// Resources for SEEN0723.TXT
// #character '朋也'
#character 'Tomoya'
// #character '鷹文'
#character 'Takafumi'
// #character '智代'
#character 'Tomoyo'
// #character 'とも'
#character 'Tomo'
// #character '河南子'
#character 'Kanako'
// <0000> 7月23日(金)
<0000> July 23rd (Fri)
// <0001> \{朋也}「リベンジだ、鷹文」
<0001> \{Tomoya}「リベンジだ、鷹文」
// <0002> 俺は帰宅するなり、脱いだ作業着を床に叩きつけ、Tシャツ一枚になる。
<0002> 俺は帰宅するなり、脱いだ作業着を床に叩きつけ、Tシャツ一枚になる。
// <0003> \{鷹文}「しつこいなぁ」
<0003> \{Takafumi}「しつこいなぁ」
// <0004> \{鷹文}「じゃあさ、今度にぃちゃんが負けたらさ…」
<0004> \{Takafumi}「じゃあさ、今度にぃちゃんが負けたらさ…」
// <0005> 鷹文が台所に立つ智代を斜に見て、声を小さくする。
<0005> 鷹文が台所に立つ智代を斜に見て、声を小さくする。
// <0006> \{鷹文}「ねぇちゃんと別れて」
<0006> \{Takafumi}「ねぇちゃんと別れて」
// <0007> \{鷹文}「…それでもやる?」
<0007> \{Takafumi}「…それでもやる?」
// <0008> \{朋也}「やらない」
<0008> \{Tomoya}「やらない」
// <0009> \{鷹文}「やらないのかよっ」
<0009> \{Takafumi}「やらないのかよっ」
// <0010> \{朋也}「そこが譲れるかよ」
<0010> \{Tomoya}「そこが譲れるかよ」
// <0011> \{朋也}「別のにしてくれ」
<0011> \{Tomoya}「別のにしてくれ」
// <0012> \{鷹文}「なんでもやるんじゃなかったのかよ…」
<0012> \{Takafumi}「なんでもやるんじゃなかったのかよ…」
// <0013> \{鷹文}「それじゃ、また河南子に熨(の)してもらおーっと」
<0013> \{Takafumi}「それじゃ、また河南子に熨(の)してもらおーっと」
// <0014> \{鷹文}「はい。残念」
<0014> \{Takafumi}「はい。残念」
// <0015> …敗北。
<0015> …敗北。
// <0016> \{鷹文}「じゃあ、河南子が今からアイス買って帰ってくるからさ、それ奪って食べてよ」
<0016> \{Takafumi}「じゃあ、河南子が今からアイス買って帰ってくるからさ、それ奪って食べてよ」
// <0017> \{朋也}「はい」
<0017> \{Tomoya}「はい」
// <0018> 話す
<0018> 話す
// <0019> 勉強する
<0019> 勉強する
// <0020> 表に出る
<0020> 表に出る
// <0021> 智代
<0021> 智代
// <0022> 鷹文
<0022> 鷹文
// <0023> とも
<0023> とも
// <0024> \{朋也}「智代、今日の晩御飯はなに?」
<0024> \{Tomoya}「智代、今日の晩御飯はなに?」
// <0025> \{智代}「豚しゃぶサラダだ」
<0025> \{Tomoyo}「豚しゃぶサラダだ」
// <0026> \{朋也}「ひゅう! やったぜ!」
<0026> \{Tomoya}「ひゅう! やったぜ!」
// <0027> \{朋也}「智代、今日のパンツの色はなに?」
<0027> \{Tomoya}「智代、今日のパンツの色はなに?」
// <0028> \{智代}「そんなの言えるか…」
<0028> \{Tomoyo}「そんなの言えるか…」
// <0029> \{智代}「ま、白なんだが…」
<0029> \{Tomoyo}「ま、白なんだが…」
// <0030> \{朋也}「ひゅう! やったぜ!」
<0030> \{Tomoya}「ひゅう! やったぜ!」
// <0031> \{朋也}「智代、今日の横浜の先発は誰だ?」
<0031> \{Tomoya}「智代、今日の横浜の先発は誰だ?」
// <0032> \{智代}「そんなの私はわからない」
<0032> \{Tomoyo}「そんなの私はわからない」
// <0033> \{智代}「佐々木とかじゃないのか…?」
<0033> \{Tomoyo}「佐々木とかじゃないのか…?」
// <0034> \{朋也}「ひゅう! 先発佐々木だぜ!」
<0034> \{Tomoya}「ひゅう! 先発佐々木だぜ!」
// <0035> \{鷹文}「ほら、罰ゲーム」
<0035> \{Takafumi}「ほら、罰ゲーム」
// <0036> \{朋也}「嫌だ」
<0036> \{Tomoya}「嫌だ」
// <0037> \{鷹文}「え?」
<0037> \{Takafumi}「え?」
// <0038> \{朋也}「嘘です」
<0038> \{Tomoya}「嘘です」
// <0039> \{鷹文}「ほら、罰ゲーム」
<0039> \{Takafumi}「ほら、罰ゲーム」
// <0040> \{朋也}「とも、好きな男の子とかいるのか?」
<0040> \{Tomoya}「とも、好きな男の子とかいるのか?」
// <0041> \{とも}「えー、そんなのいえないよー」
<0041> \{Tomo}「えー、そんなのいえないよー」
// <0042> \{朋也}「おおー、いるんだな!」
<0042> \{Tomoya}「おおー、いるんだな!」
// <0043> \{朋也}「とも、そいつとパパ、どっちが好き?」
<0043> \{Tomoya}「とも、そいつとパパ、どっちが好き?」
// <0044> \{とも}「えー、いないよー」
<0044> \{Tomo}「えー、いないよー」
// <0045> \{朋也}「とも、今日のパンツの色なに?」
<0045> \{Tomoya}「とも、今日のパンツの色なに?」
// <0046> \{朋也}「とも、今日の横浜の先発、誰?」
<0046> \{Tomoya}「とも、今日の横浜の先発、誰?」
// <0047> そうだな…勉強しよう。
<0047> そうだな…勉強しよう。
// <0048> やるしかないのか…。
<0048> やるしかないのか…。
// <0049> \{鷹文}「がうっ!!」
<0049> \{Takafumi}「がうっ!!」
// <0050> 鷹文が吠えた!
<0050> 鷹文が吠えた!
// <0051> \{鷹文}「にぃちゃん、罰ゲーム!!」
<0051> \{Takafumi}「にぃちゃん、罰ゲーム!!」
// <0052> 表に出る。
<0052> 表に出る。
// <0053> \{河南子}「ふんふ~ん」
<0053> \{Kanako}「ふんふ~ん」
// <0054> しばらく待っていると、アイスを食べながら、河南子が上機嫌で向こうから歩いてくる。
<0054> しばらく待っていると、アイスを食べながら、河南子が上機嫌で向こうから歩いてくる。
// <0055> 俺は顔を伏せて、一介の通行人を装いつつ正面から近づいていく。
<0055> 俺は顔を伏せて、一介の通行人を装いつつ正面から近づいていく。
// <0056> すれ違う瞬間。
<0056> すれ違う瞬間。
// <0057> 俺はアイスに向けて手を伸ばした。
<0057> 俺はアイスに向けて手を伸ばした。
// <0058> ちっ。
<0058> ちっ。
// <0059> 指先がクリームにかすっただけだった。
<0059> 指先がクリームにかすっただけだった。
// <0060> 河南子が上体ごと反らしてかわしていた。
<0060> 河南子が上体ごと反らしてかわしていた。
// <0061> \{河南子}「なんだよ、てめぇ…」
<0061> \{Kanako}「なんだよ、てめぇ…」
// <0062> その目が俺を睨みつけていた。
<0062> その目が俺を睨みつけていた。
// <0063> \{朋也}「悪いな…俺はおまえのアイスを奪い取り、そしてむさぼり食う」
<0063> \{Tomoya}「悪いな…俺はおまえのアイスを奪い取り、そしてむさぼり食う」
// <0064> 指先についたクリームを舐め取る。
<0064> 指先についたクリームを舐め取る。
// <0065> \{河南子}「なぜ」
<0065> \{Kanako}「なぜ」
// <0066> \{朋也}「食いたいからだ」
<0066> \{Tomoya}「食いたいからだ」
// <0067> \{河南子}「わけわからん」
<0067> \{Kanako}「わけわからん」
// <0068> さらに足を踏み込み、左フック。
<0068> さらに足を踏み込み、左フック。
// <0069> その先にあるはずの、アイスが河南子の手から消えていた。
<0069> その先にあるはずの、アイスが河南子の手から消えていた。
// <0070> \{河南子}「師弟対決と受け取っていいんだな」
<0070> \{Kanako}「師弟対決と受け取っていいんだな」
// <0071> アイスは宙に舞っていた。
<0071> アイスは宙に舞っていた。
// <0072> \{朋也}「もう昔の俺じゃないぜ…」
<0072> \{Tomoya}「もう昔の俺じゃないぜ…」
// <0073> \{智代}「…夕飯の支度できたぞ」
<0073> \{Tomoyo}「…夕飯の支度できたぞ」
// <0074> \{智代}「こんなとこで寝ていて楽しいか?」
<0074> \{Tomoyo}「こんなとこで寝ていて楽しいか?」
// <0075> \{朋也}「いや…」
<0075> \{Tomoya}「いや…」
// <0076> 体を起こす。本当に熨されてしまっていた。
<0076> 体を起こす。本当に熨されてしまっていた。
// <0077> \{智代}「ほら、これを図書館で絵本と一緒に借りてきてやったんだ」
<0077> \{Tomoyo}「ほら、これを図書館で絵本と一緒に借りてきてやったんだ」
// <0078> \{朋也}「なに」
<0078> \{Tomoya}「なに」
// <0079> 本を受け取る。題字には、タイピング入門とあった。
<0079> 本を受け取る。題字には、タイピング入門とあった。
// <0080> \{智代}「努力も大事だが、手段も大事だと思うぞ」
<0080> \{Tomoyo}「努力も大事だが、手段も大事だと思うぞ」
// <0081> 俺は、晩ご飯を素早く食べ終えると、すぐ入門書に没頭する。
<0081> 俺は、晩ご飯を素早く食べ終えると、すぐ入門書に没頭する。
// <0082> \{鷹文}「にぃちゃん、まだやる気なの…?」
<0082> \{Takafumi}「にぃちゃん、まだやる気なの…?」
// <0083> 本を覗き見て、鷹文が呆れた声で訊く。
<0083> 本を覗き見て、鷹文が呆れた声で訊く。
// <0084> \{朋也}「ああ」
<0084> \{Tomoya}「ああ」
// <0085> \{鷹文}「それ、勝つまで続けるわけ?」
<0085> \{Takafumi}「それ、勝つまで続けるわけ?」
// <0086> \{朋也}「ああ」
<0086> \{Tomoya}「ああ」
// <0087> \{鷹文}「一体僕に何をさせたいわけ?」
<0087> \{Takafumi}「一体僕に何をさせたいわけ?」
// <0088> \{朋也}「負けた時に教えてやる」
<0088> \{Tomoya}「負けた時に教えてやる」
// <0089> \{鷹文}「だからコワイって…」
<0089> \{Takafumi}「だからコワイって…」
// <0090> \{鷹文}「でもそれじゃ、いつか僕はそれをやらされるってことじゃん」
<0090> \{Takafumi}「でもそれじゃ、いつか僕はそれをやらされるってことじゃん」
// <0091> \{朋也}「その通りだ」
<0091> \{Tomoya}「その通りだ」
// <0092> \{鷹文}「はぁ…最近、にぃちゃん、わけわかんない根性がついてきてるからな…」
<0092> \{Takafumi}「はぁ…最近、にぃちゃん、わけわかんない根性がついてきてるからな…」
// <0093> \{鷹文}「じゃ、次に僕が勝ったときの罰を言っておくね」
<0093> \{Takafumi}「じゃ、次に僕が勝ったときの罰を言っておくね」
// <0094> \{朋也}「早いな…なんだよ」
<0094> \{Tomoya}「早いな…なんだよ」
// <0095> \{鷹文}「次、僕が勝ったら…」
<0095> \{Takafumi}「次、僕が勝ったら…」
// <0096> \{鷹文}「もうこの勝負は受けない」
<0096> \{Takafumi}「もうこの勝負は受けない」
// <0097> 鷹文が帰宅してから、マシンを借りて、入門書で覚えた練習法を実践する。
<0097> 鷹文が帰宅してから、マシンを借りて、入門書で覚えた練習法を実践する。
// <0098> \{智代}「まだやるのか?」
<0098> \{Tomoyo}「まだやるのか?」
// <0099> \{朋也}「悪いな、電気消してくれていいから」
<0099> \{Tomoya}「悪いな、電気消してくれていいから」
// <0100> \{智代}「目、悪くするぞ」
<0100> \{Tomoyo}「目、悪くするぞ」
// <0101> \{河南子}「ほら、ともさん、さっき言ったように注意してやってください」
<0101> \{Kanako}「ほら、ともさん、さっき言ったように注意してやってください」
// <0102> \{とも}「もー、えろがぞーみまくってたらダメだよー」
<0102> \{Tomo}「もー、えろがぞーみまくってたらダメだよー」
// <0103> \{朋也}「意味もわかってない子供に言わせるなよ…」
<0103> \{Tomoya}「意味もわかってない子供に言わせるなよ…」
// <0104> 三人が寝た後も、煌々としたディスプレイを前に俺は練習を続けた。
<0104> 三人が寝た後も、煌々としたディスプレイを前に俺は練習を続けた。