <0099> \{とも}「わぁー」
<0099> \{Tomo}「わぁー」
// <0100> ともが窓辺まで駆け寄っていって、身を乗り出す。
<0100> ともが窓辺まで駆け寄っていって、身を乗り出す。
// <0101> \{とも}「あおーーーい」
<0101> \{Tomo}「あおーーーい」
// <0102> 窓の向こうには、素晴らしい夏空が広がっていた。
<0102> 窓の向こうには、素晴らしい夏空が広がっていた。
// <0103> \{鷹文}「あーいい風だね」
<0103> \{Takafumi}「あーいい風だね」
// <0104> \{朋也}「おまえ、なんか臭うぞ…」
<0104> \{Tomoya}「おまえ、なんか臭うぞ…」
// <0105> \{鷹文}「毛染めの匂いだよ」
<0105> \{Takafumi}「毛染めの匂いだよ」
// <0106> 涼しい風が吹き込んでくるので、自然と皆が集まる。
<0106> 涼しい風が吹き込んでくるので、自然と皆が集まる。
// <0107> \{智代}「すっかり夏だな」
<0107> \{Tomoyo}「すっかり夏だな」
// <0108> 遠くで子供たちの賑やかな声がした。
<0108> 遠くで子供たちの賑やかな声がした。
// <0109> それは近づいてきて、やがて遠ざかっていった。
<0109> それは近づいてきて、やがて遠ざかっていった。
// <0110> その間、皆、耳を澄ませていた。
<0110> その間、皆、耳を澄ませていた。
// <0111> \{とも}「もうすぐ、なつやすみだよー」
<0111> \{Tomo}「もうすぐ、なつやすみだよー」
// <0112> \{智代}「そうだな…」
<0112> \{Tomoyo}「そうだな…」
// <0113> \{智代}「もうすぐ夏休みが始まる」
<0113> \{Tomoyo}「もうすぐ夏休みが始まる」
// <0114> 今年はこの面子で夏を過ごすのか。
<0114> 今年はこの面子で夏を過ごすのか。
// <0115> それはなんだか楽しそうに思えた。
<0115> それはなんだか楽しそうに思えた。
// <0116> 隣を見る。智代と目が合う。
<0116> 隣を見る。智代と目が合う。
// <0117> ふたりして、ふふと笑う。
<0117> ふたりして、ふふと笑う。
// <0118> 同じことを考えていたようだ。
<0118> 同じことを考えていたようだ。
// <0119> \{朋也}「…暑い」
<0119> \{Tomoya}「…暑い」
// <0120> 外回りの途中。
<0120> 外回りの途中。
// <0121> 運転席は地獄のように暑い。
<0121> 運転席は地獄のように暑い。
// <0122> いつ呼び止められるかわからないため窓を開けている。
<0122> いつ呼び止められるかわからないため窓を開けている。
// <0123> そのため、エアコンはかけても意味がなかった。
<0123> そのため、エアコンはかけても意味がなかった。
// <0124> 窓からはぬるい風が入ってくるが、自転車並みのスピードではこれも意味がない。
<0124> 窓からはぬるい風が入ってくるが、自転車並みのスピードではこれも意味がない。
// <0125> \{朋也}「ふぬっっ!」
<0125> \{Tomoya}「ふぬっっ!」
// <0126> 廃品を運び出す。
<0126> 廃品を運び出す。
// <0127> じっとりと汗が背中から噴き出すのがわかった。
<0127> じっとりと汗が背中から噴き出すのがわかった。
// <0128> 倒産した会社の倉庫の不要品処理を頼まれて来たのだが、とにかく量が多い。
<0128> 倒産した会社の倉庫の不要品処理を頼まれて来たのだが、とにかく量が多い。
// <0129> 俺は考えるのを止め、荷台と倉庫の往復を繰り返した。
<0129> 俺は考えるのを止め、荷台と倉庫の往復を繰り返した。
// <0130> 以前ならすぐにへたりこんでいそうな仕事も、今はそれほどつらくない。
<0130> 以前ならすぐにへたりこんでいそうな仕事も、今はそれほどつらくない。
// <0131> \{主婦}「暑い中、精が出るわね」
<0131> \{Housewife}「暑い中、精が出るわね」
// <0132> \{朋也}「あ、ども」
<0132> \{Tomoya}「あ、ども」
// <0133> 帰りがけ、粗大ゴミ収集の呼びかけをしていると、顔見知りの主婦に挨拶された。
<0133> 帰りがけ、粗大ゴミ収集の呼びかけをしていると、顔見知りの主婦に挨拶された。
// <0134> 二三、ドアの窓越しに会話を交わす。
<0134> 二三、ドアの窓越しに会話を交わす。
// <0135> それでは、と別れの挨拶をしたところで、主婦は思い出したように付け加えた。
<0135> それでは、と別れの挨拶をしたところで、主婦は思い出したように付け加えた。
// <0136> \{主婦}「そういや、確かお隣がスクーターを買い換えたから処分したいって言ってたわよ」
<0136> \{Housewife}「そういや、確かお隣がスクーターを買い換えたから処分したいって言ってたわよ」
// <0137> \{朋也}「ああ、それならうちでやりますよ」
<0137> \{Tomoya}「ああ、それならうちでやりますよ」
// <0138> \{主婦}「なら、ちょっと待ってて。聞いてあげるわ」
<0138> \{Housewife}「なら、ちょっと待ってて。聞いてあげるわ」
// <0139> そんなふうに世間話の中から、仕事が見つかっていくことも増えた。
<0139> そんなふうに世間話の中から、仕事が見つかっていくことも増えた。
// <0140> 修理もわからないことが少しずつ減っていった。
<0140> 修理もわからないことが少しずつ減っていった。
// <0141> 精度も、スピードも上がっていった。
<0141> 精度も、スピードも上がっていった。
// <0142> 親方から、新しい仕事を覚えてもいいな、と言われた。
<0142> 親方から、新しい仕事を覚えてもいいな、と言われた。
// <0143> ガス溶接やフォークリフト、クレーンなど、あると便利といわれ、免許取得のために勉強も始めた。
<0143> ガス溶接やフォークリフト、クレーンなど、あると便利といわれ、免許取得のために勉強も始めた。
// <0144> 以前にもまして仕事に没頭する毎日が続く。
<0144> 以前にもまして仕事に没頭する毎日が続く。
// <0145> 気づけば、梅雨明けの快晴に入道雲が広がっていた。
<0145> 気づけば、梅雨明けの快晴に入道雲が広がっていた。