White Album 2/Script/5303
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Translation Notes[edit]
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Speaker | Text | Comment | |||
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Line # | JP | EN | JP | EN | |
1 | 「っ!? あ…れ?」\k\n それは、どこかの教室から響いてきた誰かの笑い声のせいか、校庭に入り込んできた軽トラックのエンジン音のせいか…\k\n「冬馬…?」\k\n 先ほどまで何をどうしても起きなかった春希が、かくんと頭を揺らし、ゆっくりと瞼を開いていく。\k\n その後、視線を正面から外し音楽室全体をぼうっと見回しているのは、たぶん、今の風景が眠ってしまう直前の記憶と少しばかり乖離しているせいだろう。\k\n 例えば、自分の覚えている第二音楽室はもっと赤い光に包まれていたはずだとか、優しい音色に満たされたはずだとか、それに…\k\n「帰っちゃったか…」\k\n “あのコ”が、側にいてくれた、はずだとか… | ||||
2 | 「おはよ」\k\n「っ!?」\k\n そんな、何かを反芻するような、夢見るような遠い視線を遮るような声を出したのは、どんな感情からだったのか。\k\n「おはよ春希くん。そして、お疲れさま」\k\n「雪菜…?」\k\n 当の雪菜本人にも、よくわかっていなかった。\k\n ただ、目の前の彼の瞳の中に、まるで自分が映っていなかったことだけはわかった。\k\n その事実を認めたくない自分の心か身体が自然に反応したことだけはわかった。\k\n「え、ええと…クラスの方は?」\k\n「とっくに終わったよ。もうすぐ六時だもん」\k\n …要するに、本当はよくわかってなくなんか、なかった。 | ||||
3 | 「…もうそんな時間なのか。だいぶ寝てたなぁ」\k\n「そうだね。わたしが来てからでも、三十分以上」\k\n そう、雪菜がここに来てから三十分経っていた。\k\n「起こしてくれよ…」\k\n「嫌だよ」\k\n その間、必死で目をこするのを我慢してハンカチで押さえ、赤く染まっていた目がなんとか元通りになるのに間に合った。\k\n …起こせる訳がなかった。\k\n「そんなに気を使ってくれなくてもいいって。だいたい、疲れてるのはお互い…」\k\n「そんなことしたら、春希くんの寝顔がゆっくり楽しめないよ。もったいない」\k\n「な…っ!?」\k\n「………」 | ||||
4 | 今、春希の前に満面の笑顔を晒しているのだって、ほんの少し前までの表情を少しでも気取らせないための、必死のパフォーマンスでしかなかった。\k\n「…冗談だよな?」\k\n「………」\k\n「冗談だって言ってくれよ」\k\n「ふふっ」\k\n「だから! からかったって言ってくれっての!」\k\n「あはっ…や~だよ~だ」\k\n けれど、雪菜のその出たとこ勝負のごまかしは、目覚めたばかりの春希には十分すぎるほど通用していた。\k\n だから雪菜は、その悪戯っぽい笑顔と小悪魔的な台詞の裏で激しい自己嫌悪に陥る。 | ||||
5 | 「ふあぁぁぁ~…つつつっ! あ~、体のあちこちが痛い」\k\n「頑張ったもんね今日。ううん、今日だけじゃなくて、今週ずっと」\k\n 春希に、嘘をついていることに。\k\n もしかしたら、かずさにも嘘をつくかもしれないことに。\k\n …自分の欲望に、正直に振る舞っていることに。\k\n「そんなのは雪菜だって…あれ?」\k\n そう、例えば今、春希の肩に掛かっているコートなんかは、その象徴だった。\k\n「これ…雪菜が?」\k\n「お母さんが持ってきてくれたんだ。昨日、家に帰らなかったから、着替えだって」\k\n「………まさに色々とごめん」 | ||||
6 | 春希はきっと、三十分前には自分に掛けられていたと思っただろう。\k\n けれどそれは違う。本当はさっき掛けたばかりだった。\k\n「返すよ。本当に悪い。こういうの男の役目なのに」\k\n だって雪菜は、ここに来てしばらくは、春希のことを気づかうことすらできなかった。\k\n 泣いて、千々乱れて、熱く燃えさかって、寒いという感覚を置き忘れてしまった。\k\n「ううん。春希くんは、十分男の子の役目、果たしたよ?」\k\n だから、コートを掛けたのは作戦の一環だった。\k\n 彼に、自分のことで負い目を持ってもらうため。\k\n 優しい女の子だと“誤解”してもらうため。 | ||||
7 | 何しろ、今から自分がしようとすることは、もしかしたら『優しい』などとはとても言えないような、とんでもない背信行為になってしまうかもしれなかったから。\k\n …ほんの少しだけ、そんな黒い考えが頭をよぎってしまったから。\k\n「わたしに勇気をくれた。あの高い場所で、たくさんの人に向かって、それでも楽しく歌える勇気を」\k\n「そんなこと…ないって」\k\n ゆっくり背中を向けると、その期待通りに春希の手が雪菜の肩に触れ、コートを雪菜の身体に滑らせていく。\k\n そんな計算通りの展開に悦びを感じつつ、そしてまたしても、そんな自分の黒さに自己嫌悪に陥る。 | ||||
8 | 「た~のしかったね~」\k\n「めちゃくちゃ、な」\k\n でももう、いくら自分を汚いと罵っても、卑怯だと蔑んでも、『ステージの余韻を未だに引きずって興奮状態の自分』の演技をやめるわけにはいかない。\k\n「人前で歌うのって、ものすごく緊張するけど、一線を越えちゃったら二度とやめられなくなりそう」\k\n だって今、自分が泣いたら、何もかもぶち壊す。\k\n「うん、今でも覚えてる。あのスポットライトに照らされて歌ったんだなぁ」\k\n けれど今、自分が諦めても…きっといつか、何もかもが壊れてしまう。\k\n 視線の先にまばゆい光をイメージしながらも、その先に光が見えない。 | ||||
9 | 「…そういえば振りつけとか全然やらなかったね」\k\n「そんなことは些細な問題だ。誰も気にしてなかった」\k\n「あ~…歓声が耳に残ってる。当分忘れられそうにないな。目を閉じると、まだ夢の中にいるみたい」\k\n 耳を澄ませ賞賛の声を思い出したくても、届くのはかずさの悲嘆と感嘆の声、そして自分の…怨嗟の声。\k\n「じゃあ、またやるか? 俺はともかく、雪菜と冬馬がいれば、もっと大きなイベントだって…」 | ||||
10 | 「ね、春希くん」\k\n「ん?」\k\n「これからも、ずっと一緒にいてね?」\k\n だから雪菜は、その、自分を追い込む光や音たちから逃げ出すために、自分が最悪だと信じて疑わない道に迷い込んでいく。\k\n「…雪菜さえよければ」\k\n「峰城大、行くんだよね? 文系だよね? どこの学部狙い?」\k\n「え? いや、今のところ政経のつもりだけど…」\k\n「むぅ…英文行かない?」\k\n「いや俺英語苦手だし。相対的に」\k\n「わたしだって政治も経済も苦手だよ。絶対的に」\k\n それは、今のタイミングでは絶対にやっていけないはずの、女の子の甘え満点なワガママ。 | ||||
11 | 「無理に学部まで合わせる必要ないだろ。今まで通り同じ学校に通うんだから、毎日会えるし」\k\n「毎日も重要だけど、一日何時間ってのも重要じゃないかな?」\k\n この世界に彼と自分の二人しかいないかのような、もう一人を排除するための結界。\k\n「そもそも教養課程では一緒の講義も多いし。何でそんなに選択を急ぐんだよ?」\k\n「それは…そうなんだけど…ね」\k\n あまりにも性急すぎることはわかっている。\k\n 自分の話が支離滅裂なのもわかっている。\k\n「今はそんな先の話より、目先の約束。進学しても、また三人で何かやりたいな。雪菜と、冬馬と、俺と…」 | ||||
12 | 「………」\k\n「雪菜?」\k\n「一緒にいてね、春希くん」\k\n「あ? ああ…」\k\n 今の自分が、いつもと違うことなんか、最初からわかっている。\k\n それでも雪菜は、春希がその支離滅裂を理解してくれないことに苛立つ。\k\n | ||||
13 | 「進学しても、二年になっても、三年になって、もしも学部が違っても…」\k\n「雪菜?」\k\n「もしもわたしが留年して、春希くんの後輩になっちゃったとしても」\k\n「普通にやってれば留年なんかしないって…」\k\n どうしてそんな曖昧な態度しか取ってくれないのかと。\k\n 自分のことを、いい加減にしろと叱ってくれないのかと。\k\n そんなのは無理だと、拒絶してくれないのかと。 | ||||
14 | 「もしも、もしも…ええと、ええとね…」\k\n 本当は、春希がそんなことできるわけがないと最初から知っていて、それでも理不尽を求める自分とは一体なんなのか、と懊悩しながらも…\k\n「落ち着けって。今、明かりつけるから…」\k\n「駄目!」\k\n「っ!?」\k\n そんな懊悩にまみれた雪菜の手が、いつの間にか春希を掴んでしまっていた。\k\n「やめようよ…夢が覚めちゃうよ」\k\n 心は行ったり来たりを繰り返しながらも、身体はもう、前に突き進むことを止められはしなかった。 | ||||
15 | 「ね、春希くん」\k\n「雪菜…?」\k\n 雪菜の指が、春希の指を一本一本絡め取っていく。\k\n 情熱と、柔らかさと、温かさを総動員して、“たらし込んで”いく。\k\n 雪菜の、身体の中の“女”が…\k\n「今日のわたしは、ずっと夢を見続けてたい」\k\n | ||||
16 | ――駄目、駄目。\k\n 夢なんか、見ちゃいけない。 | ||||
17 | 「スポットライトを浴びて、大歓声を受けて、大好きな歌を、心から楽しく歌って」\k\n ――わたしの求める未来を考えちゃいけない。\k\n それだけは、許されない。\k\n 「それで、みんなも喜んでくれて」\k\n ――友達を、裏切るなんてありえない。\k\n たった半日前だよ?\k\n ずっと求めてた、親友になってくれるかもしれないひとなんだよ? | ||||
18 | 「好きな人に、誉められて…だから調子に乗って、ごほうびを、ねだって…」\k\n 雪菜の、頭の中の“女の子”が必死で抵抗する。\k\n「そしたらその人が、ちょっと苦笑いして、甘えん坊のわたしを、やさしく抱きしめて…」\k\n けれど、欲望通りに動く身体の方に“耳”はついていなくて。\k\n「せつ…な…」\k\n「…でも、ちょっと想像してたのと違うね、これ」\k\n 二人、繋がれた両手を胸の前で握り、自分の額を春希の胸に埋めていく。\k\n「こんなふうに、自分の方から迫っちゃうなんて、計画のうちにはなかったんだけどな」\k\n …もちろん、コートを落としたのもわざと。\k\n 少しでも寒い格好の方が、春希が雪菜を抱きしめる罪悪感を減らせると思ったから。 | ||||
19 | ――でも、でも。\k\n もし、わたしが今動かなかったら?\k\n 冬馬さんの想いが、春希くんに届いてしまったら?\k\n そしたらあのコは、わたしが二人の側にいても耐えられるだろうか?\k\n 「あくまでもわたしは受け身で…ちょっとびっくりしたけど、でも、ずっと待ってたんだからいいやって…」\k\n ――ううん、違う。あのコは、きっと傷つく。\k\n 純粋だからこそ、彼のことを本気で好きだからこそ。\k\n わたしが二人の側にいることを辛く思うに違いない。\k\n そして、そんなふうに考える自分をも嫌悪してしまうはず。\k\n …今の、わたしみたいに。 | ||||
20 | 「…そんな感じの、都合のいい夢だったんだけどなぁ」\k\n ――だから、先に動くのは春希くん。\k\n 冬馬さんの彼として、わたしの友達として。\k\n あのコの告白を受け入れて、わたしとの『離れていかない』という約束を守るため。\k\n …きっと、わたしと少しだけ距離を置くようになる。\k\n ……離れないために、離れていく。 | ||||
21 | 「仕方がないか…自分の心を掴みきれてなかったわたしが悪いんだもんね」\k\n「あ…」\k\n ――嫌だ、嫌だ、そんなの。\k\n どうして嫌かはわからないけれど。\k\n ううん、嫌な理由が沢山ありすぎて、どれが一番の理由かわからないけれど。 | ||||
22 | 「ね、春希くん…」\k\n とうとう、心の方まで身体の行為に浸食されていく。\k\n | ||||
23 | 「よけても、いいんだよ…?」\k\n「雪菜…俺…」\k\n 全てを本能に委ね、ただ湧き上がる欲望を肯定し…\k\n「………」\k\n「あ…」\k\n | ||||
24 | そして、しっかりとタイミングを計って、目を閉じる。\k\n …自分でも感嘆するくらい、相手の逃げ場をなくしてしまう絶妙のタイミングで。 | ||||
25 | 「いいの…か?」\k\n それでも躊躇する彼の中の彼女に、激しく嫉妬を覚える。\k\n ついで湧き上がるのは、そんな醜い嫉妬を覚えた自分の心への、三度目の自己嫌悪。\k\n「本当に俺で…?」\k\n「………」\k\n そして最後に…\k\n ――これからも三人が一緒にいるためには、こうしなくちゃならないんだ。\k\n そんな、確かに本心ではあったけれど、その想いのもたらす結果に未だ自信の持てない論理に、目を閉じ、耳を塞ぎ、心を委ねていく。 | ||||
26 | 「雪菜…」\k\n「ん…ぅ…」\k\n …唇だけは、少しだけ開いて。\k\n | ||||
27 | ――ああ、ああ…\k\n や…った、やった…ぁ。\k\n 「………っ」\k\n「ん、ん…んぅっ」 | ||||
28 | ――なんて、酷い。\k\n すごい自己中だ、わたし。\k\n 「は、ぁ…んふ、あ、ん…」\k\n「は、ぁ…ぁぁ…」\k\n ――冬馬さんの気持ちを知っていながら…\k\n ううん、冬馬さんの気持ちの強さを知ったからこそ、こんなことして。\k\n 恋敵の感情にあてられて、自分の気持ちが盛り上がってしまうなんて。\k\n 信じられない、酷い女だ。 | ||||
29 | 「ん…ちゅぅ…あ、ふぁ…ぁぁ…」\k\n「あ、あ…」\k\n ――でも、でも…\k\n 先に抜け駆けしたのは、先に嘘をついたのは…\k\n 「はぁ、はぁ、はぁぁ…あ、あは…」\k\n「………っ」 | ||||
30 | ――あ、あ、あ…\k\n 春希くんの、息が。\k\n わたしに、かかってる。\k\n わたしの口の中に溜まっていく。\k\n 彼の、唇の感触とともに。\k\n 雪菜にとって初めての禁断の果実は、信じられないほど甘かった。\k\n 甘くて、ぬめっていて、そして、心地よかった。\k\n もう、かずさの甘党を責めることも笑うこともできないと思えるほど、この甘さが心の底から、身体の奥から気持ちよかった。 | ||||
31 | ――彼の息遣い…すごい。\k\n 彼の息を浴びて、わたし、興奮してる。\k\n 彼が興奮してるからなのか。\k\n それともわたしの興奮が彼にうつっちゃったのか。どっちなのか、な…\k\n 口に入れたものが禁じられた果実だったからなのか。\k\n それとも、心の底から求めていたからなのか… | ||||
32 | ――ああ、なんて、こと…\k\n なんてこと、しちゃったんだろう。\k\n かずさを裏切った。\k\n こんな邪な気持ちで春希くんに迫ってしまった。\k\n 「はぁぁ…ふぅ、ん。あ、あは…あはは…」\k\n「はぁ…あ…」\k\n ――でもね、でも… | ||||
33 | 「ごめん…春希くん」\k\n「なんで…謝る?」\k\n ――なぜだろう?\k\n それなのに。\k\n 純粋に相手を想う気持ちだけでキスしたんじゃないのに。\k\n 「だって………ファーストキスなんだ」\k\n「雪菜…」\k\n ――なのに、どうして、こんなに嬉しいんだろう。\k\n 彼が初めての相手であることが。\k\n 彼の、心の中での初めての相手であることが。 | ||||
34 | 歓喜に震えていた。\k\n 雪菜は、今まさに激しい想いに胸焦がれていた。\k\n ――ああ、春希くんの…\k\n 春希くんの唾、飲んじゃった。\k\n きっと、まだ冬馬さんもしてないこと、しちゃった…\k\n 彼のことが本気で好きだという、彼を手放したくないという、強さと同時に汚さも併せ持つ気持ちに身を任せていた。 | ||||
35 | ――胸の高鳴りが心地良い。\k\n 顔が、熱い。\k\n 唇の湿りが気持ちいい。\k\n ………わたしが、彼の、はじめてなんだ。 | ||||
36 | この瞬間、雪菜は、かずさと同じ境地に…\k\n 今になって、かずさと同じ気持ちの強さにまで至ってしまった。\k\n もう今の雪菜は、自分を罵ることさえできない。\k\n それをしてしまっては、同じ気持ちを抱えているかずさをも否定することになるから。\k\n「ごめんね…」\k\n だから今は、あまりにも黒い勝利の雄叫びを…\k\n 謝罪の言葉に包んだ悪魔の囁きを、自らの口から零すしかなかった。 |
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Introductory Chapter | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
1001 | 1008 | 1009 | 1010 | 1011 | 1012 | 1013 |
1002 | 1008_020 | 1009_020 | 1010_020 | 1011_020 | 1012_020 | |
1003 | 1008_030 | 1009_030 | 1010_030 | 1011_030 | 1012_030 | |
1004 | 1008_040 | 1010_040 | 1012_030_2 | |||
1005 | 1008_050 | 1010_050 | ||||
1006 | 1010_060 | |||||
1006_2 | 1010_070 | |||||
1007 |
Closing Chapter | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | ||||||
2001 | 2011 | 2020 | 2027 | 2301 | 2309 | 2316 | 2401 | 2408 | 2501 | 2510 |
2002 | 2012 | 2021 | 2028 | 2302 | 2310 | 2317 | 2402 | 2409 | 2502 | 2511 |
2003 | 2013 | 2022 | 2029 | 2303 | 2311 | 2318 | 2403 | 2410 | 2503 | 2512 |
2004 | 2014 | 2023 | 2030 | 2304 | 2312 | 2319 | 2404 | 2411 | 2504 | 2513 |
2005 | 2015 | 2024 | 2031 | 2305 | 2313 | 2320 | 2405 | 2412 | 2505 | 2514 |
2006 | 2016 | 2025 | 2032 | 2306 | 2314 | 2321 | 2406 | 2413 | 2506 | 2515 |
2007 | 2017 | 2026 | 2033 | 2307 | 2315 | 2322 | 2407 | 2507 | 2516 | |
2008 | 2018 | 2308 | 2508 | 2517 | ||||||
2009 | 2019 | 2509 | ||||||||
2010 | ||||||||||
Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | |||||||
2031_2 | 2312_2 | 2401_2 | 2504_2 | 2511_2 | ||||||
2031_3 | 2313_2 | 2402_2 | 2507_2 | 2513_2 | ||||||
2031_4 | 2313_3 | 2402_3 |
Coda | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Kazusa (True) | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | ||||||
3001 | 3008 | 3014_2 | 3020 | 3101 | 3107 | 3201 | 3207 | 3901 | 3907 |
3002 | 3009 | 3014_3 | 3021 | 3102 | 3108 | 3202 | 3208 | 3902 | 3908 |
3003 | 3010 | 3015 | 3022 | 3103 | 3109 | 3203 | 3209 | 3903 | 3909 |
3004 | 3011 | 3016 | 3023 | 3104 | 3110 | 3204 | 3210 | 3904 | |
3005 | 3012 | 3017 | 3024 | 3105 | 3111 | 3205 | 3211 | 3905 | |
3006 | 3013 | 3018 | 3106 | 3206 | 3906 | ||||
3007 | 3014 | 3019 | |||||||
Common | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | |||||||
3001_2 | 3210_2 | 3901_2 | 3906_2 | ||||||
3015_2 | 3902_2 | 3907_2 | |||||||
3902_3 | 3907_3 | ||||||||
3904_2 |
Mini After Story and Extra Episode | |||
---|---|---|---|
The Path Back to Happiness | The Path Forward to Happiness | Dear Mortal Enemy | |
6001 | 6101 | 4000 | 4005 |
6002 | 6102 | 4001 | 4006 |
6003 | 6103 | 4002 | 4007 |
6004 | 6104 | 4003 | 4008 |
6005 | 4004 | 4009 |
Novels | |||||
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The Snow Melts, And Until The Snow Falls | The Idol Who Forgot How to Sing | Twinkle Snow ~Reverie~ | After the Festival ~Setsuna's Thirty Minutes~ | His God, Her Savior | |
5000 | 5100 | 5200 | 5205 | 5300 | 5400 |
5001 | 5101 | 5201 | 5206 | 5301 | 5401 |
5002 | 5102 | 5202 | 5207 | 5302 | |
5003 | 5103 | 5203 | 5208 | 5303 | |
5004 | 5104 | 5204 | 5209 |
Short Stories | |||
---|---|---|---|
Princess Setsuna's Distress and Her Minister's Sinister Plan | Koharu Climate After the Passing of the Typhoon | This isn't the Season for White Album | Todokanai Koi, Todoita |
7000 | 7100 | 7200 | 7300 |