White Album 2/Script/2017
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Speaker | Text | Comment | |||
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Line # | JP | EN | JP | EN | |
1 | 浜田 | Hamada | 「いい加減にしろこの半人前! お前、何年この仕事でメシ食ってんだぁ!?」 | ||
2 | 松岡 | Matsuoka | 「1年です。 正確には0年と9か月。 …まだ半人前に決まってますよ」 | ||
3 | 浜田 | Hamada | 「そこでふて腐れてたら伸びるもんも伸びないんだよ!」 | ||
4 | 木崎 | Kizaki | 「お世話になっております。 開桜社、開桜グラフ編集部の木崎と申します」 | ||
5 | 鈴木 | Suzuki | 「北原く~ん、 さっき頼んだインタビューの起こしだけどさぁ、 明後日までになんとかなるかな~?」 | ||
6 | 春希 | Haruki | 「あ、はい、わかりました。 じゃあ今からすぐに規模見積もっておきます」 | ||
7 | 木崎 | Kizaki | 「恐れ入りますが川添先生は… 葉山? わかりました今から行きます! 先生にもその旨お伝えください!」 | ||
8 | つい先週末、校了があったばかりなのに、 不夜城、開桜グラフ編集部は、 もう次の締め切りに向けて動き出していた。 | ||||
9 | …とはいえ。 | ||||
10 | 浜田 | Hamada | 「なぁ松岡よぉ、お前だって意地ってもんがあるだろ。 俺にこれだけ言われて悔しいとか思わないのか?」 | ||
11 | 松岡 | Matsuoka | 「いえ、浜田さんのは激励だってわかってますし。 …それに麻理さんに比べたら大したことは」 | ||
12 | 浜田 | Hamada | 「…そんなこと『わかってる』って言われても、 こっちはちっとも安心できないんだけどよぅ」 | ||
13 | 鈴木 | Suzuki | 「あ、辻さ~ん。 この前頼んだ素材だけど、 木曜までで余裕だよね~?」 | ||
14 | 木崎 | Kizaki | 「原稿取りに行ってきま~す。 帰着時間は先生次第で~す!」 | ||
15 | 春希 | Haruki | 「…行ってらっしゃい」 | ||
16 | 木崎さんが担当している作家の川添慎吾先生は、 執筆のため葉山の別荘に籠もることが多い。 | ||||
17 | かなりフランクで気前のいい人のようで、 別荘を訪れた来客には、高価な酒と、海の幸満載の ご馳走を振舞うことも多く、編集者の人気は高い。 | ||||
18 | 多分、木崎さんは今日はもう… | ||||
19 | 松岡 | Matsuoka | 「後で飲みにつれてってくれたりとか、 フォローしてくれるんですよね。 あ、俺今日明日なら空けられますから」 | ||
20 | 浜田 | Hamada | 「…もう嫌コイツ」 | ||
21 | 浜田さんが怒ってるってことは、 今は教育できる余裕があるってこと。 | ||||
22 | 問題は、[R教育される側^まつおかさん]まで その事実を見透かしてるってことで。 | ||||
23 | 鈴木 | Suzuki | 「今週いっぱいかかる? そこを何とか! ええと、23日の20時まで…駄目? じゃあ24時…ええい36時でどうだぁっ!?」 | ||
24 | で、鈴木さんは24日の休暇申請を 何とか確定させようと、週明けから 根回し工作に奔走しているとか。 | ||||
25 | 一見忙しそうに見えるけど、 年末進行の峠を越した編集部に、 つかの間の、ほんの少しの平和な時間が流れていた。 | ||||
26 | 麻理 | Mari | 「ちょっとみんな会議室に集まって。 緊急ミーティング」 | ||
27 | 春希 | Haruki | 「あ、でも木崎さんが出先に…」 | ||
28 | 麻理 | Mari | 「いいわ、残ったメンバーだけでやりましょう。 彼には私が後で説明しておくから。 北原、悪いけどみんなの分のお茶持って後から来て」 | ||
29 | 春希 | Haruki | 「あ、はい」 | ||
30 | ただ一人。 いつもいつでもいつまでも戦っている人を除いて。 | ||||
31 | 麻理 | Mari | 「今日、とある月刊誌が発売になったんだけど… その中に一件、見過ごせない記事があったの」 | ||
32 | 浜田 | Hamada | 「なんだ? こっちが追ってたネタを抜かれたのか?」 | ||
33 | 鈴木 | Suzuki | 「それって誰かが情報を売ったってことですか? あるいは人ごと抜かれたか…」 | ||
34 | 松岡 | Matsuoka | 「どっちにしろ、穏やかじゃないですね」 | ||
35 | 麻理 | Mari | 「これがその記事のコピー。 まずは読んでみて」 | ||
36 | 春希 | Haruki | 「おっと」 | ||
37 | 久々に、お茶くみなどというバイトらしい仕事を与えられ、 ちょっとばかり手元のおぼつかない自分が恥ずかしい。 …もう一つの方のバイトじゃ本業なのに。 | ||||
38 | にしても、年末進行も過ぎ去り、 年の瀬も押し迫った今ごろになって、 あの麻理さんの緊迫した面持ちは… | ||||
39 | もしかして、これが開桜社全体を巻き込んだ、 大いなる一大事の幕開けだったとかいうことは… | ||||
40 | 春希 | Haruki | 「………急ご」 | ||
41 | またやってしまった… | ||||
42 | 『一大事』の中に『大いなる』という意は とっくに入ってるじゃないか。 | ||||
43 | 春希 | Haruki | 「失礼しま~」 | ||
44 | 春希 | Haruki | 「………すいません、淹れ直してきます」 | ||
45 | 盛大にこぼした。 | ||||
46 | 麻理 | Mari | 「じゃないって! ほら、主役は真ん中に座れ。 飲み物はちゃんとある」 | ||
47 | 鈴木 | Suzuki | 「も~、みんなクラッカー鳴らすだけで、 『おめでと~』って言わないのが悪いんですよ?」 | ||
48 | 松岡 | Matsuoka | 「鈴木さんだって無言だったじゃん」 | ||
49 | 浜田 | Hamada | 「だってなぁ…いきなり会議室に呼び出して、 30秒後にお祝いしろって言われても、 こっちも心の準備が」 | ||
50 | 春希 | Haruki | 「一体何の騒ぎですかこれは………あ」 | ||
51 | 麻理さんに手を引っ張られ、 会議室の真ん中…普段の議長席に座らされた俺は。 | ||||
52 | 春希 | Haruki | 「アンサンブル2月号…」 | ||
53 | 目の前にある一冊の隔月刊誌を見て、 ようやく皆が何をしようとしてたのか、 なんとなく悟った。 | ||||
54 | 鈴木 | Suzuki | 「おめでとう初掲載。 記事読んだよ。面白かった~」 | ||
55 | 松岡 | Matsuoka | 「何か昔のドラマみたいな話だよな。 不良の女の子が周囲との触れ合いによって、 才能を開花させてくみたいな」 | ||
56 | 浜田 | Hamada | 「ちょっと色んな意味で贔屓しすぎな気もするけど、 初めての記事として考えたら相当書けてたぞ。 俺の時なんかもうグダグダでさぁ」 | ||
57 | 春希 | Haruki | 「マジですか…この表紙」 | ||
58 | けど、そんな皆の温かい祝辞も耳に入らないくらい、 俺の目を惹きつけてしまったものがあった。 | ||||
59 | 麻理 | Mari | 「新人ピアニストにしては破格の扱いだけどね。 でもまぁいいんじゃない? 見栄えという意味じゃダントツだったのよ」 | ||
60 | そう、そこにあったのは、 俺が知っている同級生の… | ||||
61 | 想像の遙か上を行っていた三年後の姿。 | ||||
62 | 春希 | Haruki | 「…ったく、あいつ」 | ||
63 | 相変わらず、目つきキッついなぁ。 相変わらず、髪サラッサラだなぁ。 相変わらず、肌真っ白だなぁ。 | ||||
64 | 相変わらず…カッコいいな、かずさ… | ||||
65 | 麻理 | Mari | 「それよりも今はお前だ。 …おめでとう北原! お前の地獄の編集者人生は、 今日この日を以てめでたく始まったぞ!」 | ||
66 | 春希 | Haruki | 「………はぁ」 | ||
67 | 鈴木 | Suzuki | 「麻理さん麻理さん。 さすがに今のは北原くん退きますって」 | ||
68 | 松岡 | Matsuoka | 「麻理さん、いちいちセンス古いんですよ。 今さらサプライズパーティってのもねぇ」 | ||
69 | 麻理 | Mari | 「っ!? お、お前らとそんなに歳違わない! 何度言わせれば気が済むんだ!」 | ||
70 | 浜田 | Hamada | 「誰も年齢が古いなんて一言も言ってないだろ。 …そりゃ、この中じゃ最年長だけど」 | ||
71 | 麻理 | Mari | 「っっ!!! は、浜田とは一月しか違わないっ!」 | ||
72 | 春希 | Haruki | 「ま、麻理さん…抑えて」 | ||
73 | そんなに気にしてたのか… | ||||
74 | 鈴木 | Suzuki | 「はいはい、お祝いの席で怒鳴らない。 北原くんに嫌われちゃいますよ~?」 | ||
75 | 麻理 | Mari | 「発案者は私なのに… どうしてくれる北原。 お前のせいで私は大恥かいたぞ」 | ||
76 | 春希 | Haruki | 「俺のせいなんですか…」 | ||
77 | 鈴木 | Suzuki | [F16「とりあえず笑ってあげて。 ][F16麻理さん、北原くんが喜ぶと思ってニヤニヤしながら ][F16クラッカーやお菓子を買ってきたに違いないんだから」] | ||
78 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
79 | 確かに、その光景が本当だったとしたら、 想像するだにニヤニヤしてしまいそうだけど… | ||||
80 | 麻理 | Mari | 「もういい… 私の頃はこうして先輩が祝ってくれたもんだけど、 やっぱり時代は変わったってことなのかな…」 | ||
81 | 浜田 | Hamada | 「確かに祝ってくれたけど、 会議室でお菓子で乾杯じゃなくて、 朝までキャバクラで乾杯だった…」 | ||
82 | 麻理 | Mari | 「何それ? 私は連れてってもらってないわよ?」 | ||
83 | 浜田 | Hamada | 「当たり前だろ…」 | ||
84 | 鈴木 | Suzuki | 「さあさあ気を取り直して麻理さん。 ほら北原くんも何とか言ってあげて!」 | ||
85 | 春希 | Haruki | 「え、ええと… ありがとうございました、麻理さん。 俺のために、こんな」 | ||
86 | 麻理 | Mari | 「こんなくだらない集まりで時間取らせて悪かったな。 …さ、解散しよ解散」 | ||
87 | 鈴木 | Suzuki | 「ま、麻理さ~ん… こら、松岡もフォローしろ!」 | ||
88 | 松岡 | Matsuoka | 「あ、ああ… ねぇ麻理さん、俺の時も是非祝ってください。 きっとすぐに北原に追いついてみせますから!」 | ||
89 | 麻理 | Mari | 「普通なら順番逆なんだけどな…」 | ||
90 | 春希 | Haruki | 「あ、あはは…」 | ||
91 | 松岡 | Matsuoka | 「………」 | "........."
| |
92 | 春希 | Haruki | 「…すんません」 | ||
93 | そういえば俺も、 誰かさんの卒業決定を祝って、 こんな『くだらないこと』やってたっけなぁ。 | ||||
94 | あの時も、やっぱり相手には退かれてたっけ。 | ||||
95 | 年末進行の峠を越した編集部に、 つかの間の、ほんの少しの平和な時間が流れていた。 | ||||
96 | そんな優しい時間に包まれて、 俺は何ともこそばゆい、面はゆい、くすぐったい… | ||||
97 | そして、いたたまれない気持ちを抱えて、 そこに存在してた。 | ||||
98 | ……… | .........
| |||
99 | 鈴木 | Suzuki | 「にしても… やっぱカッコいいよねぇ、このコ」 | ||
100 | 浜田 | Hamada | 「売れるんじゃないか今月号? クラシックファン以外も手に取りそうだよなこれ」 | ||
101 | 松岡 | Matsuoka | 「同級生だったんだろ? なぁ、今度紹介しろよ北原」 | ||
102 | 春希 | Haruki | 「いいですよ? ウィーンまで俺を連れて行ってくれるんなら」 | ||
103 | 松岡 | Matsuoka | 「…無茶言うなよ」 | ||
104 | 春希 | Haruki | 「てことは俺に無茶言ってたんですね松岡さん」 | ||
105 | そんな軽口で応えつつ、自分でもちょっと驚いてた。 | ||||
106 | こんなふうに軽く切り返しできるようになったんだ、俺。 もしかして、少し前向きになったのかな? | ||||
107 | …それとも、 少しずつ、思い出に変換できつつあるんだろうか。 | ||||
108 | 麻理 | Mari | 「あ、そうだ。 編集長から何冊か見本誌もらってきたのよ。 …ほら、まず一冊はお前のものだよ、北原」 | ||
109 | 春希 | Haruki | 「あ、ありがとうございます」 | ||
110 | 鈴木 | Suzuki | 「ねぇ浜田さん、自分の初めての記事が載った本、 今でも大事に取ってある?」 | ||
111 | 浜田 | Hamada | 「大事かどうかはともかく、多分な。 …大掃除の時にしか見たことないけど」 | ||
112 | 鈴木 | Suzuki | 「そんなものだよねぇ。 大切だけど、あまり大切にしたくないって言うか」 | ||
113 | 松岡 | Matsuoka | 「そんなものなんだ… くそっ、すぐにこのテの話題に 参加できるようになってやる」 | ||
114 | 浜田 | Hamada | 「本当はとっくに参加できてなきゃいけないんだけどな」 | ||
115 | 春希 | Haruki | 「重…」 | ||
116 | 鈴木 | Suzuki | 「そりゃ、アンサンブルだもんねぇ」 | ||
117 | もともとアンサンブルは、質実剛健というコンセプトが、 そのまま紙質からページ数、そして価格にまで反映された、 とても『重い雑誌』な訳だけど。 | ||||
118 | そこに、こんなとんでもない表紙を付けられて、 俺の初めての記念って形で差し出されると、 重すぎて、どういう表情をしていいのかわからない。 | ||||
119 | とりあえず、笑… って、とりあえずで笑えるのか、俺… | ||||
120 | 麻理 | Mari | 「それで、あと何冊欲しい?」 | ||
121 | 春希 | Haruki | 「え…」 | ||
122 | 麻理 | Mari | 「あげたい人、いるだろ? 家族とか、友達とか、あと…」 | ||
123 | 鈴木 | Suzuki | [F16「最後、微妙に濁したね…」] | ||
124 | 松岡 | Matsuoka | [F16「そこまで勘繰りますか…」] | ||
125 | 麻理 | Mari | 「さすがに10冊とかは無理だけど、 2、3冊ならなんとかなるって言ってたわよ」 | ||
126 | あげたい人? 家族とか、友達とか、あと………誰? | ||||
127 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
128 | 俺の初仕事。 | ||||
129 | たかがアルバイトだけど、 何度も駄目出しされたけど、 敷かれたレールの上を走ったようなものだけど。 | ||||
130 | それでも夢見てた…ってのとはちょっと違うけど、 イメージしてた将来の姿に、一歩近づいた記念。 | ||||
131 | 麻理 | Mari | 「バイト代安いんだし、 遠慮なくもらっちゃいなさい?」 | ||
132 | 春希 | Haruki | 「でも…」 | ||
133 | 家族は論外。 | ||||
134 | きっとまた『ふぅん』と生返事をされて、 無造作にマガジンラックに放り込まれるだけ。 | ||||
135 | 友達は、きっと喜んでくれる。 | ||||
136 | いつもみたいに、遠慮なく部屋に上がり込み、 俺の決まってもいない就職を祝って朝まで盛り上がり、 後片づけは俺に任せて帰るだろう。 | ||||
137 | …記事の内容が、これじゃなかったら、だけど。 | ||||
138 | だから、結局は話せない。 話せるわけがない。 | ||||
139 | あと… | ||||
140 | “彼女”は、絶対に喜んでくれる。 | ||||
141 | そして彼女は、俺の書いた記事の内容を知っても、 やっぱり喜んでくれると思う。 | ||||
142 | だけど、それでも… 俺は彼女に、全てを話すべきなんだろうか? | ||||
143 | 今以上に近づきたいと願ってるなら話すべき。 全てを元に戻したいなら話さなくちゃならない。 | ||||
144 | 壊したくないのなら、口を閉ざすべき。 少しでもリスクを恐れるなら、 “彼女”に“あいつ”の話なんかしちゃいけない。 | ||||
145 | 春希 | Haruki | 「俺は…」 | ||
146 | 何が『誠実』な行動なのか… まだ、三年前の答えを見つけられないままだった。 | ||||
147 | 1.じゃあ、一冊だけ | Choice | |||
148 | 2.必要ないです | Choice | |||
149 | 春希 | Haruki | 「じゃあ、あと一冊だけください」 | ||
150 | …冬馬かずさの親友のために。 | ||||
151 | 春希 | Haruki | 「いえ、やっぱりもういいです」 | ||
152 | 麻理 | Mari | 「え…」 | ||
153 | 結局、安全な方に流れてしまう。 | ||||
154 | 良くも悪くも、何も壊さず。 | ||||
155 | 彼女との関係を劇的に改善しない、 そして終わらせもしない選択。 | ||||
156 | 麻理 | Mari | 「そんな…誰か喜んでくれるひと、いるだろ?」 | ||
157 | 春希 | Haruki | 「いや、別に。 バイトだし、そんな大したことじゃないし」 | ||
158 | 鈴木 | Suzuki | 「大したことじゃないってよ、松っちゃん」 | ||
159 | 松岡 | Matsuoka | 「明日からバイトいじめに走っていいよね? 俺、それくらいの仕打ち受けてるよね?」 | ||
160 | 麻理 | Mari | 「北原…」 | ||
161 | 春希 | Haruki | 「それより、いただいていいですか? せっかくのお祝いだってことなんで」 | ||
162 | 麻理 | Mari | 「え? あ、ああ…どうぞ」 | ||
163 | 浜田 | Hamada | 「しかしこれ… 横綱あ○れにお○ぎりせん○いに、 チー○お○きってなぁ…」 | ||
164 | 松岡 | Matsuoka | 「しかも全部お徳用…」 | ||
165 | 鈴木 | Suzuki | 「か、可愛くない」 | ||
166 | 麻理 | Mari | 「な、何言ってるんだ。 ほら、チョコレートだってちゃんと」 | ||
167 | 浜田 | Hamada | 「ア○ファベッ○チョコレート…」 | ||
168 | 松岡 | Matsuoka | 「これもお徳用…」 | ||
169 | 鈴木 | Suzuki | 「…可愛い?」 | ||
170 | 麻理 | Mari | 「………お徳じゃないか」 | ||
171 | ……… | .........
| |||
172 | …… | ......
| |||
173 | … | ...
| |||
174 | 春希 | Haruki | 「日付が変わる前に帰れるなんて、 随分と久しぶりなんじゃないですか?」 | ||
175 | 麻理 | Mari | 「…まぁな」 | ||
176 | 22時を過ぎた頃に周りを見たら、 いつの間にか、俺たち以外誰もいなくなっていた。 | ||||
177 | 麻理さんも、奇跡的に急ぎの仕事を抱えてなくて、 二人して編集部を出たのは23時前。 | ||||
178 | 麻理 | Mari | 「………」 | "........."
| |
179 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
180 | けど今の麻理さんの雰囲気じゃ、 『飲みに行こうか』も『もう一軒行こうか』も、 出てきそうな感じがしない。 | ||||
181 | …なんてな。 元々、麻理さんと俺の二人しかいないのに、 そんな誘いがあるわけがないんだけど。 | ||||
182 | 麻理 | Mari | 「なぁ、北原」 | ||
183 | 春希 | Haruki | 「え?」 | ||
184 | そんな誘いがあるわけが… | ||||
185 | 麻理 | Mari | 「本当にいないのか? 喜んでくれる相手」 | ||
186 | 春希 | Haruki | 「………え?」 | ||
187 | 確かに、なかったけど、 それでも謎が解けた。 | ||||
188 | どうして今日の麻理さんが『飲みにでも行くか』の 雰囲気を持つこともなく、沈みがちだったのか。 | ||||
189 | 春希 | Haruki | 「あのこと、まだ気にしてたんですか?」 | ||
190 | 麻理 | Mari | 「するだろ普通」 | ||
191 | 春希 | Haruki | 「いや、流すでしょ…」 | ||
192 | 俺がその発言をしたのは、もう7時間ほども前。 | ||||
193 | 祝いの席での、ほんのちょっと空気を読まない、 微妙に痛い独り言。 | ||||
194 | 麻理 | Mari | 「ご両親は? 北原を大学にまで入れてくれたんだろ?」 | ||
195 | 春希 | Haruki | 「母親の方は近所に住んでますけど、 まぁ、学費を出してくれた以外のことは…」 | ||
196 | 麻理 | Mari | 「友達は? 付属時代からの付き合いだって続いてるだろ?」 | ||
197 | 春希 | Haruki | 「大丈夫、続いてますよ。 俺、友達そんなに少なくないですから」 | ||
198 | 麻理 | Mari | 「だったら…」 | ||
199 | 本当に、このひとは… | ||||
200 | その面倒見の良さは、 ヤクザの親分に通じるところがあるくらいで。 | ||||
201 | 俺を、いつもいたたまれない気分にさせてくれる。 言い訳をせずにはいられなくしてくれる。 | ||||
202 | 春希 | Haruki | 「ええと…何て言えばいいのかな? ちょっと説明しにくいんですけど」 | ||
203 | これが、普通の記事ならよかった。 | ||||
204 | 芸能界のゴシップでも、 恐怖の大予言特集でも、 下手をすれば御宿の風俗店情報でさえも。 | ||||
205 | きっと武也は指を指して笑い、 依緒は散々笑った後、ぽんと肩を叩くだろう。 | ||||
206 | そして雪菜は… | ||||
207 | そんな低俗な雑誌でも、自分のお金でもう一冊買い、 ぎゅっと胸に抱きかかえてくれる…かもしれない。 | ||||
208 | 春希 | Haruki | 「つまりですね… 俺の家庭環境や交友関係がどうとかじゃなくて、 もう少し後付けの問題というか…」 | ||
209 | 麻理 | Mari | 「………」 | "........."
| |
210 | ところがこれが、 『日本ピアノ界に突如現れた新星 冬馬かずさ』 という内容になると、かなり事情が異なり… | ||||
211 | きっと武也は困ったように黙り込んでしまい、 依緒はさんざん怒った後、黙って席を立つ。 | ||||
212 | そして雪菜は… | ||||
213 | 春希 | Haruki | 「だから、えっと… 今回取り上げた取材対象側にですね…」 | ||
214 | 麻理 | Mari | 「わかった、もういい」 | ||
215 | 春希 | Haruki | 「え…?」 | ||
216 | 異様なまでに時間を掛けて、 やっと話す決心をつけた瞬間… | ||||
217 | 麻理さんは、測ったように一歩退いて、 そのまま距離を拡げていった。 | ||||
218 | 春希 | Haruki | 「って、ちょっと待ってください」 | ||
219 | しかも、やたらと機嫌を損ねたというか、 随分と傷ついたような、また放っておけない表情を残して。 | ||||
220 | 春希 | Haruki | 「麻理さんってば!」 | ||
221 | 早足で駆け出してしまった麻理さんの背中を追って、 けれど追いついたらどうやって止めるのかわからず。 | ||||
222 | だから、その気になれば捕まえられる中途半端な距離と、 両肩に置けるくらいの中途半端な手の高さを保ったまま、 長い髪が揺れる背中をずっと追いかける。 | ||||
223 | 春希 | Haruki | 「…って、あれ?」 | ||
224 | と、その急ぎ足がいきなり角度を変え、 灯りの点った建物の中へと吸い込まれていく。 | ||||
225 | しかもここは、 この手の店にしては閉店時間の遅い… | ||||
226 | ……… | .........
| |||
227 | 店員 | Clerk | 「ありがとうございました~」 | ||
228 | 麻理 | Mari | 「どうだ、買ってきたぞ!」 | ||
229 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
230 | で、その数分後。 | ||||
231 | 書店の紙袋から出した今日発売のアンサンブルを、 誇らしげに胸に抱えてみせた。 | ||||
232 | 麻理 | Mari | 「あと二冊しか残ってなかった。 結構危なかった…やっぱり売れてるのかな」 | ||
233 | 春希 | Haruki | 「えっと、麻理さん?」 | ||
234 | 麻理 | Mari | 「ん?」 | ||
235 | 春希 | Haruki | 「で、それに何の意味があるんです?」 | ||
236 | 麻理 | Mari | 「これは私の。 永久保存版」 | ||
237 | 春希 | Haruki | 「え」 | ||
238 | 麻理 | Mari | 「本当、嘘つきだな北原は。 ちゃんと喜んでくれる人間、いるじゃないか」 | ||
239 | 春希 | Haruki | 「え………」 | ||
240 | 最初、麻理さんの言ってることは、 よく意味がわからなかった。 | ||||
241 | 麻理 | Mari | 「私の部下の、初めての成果だ。 嬉しく思って何が悪い?」 | ||
242 | 春希 | Haruki | 「だからって買うことは… さっきの見本誌、まだ残って…」 | ||
243 | 麻理 | Mari | 「私にはお金を払う価値があるんだよ!」 | ||
244 | 春希 | Haruki | 「っ…」 | ||
245 | いや、多分、何度考え直しても、 釈然としないところは残るに違いない。 | ||||
246 | 麻理 | Mari | 「どんな理由があろうとも、 私のかわいい部下の初仕事を誰も認めないなんて、 そんなことがあってたまるか…たまりますか」 | ||
247 | 春希 | Haruki | 「そんな、駄々っ子じゃないんだから」 | ||
248 | 麻理 | Mari | 「お前こそどうしてそんなに醒めてるんだよ!」 | ||
249 | 春希 | Haruki | 「だって…」 | ||
250 | けれど、そこを含めて、 麻理さんの理論は、強引で、理論になってなくて、 そして説得力と勢いだけがやたら激しくて。 | ||||
251 | 麻理 | Mari | 「北原、いい仕事したよ。 私の最初の記事と比べても遜色なかった。 …まぁ、私の方がほんの少し上だったけど」 | ||
252 | 春希 | Haruki | 「…ありがとうございます」 | ||
253 | ちょっとばかり騙されても… 感激してもいいかなって、思えてしまう。 | ||||
254 | 麻理 | Mari | 「だから、そんなに頑張ったのに… 誰も喜んでくれる人がいないとか… そんな寂しいこと、言うなよ!」 | ||
255 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
256 | 俺が逡巡していたのは、 麻理さんが決めつけたような単純な理由からじゃない。 | ||||
257 | けれど麻理さんは、 そんな俺の側の事情を知ろうが知るまいが、 ただ自分の信じた俺の不遇を、思いっきり怒ってた。 | ||||
258 | 麻理 | Mari | 「文句ある?」 | ||
259 | 春希 | Haruki | 「…っ」 | ||
260 | 麻理 | Mari | 「な…っ、 何で笑う? 私はこんなに怒ってるのに!」 | ||
261 | 春希 | Haruki | 「っ…っ…ははっ…」 | ||
262 | そのすれ違いが、なんだかおかしくて、 自分でも嫌味だなぁと思ってしまう笑みが、 後から後から湧き出て止まらない。 | ||||
263 | 麻理 | Mari | 「こ、こらっ、北原っ」 | ||
264 | 春希 | Haruki | 「麻理さんは…熱いひとですね。 ちょっと外し気味なのが玉に瑕ですが」 | ||
265 | 麻理 | Mari | 「お、お前こそ、そうやっていつも斜に構えて! そういうの格好いいとでも思ってるのか?」 | ||
266 | 春希 | Haruki | 「いいえ、格好いいのはあなたの方です。 …俺、麻理さんのそんなとこ好きですよ」 | ||
267 | 麻理 | Mari | 「~~~っ!? お、お、お…お前っ!」 | ||
268 | 本当に、格好いいひとだ。 | ||||
269 | 俺が女性にこんな感情を抱くなんて、 麻理さんで二人目だ。 | ||||
270 | 一人目の、クールで鋭い格好良さとも違う。 | ||||
271 | なんていうか、熱血というか、力技というか、 そういう無駄な熱さを伴う、一昔前の格好良さというか。 | ||||
272 | …なんて言うと、 ちっとも女性を誉めているような気にならないのは、 俺の気のせいだろうか? | ||||
273 | 春希 | Haruki | 「改めて、ありがとうございます。 …いつも元気を分けてくれて」 | ||
274 | 麻理 | Mari | 「わ…わかればいい。 あと、上司をからかうような言動は慎むように」 | ||
275 | 春希 | Haruki | 「はい、すいませんでした。 以後気をつけます」 | ||
276 | 麻理 | Mari | 「…なら、よし。 とりあえず、今日受けた屈辱は忘れることにする」 | ||
277 | 春希 | Haruki | 「そこまで酷いことしてませんけど…」 | ||
278 | 麻理 | Mari | 「じゃ、じゃあ帰ろうか、北原」 | ||
279 | 春希 | Haruki | 「あ…すいません。 もうちょっとだけ」 | ||
280 | 麻理 | Mari | 「どうしたの?」 | ||
281 | 春希 | Haruki | 「俺も買ってきます。 …最後の一冊」 | ||
282 | 麻理 | Mari | 「え?」 | ||
283 | 春希 | Haruki | 「麻理さんのおかげで、一人、心当たりができました。 …喜んでくれるかもしれない相手」 | ||
284 | 麻理 | Mari | 「え………?」 | ||
285 | 麻理さんに教えられたから。 | ||||
286 | 結局、攻めるしかないんだって。 本気でぶつからないと、何も変わらないんだって。 | ||||
287 | ……… | .........
| |||
288 | 麻理 | Mari | 「………っ」 | ||
289 | 麻理 | Mari | 「なによ…結局いるんじゃない、彼女…」 | ||
290 | 乗客たち | Passengers | 「っ!?」 | ||
291 | 麻理 | Mari | 「バカにしやがって…っ!」 | ||
292 | ……… | .........
| |||
293 | 『今日、店に並んでた。 記念に一冊買った』 | ||||
294 | 『編集部の皆にも祝ってもらった。 会議室で、お菓子とジュースで。 ささやかな戦果を、ささやかなパーティで』 | ||||
295 | 『誌名と発売日、教えてなかったのは謝る』 | ||||
296 | 『だって、雪菜に先に手に入れて欲しくなかったから。 俺から直接、雪菜に手渡したかったから』 | ||||
297 | 『えっと、そういう訳なんで、 俺の初めての記事が載った本、 受け取って欲しい』 | ||||
298 | 『5分でいい。 明日、時間取れないかな? 家まで渡しに行くから』 | ||||
299 | 『返事、待ってる』 | ||||
300 | もしかして、熱に浮かされているかもしれない。 いや、多分絶対に浮かされてる。 | ||||
301 | 本当は、誰かに自慢したかったのかもしれない。 今度ばかりは、一緒に喜んで欲しかったのかもしれない。 | ||||
302 | …違う。 ずっと一緒に喜んで欲しかった。 すごいねって、文字じゃなくて声が欲しかった。 | ||||
303 | 俺の目の前で、笑って欲しかった。 | ||||
304 | ただ、その欲求を口に出して言えるほど、 自分の身勝手に忠実になれなかっただけ。 | ||||
305 | 俺の記事を見て、雪菜は傷つくかもしれない。 また、辛い気持ちを抱えてしまうかもしれない。 | ||||
306 | でも今は、 それも含めて、俺の気持ちを聞いてもらいたい。 | ||||
307 | だから、本を渡したい。 話をしたい。 …会いたい。 | ||||
308 | 三年経っても、ずっと結論のでない『誠実』に、 結局、何の結論も出せないまま、だけど。 | ||||
309 | ……… | .........
| |||
310 | そんな、進む覚悟も、退く覚悟もままならない 中途半端な俺を叱咤するのは、 どんなお節介な神様か知らないけれど。 | ||||
311 | 『ごめん、明日はちょっと。 家族で出かける予定があるの』 | ||||
312 | 春希 | Haruki | 「あ…」 | ||
313 | それでも状況だけが、俺の望んだ通り、 けれど俺の覚悟に釣り合わないまま、 俺の逃げ道をなくしていく。 | ||||
314 | 『24日じゃ…駄目?』 |
Script Chart
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Introductory Chapter | ||||||
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1001 | 1008 | 1009 | 1010 | 1011 | 1012 | 1013 |
1002 | 1008_020 | 1009_020 | 1010_020 | 1011_020 | 1012_020 | |
1003 | 1008_030 | 1009_030 | 1010_030 | 1011_030 | 1012_030 | |
1004 | 1008_040 | 1010_040 | 1012_030_2 | |||
1005 | 1008_050 | 1010_050 | ||||
1006 | 1010_060 | |||||
1006_2 | 1010_070 | |||||
1007 |
Closing Chapter | ||||||||||
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Common | Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | ||||||
2001 | 2011 | 2020 | 2027 | 2301 | 2309 | 2316 | 2401 | 2408 | 2501 | 2510 |
2002 | 2012 | 2021 | 2028 | 2302 | 2310 | 2317 | 2402 | 2409 | 2502 | 2511 |
2003 | 2013 | 2022 | 2029 | 2303 | 2311 | 2318 | 2403 | 2410 | 2503 | 2512 |
2004 | 2014 | 2023 | 2030 | 2304 | 2312 | 2319 | 2404 | 2411 | 2504 | 2513 |
2005 | 2015 | 2024 | 2031 | 2305 | 2313 | 2320 | 2405 | 2412 | 2505 | 2514 |
2006 | 2016 | 2025 | 2032 | 2306 | 2314 | 2321 | 2406 | 2413 | 2506 | 2515 |
2007 | 2017 | 2026 | 2033 | 2307 | 2315 | 2322 | 2407 | 2507 | 2516 | |
2008 | 2018 | 2308 | 2508 | 2517 | ||||||
2009 | 2019 | 2509 | ||||||||
2010 | ||||||||||
Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | |||||||
2031_2 | 2312_2 | 2401_2 | 2504_2 | 2511_2 | ||||||
2031_3 | 2313_2 | 2402_2 | 2507_2 | 2513_2 | ||||||
2031_4 | 2313_3 | 2402_3 |
Coda | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Kazusa (True) | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | ||||||
3001 | 3008 | 3014_2 | 3020 | 3101 | 3107 | 3201 | 3207 | 3901 | 3907 |
3002 | 3009 | 3014_3 | 3021 | 3102 | 3108 | 3202 | 3208 | 3902 | 3908 |
3003 | 3010 | 3015 | 3022 | 3103 | 3109 | 3203 | 3209 | 3903 | 3909 |
3004 | 3011 | 3016 | 3023 | 3104 | 3110 | 3204 | 3210 | 3904 | |
3005 | 3012 | 3017 | 3024 | 3105 | 3111 | 3205 | 3211 | 3905 | |
3006 | 3013 | 3018 | 3106 | 3206 | 3906 | ||||
3007 | 3014 | 3019 | |||||||
Common | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | |||||||
3001_2 | 3210_2 | 3901_2 | 3906_2 | ||||||
3015_2 | 3902_2 | 3907_2 | |||||||
3902_3 | 3907_3 | ||||||||
3904_2 |
Mini After Story and Extra Episode | |||
---|---|---|---|
The Path Back to Happiness | The Path Forward to Happiness | Dear Mortal Enemy | |
6001 | 6101 | 4000 | 4005 |
6002 | 6102 | 4001 | 4006 |
6003 | 6103 | 4002 | 4007 |
6004 | 6104 | 4003 | 4008 |
6005 | 4004 | 4009 |
Novels | |||||
---|---|---|---|---|---|
The Snow Melts, And Until The Snow Falls | The Idol Who Forgot How to Sing | Twinkle Snow ~Reverie~ | After the Festival ~Setsuna's Thirty Minutes~ | His God, Her Savior | |
5000 | 5100 | 5200 | 5205 | 5300 | 5400 |
5001 | 5101 | 5201 | 5206 | 5301 | 5401 |
5002 | 5102 | 5202 | 5207 | 5302 | |
5003 | 5103 | 5203 | 5208 | 5303 | |
5004 | 5104 | 5204 | 5209 |
Short Stories | |||
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Princess Setsuna's Distress and Her Minister's Sinister Plan | Koharu Climate After the Passing of the Typhoon | This isn't the Season for White Album | Todokanai Koi, Todoita |
7000 | 7100 | 7200 | 7300 |