// Resources for SEEN0722.TXT
// #character '親方'
#character 'Master'
// #character '朋也'
#character 'Tomoya'
// #character '河南子'
#character 'Kanako'
// #character '智代'
#character 'Tomoyo'
// #character '鷹文'
#character 'Takafumi'
// #character 'とも'
#character 'Tomo'
// <0000> 7月22日(木)
<0000> July 22nd (Thu)
// <0001> \{親方}「これ、捨てといてくれ」
<0001> \{Master}「これ、捨てといてくれ」
// <0002> ケースには乱雑に詰まった粗大ゴミがある。
<0002> ケースには乱雑に詰まった粗大ゴミがある。
// <0003> 俺は敷地の一角にある不要品置き場へと持っていった。
<0003> 俺は敷地の一角にある不要品置き場へと持っていった。
// <0004> ケースを逆さにし、不要品を山へ積むと、白いパソコンの本体とキーボードが出てきた。
<0004> ケースを逆さにし、不要品を山へ積むと、白いパソコンの本体とキーボードが出てきた。
// <0005> しばらく見つめてから、事務所へと戻る。
<0005> しばらく見つめてから、事務所へと戻る。
// <0006> \{朋也}「あのパソコン、いらないんですよね?」
<0006> \{Tomoya}「あのパソコン、いらないんですよね?」
// <0007> \{親方}「ああ、パーツ取りした後だからな」
<0007> \{Master}「ああ、パーツ取りした後だからな」
// <0008> \{朋也}「もらってもいいですか?」
<0008> \{Tomoya}「もらってもいいですか?」
// <0009> \{親方}「…そりゃ構わんが、使えんぞ?」
<0009> \{Master}「…そりゃ構わんが、使えんぞ?」
// <0010> \{朋也}「キーボードだけなんで」
<0010> \{Tomoya}「キーボードだけなんで」
// <0011> \{親方}「いいが、そっちも駄目だった…」
<0011> \{Master}「いいが、そっちも駄目だった…」
// <0012> 親方の話が終わる前に、俺は不要品置き場に駆け出した。
<0012> 親方の話が終わる前に、俺は不要品置き場に駆け出した。
// <0013> \{河南子}「あのさぁ、先輩」
<0013> \{Kanako}「あのさぁ、先輩」
// <0014> \{智代}「うん?」
<0014> \{Tomoyo}「うん?」
// <0015> \{河南子}「あんたの彼氏、やばいっすよ」
<0015> \{Kanako}「あんたの彼氏、やばいっすよ」
// <0016> \{智代}「なにがだ?」
<0016> \{Tomoyo}「なにがだ?」
// <0017> \{河南子}「教えてあげなきゃ。そのキーボード、何にも繋がってませんよって」
<0017> \{Kanako}「教えてあげなきゃ。そのキーボード、何にも繋がってませんよって」
// <0018> \{智代}「いや、ああして練習してるんだ」
<0018> \{Tomoyo}「いや、ああして練習してるんだ」
// <0019> \{河南子}「練習って、パソコンの?」
<0019> \{Kanako}「練習って、パソコンの?」
// <0020> \{智代}「うん」
<0020> \{Tomoyo}「うん」
// <0021> \{河南子}「ふぅん…そんなもんに興味なさそうだったのに」
<0021> \{Kanako}「ふぅん…そんなもんに興味なさそうだったのに」
// <0022> …興味ねぇよ。
<0022> …興味ねぇよ。
// <0023> 俺は心の中で愚痴る。
<0023> 俺は心の中で愚痴る。
// <0024> 喧嘩だって、パソコンだって。
<0024> 喧嘩だって、パソコンだって。
// <0025> こんな遠回りな努力が実るのか。
<0025> こんな遠回りな努力が実るのか。
// <0026> \{朋也}(あー、考えるな。考えると、やる気がなくなる)
<0026> \{Tomoya}(あー、考えるな。考えると、やる気がなくなる)
// <0027> 今は鷹文に勝つことだけを考えよう。
<0027> 今は鷹文に勝つことだけを考えよう。
// <0028> \{鷹文}「惜しかったね」
<0028> \{Takafumi}「惜しかったね」
// <0029> 再戦を挑んだが、また敗北。
<0029> 再戦を挑んだが、また敗北。
// <0030> \{鷹文}「そんなにがんばって、いったい僕に何させたいのさ」
<0030> \{Takafumi}「そんなにがんばって、いったい僕に何させたいのさ」
// <0031> \{朋也}「負けた時に教えてやる…」
<0031> \{Tomoya}「負けた時に教えてやる…」
// <0032> \{鷹文}「なんかコワイよ…」
<0032> \{Takafumi}「なんかコワイよ…」
// <0033> \{鷹文}「再戦する気力が起きなくなるぐらいの罰ゲームにしようっと…」
<0033> \{Takafumi}「再戦する気力が起きなくなるぐらいの罰ゲームにしようっと…」
// <0034> \{朋也}「どんなだよ…」
<0034> \{Tomoya}「どんなだよ…」
// <0035> \{鷹文}「ほら、前に僕がやったのさ、恐かったから、にぃちゃんも試してみてよ」
<0035> \{Takafumi}「ほら、前に僕がやったのさ、恐かったから、にぃちゃんも試してみてよ」
// <0036> \{朋也}「なんだよ」
<0036> \{Tomoya}「なんだよ」
// <0037> \{鷹文}「ねぇちゃんの前で、ともを人質にとるやつだよ」
<0037> \{Takafumi}「ねぇちゃんの前で、ともを人質にとるやつだよ」
// <0038> \{鷹文}「同じだとすぐばれるかもしれないから、もっと見た目にインパクトがほしいねぇ」
<0038> \{Takafumi}「同じだとすぐばれるかもしれないから、もっと見た目にインパクトがほしいねぇ」
// <0039> \{鷹文}「そうだ、上半身裸でよろしく」
<0039> \{Takafumi}「そうだ、上半身裸でよろしく」
// <0040> 台所では、智代が晩ご飯の支度をしている。
<0040> 台所では、智代が晩ご飯の支度をしている。
// <0041> ともはいつものように、その足下に座り込んでいる。
<0041> ともはいつものように、その足下に座り込んでいる。
// <0042> 俺は押し入れの中に潜り込んで、そこでシャツを脱ぎ、用意してあった紙袋を頭からかぶる。
<0042> 俺は押し入れの中に潜り込んで、そこでシャツを脱ぎ、用意してあった紙袋を頭からかぶる。
// <0043> 変装を終え、押し入れから這い出る。
<0043> 変装を終え、押し入れから這い出る。
// <0044> \{河南子}「うおおっ、なんだ、おまえっ」
<0044> \{Kanako}「うおおっ、なんだ、おまえっ」
// <0045> 河南子が引いているが、放っておく。
<0045> 河南子が引いているが、放っておく。
// <0046> そのまま台所へ。
<0046> そのまま台所へ。
// <0047> 膝を折り、ともの首に腕を回した。
<0047> 膝を折り、ともの首に腕を回した。
// <0048> \{とも}「わあ」
<0048> \{Tomo}「わあ」
// <0049> ともが悲鳴をあげる。
<0049> ともが悲鳴をあげる。
// <0050> \{智代}「どうした、とも?」
<0050> \{Tomoyo}「どうした、とも?」
// <0051> \{朋也}「動くなあっ! 一歩でも動いたら」
<0051> \{Tomoya}「動くなあっ! 一歩でも動いたら」
// <0052> 空を切って唸りをあげる智代の右足。
<0052> 空を切って唸りをあげる智代の右足。
// <0053> シュッ!
<0053> シュッ!
// <0054> かわした!
<0054> かわした!
// <0055> 翻ってすぐさま次の蹴りが。
<0055> 翻ってすぐさま次の蹴りが。
// <0056> シュッ!
<0056> シュッ!
// <0057> またかわした!
<0057> またかわした!
// <0058> \{朋也}(…これは、河南子との特訓の成果か!)
<0058> \{Tomoya}(…これは、河南子との特訓の成果か!)
// <0059> シュッ!
<0059> シュッ!
// <0060> 見える!
<0060> 見える!
// <0061> シュッ!
<0061> シュッ!
// <0062> 見えるぞ、智代の蹴りが!
<0062> 見えるぞ、智代の蹴りが!
// <0063> シュッ!
<0063> シュッ!
// <0064> どんなもんだ!
<0064> どんなもんだ!
// <0065> ガスッ!
<0065> ガスッ!
// <0066> \{朋也}「うおお…」
<0066> \{Tomoya}「うおお…」
// <0067> 背後から首を蹴られて、その場にうずくまる。
<0067> 背後から首を蹴られて、その場にうずくまる。
// <0068> \{河南子}「河南が成敗しました、うす」
<0068> \{Kanako}「河南が成敗しました、うす」
// <0069> \{河南子}「さらにボコッときましょう」
<0069> \{Kanako}「さらにボコッときましょう」
// <0070> 両腕を取られ、タップもできない。
<0070> 両腕を取られ、タップもできない。
// <0071> \{鷹文}「あー、やめてあげて、にぃちゃんだから」
<0071> \{Takafumi}「あー、やめてあげて、にぃちゃんだから」
// <0072> \{智代}「え?」
<0072> \{Tomoyo}「え?」
// <0073> \{河南子}「いや、わかってたけどさ」
<0073> \{Kanako}「いや、わかってたけどさ」
// <0074> \{朋也}「じゃ、手加減しろよっ」
<0074> \{Tomoya}「じゃ、手加減しろよっ」
// <0075> 紙袋をとって、河南子に怒鳴る。
<0075> 紙袋をとって、河南子に怒鳴る。
// <0076> \{河南子}「いや、ボコられたいのかと」
<0076> \{Kanako}「いや、ボコられたいのかと」
// <0077> \{朋也}「ちょっとした悪ふざけだよ」
<0077> \{Tomoya}「ちょっとした悪ふざけだよ」
// <0078> \{智代}「ふぅ…」
<0078> \{Tomoyo}「ふぅ…」
// <0079> \{智代}「朋也は昔からそういう悪い冗談が好きだな…」
<0079> \{Tomoyo}「朋也は昔からそういう悪い冗談が好きだな…」
// <0080> \{智代}「よしてくれ」
<0080> \{Tomoyo}「よしてくれ」
// <0081> 心底呆れたように、ため息をつかれた。
<0081> 心底呆れたように、ため息をつかれた。
// <0082> ぽん、と肩を叩かれる。振り返ると鷹文の顔。
<0082> ぽん、と肩を叩かれる。振り返ると鷹文の顔。
// <0083> \{鷹文}「…こりた?」
<0083> \{Takafumi}「…こりた?」
// <0084> \{朋也}「うおおぉぉーーっ!」
<0084> \{Tomoya}「うおおぉぉーーっ!」
// <0085> 俺は一晩中キーボードを打ちまくった。
<0085> 俺は一晩中キーボードを打ちまくった。
// <0086> \{河南子}「やばい、蹴りどころが悪かったか…」
<0086> \{Kanako}「やばい、蹴りどころが悪かったか…」