White Album 2/Script/2004
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Text
Speaker | Text | Comment | |||
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Line # | JP | EN | JP | EN | |
1 | 春希 | Haruki | 「え…?」 | ||
2 | 麻理 | Mari | 「だから今週発売の開桜グラフ。 北原にも手伝ってもらったでしょ?」 | ||
3 | そして二日後。 | ||||
4 | 俺たちだけの… 本当に内輪だけの話題だったはずの、 一つの小さな記事は。 | ||||
5 | 麻理 | Mari | 「このぺージのコがかなり反響大きくてね。 隔月刊の音楽誌の方で記事作ることになったのよ」 | ||
6 | 木崎 | Kizaki | 「あ~、こりゃ反響あるわ~。 一発で目惹くもんな」 | ||
7 | 鈴木 | Suzuki | 「綺麗~… ツヤツヤの黒髪ロングに、黒いドレスのハマってること。 これで二十歳そこそこってやんなるなぁ」 | ||
8 | 浜田 | Hamada | 「それだけじゃないぞ。話題性も抜群だ。 こりゃ、クラシック界で久々に来たかなぁ」 | ||
9 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
10 | いつの間にか、対象者の結構な話題性のせいで、 その輪っかを微妙に外れつつあるようだった。 | ||||
11 | 麻理 | Mari | 「『アンサンブル』の編集長がこのコの母親… 冬馬曜子と親しいらしくて、 あっさり取材許可も下りたみたい」 | ||
12 | 松岡 | Matsuoka | 「冬馬曜子って… 俺、子供の頃テレビで見たことありますよ」 | ||
13 | 木崎 | Kizaki | 「一時は日本を代表するピアニストだったからな。 ま、今はずっとヨーロッパで活動してるから、 国内じゃ昔ほど有名じゃないけど」 | ||
14 | 浜田 | Hamada | 「けど、国際的な評価は昔とは比べものにならないぞ。 今や、どこの国でもチケットが売れる数少ない日本人だ」 | ||
15 | 三年前、俺を家に上げ、砂糖水をご馳走してくれ、 学園祭の話で盛り上がったあの結構気さくなご婦人は… | ||||
16 | やっぱりこうして一般的な話題の端に上ると、 かなり普通じゃない評価をされるみたいだった。 | ||||
17 | 鈴木 | Suzuki | 「その娘が国際コンクールで入賞。 しかもこのビジュアルとあっちゃ、 そりゃ、周りが放っておきませんよね」 | ||
18 | 春希 | Haruki | 「そう…なんですか?」 | ||
19 | 何言ってんだろうこの人たち… | ||||
20 | どうして、この記事だけで、 かずさのこと、そんなに持ち上げるんだ? | ||||
21 | ちょっと海外で結果を出した留学生なだけで、 ちょっと親が有名人なだけで… | ||||
22 | ちょっと………いい女なだけなのに。 | ||||
23 | 麻理 | Mari | 「あっちの雑誌、本来なら編プロにグロスで 発注してるんだけど、今回のは急遽決まった企画だし、 元ネタ拾ってきたのが私だし…」 | ||
24 | 浜田 | Hamada | 「要するに、 また他の編集部の仕事を引き受けてきた、と」 | ||
25 | 鈴木 | Suzuki | 「ほんっと北原君のこと叱れないですよね~。 上司が編集部またぎのプロなんだもん」 | ||
26 | 麻理 | Mari | 「ちゃんと両編集長には許可もらってる。 それに隔月刊の締め切りなんて余裕だし」 | ||
27 | 浜田 | Hamada | 「そう言って地獄を見…るけど、 それでもなんとかするのがコイツなんだよなぁ…」 | ||
28 | なんで、こんなことに… | ||||
29 | 麻理 | Mari | 「そんな訳で北原… あんたには引き続きこっちの記事を担当してもらう」 | ||
30 | 春希 | Haruki | 「え…」 | ||
31 | そんな麻理さんの言葉は、 まったく逆方向からの二つの衝撃を、 俺にもたらした。 | ||||
32 | 鈴木 | Suzuki | 「た、担当してもらうって、だって…」 | ||
33 | 木崎 | Kizaki | 「バイトだぞ、北原…」 | ||
34 | 『記事を担当してもらう』ってことは、 要するに取材も執筆も…ってことで、多分。 | ||||
35 | それは今までの、コピー取ったり、買い出し行ってきたり、 出前取ったり、原稿取りに行ったり、レイアウト組んだり、 校正したり、印刷所に頭下げたりとは… | ||||
36 | …後半は既にバイトの範囲を逸脱してるかもしれないけど、 それでもそれらの仕事とはまるで一線を画す、 本物の『本作り』の仕事。 | ||||
37 | まさか学生バイト風情で、 こんなチャンスが回ってくるなんて… | ||||
38 | 麻理 | Mari | 「異論は?」 | ||
39 | けど… | ||||
40 | この仕事を引き受けるってことは、 つまり、取材対象に深入りするってこと。 | ||||
41 | 経歴を調べ、関係者の話を聞き、 あいつが生きてきた足跡を辿るっていうこと。 | ||||
42 | 俺に、そんなことできるのか? もう一度、あいつの記憶を掘り起こすなんて。 | ||||
43 | 1.辞退する | Choice | |||
44 | 2.引き受ける | Choice | |||
45 | 春希 | Haruki | 「…俺には荷が重いんじゃないかと思います。 どなたか編集部の方に担当してもらった方が」 | ||
46 | 麻理 | Mari | 「え…?」 | ||
47 | 俺の意見を聞いておきながら、 麻理さんは、俺の答えに少しだけうろたえたみたいだった。 | ||||
48 | それは、人に仕事を振りまくっておきながら、 人のことを働きすぎだと糾弾したりする、 そんな矛盾を抱えたこの人らしい反応だったけど… | ||||
49 | 麻理 | Mari | 「もしかして、今の自分にその能力がないと思ってる? それはちょっと過小評価だと思うけどな」 | ||
50 | 春希 | Haruki | 「…そんなの、買いかぶりすぎですよ」 | ||
51 | 今の俺には、その肩入れが心苦しい。 | ||||
52 | それも、麻理さんの思惑とはまったく関係ない部分で そう感じてしまうのが、さらに辛い。 | ||||
53 | 麻理 | Mari | 「だって、あんた書きたかったんじゃないの? 出版狙ってるから経験積みたいって言ってたわよね?」 | ||
54 | 春希 | Haruki | 「それは…」 | ||
55 | 確かに言った。 | ||||
56 | 言っただけでなく、言葉以外でもアピールしてきた。 『俺にもっと大きな仕事をよこせ』って。 『何もかも忘れられるくらい働かせろ』って。 | ||||
57 | けど、何もかも忘れるためのに選んだ仕事で、 皮肉にも、自分がもっとも忘れたかったことを 思い出さなくちゃならないとしたら… | ||||
58 | 麻理 | Mari | 「これじゃ私、なんのために無理やり外注から仕事奪って ………あ」 | ||
59 | 春希 | Haruki | 「麻理さん…?」 | ||
60 | 木崎 | Kizaki | 「あんた、何してきたんすか…」 | ||
61 | 鈴木 | Suzuki | 「どれだけ北原君のこと買ってんですか麻理さん… 社員にだってそんなに目かけたことないのに。 松っちゃんがいい例」 | ||
62 | 松岡 | Matsuoka | 「なんで俺に振るんだよ!?」 | ||
63 | 人には余計な仕事を請けるなと忠告しておきながら、 自分は俺のために新しい仕事を発掘しまくってくる… | ||||
64 | 麻理 | Mari | 「そっか… 私の先走りだったか。 なんだか逆に悪いことしたね、北原」 | ||
65 | 春希 | Haruki | 「麻理さん…」 | ||
66 | それもやっぱり、なんというか、 微笑ましい矛盾を抱えた、この人らしい動き方だった。 | ||||
67 | 麻理 | Mari | 「さてと、どうするかな… 北原以外、想定してなかったんだけど…」 | ||
68 | 松岡 | Matsuoka | 「お、俺やります麻理さん! 鈴木にそこまで言われて黙ってられますか!」 | ||
69 | 麻理 | Mari | 「松岡は浜田の下じゃない。 上司が貸してくれるってんならいいけど…」 | ||
70 | 浜田 | Hamada | 「ふざけるな。寝言こいてる暇があったら さっさと俺が振ったテープ起こし終わらせろ。 北原に頼んだ分はもう上がったぞ」 | ||
71 | 麻理 | Mari | 「北原に頼んだ?」 | ||
72 | 浜田 | Hamada | 「あ、いや…」 | ||
73 | 松岡 | Matsuoka | 「嘘ぉ!? あれ昨日回ってきたばっかじゃ…」 | ||
74 | 鈴木 | Suzuki | 「北原君、今朝わたしが出社してきたとき、 今から大学行くって退社してったんだよ」 | ||
75 | 麻理 | Mari | 「今朝…?」 | ||
76 | 木崎 | Kizaki | 「お前、完全にバイトに追い抜かれてるな… 勤務態度も、成果も、信頼も」 | ||
77 | 松岡 | Matsuoka | 「いや、北原と比較して欲しくないですよ。 こいつは大学三年生でしょ? 俺まだ二年生ですから」 | ||
78 | 浜田 | Hamada | 「大卒二年目を二年生って言うんならな…」 | ||
79 | 鈴木 | Suzuki | 「なんてプライドのない社会人…」 | ||
80 | 麻理 | Mari | 「ちょっと北原… 朝帰りって何よ? 私聞いてないわよ?」 | ||
81 | 春希 | Haruki | 「すいません麻理さん。 さっきの発言、撤回します」 | ||
82 | 麻理 | Mari | 「そんな話はあと! あんた昨日一体何時まで残って…え?」 | ||
83 | 春希 | Haruki | 「俺にやらせてください。 …冬馬かずさの特集記事」 | ||
84 | だったら俺は… ここで退く訳にはいかない。 | ||||
85 | まだ、俺に信頼を寄せてくれる人がいるなら、 もう、裏切りたくはないから。 | ||||
86 | 春希 | Haruki | 「やります。 是非やらせてください」 | ||
87 | それでも俺は、やっぱり前に進む道を選ぶしかない。 | ||||
88 | たとえ、目的を達成するための手段が、 逆に目的を阻害することになったとしても、 今の俺にとって、この手段は将来へと繋がる道標だから。 | ||||
89 | …きっと。 | ||||
90 | 麻理 | Mari | 「それじゃ、早速向こうの編集長のところに行くわよ。 ついてきなさい、北原」 | ||
91 | 松岡 | Matsuoka | 「って、ちょっと待ってくださいよ麻理さん! 俺だってそういう仕事やりたいですよ。 ここにいると浜田さんのパシリばっかなんだもん」 | ||
92 | 浜田 | Hamada | 「そりゃ、パシリの腕の差だろ。 北原は買い出し行って一時間帰ってこないなんてこと 一度もなかったぞ?」 | ||
93 | 松岡 | Matsuoka | 「え? あ、いや… 頼まれたコーヒーが実は千葉と埼玉限定で…」 | ||
94 | 木崎 | Kizaki | 「そっか、じゃあ俺が何度も見かけた コンビニで立ち読み中のお前は幻覚だったんだ。 何しろ千葉まで遠征してるんじゃなぁ」 | ||
95 | 松岡 | Matsuoka | 「あ~! 木崎さん裏切り者っ!?」 | ||
96 | 鈴木 | Suzuki | 「そういう地道な積み重ねが 肝心なところで効いてくるんだよねぇ…」 | ||
97 | 麻理 | Mari | 「ま、それもあるけど… 実は北原に任せる理由はもう一つあるの」 | ||
98 | 木崎 | Kizaki | 「もう一つって?」 | ||
99 | 松岡 | Matsuoka | 「それもあるんだ…」 | ||
100 | 麻理 | Mari | 「北原は薄々気づいてるんじゃないかと思うけど…」 | ||
101 | 春希 | Haruki | 「ええ、ま…」 | ||
102 | もちろん、気づいてた。 | ||||
103 | 麻理さんは、その程度のアドバンテージで、 俺にこんな美味しい仕事を回すはずがない。 | ||||
104 | 俺に回す旨みがあるってわかってるから… つまり、そこまでちゃんと下調べが済んでいるからこそ、 俺を指名したんだって。 | ||||
105 | 麻理 | Mari | 「というわけで、 まずは彼女が日本にいたときに通ってた学校から… って、後はわかってるわよね? 北原」 | ||
106 | 春希 | Haruki | 「ええ、わかってます。 先生方には一応信用あった方なんで、 多分、許可は下りると思います」 | ||
107 | 取材対象…冬馬かずさ。 | ||||
108 | トラスティ国際コンクールピアノ部門2位。 母親は世界的ピアニストの冬馬曜子。 三年前より母子でウィーン在住。 | ||||
109 | そして、留学前の学歴は… | ||||
110 | 春希 | Haruki | 「俺の同級生だったんですよ、彼女」 | ||
111 | 鈴木 | Suzuki | 「あ~…そういうこと」 | ||
112 | 松岡 | Matsuoka | 「…どういうこと?」 | ||
113 | 木崎 | Kizaki | 「やっぱお前に任せるわけにはいかないって、 今の反応でわかったってことだよ…」 | ||
114 | 春希 | Haruki | 「ま…在学中はほとんど話したことないですけどね。 彼女、音楽科の主席だったんで」 | ||
115 | 最後の最後についた小さな嘘は… 俺の、たった一つだけまとった、心の鎧だった。 |
Script Chart
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Introductory Chapter | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
1001 | 1008 | 1009 | 1010 | 1011 | 1012 | 1013 |
1002 | 1008_020 | 1009_020 | 1010_020 | 1011_020 | 1012_020 | |
1003 | 1008_030 | 1009_030 | 1010_030 | 1011_030 | 1012_030 | |
1004 | 1008_040 | 1010_040 | 1012_030_2 | |||
1005 | 1008_050 | 1010_050 | ||||
1006 | 1010_060 | |||||
1006_2 | 1010_070 | |||||
1007 |
Closing Chapter | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | ||||||
2001 | 2011 | 2020 | 2027 | 2301 | 2309 | 2316 | 2401 | 2408 | 2501 | 2510 |
2002 | 2012 | 2021 | 2028 | 2302 | 2310 | 2317 | 2402 | 2409 | 2502 | 2511 |
2003 | 2013 | 2022 | 2029 | 2303 | 2311 | 2318 | 2403 | 2410 | 2503 | 2512 |
2004 | 2014 | 2023 | 2030 | 2304 | 2312 | 2319 | 2404 | 2411 | 2504 | 2513 |
2005 | 2015 | 2024 | 2031 | 2305 | 2313 | 2320 | 2405 | 2412 | 2505 | 2514 |
2006 | 2016 | 2025 | 2032 | 2306 | 2314 | 2321 | 2406 | 2413 | 2506 | 2515 |
2007 | 2017 | 2026 | 2033 | 2307 | 2315 | 2322 | 2407 | 2507 | 2516 | |
2008 | 2018 | 2308 | 2508 | 2517 | ||||||
2009 | 2019 | 2509 | ||||||||
2010 | ||||||||||
Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | |||||||
2031_2 | 2312_2 | 2401_2 | 2504_2 | 2511_2 | ||||||
2031_3 | 2313_2 | 2402_2 | 2507_2 | 2513_2 | ||||||
2031_4 | 2313_3 | 2402_3 |
Coda | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Kazusa (True) | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | ||||||
3001 | 3008 | 3014_2 | 3020 | 3101 | 3107 | 3201 | 3207 | 3901 | 3907 |
3002 | 3009 | 3014_3 | 3021 | 3102 | 3108 | 3202 | 3208 | 3902 | 3908 |
3003 | 3010 | 3015 | 3022 | 3103 | 3109 | 3203 | 3209 | 3903 | 3909 |
3004 | 3011 | 3016 | 3023 | 3104 | 3110 | 3204 | 3210 | 3904 | |
3005 | 3012 | 3017 | 3024 | 3105 | 3111 | 3205 | 3211 | 3905 | |
3006 | 3013 | 3018 | 3106 | 3206 | 3906 | ||||
3007 | 3014 | 3019 | |||||||
Common | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | |||||||
3001_2 | 3210_2 | 3901_2 | 3906_2 | ||||||
3015_2 | 3902_2 | 3907_2 | |||||||
3902_3 | 3907_3 | ||||||||
3904_2 |
Mini After Story and Extra Episode | |||
---|---|---|---|
The Path Back to Happiness | The Path Forward to Happiness | Dear Mortal Enemy | |
6001 | 6101 | 4000 | 4005 |
6002 | 6102 | 4001 | 4006 |
6003 | 6103 | 4002 | 4007 |
6004 | 6104 | 4003 | 4008 |
6005 | 4004 | 4009 |
Novels | |||||
---|---|---|---|---|---|
The Snow Melts, And Until The Snow Falls | The Idol Who Forgot How to Sing | Twinkle Snow ~Reverie~ | After the Festival ~Setsuna's Thirty Minutes~ | His God, Her Savior | |
5000 | 5100 | 5200 | 5205 | 5300 | 5400 |
5001 | 5101 | 5201 | 5206 | 5301 | 5401 |
5002 | 5102 | 5202 | 5207 | 5302 | |
5003 | 5103 | 5203 | 5208 | 5303 | |
5004 | 5104 | 5204 | 5209 |
Short Stories | |||
---|---|---|---|
Princess Setsuna's Distress and Her Minister's Sinister Plan | Koharu Climate After the Passing of the Typhoon | This isn't the Season for White Album | Todokanai Koi, Todoita |
7000 | 7100 | 7200 | 7300 |