White Album 2/Script/2505
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Translation Notes
Text
Speaker | Text | Comment | |||
---|---|---|---|---|---|
Line # | JP | EN | JP | EN | |
1 | ……… | .........
| |||
2 | 春希 | Haruki | 「ん…」 | ||
3 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
4 | 春希 | Haruki | 「………あ、れ?」 | ||
5 | それはまるで、永い永い眠りから覚めた お姫様やSF小説の主人公のような感覚だった。 | ||||
6 | 五感がうまく取り戻せない。 手足も、目も耳も口も働いてはいるようだけど、 思い通りの性能を発揮できない。 | ||||
7 | 目はぼやけ、耳鳴りが酷く、声は割れ、 布団から手が出てこない。 | ||||
8 | そして…記憶がなかなか戻らない。 | ||||
9 | 見上げる天井は、 どこかで見たような気もするけれど、 それがどこでだったかが思い出せない。 | ||||
10 | ただ、自分の部屋でないことだけは確かで… | ||||
11 | 春希 | Haruki | 「あ…!?」 | ||
12 | と、記憶が一瞬で蘇るとともに、 五感の方も素早く目覚めていった。 | ||||
13 | ベッドから跳ね起き、周囲を見回し、 そして、広い部屋の中をうろうろと歩き回り… | ||||
14 | 春希 | Haruki | 「っ…」 | ||
15 | ブラインドを上げた瞬間… | ||||
16 | 冬の穏やかな日射しが、 それでも今の自分にはまばゆく突き刺さる。 | ||||
17 | 続いて窓を開けると、 冬の晴れ間の暖か…くない空気が、 たった今までベッドに包まれていた肌に突き刺さる。 | ||||
18 | 太陽は、そろそろ西に傾き始めている。 多分、昼休みが終わった辺りの時間。 | ||||
19 | そしてここは…麻理さんの部屋だ。 | ||||
20 | 冷たい風で頭を覚ますと、 改めて部屋の中を見回す。 | ||||
21 | 最近の記憶に残っている通りの、 一人で住むには広すぎるリビングに、 必要最小限の家具。 | ||||
22 | キッチンも、ほとんど使っていないかのように… というか間違いなく使用頻度が低そうな片づき方。 | ||||
23 | 記憶と違うのは、床に置かれたカウチソファーの横に、 無造作に投げ出された毛布と… | ||||
24 | 春希 | Haruki | 「あ…」 | ||
25 | そして、部屋の真ん中にあるテーブルの上に、 太いマジックで何かが書かれたチラシの裏側… | ||||
26 | 『仕事中。起きたらすぐに電話すること。 (携帯買い換え済み。番号は以前のまま)』 | ||||
27 | ……… | .........
| |||
28 | 麻理 | Mari | 「はい風岡です。 お世話になっております! …ええ、例の取材日程の件ですね?」 | ||
29 | 麻理 | Mari | 「え? 今日ですか? それも今から? …ただ今スケジュールを確認いたします。 少々お待ちください」 | ||
30 | 麻理 | Mari | [F16「…ちょっとだけ調子合わせて。 ][F16今、鈴木が隣にいるのよ」] | ||
31 | 春希 | Haruki | 「………七日?」 | ||
32 | 麻理 | Mari | 「丸二日。 今起きたなら40時間くらい寝てた計算ね。 脳みそちゃんと溶けずに残ってる?」 | ||
33 | 春希 | Haruki | 「っ…す、すいません! 俺、そんなに長い間…」 | ||
34 | 麻理 | Mari | 「良かったじゃない。 大学が始まる前に起きられて、ふふ…」 | ||
35 | なんとか適当な口実を設けて 廊下に逃げ出したらしい麻理さんは、 そこで口調を思いっきり砕いた。 | ||||
36 | …ついでにもう一つ砕かれたのは俺の認識。 今が、“あの日”の翌日じゃなくて、 翌々日だったという衝撃の事実。 | ||||
37 | 春希 | Haruki | 「もしかしてその間、 ずっと俺、麻理さんのベッドで?」 | ||
38 | 麻理 | Mari | 「大丈夫よ。 北原、いびきとか歯ぎしりとかしなかったから」 | ||
39 | 春希 | Haruki | 「そういう問題じゃ…」 | ||
40 | ソファーの横にあった毛布の謎がこれで解けた。 | ||||
41 | 俺が麻理さんにかけた迷惑が、あの日以降も 闇金の利息のように積み上がっていることも。 | ||||
42 | 春希 | Haruki | 「ごめんなさい。 本当に、本当に、俺… どうやって償えばいいのか、まだわかりません」 | ||
43 | 麻理 | Mari | 「…私はもう、その台詞は飽きた」 | ||
44 | 春希 | Haruki | 「それでも俺、まだ自分が許せません。 麻理さんに許してもらったことも、納得できてません」 | ||
45 | 麻理 | Mari | 「まだそんなこと…」 | ||
46 | 春希 | Haruki | 「いつまでも言います。蒸し返します。 俺は、そこまで酷いことをしたんだから」 | ||
47 | 麻理 | Mari | 「………馬鹿」 | ||
48 | その“馬鹿”は、 相変わらずちっとも馬鹿にした様子がなくて。 | ||||
49 | 妙に愛情というか、優しさが込められた、 文字じゃ絶対に伝わらない、 麻理さん独特の心地良い音色に満ちていて… | ||||
50 | 春希 | Haruki | 「………馬鹿は麻理さんの方ですよ」 | ||
51 | 麻理 | Mari | 「何だと? おい、それはどういう意味だ北原」 | ||
52 | だから俺は、そんな嬉しい罵倒は受け取れない。 | ||||
53 | 春希 | Haruki | 「そうやって、頼られるまま誰にでも世話を焼いて、 それで裏切られてたらどうしようもないじゃないですか」 | ||
54 | 麻理 | Mari | 「っ…」 | ||
55 | 春希 | Haruki | 「それで人を見る目があるなんて、とんだ自信過剰です。 俺を信じるなんて、ピエロもいいところです…」 | ||
56 | 麻理 | Mari | 「生意気なことを言うようになったな。 …それも師匠の教えの賜物だとは思わないか?」 | ||
57 | 春希 | Haruki | 「思いませんよ、全然」 | ||
58 | そんな弟子びいきが過ぎる反論も認められない。 | ||||
59 | 麻理 | Mari | 「大体、今のお前の言葉には誤りが二つある。 私は裏切られてなんかいない」 | ||
60 | 麻理 | Mari | 「それと…『誰にでも』じゃない」 | ||
61 | 春希 | Haruki | 「っ…」 | ||
62 | あまりにも勿体なくて、 こんな何気ない会話の最中にまで 泣きそうになってしまうから。 | ||||
63 | 春希 | Haruki | 「…なんと言われようと、俺は謝り続けます。 ごめんなさい。そして…ありがとうございます」 | ||
64 | 麻理 | Mari | 「ん…」 | ||
65 | 謝罪はなかなか受け取ってくれない麻理さんだけど、 感謝の方だけは、はにかみつつも受け入れてくれる。 | ||||
66 | その反応がまた嬉しくて、それ以上に辛い。 | ||||
67 | 麻理 | Mari | 「なぁ、北原… 私、今からそっちに…」 | ||
68 | 春希 | Haruki | 「いえ、そろそろ帰ります」 | ||
69 | 麻理 | Mari | 「………そうか」 | ||
70 | 二日前と全く同じことを言ったはずだけど、 麻理さんの反応は、あの時とは違ってた。 | ||||
71 | 春希 | Haruki | 「まだ自分の中で 消化しきれていないことは沢山あるけど…」 | ||
72 | それはきっと、今の俺の声が、言葉が、 あの時の俺のものとは違うように 聞こえるってことだと思う。 | ||||
73 | 春希 | Haruki | 「それでも麻理さんのおかげで、 眠れるようにはなれました。 ここからは体力と相談して悩もうと思ってます」 | ||
74 | 麻理 | Mari | 「…ゆっくり休めよ。 年末年始の分もまとめてな」 | ||
75 | もう一つ、深刻な悩み…というか、 落とし前をつけないといけないことは増えたはずなのに。 | ||||
76 | 春希 | Haruki | 「近いうちに心の整理をつけたら、 また麻理さんにお礼を言いに来ます」 | ||
77 | 麻理 | Mari | 「…待ってる」 | ||
78 | 春希 | Haruki | 「その時に、 一昨日のこと、決着をつけたいと思ってます」 | ||
79 | 麻理 | Mari | 「…何度言わせれば気が済むんだ。 私たちの間に、トラブルなんか何もない」 | ||
80 | 春希 | Haruki | 「何度言わせれば気が済むんですか。 それじゃ俺の気が治まらないんです」 | ||
81 | 麻理 | Mari | 「…本当に強情な奴だ」 | ||
82 | 春希 | Haruki | 「譲れないところは絶対に譲るなと教えられました。 俺の、仕事と人生の師匠に」 | ||
83 | 麻理 | Mari | 「…そんなに歳の差はない。 失礼なこと言うな」 | ||
84 | 春希 | Haruki | 「それじゃ、切ります」 | ||
85 | 麻理 | Mari | 「なぁ、もうちょっとだけ待ってないか? 私、今日は早く帰るからさ…」 | ||
86 | 春希 | Haruki | 「…まだ俺、麻理さんに顔合わせられません。 勘弁してください」 | ||
87 | 麻理 | Mari | 「…そうか」 | ||
88 | 春希 | Haruki | 「さようなら、麻理さん。 本当に、ありがとうございました」 | ||
89 | 麻理 | Mari | 「ん…」 | ||
90 | 春希 | Haruki | 「さて、と…」 | ||
91 | 電話を切ると、 もう一度、少しだけ西に傾いた陽射しを眺める。 | ||||
92 | その、冷たいけれど明るい冬空が、 俺にほんの少しの勇気を与えてくれるようだった。 | ||||
93 | ……… | .........
| |||
94 | …… | ......
| |||
95 | … | ...
| |||
96 | 麻理 | Mari | 「…やっぱりいない、か」 | ||
97 | 麻理 | Mari | 「にしても…私の部屋じゃないみたいだ。 あいつ、いい主夫になるなぁ」 | ||
98 | 麻理 | Mari | 「………はぁぁぁぁ」 | ||
99 | 麻理 | Mari | 「…布団まで干してある」 | ||
100 | 麻理 | Mari | 「……しかも消臭まで」 | ||
101 | 麻理 | Mari | 「なんで自分がいた形跡を わざわざ全部消していくんだ、あいつは」 | ||
102 | 麻理 | Mari | 「………余計なこと、しやがって」 |
Script Chart
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Introductory Chapter | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
1001 | 1008 | 1009 | 1010 | 1011 | 1012 | 1013 |
1002 | 1008_020 | 1009_020 | 1010_020 | 1011_020 | 1012_020 | |
1003 | 1008_030 | 1009_030 | 1010_030 | 1011_030 | 1012_030 | |
1004 | 1008_040 | 1010_040 | 1012_030_2 | |||
1005 | 1008_050 | 1010_050 | ||||
1006 | 1010_060 | |||||
1006_2 | 1010_070 | |||||
1007 |
Closing Chapter | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | ||||||
2001 | 2011 | 2020 | 2027 | 2301 | 2309 | 2316 | 2401 | 2408 | 2501 | 2510 |
2002 | 2012 | 2021 | 2028 | 2302 | 2310 | 2317 | 2402 | 2409 | 2502 | 2511 |
2003 | 2013 | 2022 | 2029 | 2303 | 2311 | 2318 | 2403 | 2410 | 2503 | 2512 |
2004 | 2014 | 2023 | 2030 | 2304 | 2312 | 2319 | 2404 | 2411 | 2504 | 2513 |
2005 | 2015 | 2024 | 2031 | 2305 | 2313 | 2320 | 2405 | 2412 | 2505 | 2514 |
2006 | 2016 | 2025 | 2032 | 2306 | 2314 | 2321 | 2406 | 2413 | 2506 | 2515 |
2007 | 2017 | 2026 | 2033 | 2307 | 2315 | 2322 | 2407 | 2507 | 2516 | |
2008 | 2018 | 2308 | 2508 | 2517 | ||||||
2009 | 2019 | 2509 | ||||||||
2010 | ||||||||||
Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | |||||||
2031_2 | 2312_2 | 2401_2 | 2504_2 | 2511_2 | ||||||
2031_3 | 2313_2 | 2402_2 | 2507_2 | 2513_2 | ||||||
2031_4 | 2313_3 | 2402_3 |
Coda | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Kazusa (True) | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | ||||||
3001 | 3008 | 3014_2 | 3020 | 3101 | 3107 | 3201 | 3207 | 3901 | 3907 |
3002 | 3009 | 3014_3 | 3021 | 3102 | 3108 | 3202 | 3208 | 3902 | 3908 |
3003 | 3010 | 3015 | 3022 | 3103 | 3109 | 3203 | 3209 | 3903 | 3909 |
3004 | 3011 | 3016 | 3023 | 3104 | 3110 | 3204 | 3210 | 3904 | |
3005 | 3012 | 3017 | 3024 | 3105 | 3111 | 3205 | 3211 | 3905 | |
3006 | 3013 | 3018 | 3106 | 3206 | 3906 | ||||
3007 | 3014 | 3019 | |||||||
Common | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | |||||||
3001_2 | 3210_2 | 3901_2 | 3906_2 | ||||||
3015_2 | 3902_2 | 3907_2 | |||||||
3902_3 | 3907_3 | ||||||||
3904_2 |
Mini After Story and Extra Episode | |||
---|---|---|---|
The Path Back to Happiness | The Path Forward to Happiness | Dear Mortal Enemy | |
6001 | 6101 | 4000 | 4005 |
6002 | 6102 | 4001 | 4006 |
6003 | 6103 | 4002 | 4007 |
6004 | 6104 | 4003 | 4008 |
6005 | 4004 | 4009 |
Novels | |||||
---|---|---|---|---|---|
The Snow Melts, And Until The Snow Falls | The Idol Who Forgot How to Sing | Twinkle Snow ~Reverie~ | After the Festival ~Setsuna's Thirty Minutes~ | His God, Her Savior | |
5000 | 5100 | 5200 | 5205 | 5300 | 5400 |
5001 | 5101 | 5201 | 5206 | 5301 | 5401 |
5002 | 5102 | 5202 | 5207 | 5302 | |
5003 | 5103 | 5203 | 5208 | 5303 | |
5004 | 5104 | 5204 | 5209 |
Short Stories | |||
---|---|---|---|
Princess Setsuna's Distress and Her Minister's Sinister Plan | Koharu Climate After the Passing of the Typhoon | This isn't the Season for White Album | Todokanai Koi, Todoita |
7000 | 7100 | 7200 | 7300 |