Tomoyo After:SEEN4814: Difference between revisions
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// Resources | // Resources for SEEN4814.TXT | ||
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#character 'Tomoyo' | #character 'Tomoyo' | ||
// <0000> | // <0000> 8月13日(金) | ||
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// <0001> \ | // <0001> \{管理人}「暇でしょ?」 | ||
<0001> \ | <0001> \{Manager}「暇でしょ?」 | ||
// <0002> \ | // <0002> \{朋也}「そりゃ確かに暇なんだが…」 | ||
<0002> \ | <0002> \{Tomoya}「そりゃ確かに暇なんだが…」 | ||
// <0003> | // <0003> 結局、学校を作るのはやめてしまった。 | ||
<0003> | <0003> 結局、学校を作るのはやめてしまった。 | ||
// <0004> | // <0004> その事を管理人に報告すると、ならこれを、と言い出してきたのだ。 | ||
<0004> | <0004> その事を管理人に報告すると、ならこれを、と言い出してきたのだ。 | ||
// <0005> \ | // <0005> \{管理人}「一宿一飯の恩義って言うじゃない」 | ||
<0005> \ | <0005> \{Manager}「一宿一飯の恩義って言うじゃない」 | ||
// <0006> \ | // <0006> \{朋也}「わかったよ。直せばいいんだろ?」 | ||
<0006> \ | <0006> \{Tomoya}「わかったよ。直せばいいんだろ?」 | ||
// <0007> | // <0007> 持ち込まれたのはどれも旧式の電化製品ばかり。 | ||
<0007> | <0007> 持ち込まれたのはどれも旧式の電化製品ばかり。 | ||
// <0008> \ | // <0008> \{管理人}「これと、これなんか使えると助かるのよね」 | ||
<0008> \ | <0008> \{Manager}「これと、これなんか使えると助かるのよね」 | ||
// <0009> | // <0009> 管理人はぽんぽんと、机に置かれた家電を示した。 | ||
<0009> | <0009> 管理人はぽんぽんと、机に置かれた家電を示した。 | ||
// <0010> | // <0010> 外見は綺麗なミキサーとビデオデッキ。 | ||
<0010> | <0010> 外見は綺麗なミキサーとビデオデッキ。 | ||
// <0011> | // <0011> だが、どちらもスイッチを入れても反応がまったくない。 | ||
<0011> | <0011> だが、どちらもスイッチを入れても反応がまったくない。 | ||
// <0012> | // <0012> 使えるかどうかわからないが、ひとつずつ試してみることにした。 | ||
<0012> | <0012> 使えるかどうかわからないが、ひとつずつ試してみることにした。 | ||
// <0013> \ | // <0013> \{朋也}「やっぱり、交換部品のないところで直すのって、ものすごく面倒だな…」 | ||
<0013> \ | <0013> \{Tomoya}「やっぱり、交換部品のないところで直すのって、ものすごく面倒だな…」 | ||
// <0014> | // <0014> 昨日までの作業で身にしみて分かっていたが、言わずにはいられない。 | ||
<0014> | <0014> 昨日までの作業で身にしみて分かっていたが、言わずにはいられない。 | ||
// <0015> | // <0015> 集めた材料でまかなえれば助かるのだが…。 | ||
<0015> | <0015> 集めた材料でまかなえれば助かるのだが…。 | ||
// <0016> \ | // <0016> \{朋也}「…あー、ちくしょー。これがダメか」 | ||
<0016> \ | <0016> \{Tomoya}「…あー、ちくしょー。これがダメか」 | ||
// <0017> | // <0017> 俺はぼやきながら、作業を開始する。 | ||
<0017> | <0017> 俺はぼやきながら、作業を開始する。 | ||
// <0018> \ | // <0018> \{智代}「だーれだっ」 | ||
<0018> \ | <0018> \{Tomoyo}「だーれだっ」 | ||
// <0019> | // <0019> 唐突に目隠しがされる。 | ||
<0019> | <0019> 唐突に目隠しがされる。 | ||
// <0020> \ | // <0020> \{朋也}「智代」 | ||
<0020> \ | <0020> \{Tomoya}「智代」 | ||
// <0021> \ | // <0021> \{智代}「うん、正解だ」 | ||
<0021> \ | <0021> \{Tomoyo}「うん、正解だ」 | ||
// <0022> | // <0022> 言って、軽やかに俺の前に躍り出た。 | ||
<0022> | <0022> 言って、軽やかに俺の前に躍り出た。 | ||
// <0023> \ | // <0023> \{智代}「今のは女の子らしかったと思わないか?」 | ||
<0023> \ | <0023> \{Tomoyo}「今のは女の子らしかったと思わないか?」 | ||
// <0024> \ | // <0024> \{朋也}「思わないし…作業の邪魔だ」 | ||
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// <0025> \ | // <0025> \{智代}「邪魔しにきたんだ」 | ||
<0025> \ | <0025> \{Tomoyo}「邪魔しにきたんだ」 | ||
// <0026> \ | // <0026> \{朋也}「………」 | ||
<0026> \ | <0026> \{Tomoya}「………」 | ||
// <0027> \ | // <0027> \{智代}「ほら、ここでは人の目に入る」 | ||
<0027> \ | <0027> \{Tomoyo}「ほら、ここでは人の目に入る」 | ||
// <0028> | // <0028> 俺の手を引いていった。 | ||
<0028> | <0028> 俺の手を引いていった。 | ||
// <0029> | // <0029> そうしてふたり、ここにいる間の時間を卑しく過ごした。 | ||
<0029> | <0029> そうしてふたり、ここにいる間の時間を卑しく過ごした。 | ||
// <0030> | // <0030> バッドエンド | ||
<0030> | <0030> バッドエンド | ||
// <0031> | // <0031> そして今日、俺の夏休みが終わる。 | ||
<0031> | <0031> そして今日、俺の夏休みが終わる。 | ||
// <0032> | // <0032> 智代は笑顔で、管理人に向けて手を振っている。 | ||
<0032> | <0032> 智代は笑顔で、管理人に向けて手を振っている。 | ||
// <0033> | // <0033> その姿は、勝ち誇っているように俺には映った。 | ||
<0033> | <0033> その姿は、勝ち誇っているように俺には映った。 | ||
// <0034> | // <0034> 夜もふけた電車の窓は、遠くに民家の明かりがいくつか見えるだけだ。 | ||
<0034> | <0034> 夜もふけた電車の窓は、遠くに民家の明かりがいくつか見えるだけだ。 | ||
// <0035> | // <0035> 乗客のいないローカル線の車内に、智代の明るい声だけが響く。 | ||
<0035> | <0035> 乗客のいないローカル線の車内に、智代の明るい声だけが響く。 | ||
// <0036> | // <0036> せっかくの夏休みだから、ともと一緒に海へいこう。 | ||
<0036> | <0036> せっかくの夏休みだから、ともと一緒に海へいこう。 | ||
// <0037> | // <0037> 花火もしよう、きっと面白いぞ。 | ||
<0037> | <0037> 花火もしよう、きっと面白いぞ。 | ||
// <0038> | // <0038> 楽しいこと全部してあげよう。 | ||
<0038> | <0038> 楽しいこと全部してあげよう。 | ||
// <0039> | // <0039> その都度、俺は相づちを打つ。 | ||
<0039> | <0039> その都度、俺は相づちを打つ。 | ||
// <0040> | // <0040> ああ、そうだな。 | ||
<0040> | <0040> ああ、そうだな。 | ||
// <0041> | // <0041> きっと面白いな。 | ||
<0041> | <0041> きっと面白いな。 | ||
// <0042> | // <0042> 半ば機械的に頷きながら、ぼんやりと考えた。 | ||
<0042> | <0042> 半ば機械的に頷きながら、ぼんやりと考えた。 | ||
// <0043> | // <0043> ともに母親はいない。 | ||
<0043> | <0043> ともに母親はいない。 | ||
// <0044> | // <0044> もう、いなくなった。 | ||
<0044> | <0044> もう、いなくなった。 | ||
// <0045> | // <0045> だけど、血の繋がりだけが親子ではない。 | ||
<0045> | <0045> だけど、血の繋がりだけが親子ではない。 | ||
// <0046> | // <0046> たとえ血が繋がっていても、俺と親父のようになることもある。 | ||
<0046> | <0046> たとえ血が繋がっていても、俺と親父のようになることもある。 | ||
// <0047> | // <0047> 俺のそばに智代がいて、真ん中に笑顔のともがいる。 | ||
<0047> | <0047> 俺のそばに智代がいて、真ん中に笑顔のともがいる。 | ||
// <0048> | // <0048> 素晴らしく微笑ましい家庭じゃないか。 | ||
<0048> | <0048> 素晴らしく微笑ましい家庭じゃないか。 | ||
// <0049> | // <0049> 生活は厳しいが、親子三人、慎ましく暮らせる。 | ||
<0049> | <0049> 生活は厳しいが、親子三人、慎ましく暮らせる。 | ||
// <0050> | // <0050> そう、納得できないことなんか、ない。 | ||
<0050> | <0050> そう、納得できないことなんか、ない。 | ||
// <0051> | // <0051> なのに… | ||
<0051> | <0051> なのに… | ||
// <0052> | // <0052> 河南子はアパートにもいなかった。 | ||
<0052> | <0052> 河南子はアパートにもいなかった。 | ||
// <0053> | // <0053> 今度は鷹文に、家に帰ると言付けを残して。 | ||
<0053> | <0053> 今度は鷹文に、家に帰ると言付けを残して。 | ||
// <0054> | // <0054> そして夏休みが終わり、鷹文もあまり姿を見せなくなった。もう一度陸上を始める、とだけ聞いた。 | ||
<0054> | <0054> そして夏休みが終わり、鷹文もあまり姿を見せなくなった。もう一度陸上を始める、とだけ聞いた。 | ||
// <0055> | // <0055> 土曜の昼下がり、ぼんやりとしている。 | ||
<0055> | <0055> 土曜の昼下がり、ぼんやりとしている。 | ||
// <0056> | // <0056> ともは智代の背中にもたれ、絵本を読んでいる。 | ||
<0056> | <0056> ともは智代の背中にもたれ、絵本を読んでいる。 | ||
// <0057> | // <0057> 智代の膝を枕代わりにして、テレビを見ていている。そこで、ふと気づいた。 | ||
<0057> | <0057> 智代の膝を枕代わりにして、テレビを見ていている。そこで、ふと気づいた。 | ||
// <0058> \ | // <0058> \{朋也}「…なあ、今日学校はどうしたんだ?」 | ||
<0058> \ | <0058> \{Tomoya}「…なあ、今日学校はどうしたんだ?」 | ||
// <0059> | // <0059> 土曜日は午前中だけ授業のはずだ。今年から変わったのだろうか。 | ||
<0059> | <0059> 土曜日は午前中だけ授業のはずだ。今年から変わったのだろうか。 | ||
// <0060> \ | // <0060> \{智代}「もういいんだ」 | ||
<0060> \ | <0060> \{Tomoyo}「もういいんだ」 | ||
// <0061> \ | // <0061> \{智代}「私に学校はもう必要ない」 | ||
<0061> \ | <0061> \{Tomoyo}「私に学校はもう必要ない」 | ||
// <0062> \ | // <0062> \{朋也}「行かないのか?」 | ||
<0062> \ | <0062> \{Tomoya}「行かないのか?」 | ||
// <0063> \ | // <0063> \{智代}「…朋也がいけと言うなら行くが」 | ||
<0063> \ | <0063> \{Tomoyo}「…朋也がいけと言うなら行くが」 | ||
// <0064> | // <0064> さわり、さわり、と頬を撫でられる。 | ||
<0064> | <0064> さわり、さわり、と頬を撫でられる。 | ||
// <0065> \ | // <0065> \{智代}「折角の休みだ」 | ||
<0065> \ | <0065> \{Tomoyo}「折角の休みだ」 | ||
// <0066> \ | // <0066> \{智代}「一緒にいてもいいだろう?」 | ||
<0066> \ | <0066> \{Tomoyo}「一緒にいてもいいだろう?」 | ||
// <0067> | // <0067> 無邪気に微笑んでいる。 | ||
<0067> | <0067> 無邪気に微笑んでいる。 | ||
// <0068> \ | // <0068> \{朋也}「…そうだな」 | ||
<0068> \ | <0068> \{Tomoya}「…そうだな」 | ||
// <0069> | // <0069> 頷くしかない。 | ||
<0069> | <0069> 頷くしかない。 | ||
// <0070> | // <0070> そのまま、智代は嬉しそうに、俺の上へと圧しかかってきた。 | ||
<0070> | <0070> そのまま、智代は嬉しそうに、俺の上へと圧しかかってきた。 | ||
// <0071> | // <0071> 少しずつ生活が変わっていった。 | ||
<0071> | <0071> 少しずつ生活が変わっていった。 | ||
// <0072> | // <0072> 智代が学校に行かなくなった。 | ||
<0072> | <0072> 智代が学校に行かなくなった。 | ||
// <0073> | // <0073> 押入れに、智代の私服と下着が入るようになった。 | ||
<0073> | <0073> 押入れに、智代の私服と下着が入るようになった。 | ||
// <0074> | // <0074> ドライヤーが新しいものに変わり、物干し場には女性ものが掛かるようになった。 | ||
<0074> | <0074> ドライヤーが新しいものに変わり、物干し場には女性ものが掛かるようになった。 | ||
// <0075> | // <0075> 一泊が二泊になり、やがて言い方も『帰る』から『行ってくる』になった。 | ||
<0075> | <0075> 一泊が二泊になり、やがて言い方も『帰る』から『行ってくる』になった。 | ||
// <0076> | // <0076> そして、自分から誘うようになった。 | ||
<0076> | <0076> そして、自分から誘うようになった。 | ||
// <0077> | // <0077> 最初は昼飯を弁当から家で食べるようにしたとき。 | ||
<0077> | <0077> 最初は昼飯を弁当から家で食べるようにしたとき。 | ||
// <0078> | // <0078> ともが幼稚園に行った朝のうちに。 | ||
<0078> | <0078> ともが幼稚園に行った朝のうちに。 | ||
// <0079> | // <0079> おつかいを頼み、その間に。 | ||
<0079> | <0079> おつかいを頼み、その間に。 | ||
// <0080> | // <0080> 狭い風呂へ三人で入り、ともを先に上がらせて。 | ||
<0080> | <0080> 狭い風呂へ三人で入り、ともを先に上がらせて。 | ||
// <0081> | // <0081> 次第に緩く、浅ましく。 | ||
<0081> | <0081> 次第に緩く、浅ましく。 | ||
// <0082> \ | // <0082> \{智代}「ん…」 | ||
<0082> \ | <0082> \{Tomoyo}「ん…」 | ||
// <0083> \ | // <0083> \{智代}「んふっ…」 | ||
<0083> \ | <0083> \{Tomoyo}「んふっ…」 | ||
// <0084> | // <0084> 智代が声を出さずにセックスすることを覚えた。 | ||
<0084> | <0084> 智代が声を出さずにセックスすることを覚えた。 | ||
// <0085> | // <0085> 俺はその体を貪る。 | ||
<0085> | <0085> 俺はその体を貪る。 | ||
// <0086> | // <0086> 汗まみれになって。 | ||
<0086> | <0086> 汗まみれになって。 | ||
// <0087> | // <0087> カーテンの隙間から漏れる月明かり。 | ||
<0087> | <0087> カーテンの隙間から漏れる月明かり。 | ||
// <0088> | // <0088> それに照らし出されているのは智代の白い腕。 | ||
<0088> | <0088> それに照らし出されているのは智代の白い腕。 | ||
// <0089> | // <0089> その先は、つややかなな黒髪を撫でていた。 | ||
<0089> | <0089> その先は、つややかなな黒髪を撫でていた。 | ||
// <0090> | // <0090> その持ち主は小さく寝息を立てている。 | ||
<0090> | <0090> その持ち主は小さく寝息を立てている。 | ||
// <0091> | // <0091> どこまでもおだやかに。 | ||
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// <0092> | // <0092> その隣で俺たちは貪る。 | ||
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== Script Chart == | == Script Chart == | ||
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Latest revision as of 09:59, 25 July 2012
Text[edit]
// Resources for SEEN4814.TXT // #character '管理人' #character 'Manager' // #character '朋也' #character 'Tomoya' // #character '智代' #character 'Tomoyo' // <0000> 8月13日(金) <0000> August 13th (Fri) // <0001> \{管理人}「暇でしょ?」 <0001> \{Manager}「暇でしょ?」 // <0002> \{朋也}「そりゃ確かに暇なんだが…」 <0002> \{Tomoya}「そりゃ確かに暇なんだが…」 // <0003> 結局、学校を作るのはやめてしまった。 <0003> 結局、学校を作るのはやめてしまった。 // <0004> その事を管理人に報告すると、ならこれを、と言い出してきたのだ。 <0004> その事を管理人に報告すると、ならこれを、と言い出してきたのだ。 // <0005> \{管理人}「一宿一飯の恩義って言うじゃない」 <0005> \{Manager}「一宿一飯の恩義って言うじゃない」 // <0006> \{朋也}「わかったよ。直せばいいんだろ?」 <0006> \{Tomoya}「わかったよ。直せばいいんだろ?」 // <0007> 持ち込まれたのはどれも旧式の電化製品ばかり。 <0007> 持ち込まれたのはどれも旧式の電化製品ばかり。 // <0008> \{管理人}「これと、これなんか使えると助かるのよね」 <0008> \{Manager}「これと、これなんか使えると助かるのよね」 // <0009> 管理人はぽんぽんと、机に置かれた家電を示した。 <0009> 管理人はぽんぽんと、机に置かれた家電を示した。 // <0010> 外見は綺麗なミキサーとビデオデッキ。 <0010> 外見は綺麗なミキサーとビデオデッキ。 // <0011> だが、どちらもスイッチを入れても反応がまったくない。 <0011> だが、どちらもスイッチを入れても反応がまったくない。 // <0012> 使えるかどうかわからないが、ひとつずつ試してみることにした。 <0012> 使えるかどうかわからないが、ひとつずつ試してみることにした。 // <0013> \{朋也}「やっぱり、交換部品のないところで直すのって、ものすごく面倒だな…」 <0013> \{Tomoya}「やっぱり、交換部品のないところで直すのって、ものすごく面倒だな…」 // <0014> 昨日までの作業で身にしみて分かっていたが、言わずにはいられない。 <0014> 昨日までの作業で身にしみて分かっていたが、言わずにはいられない。 // <0015> 集めた材料でまかなえれば助かるのだが…。 <0015> 集めた材料でまかなえれば助かるのだが…。 // <0016> \{朋也}「…あー、ちくしょー。これがダメか」 <0016> \{Tomoya}「…あー、ちくしょー。これがダメか」 // <0017> 俺はぼやきながら、作業を開始する。 <0017> 俺はぼやきながら、作業を開始する。 // <0018> \{智代}「だーれだっ」 <0018> \{Tomoyo}「だーれだっ」 // <0019> 唐突に目隠しがされる。 <0019> 唐突に目隠しがされる。 // <0020> \{朋也}「智代」 <0020> \{Tomoya}「智代」 // <0021> \{智代}「うん、正解だ」 <0021> \{Tomoyo}「うん、正解だ」 // <0022> 言って、軽やかに俺の前に躍り出た。 <0022> 言って、軽やかに俺の前に躍り出た。 // <0023> \{智代}「今のは女の子らしかったと思わないか?」 <0023> \{Tomoyo}「今のは女の子らしかったと思わないか?」 // <0024> \{朋也}「思わないし…作業の邪魔だ」 <0024> \{Tomoya}「思わないし…作業の邪魔だ」 // <0025> \{智代}「邪魔しにきたんだ」 <0025> \{Tomoyo}「邪魔しにきたんだ」 // <0026> \{朋也}「………」 <0026> \{Tomoya}「………」 // <0027> \{智代}「ほら、ここでは人の目に入る」 <0027> \{Tomoyo}「ほら、ここでは人の目に入る」 // <0028> 俺の手を引いていった。 <0028> 俺の手を引いていった。 // <0029> そうしてふたり、ここにいる間の時間を卑しく過ごした。 <0029> そうしてふたり、ここにいる間の時間を卑しく過ごした。 // <0030> バッドエンド <0030> バッドエンド // <0031> そして今日、俺の夏休みが終わる。 <0031> そして今日、俺の夏休みが終わる。 // <0032> 智代は笑顔で、管理人に向けて手を振っている。 <0032> 智代は笑顔で、管理人に向けて手を振っている。 // <0033> その姿は、勝ち誇っているように俺には映った。 <0033> その姿は、勝ち誇っているように俺には映った。 // <0034> 夜もふけた電車の窓は、遠くに民家の明かりがいくつか見えるだけだ。 <0034> 夜もふけた電車の窓は、遠くに民家の明かりがいくつか見えるだけだ。 // <0035> 乗客のいないローカル線の車内に、智代の明るい声だけが響く。 <0035> 乗客のいないローカル線の車内に、智代の明るい声だけが響く。 // <0036> せっかくの夏休みだから、ともと一緒に海へいこう。 <0036> せっかくの夏休みだから、ともと一緒に海へいこう。 // <0037> 花火もしよう、きっと面白いぞ。 <0037> 花火もしよう、きっと面白いぞ。 // <0038> 楽しいこと全部してあげよう。 <0038> 楽しいこと全部してあげよう。 // <0039> その都度、俺は相づちを打つ。 <0039> その都度、俺は相づちを打つ。 // <0040> ああ、そうだな。 <0040> ああ、そうだな。 // <0041> きっと面白いな。 <0041> きっと面白いな。 // <0042> 半ば機械的に頷きながら、ぼんやりと考えた。 <0042> 半ば機械的に頷きながら、ぼんやりと考えた。 // <0043> ともに母親はいない。 <0043> ともに母親はいない。 // <0044> もう、いなくなった。 <0044> もう、いなくなった。 // <0045> だけど、血の繋がりだけが親子ではない。 <0045> だけど、血の繋がりだけが親子ではない。 // <0046> たとえ血が繋がっていても、俺と親父のようになることもある。 <0046> たとえ血が繋がっていても、俺と親父のようになることもある。 // <0047> 俺のそばに智代がいて、真ん中に笑顔のともがいる。 <0047> 俺のそばに智代がいて、真ん中に笑顔のともがいる。 // <0048> 素晴らしく微笑ましい家庭じゃないか。 <0048> 素晴らしく微笑ましい家庭じゃないか。 // <0049> 生活は厳しいが、親子三人、慎ましく暮らせる。 <0049> 生活は厳しいが、親子三人、慎ましく暮らせる。 // <0050> そう、納得できないことなんか、ない。 <0050> そう、納得できないことなんか、ない。 // <0051> なのに… <0051> なのに… // <0052> 河南子はアパートにもいなかった。 <0052> 河南子はアパートにもいなかった。 // <0053> 今度は鷹文に、家に帰ると言付けを残して。 <0053> 今度は鷹文に、家に帰ると言付けを残して。 // <0054> そして夏休みが終わり、鷹文もあまり姿を見せなくなった。もう一度陸上を始める、とだけ聞いた。 <0054> そして夏休みが終わり、鷹文もあまり姿を見せなくなった。もう一度陸上を始める、とだけ聞いた。 // <0055> 土曜の昼下がり、ぼんやりとしている。 <0055> 土曜の昼下がり、ぼんやりとしている。 // <0056> ともは智代の背中にもたれ、絵本を読んでいる。 <0056> ともは智代の背中にもたれ、絵本を読んでいる。 // <0057> 智代の膝を枕代わりにして、テレビを見ていている。そこで、ふと気づいた。 <0057> 智代の膝を枕代わりにして、テレビを見ていている。そこで、ふと気づいた。 // <0058> \{朋也}「…なあ、今日学校はどうしたんだ?」 <0058> \{Tomoya}「…なあ、今日学校はどうしたんだ?」 // <0059> 土曜日は午前中だけ授業のはずだ。今年から変わったのだろうか。 <0059> 土曜日は午前中だけ授業のはずだ。今年から変わったのだろうか。 // <0060> \{智代}「もういいんだ」 <0060> \{Tomoyo}「もういいんだ」 // <0061> \{智代}「私に学校はもう必要ない」 <0061> \{Tomoyo}「私に学校はもう必要ない」 // <0062> \{朋也}「行かないのか?」 <0062> \{Tomoya}「行かないのか?」 // <0063> \{智代}「…朋也がいけと言うなら行くが」 <0063> \{Tomoyo}「…朋也がいけと言うなら行くが」 // <0064> さわり、さわり、と頬を撫でられる。 <0064> さわり、さわり、と頬を撫でられる。 // <0065> \{智代}「折角の休みだ」 <0065> \{Tomoyo}「折角の休みだ」 // <0066> \{智代}「一緒にいてもいいだろう?」 <0066> \{Tomoyo}「一緒にいてもいいだろう?」 // <0067> 無邪気に微笑んでいる。 <0067> 無邪気に微笑んでいる。 // <0068> \{朋也}「…そうだな」 <0068> \{Tomoya}「…そうだな」 // <0069> 頷くしかない。 <0069> 頷くしかない。 // <0070> そのまま、智代は嬉しそうに、俺の上へと圧しかかってきた。 <0070> そのまま、智代は嬉しそうに、俺の上へと圧しかかってきた。 // <0071> 少しずつ生活が変わっていった。 <0071> 少しずつ生活が変わっていった。 // <0072> 智代が学校に行かなくなった。 <0072> 智代が学校に行かなくなった。 // <0073> 押入れに、智代の私服と下着が入るようになった。 <0073> 押入れに、智代の私服と下着が入るようになった。 // <0074> ドライヤーが新しいものに変わり、物干し場には女性ものが掛かるようになった。 <0074> ドライヤーが新しいものに変わり、物干し場には女性ものが掛かるようになった。 // <0075> 一泊が二泊になり、やがて言い方も『帰る』から『行ってくる』になった。 <0075> 一泊が二泊になり、やがて言い方も『帰る』から『行ってくる』になった。 // <0076> そして、自分から誘うようになった。 <0076> そして、自分から誘うようになった。 // <0077> 最初は昼飯を弁当から家で食べるようにしたとき。 <0077> 最初は昼飯を弁当から家で食べるようにしたとき。 // <0078> ともが幼稚園に行った朝のうちに。 <0078> ともが幼稚園に行った朝のうちに。 // <0079> おつかいを頼み、その間に。 <0079> おつかいを頼み、その間に。 // <0080> 狭い風呂へ三人で入り、ともを先に上がらせて。 <0080> 狭い風呂へ三人で入り、ともを先に上がらせて。 // <0081> 次第に緩く、浅ましく。 <0081> 次第に緩く、浅ましく。 // <0082> \{智代}「ん…」 <0082> \{Tomoyo}「ん…」 // <0083> \{智代}「んふっ…」 <0083> \{Tomoyo}「んふっ…」 // <0084> 智代が声を出さずにセックスすることを覚えた。 <0084> 智代が声を出さずにセックスすることを覚えた。 // <0085> 俺はその体を貪る。 <0085> 俺はその体を貪る。 // <0086> 汗まみれになって。 <0086> 汗まみれになって。 // <0087> カーテンの隙間から漏れる月明かり。 <0087> カーテンの隙間から漏れる月明かり。 // <0088> それに照らし出されているのは智代の白い腕。 <0088> それに照らし出されているのは智代の白い腕。 // <0089> その先は、つややかなな黒髪を撫でていた。 <0089> その先は、つややかなな黒髪を撫でていた。 // <0090> その持ち主は小さく寝息を立てている。 <0090> その持ち主は小さく寝息を立てている。 // <0091> どこまでもおだやかに。 <0091> どこまでもおだやかに。 // <0092> その隣で俺たちは貪る。 <0092> その隣で俺たちは貪る。 // <0093> どこまでも卑しく。 <0093> どこまでも卑しく。
Script Chart[edit]
June | July | August | After | Other | ||||||
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1st | SEEN0701 | SEEN0801 | SEEN5000 | SEEN7910 | ||||||
2nd | SEEN0702 | SEEN5001 | SEEN7920 | |||||||
3rd | SEEN0803 | SEEN5002 | SEEN7930 | |||||||
4th | SEEN0804 | SEEN5003 | SEEN7940 | |||||||
6th | SEEN0806 | BAD END | SEEN5004 | SEEN7950 | ||||||
SEEN1806 | SEEN5005 | |||||||||
7th | SEEN0707 | SEEN0807 | SEEN5006 | |||||||
8th | SEEN0708 | SEEN0808 | SEEN5007 | |||||||
9th | SEEN0709 | SEEN0809 | SEEN5010 | |||||||
10th | SEEN0710 | SEEN1710 | SEEN0810 | SEEN5011 | ||||||
11th | SEEN0711 | SEEN0811 | SEEN1811 | SEEN2811 | ||||||
12th | SEEN0712 | SEEN0812 | ||||||||
13th | SEEN0713 | SEEN0813 | SEEN1813 | SEEN2813 | ||||||
14th | SEEN0714 | SEEN1714 | SEEN0814 | BAD END | BAD END | BAD END | BAD END | |||
SEEN1814 | SEEN2814 | SEEN3814 | SEEN4814 | |||||||
15th | SEEN0715 | SEEN1715 | SEEN0815 | |||||||
16th | SEEN0716 | SEEN1716 | SEEN0816 | |||||||
17th | SEEN0717 | SEEN0817 | ||||||||
18th | SEEN0818 | |||||||||
19th | SEEN0819 | |||||||||
20th | BAD END | SEEN0820 | ||||||||
SEEN0720 | ||||||||||
21st | SEEN0721 | SEEN0821 | ||||||||
22nd | SEEN0722 | SEEN0822 | ||||||||
23rd | SEEN0723 | SEEN0823 | ||||||||
24th | SEEN0724 | |||||||||
25th | SEEN0725 | |||||||||
26th | SEEN0726 | |||||||||
27th | SEEN0727 | |||||||||
28th | SEEN0628 | SEEN0728 | ||||||||
29th | SEEN0629 | SEEN0729 | ||||||||
30th | SEEN0630 | |||||||||
BAD END | ||||||||||
SEEN0744 |