White Album 2/Script/2304
Revision as of 05:19, 8 April 2014 by Jonathanasdf (talk | contribs) (Created page with "Return to the main page here. == Translation == == Editing == == Translation Notes == == Text == {{WA2ScriptTable}} {{WA2ScriptLine |1|| |『あ...")
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Translation Notes
Text
Speaker | Text | Comment | |||
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Line # | JP | EN | JP | EN | |
1 | 『あけましておめでとう』 | ||||
2 | 『いよいよ学生でいられる最後の年だな。 院に行かない場合は、だけど』 | ||||
3 | 『卒業とか、進路とか、これからの生き方とか、 色んなことを決めなくちゃならなくて大変だけど、 お互い、後悔のないようにしたいな』 | ||||
4 | 『…別に自虐とかじゃないぞ。 本当にそう思ってる』 | ||||
5 | 『ところで… 新年の挨拶が遅くなってしまってごめん』 | ||||
6 | 『メール一つ送るのにもこれだけかかるくらい、 たくさん考えることがあったから』 | ||||
7 | 『とにかく、今の俺は元気… かどうかはよくわかってないけれど、 少なくとも日々ちゃんと普通に生きてる』 | ||||
8 | 『年末年始はバイトばっかりで、 全然のんびりできなかったけど、 今の俺には、忙しい方が色々と楽だった』 | ||||
9 | 『お互い落ち着いたら、また話をしよう。 …本当は、今日言いたかったのはこれだけ』 | ||||
10 | 『それじゃ』 | ||||
11 | 小春 | Koharu | 「お待たせしましたっ」 | ||
12 | 春希 | Haruki | 「いや、全然。 というか女の子の着替えにしては全然早いって」 | ||
13 | メールを推敲する時間も与えずに、 杉浦が裏口から飛び出してきた。 | ||||
14 | 小春 | Koharu | 「服とか髪とか乱れてませんか? いつものチェック、色々省いたから…」 | ||
15 | 問いかけながら、俺の前でくるくる回ってみせる。 | ||||
16 | 春希 | Haruki | 「俺に確かめる前にゆっくり仕度していいんだってば…」 | ||
17 | と、その長いポニーテールが、 ふわりと俺の目の前で舞い、 鼻腔と頬を心地良くくすぐる。 | ||||
18 | 春希 | Haruki | 「さてと、どこ行こうか?」 | ||
19 | 小春 | Koharu | 「先輩に全面的にお任せします。 わたし、好き嫌い全然ないですから」 | ||
20 | 春希 | Haruki | 「だろうね…」 | ||
21 | 付属と大学の、冬休みの最終日。 | ||||
22 | 明日から学校だし、 この連休中は思いっきり世話になったしで、 なんとなく杉浦を食事に誘ってしまった… | ||||
23 | 話が出たのは、昨夜の帰り道。 | ||||
24 | いつもの雑談の流れの延長で、 『明日、一緒に早番で上がって』という案を出した途端、 彼女は猛烈な勢いで携帯を操り始めた。 | ||||
25 | そして15分後… 粘り強い杉浦の説得により代役が2人捕まり、 めでたく俺たちの早上がりが確定した。 | ||||
26 | その後『そういう話はせめて三日前に!』って、 しっかり説教喰らったけど。 | ||||
27 | 春希 | Haruki | 「じゃあ、御宿まで出ようか? 前にゼミの懇親会で使ったイタリアンの店があってさ」 | ||
28 | 小春 | Koharu | 「美味しかったんですか?」 | ||
29 | 春希 | Haruki | 「ああ、夜のコースが味も量もなかなか…」 | ||
30 | 小春 | Koharu | 「コース!? わたし、そんなにお金持ってません。 バイト代はみんな旅行費用だし…」 | ||
31 | 春希 | Haruki | 「おごるに決まってるだろ。 誘ったのこっちだし、先輩だし、 何より今日はお礼だから…」 | ||
32 | 小春 | Koharu | 「人のお金だとなおさらもったいないです! 自分でどうにもならない分、 余計にストレスが溜まるから」 | ||
33 | 春希 | Haruki | 「…難儀にも程があるだろ、その考え方は」 | ||
34 | 小春 | Koharu | 「お願いですから わたしに無駄遣いするのはやめてください。 ただでさえ先輩は一人暮らしで色々入り用なんだし」 | ||
35 | 春希 | Haruki | 「あのなぁ…」 | ||
36 | ちっとも全面的にお任せしてないし、 自分でどうにもならないこともどうにかしようとするし… | ||||
37 | ほんと、呆れるほど筋金入りのお節介。 将来はさぞや良妻賢母の見本みたいな女性に… | ||||
38 | なんとなく、想像したいような、したくないような。 | ||||
39 | 小春 | Koharu | 「[Rグッディーズ^ウチのおみせ]にしましょうか? ここなら移動する時間も省けるし」 | ||
40 | 春希 | Haruki | 「…それだけは是非とも勘弁してくれ」 | ||
41 | 小春 | Koharu | 「セットでドリンクバー頼んでおけば、 何時間でも粘れるのに」 | ||
42 | 春希 | Haruki | 「ドリンクバーで何時間も粘るお客様に対して、 君がどんな感情を持ってるか知ってるぞ俺は」 | ||
43 | 小春 | Koharu | 「やだなぁ、 どなたも大切なお客様に決まってるじゃないですか」 | ||
44 | そう言って無邪気に笑う杉浦は、 果たしてどこまで意識してるんだろうか? | ||||
45 | 今、店内では俺たちに微妙な噂が流れてるってことを。 | ||||
46 | …というか、以前は噂だったものが、 今や共通認識的なものに変わってしまったことを。 | ||||
47 | 小春 | Koharu | 「じゃあ、向かいのボナンザにします? ミートスパゲティ、結構お得ですよ?」 | ||
48 | 春希 | Haruki | 「ウチの店から丸見えだろ、ここも…」 | ||
49 | ここ二週間、朝早くから夜遅くまで、 まるっきり同じシフトだったのに加え、 やっぱり、元日の朝のあの光景が強烈だったらしい。 | ||||
50 | それでも杉浦は、もう以前のように、 周囲の声を気にしなくなってしまった。 | ||||
51 | 『先輩とわたしがお互いわきまえてるなら、 他の人の噂なんて関係ないじゃないですか』 | ||||
52 | …本人はそれでいいのかもしれないけど、 中川さんにからかわれ、佐藤にいじけられ、 全員に生温かく見守られる俺の身にもなってほしい。 | ||||
53 | …なんて、本当はわかってるんだけど。 | ||||
54 | 今の俺にとっては、 そんな職場の、妙にうわついた雰囲気でさえ、 自分の心を優しく守ってくれる大切な空気なんだって。 | ||||
55 | ……… | .........
| |||
56 | 春希 | Haruki | 「それで、目標額には届いたのか?」 | ||
57 | 小春 | Koharu | 「やっと7割ってとこかな… なんとか旅行前までにギリギリって感じ」 | ||
58 | 結局俺たちは御宿まで出て、 小さなアジア屋台料理の店で、 トムヤムクンにむせていた。 | ||||
59 | 屋台だと安っぽく見えるから、用心深い杉浦も きっと騙されるだろうという俺の思惑は見事に当たった。 …何しろ外見とは違い、決して安くない店だと知ってたし。 | ||||
60 | メニューの値段を見た後にちょっと睨まれたけど、 さすがに後の祭りだ。 | ||||
61 | 春希 | Haruki | 「いつ出発?」 | ||
62 | 小春 | Koharu | 「卒業式が終わった次の日。 三月の初めです」 | ||
63 | 春希 | Haruki | 「確か『スペイン、イタリア、フランス8日間』 だっけ?」 | ||
64 | 小春 | Koharu | 「オーストリアにも寄ろうって話も出たんですよ? | ||
65 | 小春 | Koharu | 『ウィーンで冬馬かずさ先輩に会おう』ツアー」 | ||
66 | 春希 | Haruki | 「っ!? げほっ、ごほぉぉっ!?」 | ||
67 | 小春 | Koharu | 「住所もコンサートの予定もわからないから、 結局はお流れになりましたけどね」 | ||
68 | 春希 | Haruki | 「お…おどかすな」 | ||
69 | 小春 | Koharu | 「人を高い店に連れ込んだ罰です。 あれだけやめてって言ったのに。 | ||
70 | 小春 | Koharu | …すごくおいしいけど」 | ||
71 | …後の祭り、だったはずなのにな。 | ||||
72 | 春希 | Haruki | 「そ、そうだ、出発前には連絡くれよ。 餞別渡すから」 | ||
73 | 小春 | Koharu | 「だからぁ、無駄遣いはやめてください。 先輩のバイト代はそのまま生活費なんだから」 | ||
74 | 春希 | Haruki | 「別に無駄遣いじゃないだろ。 餞別ってのはお土産代なんだから」 | ||
75 | 小春 | Koharu | 「…お土産、欲しいですか?」 | ||
76 | 春希 | Haruki | 「あ、いや…クラスの友達が先約だよな。 別に無理しなくていいから。 現地の悪趣味なキーホルダーでもいいから」 | ||
77 | そろそろ片手の指を超える数のコレクションが 揃いつつあるし。 | ||||
78 | 小春 | Koharu | 「あ、いえ、 そういうことを聞きたかったんじゃなくて…」 | ||
79 | 春希 | Haruki | 「ん?」 | ||
80 | 小春 | Koharu | 「それって… 卒業してからも会えると思っていいってこと、ですか?」 | ||
81 | 春希 | Haruki | 「え、あ…」 | ||
82 | 小春 | Koharu | 「………」 | "........."
| |
83 | その質問は、いつも直球な杉浦にしては、 ちょっとだけ捻ってきたような感じがしたけれど… | ||||
84 | 春希 | Haruki | 「いや、だって… 四月から同じ大学に通うんだろ?」 | ||
85 | 小春 | Koharu | 「大学は同じでも、学年が違うじゃないですか」 | ||
86 | 春希 | Haruki | 「同じ学部だったら同じ校舎だぞ。 廊下とかで結構顔合わせることになるって」 | ||
87 | でも俺は、その下手くそな変化球すら合わせられず、 ファールチップで逃げてしまった。 | ||||
88 | 小春 | Koharu | 「それでも、受ける講義が全然違うじゃないですか。 お昼休みとか、ほんの少しの時間しか 会えなくないですか?」 | ||
89 | 春希 | Haruki | 「それは…」 | ||
90 | 小春 | Koharu | 「四年になったら… 今のバイト、もう来ないんですか?」 | ||
91 | 次は真っ直ぐだったけど、高めのつり玉。 | ||||
92 | けれど、いつもの切れはなかった。 | ||||
93 | 春希 | Haruki | 「…そろそろ就職活動あるし、 卒論も始めないといけないし」 | ||
94 | 小春 | Koharu | 「そうですよね…当たり前ですよね。 ごめんなさい、今の忘れてください」 | ||
95 | だから簡単に見逃され、 可哀想なほど意気消沈してしまう。 | ||||
96 | 春希 | Haruki | 「で、でも時々は顔出すようにするよ。 どうせ少しはバイト続けなきゃならないんだし」 | ||
97 | 小春 | Koharu | 「はい…」 | ||
98 | こっちが『でも、いいボールだった』とフォローしても、 その表情が晴れることはなかった。 | ||||
99 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
100 | 小春 | Koharu | 「………」 | "........."
| |
101 | さっきまでの盛り上がりはどこへやら… | ||||
102 | 杉浦は、こっちがいたたまれなくなるくらい 寂しそうな表情で、目の前の料理をつついては、 そのまま口に運ばずにぼうっと見つめてる。 | ||||
103 | 本当は、そんな顔して欲しくない。 …俺まで寂しくなってしまうから。 | ||||
104 | 春希 | Haruki | 「あ…」 | ||
105 | そんな状況に輪をかけるように、 小さな電子音が、俺たちの会話をさらにかき消す。 | ||||
106 | 『Re:あけましておめでとう』 | ||||
107 | 『あけましておめでとう。 そして、メールありがとう』 | ||||
108 | 『こちらこそ、挨拶が遅れてしまってごめんなさい』 | ||||
109 | 『ずっと、迷ってたから。 …今のわたしに、あなたに話しかける 資格があるのかなって』 | ||||
110 | 『だから、メールありがとう。 本当に、ありがとう』 | ||||
111 | 『わたしも日々ちゃんと普通に生きてるよ』 | ||||
112 | 『あの時のことは、今でも毎日思い出すけれど。 そのたびに、辛い思いをするけれど』 | ||||
113 | 『それでも、朝起きて、ご飯食べてる。 明日からだってちゃんと大学に行くよ』 | ||||
114 | 『もしもキャンパスで会ったら、声かけてもいいかな? もしわたしを見つけたら、声をかけてくれるかな?』 | ||||
115 | 『それじゃ、おやすみなさい。 また明日』 | ||||
116 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
117 | 小春 | Koharu | 「そのメール、もしかして…」 | ||
118 | 春希 | Haruki | 「ああ、雪菜からだった」 | ||
119 | 小春 | Koharu | 「っ…」 | ||
120 | 隠すようなことじゃない。 いや、隠すべきことじゃない。 | ||||
121 | 杉浦だって、矢田さんからの電話のとき、 嬉々として着信画面まで見せてくれたんだ。 | ||||
122 | 俺の、ほんのちょっとだけの関係修復を、 喜んでくれてるに決まってる。 | ||||
123 | 小春 | Koharu | 「やっぱり…会うんですか? 小木曽先輩と」 | ||
124 | 春希 | Haruki | 「うん」 | ||
125 | 小春 | Koharu | 「………」 | "........."
| |
126 | なのに、どうしてなんだろう。 | ||||
127 | あのときと違って、 伝える側も伝えられる側も、 こんなふうに俯いてしまうのは。 | ||||
128 | 春希 | Haruki | 「…杉浦のおかげだ。 君が『俺は悪くない』って言ってくれたから、 雪菜と連絡を取る勇気を持てたんだから」 | ||
129 | 小春 | Koharu | 「そう、ですか」 | ||
130 | 春希 | Haruki | 「彼女に対して済まないって気持ちは今でもある。 けど、顔向けできないってほどじゃなくなった」 | ||
131 | 小春 | Koharu | 「よかった…ですね」 | ||
132 | 春希 | Haruki | 「会うって決めただけだ。 まだ何も、始まってすらいない」 | ||
133 | 小春 | Koharu | 「成功祈ってます」 | ||
134 | 春希 | Haruki | 「………ありがとう」 | ||
135 | 俺は、その『ありがとう』に、 気持ちを込めることができなかった。 | ||||
136 | 『成功祈ってます』に込められた感情が、 何も見えてこなかった戸惑いのせいで。 | ||||
137 | 小春 | Koharu | 「………」 | "........."
| |
138 | 春希 | Haruki | 「…そろそろ出ようか」 | ||
139 | 小春 | Koharu | 「…ごちそうさまでした。 すごく辛くて熱かったけど、 本当、美味しかったです」 | ||
140 | だから逃げるように席を立つ。 | ||||
141 | 自分の肌に貼りついた違和感を口に出せなかった。 | ||||
142 | 怒りとか純粋な心配とか、 そういういつものとは微妙に違う杉浦の感情が、 本当は一体何なのかを考えるのが怖かった。 | ||||
143 | ……… | .........
| |||
144 | 小春 | Koharu | 「………」 | "........."
| |
145 | 春希 | Haruki | 「杉浦…」 | ||
146 | 小春 | Koharu | 「なんです?」 | ||
147 | 春希 | Haruki | 「矢田さんとは仲直りできた?」 | ||
148 | 小春 | Koharu | 「………あれからまた連絡取れてません」 | ||
149 | 春希 | Haruki | 「え、なんで…」 | ||
150 | 小春 | Koharu | 「…家族旅行にでも出かけてるみたい。 何度掛けても繋がらなくて」 | ||
151 | 春希 | Haruki | 「いつから?」 | ||
152 | 小春 | Koharu | 「ええと…さあ?」 | ||
153 | 春希 | Haruki | 「…聞いてないの?」 | ||
154 | 小春 | Koharu | 「そう、ですね」 | ||
155 | 春希 | Haruki | 「いくら何でもそろそろ帰ってるだろ。 明日から学校始まるし」 | ||
156 | 小春 | Koharu | 「………」 | "........."
| |
157 | 春希 | Haruki | 「帰ったらもう一度電話してみた方が…」 | ||
158 | 小春 | Koharu | 「………じゃないですか」 | ||
159 | 春希 | Haruki | 「え…?」 | ||
160 | 小春 | Koharu | 「今、そんな話することないじゃないですか。 せっかく………なのに」 | ||
161 | 春希 | Haruki | 「そんな話…って」 | ||
162 | 小春 | Koharu | 「とにかく… 今はそういうこと話す気分じゃないんです。 ごめんなさい」 | ||
163 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
164 | 何の確証もない。 | ||||
165 | ただ自分の直感に従った、 思い込みも激しく、勘違いも甚だしい推測に過ぎない。 | ||||
166 | けど、もしその推測が、 思い込みでも勘違いでもなかったら… | ||||
167 | ……… | .........
| |||
168 | 小春 | Koharu | 「明日から新学期ですね」 | ||
169 | 春希 | Haruki | 「うん」 | ||
170 | 峰ヶ谷で降りて、 そのまま彼女の家までの片道15分を一緒に歩く。 | ||||
171 | 小春 | Koharu | 「先輩も、明日から大学ですよね?」 | ||
172 | 春希 | Haruki | 「まぁね」 | ||
173 | 今やもう、俺のこの寄り道を咎める人は誰もいない。 こうすることを『違う』って、誰も思わない。 | ||||
174 | けれど、そんなふうに感覚が麻痺するのは当たり前。 | ||||
175 | 小春 | Koharu | 「明日から一週間、会えなくなっちゃいますね…」 | ||
176 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
177 | ここしばらく、朝から晩までずっと一緒にいたから。 ただ、それだけ。 | ||||
178 | だからきっと、毎日会うこともなくなれば、 また、今の俺たちの『熱さによる麻痺』は、 冷め、薄らいでいく。 | ||||
179 | というか、そうでなくちゃいけない。 | ||||
180 | 小春 | Koharu | 「明日、間違えてグッディーズに行っちゃったら どうしよう…」 | ||
181 | 春希 | Haruki | 「俺は間違えるわけにはいかないな。 明日からいきなり先輩たちの卒論発表リハーサルだ」 | ||
182 | 小春 | Koharu | 「…そうですか」 | ||
183 | 俺たちは、『杉浦と北原先輩』のままで、 決して『小春と春希先輩』にはならない。 そんなこと、できるわけがない。 | ||||
184 | 杉浦にだって、わかってるはずだ。 | ||||
185 | もしそんなことになったら、 俺たちには、お互い失うものが多すぎる。 | ||||
186 | 小春 | Koharu | 「…着いちゃいました」 | ||
187 | 春希 | Haruki | 「…お疲れさま」 | ||
188 | だって俺たちは、 『そういうふう』に出逢ったわけじゃないんだから。 | ||||
189 | 小春 | Koharu | 「今日はありがとうございました。 …嬉しかったです」 | ||
190 | 春希 | Haruki | 「今までの恩に比べたらささやかなものだったけどな」 | ||
191 | 小春 | Koharu | 「次は…いつバイト来ますか?」 | ||
192 | 春希 | Haruki | 「…ごめん、まだ決められないんだ。 月末には期末試験も始まるし」 | ||
193 | 小春 | Koharu | 「………そう、ですか」 | ||
194 | だから… 今日が杉浦と俺が、二人きりでいられる最後の日。 | ||||
195 | もう、これからは積極的に会うのもやめる。 グッディーズのバイトも、少しずつ減らしていく。 | ||||
196 | 彼女がどうと言うんじゃなくて、 俺の熱を冷ますために。 | ||||
197 | 春希 | Haruki | 「それじゃ、おやすみ」 | ||
198 | 小春 | Koharu | 「おやすみなさい…先輩!」 | ||
199 | 寂しさを紛らすために一緒にいてくれた女の子が、 一緒にいないことで寂しさを感じてしまうなんて… | ||||
200 | そんなの、本末転倒だから。 | ||||
201 | 春希 | Haruki | 「…さよなら」 | ||
202 | でも、仕方ないじゃないか。 | ||||
203 | こんなに長い間、 毎日、朝から晩まで一緒にいたんだ。 | ||||
204 | ずっと彼女の、ころころ移ろう表情を見て、 ただそれだけを糧にして、心を立ち直らせてきたんだ。 | ||||
205 | …彼女に対して、強い気持ちを抱くのは当然だろ? | ||||
206 | ……… | .........
| |||
207 | 小春 | Koharu | 「っ…」 | ||
208 | 小春 | Koharu | 「見てろぉ…北原春希」 | ||
209 | 小春 | Koharu | 「大学入ったら、すぐに彼氏作ってやるんだから…っ」 |
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Introductory Chapter | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
1001 | 1008 | 1009 | 1010 | 1011 | 1012 | 1013 |
1002 | 1008_020 | 1009_020 | 1010_020 | 1011_020 | 1012_020 | |
1003 | 1008_030 | 1009_030 | 1010_030 | 1011_030 | 1012_030 | |
1004 | 1008_040 | 1010_040 | 1012_030_2 | |||
1005 | 1008_050 | 1010_050 | ||||
1006 | 1010_060 | |||||
1006_2 | 1010_070 | |||||
1007 |
Closing Chapter | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | ||||||
2001 | 2011 | 2020 | 2027 | 2301 | 2309 | 2316 | 2401 | 2408 | 2501 | 2510 |
2002 | 2012 | 2021 | 2028 | 2302 | 2310 | 2317 | 2402 | 2409 | 2502 | 2511 |
2003 | 2013 | 2022 | 2029 | 2303 | 2311 | 2318 | 2403 | 2410 | 2503 | 2512 |
2004 | 2014 | 2023 | 2030 | 2304 | 2312 | 2319 | 2404 | 2411 | 2504 | 2513 |
2005 | 2015 | 2024 | 2031 | 2305 | 2313 | 2320 | 2405 | 2412 | 2505 | 2514 |
2006 | 2016 | 2025 | 2032 | 2306 | 2314 | 2321 | 2406 | 2413 | 2506 | 2515 |
2007 | 2017 | 2026 | 2033 | 2307 | 2315 | 2322 | 2407 | 2507 | 2516 | |
2008 | 2018 | 2308 | 2508 | 2517 | ||||||
2009 | 2019 | 2509 | ||||||||
2010 | ||||||||||
Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | |||||||
2031_2 | 2312_2 | 2401_2 | 2504_2 | 2511_2 | ||||||
2031_3 | 2313_2 | 2402_2 | 2507_2 | 2513_2 | ||||||
2031_4 | 2313_3 | 2402_3 |
Coda | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Kazusa (True) | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | ||||||
3001 | 3008 | 3014_2 | 3020 | 3101 | 3107 | 3201 | 3207 | 3901 | 3907 |
3002 | 3009 | 3014_3 | 3021 | 3102 | 3108 | 3202 | 3208 | 3902 | 3908 |
3003 | 3010 | 3015 | 3022 | 3103 | 3109 | 3203 | 3209 | 3903 | 3909 |
3004 | 3011 | 3016 | 3023 | 3104 | 3110 | 3204 | 3210 | 3904 | |
3005 | 3012 | 3017 | 3024 | 3105 | 3111 | 3205 | 3211 | 3905 | |
3006 | 3013 | 3018 | 3106 | 3206 | 3906 | ||||
3007 | 3014 | 3019 | |||||||
Common | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | |||||||
3001_2 | 3210_2 | 3901_2 | 3906_2 | ||||||
3015_2 | 3902_2 | 3907_2 | |||||||
3902_3 | 3907_3 | ||||||||
3904_2 |
Mini After Story and Extra Episode | |||
---|---|---|---|
The Path Back to Happiness | The Path Forward to Happiness | Dear Mortal Enemy | |
6001 | 6101 | 4000 | 4005 |
6002 | 6102 | 4001 | 4006 |
6003 | 6103 | 4002 | 4007 |
6004 | 6104 | 4003 | 4008 |
6005 | 4004 | 4009 |
Novels | |||||
---|---|---|---|---|---|
The Snow Melts, And Until The Snow Falls | The Idol Who Forgot How to Sing | Twinkle Snow ~Reverie~ | After the Festival ~Setsuna's Thirty Minutes~ | His God, Her Savior | |
5000 | 5100 | 5200 | 5205 | 5300 | 5400 |
5001 | 5101 | 5201 | 5206 | 5301 | 5401 |
5002 | 5102 | 5202 | 5207 | 5302 | |
5003 | 5103 | 5203 | 5208 | 5303 | |
5004 | 5104 | 5204 | 5209 |
Short Stories | |||
---|---|---|---|
Princess Setsuna's Distress and Her Minister's Sinister Plan | Koharu Climate After the Passing of the Typhoon | This isn't the Season for White Album | Todokanai Koi, Todoita |
7000 | 7100 | 7200 | 7300 |