White Album 2/Script/2015
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Editing
Translation Notes
Text
Speaker | Text | Comment | |||
---|---|---|---|---|---|
Line # | JP | EN | JP | EN | |
1 | 佐藤 | Satou | 「皆さん、おはようございます」 | ||
2 | 店員たち | Clerks | 「おはようございま~す」 | ||
3 | 佐藤 | Satou | 「本日の早番ですが、 ホールが中川さん、島本さん、飯山さん、杉浦さん。 キッチンが下田君、服部君、佐藤になります」 | ||
4 | 小春 | Koharu | 「………」 | "........."
| |
5 | 佐藤 | Satou | 「ホールはランチタイム終了後から 順次休憩に入ってください。 …キッチンはヘルプが来るまで待って」 | ||
6 | 小春 | Koharu | 「………」 | "........."
| |
7 | 佐藤 | Satou | 「あ、それで杉浦さんですが、無事研修期間も終わり、 本日から正式に入ってもらうことになりました。 …杉浦さん」 | ||
8 | 小春 | Koharu | 「………」 | "........."
| |
9 | 佐藤 | Satou | 「…杉浦さん?」 | ||
10 | 小春 | Koharu | 「え?」 | ||
11 | 佐藤 | Satou | 「一応、一言お願いできます?」 | ||
12 | 小春 | Koharu | 「あ、ああ…はい。 これからも今まで通り、よろしくお願いします! …ええと、何も考えてなかったので、それだけです」 | ||
13 | 中川 | Nakagawa | 「………」 | "........."
| |
14 | 佐藤 | Satou | 「はい、それじゃ解散します。 各自、開店準備始めてください」 | ||
15 | 小春 | Koharu | 「………」 | "........."
| |
16 | 中川 | Nakagawa | 「杉浦さん、 テーブルの調味料やナプキンの補充お願いね」 | ||
17 | 小春 | Koharu | 「…あの、チーフ」 | ||
18 | 中川 | Nakagawa | 「ん?」 | ||
19 | 小春 | Koharu | 「今日のメンバー、これだけですか?」 | ||
20 | 中川 | Nakagawa | 「まぁね、いつもいつも人手不足でやんなるよね。 あなたにも一人前以上働いてもらわないと」 | ||
21 | 小春 | Koharu | 「それに関しては多分大丈夫だと思うんですけど」 | ||
22 | 中川 | Nakagawa | 「…相変わらず自信家だよね杉浦さん。 北原さんにあれだけぺしゃんこにされておきながら」 | ||
23 | 小春 | Koharu | 「そう、それです」 | ||
24 | 中川 | Nakagawa | 「何が?」 | ||
25 | 小春 | Koharu | 「来ないんですか?」 | ||
26 | 中川 | Nakagawa | 「誰が?」 | ||
27 | 小春 | Koharu | 「っ…」 | ||
28 | 中川 | Nakagawa | 「あ、北原さん?」 | ||
29 | 小春 | Koharu | 「まだ何も言ってませんが?」 | ||
30 | 中川 | Nakagawa | 「『それくらい察してよ』って顔で睨んでたのに、 いざ図星を指されると嫌な顔するってなんなの…」 | ||
31 | 小春 | Koharu | 「睨んでなんかいませんから。 あと、不機嫌そうな顔は生まれつきです」 | ||
32 | 中川 | Nakagawa | 「そんだけ可愛いのに、もったいない」 | ||
33 | 小春 | Koharu | 「別にそう言うこと興味ありませんから」 | ||
34 | 中川 | Nakagawa | 「別になにも連絡ないよ、北原さん」 | ||
35 | 小春 | Koharu | 「そう、ですか…」 | ||
36 | 中川 | Nakagawa | 「大体、杉浦さんの教育担当として、 臨時で無理言って来てもらってたんだし、 用が済んだらもう来る理由もないでしょ」 | ||
37 | 小春 | Koharu | 「…結構ドライなんですねチーフ。 先輩のこと、あんなに頼りにしてたのに」 | ||
38 | 中川 | Nakagawa | 「北原さん、そろそろ就職活動も始まるだろうし、 あまりこっちの都合で拘束しても悪いでしょ?」 | ||
39 | 小春 | Koharu | 「それは…そうかもしれないですけど」 | ||
40 | 中川 | Nakagawa | 「さ、そんな細かいことは気にしない。 そろそろ開店よ」 | ||
41 | 小春 | Koharu | 「細かいこと…」 | ||
42 | 小春 | Koharu | 「………」 | "........."
| |
43 | 小春 | Koharu | 「あの馬鹿」 | ||
44 | ……… | .........
| |||
45 | 『そうなんだ、グッディーズのバイト再開したんだ』 | ||||
46 | 『でも、出版社も続けてるんだよね? それにレポートも大変みたいだし、ちょっと心配。 あまり無理しないでね?』 | ||||
47 | 『…なんて言っても、 頼まれたらやめられないのが春希くんだよね』 | ||||
48 | 『実は一年ほど前、 グッディーズで働いてる春希くんを、 通りがかりに偶然見つけたことがあったんだよ』 | ||||
49 | 『春希くんは、やっぱり普段と変わりなく、 お店の女の子に色々と注意してて、 みんな春希くんのこと怖がってるみたいだった』 | ||||
50 | 『それでも何かあると、 誰もが結局春希くんばかり呼んじゃってて、 フロアとキッチンを行ったり来たりの大忙しだったね』 | ||||
51 | 『そういう星のもとに生まれてきてるのかもね。 頼られずにはいられないっていうか、 怖いんだけど近寄りがたくないっていうか』 | ||||
52 | 『なんとなく嬉しかった。 だって、昔から知ってた、 …わたしに見せてくれなくなった春希くんだったから』 | ||||
53 | 『ええと、閑話休題! ね、冬休みの間もまだそこでバイトしてる?』 | ||||
54 | 『その、もしよかったら、 お邪魔じゃなかったらなんだけど、えっと』 | ||||
55 | 『ううん、なんでもない。 じゃあね』 | ||||
56 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
57 | …送信前に編集できるメールなのに、 どうして『なんでもない』ことを消さないんだろうな。 | ||||
58 | 俺が見たら、絶対にちくんとすることを、 しっかり残しておくのはなんでなんだろうな。 | ||||
59 | 春希 | Haruki | 「…ったく」 | ||
60 | 雪菜のメールに、少しだけ毒が含まれてた。 | ||||
61 | ちょっとだけ、遠慮が取れかかってる? 本音を漏らし始めてる? | ||||
62 | だとしたら、それってもしかして、 結構いい兆候なんじゃないだろうか。 | ||||
63 | 何も言えず溜め込んで、 そのせいで爆発しそうになって、 抑え込むのにとてつもないエネルギーを使って。 | ||||
64 | そんなこんなを繰り返し、 どんどん疲れていってしまった、数日前の雪菜。 | ||||
65 | 顔を合わせないから、声を聞かないから。 だけど、ちゃんと繋がっていることだけは実感できるから。 | ||||
66 | もしかしたら、今の俺たちには、 この、文字だけの関係が一番心地良いのかもしれない。 | ||||
67 | 春希 | Haruki | 「っし!」 | ||
68 | 前向きな思考も、後ろ向きな逃避も、 とりあえず、しばらく封印。 | ||||
69 | 週末のランチタイム。 何も考えずに、一生懸命働くか。 | ||||
70 | …あいつ、頑張っているだろうか。 | ||||
71 | ……… | .........
| |||
72 | 春希 | Haruki | 「おはようございます」 | ||
73 | 小春 | Koharu | 「え…?」 | ||
74 | 佐藤 | Satou | 「おはようございます~。 待ってたっすよ~、北原さん」 | ||
75 | 中川 | Nakagawa | 「お~やっと来た。 オーダーきっちり溜め込んであるから、 最初から全開でお願いね北原さん」 | ||
76 | 小春 | Koharu | 「………え?」 | ||
77 | 中川 | Nakagawa | 「ほら杉浦さん凍ってない。 15番テーブル呼び出しかかってるよ?」 | ||
78 | 小春 | Koharu | 「あ、あの…チーフ? これは一体?」 | ||
79 | 中川 | Nakagawa | 「夜のメンバーが全然足りないみたいで、 今日は遅番で入ってもらったんだって。 …なのに昼前に来るところが北原さんだよね」 | ||
80 | 小春 | Koharu | 「え? え? え?」 | ||
81 | 中川 | Nakagawa | 「? …あ~。 なんかすっごい心待ちにしてたから言わなかったの。 その方が面白いかなと思って」 | ||
82 | 小春 | Koharu | 「~~~っ!?」 | ||
83 | 春希 | Haruki | 「杉浦…?」 | ||
84 | 頑張っているかと心配していた『あいつ』は、 なんだか顔を真っ赤にしてわなわな震えていた。 | ||||
85 | …やっぱりバイト三日目でもうフル参戦ってのは、 負担だったんじゃないだろうか? | ||||
86 | ……… | .........
| |||
87 | 小春 | Koharu | 「………」 | "........."
| |
88 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
89 | 小春 | Koharu | 「…(むぐむぐ)」 | ||
90 | 春希 | Haruki | 「なぁ、杉浦」 | ||
91 | 小春 | Koharu | 「あとほんの少し待っててください。 すぐに終わりますから」 | ||
92 | 春希 | Haruki | 「………いや、ゆっくり噛め。 消化に良くない」 | ||
93 | ランチタイムも終わり、 店内に少しほっとした空気が流れる午後のひととき。 | ||||
94 | さっきまで、とても三日目とは思えない働きぶりで、 ホール内を縦横無尽に駆け回っていた杉浦は、 今は控え室で休憩時間を満喫してる。 | ||||
95 | 俺の作ったまかない飯を凄い勢いでかき込みつつ。 | ||||
96 | 小春 | Koharu | 「(むぐむぐ)…っ!?(むぐっ!?)」 | ||
97 | 春希 | Haruki | 「…茶、いるか?」 | ||
98 | 小春 | Koharu | 「………いただきます」 | ||
99 | 彼女がなぜ、このように急いで 食事をかき込んでいるかについては諸説ある。 | ||||
100 | ランチタイムを猛烈な勢いで頑張ったせいで、 この遅めの昼食時には、お腹も猛烈に空いていたとか。 | ||||
101 | 新人である自分がゆっくり休憩など、 そんな思い上がったことできるわけないと思っているとか。 | ||||
102 | それとも… | ||||
103 | 小春 | Koharu | 「ごちそうさまでしたっ」 | ||
104 | 春希 | Haruki | 「…で、話ってなんだ?」 | ||
105 | 小春 | Koharu | 「…やっぱり待ちかまえてたんじゃないですか。 『ゆっくり噛め』とか理解のあること言ってるふりして」 | ||
106 | 杉浦の休憩時間でしかないのに、 絶賛勤務時間中の俺まで控え室に連れ込んでるせいだとか。 | ||||
107 | 小春 | Koharu | 「もう少しだけ待ってくださいよ… | ||
108 | 小春 | Koharu | (ず)っ…あつつっっっ!」 | ||
109 | 春希 | Haruki | 「…猫舌?」 | ||
110 | 小春 | Koharu | 「や~、もう。 舌やけどしちゃったじゃないですか~。 なんでこんな嫌がらせするんですか」 | ||
111 | 春希 | Haruki | 「(ず)…別に俺は平気だけど」 | ||
112 | 小春 | Koharu | 「ふ~、ふぅぅぅぅ~」 | ||
113 | 春希 | Haruki | 「そんなことより、話ってなんだよ? 俺、そろそろキッチンに戻らないと」 | ||
114 | まだ一度も休憩を取っていない佐藤の、 別れ際の視線が忘れられないし。 | ||||
115 | 小春 | Koharu | 「じゃあ本題に入りますけど…先輩」 | ||
116 | 春希 | Haruki | 「…やっぱもうちょっと待とうか?」 | ||
117 | 小春 | Koharu | 「大丈夫です。 | ||
118 | 小春 | Koharu | 実はですね先輩…わたしこのお店で 立場的に追い詰められてるみたいなんです」 | ||
119 | 春希 | Haruki | 「ああ、いじめか。 反感買いそうだもんなぁ杉浦」 | ||
120 | 小春 | Koharu | 「…先輩がわたしのことをどう見ていらっしゃるか よくわかりました」 | ||
121 | 春希 | Haruki | 「え、違うのか?」 | ||
122 | 心配していた通りの展開になったなと、 ものすごく納得しかけたのに。 | ||||
123 | 小春 | Koharu | 「皆さん親切にしてくれてます! 忙しいけどチームワークも悪くないし、 初めてのバイトにしては当たり引いたかなぁって」 | ||
124 | 春希 | Haruki | 「…良かったじゃないか」 | ||
125 | さっきの『追い詰められてる』ってのが、 まるっきり辻褄合わなくなることを除けば。 | ||||
126 | 小春 | Koharu | 「ええ、良かったんです。 ただ、その… ちょっと可愛がられ過ぎちゃってるかな、と」 | ||
127 | 春希 | Haruki | 「どういう意味だ?」 | ||
128 | 小春 | Koharu | 「からかわれました、チーフに」 | ||
129 | 春希 | Haruki | 「中川さんに?」 | ||
130 | 小春 | Koharu | 「…(こくん)」 | ||
131 | やっと我が意を得たりと、 杉浦が俯きながら、こくんと頷く。 | ||||
132 | ただ、そこまでの無駄な回り道がいたく不満だったらしく、 表情の不機嫌さはちっとも直ってなかったけど。 | ||||
133 | 春希 | Haruki | 「…まぁ、確かにそういうとこあるよな彼女。 本人に悪気はないんだけどな」 | ||
134 | 小春 | Koharu | 「それはわかってるんですけど…」 | ||
135 | 春希 | Haruki | 「わかった、さり気なく彼女に言っておく。 杉浦が困ってるって」 | ||
136 | 小春 | Koharu | 「困ってるのは事実ですが、 先輩が言っても逆効果だと思います」 | ||
137 | 春希 | Haruki | 「なんで?」 | ||
138 | そもそも、それならどうして俺に相談したんだ? てっきり仲裁を期待してると思ったのに… | ||||
139 | 小春 | Koharu | 「わたしはただ、誤解を解きたいだけなんです」 | ||
140 | 春希 | Haruki | 「誤解?」 | ||
141 | 小春 | Koharu | 「はい… わたしと先輩が付き合ってるとか、 そういうあり得ない勘違いのことです」 | ||
142 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
143 | 小春 | Koharu | 「………」 | "........."
| |
144 | 春希 | Haruki | 「…わかった、彼女と話してくる。 しっかり、骨身に染みるまで言い聞かせてくるから」 | ||
145 | 小春 | Koharu | 「だからそういうのが逆効果だって言ってるんです!」 | ||
146 | 春希 | Haruki | 「だってそりゃないだろいくらなんでも! なんで俺と杉浦が!?」 | ||
147 | 小春 | Koharu | 「そういう言い方、 わたしに対して失礼だと思います。 …あえて指摘しませんけど」 | ||
148 | してるじゃないか。 | ||||
149 | 春希 | Haruki | 「いや待てよ? そもそもこうして二人きりでいることが、 誤解をさらに増長してるとかそういう可能性は?」 | ||
150 | 小春 | Koharu | 「そこで相談なんですけど」 | ||
151 | 都合の悪いことだけ都合良くスルーかよ。 | ||||
152 | 小春 | Koharu | 「わたしから、チーフや他の皆さんの 誤解を解こうと思ってるんですけど…」 | ||
153 | 春希 | Haruki | 「どうやって?」 | ||
154 | 小春 | Koharu | 「わたしが北原先輩のような杓子定規で頭でっかちで 融通の利かない男の人に興味を持つわけないって、 噛んで含めるようにしっかり言い聞かせます」 | ||
155 | 春希 | Haruki | 「そういう言い方、 俺に対して失礼だと思わないか? …あえて指摘しないけど」 | ||
156 | 小春 | Koharu | 「してますよね?」 | ||
157 | 春希 | Haruki | 「………それで本当に納得させられるのか?」 | ||
158 | こ、この生意気な後輩は… | ||||
159 | 小春 | Koharu | 「確かに、それだけじゃ少し弱いと思います。 だから先輩の許可をもらいたいと思って」 | ||
160 | 春希 | Haruki | 「許可って、何の?」 | ||
161 | 小春 | Koharu | 「先輩の彼女のこと、 お店の皆に話してもいいという許可です」 | ||
162 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
163 | 小春 | Koharu | 「『二人とも誰とも付き合っていないけど、 お互いにその気がない』だけじゃ、 説得力に欠けると思うんですよ」 | ||
164 | 春希 | Haruki | 「………………」 | ||
165 | 小春 | Koharu | 「お互い、別の相手がいるってのが理想ですけど、 あいにくこっちは今のところ心当たりがなくて」 | ||
166 | 春希 | Haruki | 「………………………」 | ||
167 | 小春 | Koharu | 「なのでここは先輩の方に折れてもらいます。 異論ないですよね?」 | ||
168 | 春希 | Haruki | 「ちょっと待ったぁぁぁ!」 | ||
169 | 小春 | Koharu | 「異論、ないですよね?」 | ||
170 | 春希 | Haruki | 「さっきはあえて指摘しなかったけどさ、 自分の都合のいいように人の話を聞き流すなよ」 | ||
171 | 小春 | Koharu | 「この前、諦めないって約束したじゃないですか!」 | ||
172 | 春希 | Haruki | 「だからって正論を振りかざすのもどうかと思うぞ…」 | ||
173 | 確かに数日前、 彼女は俺に『諦めるな』とハッパをかけ、 俺は『気持ちだけ受けとっとく』と答えた。 | ||||
174 | だけどそれは、 俺の心の中でけじめをつけるって意味で、 誰かに向けて宣言するような話じゃ… | ||||
175 | 小春 | Koharu | 「何が困るんです? 何もやましいことなんかないですよね? 別に隠す必要のないことですよね?」 | ||
176 | 春希 | Haruki | 「相手の気持ちも確かめないうちから、 一人で勝手に先走ったって意味ないだろ」 | ||
177 | 小春 | Koharu | 「小木曽に聞いた話だと、 三年前からずっと、ご両親にも公認だって」 | ||
178 | 春希 | Haruki | 「三年前の話だよ。 …三年も経ってるんだよ、それから」 | ||
179 | 俺一人が、ほんの少し前向きになった程度で、 俺が跡形もなくぶち壊した関係が、 そんな簡単に修復するはずがない。 | ||||
180 | ただ、俺がやっと目標の方向を向いただけ。 | ||||
181 | 今、どのくらい離れてるのかもわからないまま、 いつになったら辿り着くのかもわからないまま。 | ||||
182 | 小春 | Koharu | 「…それなら」 | ||
183 | 春希 | Haruki | 「俺が中川さんと話すから。 杉浦に悪いようにはしないから…」 | ||
184 | 小春 | Koharu | 「小木曽先輩の携帯番号教えてください。 わたしが直接確認してみます」 | ||
185 | 春希 | Haruki | 「いい加減にしろ!」 | ||
186 | 小春 | Koharu | 「いい加減にして欲しいのはこっちの方です!」 | ||
187 | ああ… | ||||
188 | 春希 | Haruki | 「君はどうしていつもいつもいつもいつも 人が触れて欲しくないことばかり…」 | ||
189 | 小春 | Koharu | 「今回はこっちの事情もあります。 仕方ないんです」 | ||
190 | 何度繰り返しただろう、この言い争い。 | ||||
191 | 春希 | Haruki | 「それ、単なるきっかけだろ。 本当はまた干渉したくなっただけだろ、俺たちに?」 | ||
192 | 小春 | Koharu | 「先輩がいつまでも覚悟を決めないのが悪いんです」 | ||
193 | しかも開き直った… | ||||
194 | たった一月で嫌というほど思い知らされた経験則がある。 …こうなった後の杉浦は無敵の正義超人だと。 | ||||
195 | 小春 | Koharu | 「イライラするんです… まだそんな中途半端なこと言ってるのかって、 完全にムカついたんです…」 | ||
196 | 春希 | Haruki | 「ムカつきたいのはこっちだ…」 | ||
197 | ちょっとは素直になったと思ったのに。 | ||||
198 | お節介すぎて厄介で付き合いにくい性格を、 あまりの人の良さが上回ったと感じたのに。 | ||||
199 | 小春 | Koharu | 「いい加減、逃げ出すのはやめてください。 …わたしのためにも」 | ||
200 | 春希 | Haruki | 「こんな馬鹿げたことがきっかけで、 雪菜とぎくしゃくしたらどうするんだよ…」 | ||
201 | 小春 | Koharu | 「その時は責任を持ってフォローします。 先輩と、小木曽先輩と、わたしのために」 | ||
202 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
203 | そして一番厄介なことは、 いつまでもどこまでも、一片の曇りもなく、 心の底から本気のお節介だと言うことで。 | ||||
204 | 小春 | Koharu | 「…いいですよね?」 | ||
205 | 小春 | Koharu | 1.勝手にしろ | Choice | |
206 | 小春 | Koharu | 2.いいわけないだろ | Choice | |
207 | ……… | .........
| |||
208 | …… | ......
| |||
209 | … | ...
| |||
210 | 春希 | Haruki | 「お待たせしました。 チョコファッジサンデーでございます」 | ||
211 | お客様1 | Guest 1 | 「ええっ!? そんなことが?」 | ||
212 | お客様2 | Guest 2 | 「そうなのよ~。 その時も結構騒ぎになっちゃってね。 …女の子のスタッフの間だけで」 | ||
213 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
214 | お客様2 | Guest 2 | 「あ、すいませ~ん。 半熟オムライス追加お願いしま~す」 | ||
215 | お客様1 | Guest 1 | 「あ、それじゃわたしも同じものを」 | ||
216 | 春希 | Haruki | 「………かしこまりました」 | ||
217 | お客様2 | Guest 2 | 「あれぇ? 注文内容の反復は? そんな適当な接客してると、 どっかのうるさい教育係が黙ってないんじゃないかな」 | ||
218 | お客様1 | Guest 1 | 「わたし二日で5回も注意されましたよ。 そのうち3回はちゃんと反復してたのに、 発音が悪いとか、勝手に順番を替えるなとか」 | ||
219 | 春希 | Haruki | 「………君ら二人とも早番だったろ。 なんで帰らないんだよ」 | ||
220 | お客様2 | Guest 2 | 「あれぇ? お客様に向かってタメ口? そんな横柄な接客してると、 どっかのうるさい教育係が…」 | ||
221 | お客様1 | Guest 1 | 「こっちはお金を払って、しかもちゃんと ルールを守って利用してるのに帰れとか、 どんな殿様商売ですか」 | ||
222 | 春希 | Haruki | 「………っ」 | ||
223 | お客様2 | Guest 2 | 「反復は?」 | ||
224 | 春希 | Haruki | 「…ご注文繰り返させていただきます。 半熟オムライス二つでよろしいですか?」 | ||
225 | お客様2 | Guest 2 | 「あ、ついでにケチャップで似顔絵描いて。 名前付きで」 | ||
226 | 春希 | Haruki | 「…当店ではそのようなサービスは行っておりません。 またのお越しをお待ちしております」 | ||
227 | お客様1 | Guest 1 | 「また帰れって言った」 | ||
228 | 春希 | Haruki | 「………ごゆっくりどうぞ。 で、なるべく早くお帰りください」 | ||
229 | お客様2 | Guest 2 | 「な~んか感じの悪い店員ねぇ。 どっかのうるさい教育係に告げ口しちゃおっかな」 | ||
230 | 春希 | Haruki | 「っ!」 | ||
231 | お客様1 | Guest 1 | 「すいません、それで話の続きなんですけど…」 | ||
232 | お客様2 | Guest 2 | 「あ~そうそう谷っちね。 谷口さんって言って、わたしと同じ時期に 入ったコだったんだけどさ」 | ||
233 | お客様1 | Guest 1 | 「一年くらい前でしたっけ?」 | ||
234 | お客様2 | Guest 2 | 「そのコがあろうことか、 どっかのうるさい教育係に告白しちゃったのよ」 | ||
235 | お客様1 | Guest 1 | 「…趣味悪いですね」 | ||
236 | お客様2 | Guest 2 | 「いや、でもさぁ、背もあるし、顔もそこそこいいし、 真面目だし頼りになるし何より峰城だし、 当時からわりと評判良かったんだよ」 | ||
237 | お客様1 | Guest 1 | 「顔もそこそこって… それ、ここの女性スタッフの共通見解なんですか?」 | ||
238 | お客様2 | Guest 2 | 「でも、その時の返事が伝説モノでさ… 結局、変な噂が広まる前に辞めちゃったんだけど。 二人とも」 | ||
239 | お客様1 | Guest 1 | 「一体どんなこと言ったんです?」 | ||
240 | お客様2 | Guest 2 | 「それが凄いのよ。『仕事でやってることを好意と 履き違えるな』とか、完全に相手のコを痛い人扱い。 あげくの果てに『二度とそんな話はするな』って」 | ||
241 | お客様1 | Guest 1 | 「あ~! わたしの友達のときとまったく同じだ~!」 | ||
242 | お客様2 | Guest 2 | 「そっか…ウチ辞めてもずっと同じ手口使ってたんだ。 ひっど~」 | ||
243 | お客様1 | Guest 1 | 「彼女いるって最初から言っておけば、 そんなふうに傷つくコなんかいなかったのに」 | ||
244 | お客様2 | Guest 2 | 「何度聞いてもいないって言ってたんだよ? それで谷っちも希望持っちゃって…」 | ||
245 | お客様1 | Guest 1 | 「やっぱり許せないです。 期待させておいてから突き落とすなんて。 なんか思い出すだけでふつふつと怒りが…」 | ||
246 | お客様2 | Guest 2 | 「それが手口だったのかな? 女の子を泣かすことに悦びを見出すサディスト?」 | ||
247 | お客様1 | Guest 1 | 「信じられない。 もう悪趣味の極地。 すっごい幻滅」 | ||
248 | ……… | .........
| |||
249 | 佐藤 | Satou | 「3番テーブル。 半熟オムライス2つ上がったっす」 | ||
250 | 春希 | Haruki | 「………店長代理持ってってくれない?」 | ||
251 | 佐藤 | Satou | 「ちゃんと働いてください北原さん。 ただでさえホールの人間足りないんすから」 | ||
252 | 春希 | Haruki | 「お前、人が弱みを見せた時だけ、 急に威圧的になるのな…」 | ||
253 | 佐藤 | Satou | 「俺、彼女持ちに対して同情するような、 愚かな博愛精神は持ち合わせてないっすから」 | ||
254 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
255 | 絶対にこうなるから嫌だったんだ… | ||||
256 | ホールの女の子たちの評判を落とし、 キッチンの男たちの反感を買い、 そして俺はただ一人、孤立する。 | ||||
257 | …孤立する時は普通一人だよな。 なんか表現力まで鈍ってきてるみたいだ。 | ||||
258 | お客様2 | Guest 2 | 「ちょっとぉ、オムライスまだ~?」 | ||
259 | お客様1 | Guest 1 | 「ちゃんと働いてください! 高い時給取ってるんだから!」 | ||
260 | 春希 | Haruki | 「は、は~い! ただいま!」 | ||
261 | 佐藤 | Satou | 「ほら、モタモタしてるから。 お客様にちゃんと謝ってくださいよ?」 | ||
262 | 春希 | Haruki | 「くっ…」 | ||
263 | かくして、杉浦小春の懸念は解消され、 ホールの女の子たちの間に平和が訪れた。 | ||||
264 | …どっかのうるさい教育係の尊い犠牲によって。 | ||||
265 | 『今バイト終わった。 これから帰るところ』 | ||||
266 | 『他のバイトやゼミとはちゃんと両立できてる。 心配しなくても大丈夫』 | ||||
267 | 『それに、このバイトは短期だし、 もしかしたら、今年いっぱいで終わるかも』 | ||||
268 | 『だからさ…』 | ||||
269 | 『ええと、あらかじめ言っておくけど、 気を悪くしないで欲しいんだ』 | ||||
270 | 『別に邪魔だとか、 そんなこと全然思ってないんだから』 | ||||
271 | 『ただ、無駄足を踏むかもしれないとか、 来ても絶対に面白くないとか、 そういう大したことない理由で言ってるから』 | ||||
272 | 『つまり、俺の言いたいことは』 | ||||
273 | 『俺が働いてる期間中、 グッディーズには絶対に顔を出さないように』 | ||||
274 | 春希 | Haruki | 「怒るかなぁ…」 | ||
275 | でも、今来店されたら、 俺がイジられるだけじゃなくて、 雪菜にまで迷惑がかかる可能性があるし。 | ||||
276 | 今の俺たちの関係なんて、 まだ直接確かめた訳じゃないのに、 俺の彼女だなんて誤解されても… | ||||
277 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
278 | 誰かが面と向かって雪菜にそんな質問をぶつけたら、 果たして彼女はなんて答えるんだろうな… | ||||
279 | 春希 | Haruki | 「返信はやっ!?」 | ||
280 | 『行きたいなんて言ってないよ!』 | ||||
281 | しかもタイトルからしてえらく感情的な… | ||||
282 | 結局。 | ||||
283 | その後、拗ねた雪菜をなだめるのに、 5通のメール往復を要したとか。 | ||||
284 | ……… | .........
| |||
285 | …… | ......
| |||
286 | … | ...
| |||
287 | 春希 | Haruki | 「お待たせしました。 チョコファッジサンデーでございます」 | ||
288 | 小春 | Koharu | 「お先に失礼します」 | ||
289 | 中川 | Nakagawa | 「お先~」 | ||
290 | 佐藤 | Satou | 「お疲れさまっす」 | ||
291 | 女子店員3 | Female Clerk 3 | 「お疲れさまでした~」 | ||
292 | 男子店員3 | Male CLerk 3 | 「お疲れっした」 | ||
293 | 春希 | Haruki | 「お疲れさまで…っ!?」 | ||
294 | 小春 | Koharu | 「………」 | "........."
| |
295 | 春希 | Haruki | 「………した」 | ||
296 | 小春 | Koharu | 「っ…」 | ||
297 | 早番で上がりの杉浦は、 最後にスタッフに一声掛けると、 『ある意味』元気よく通用口から出ていった。 | ||||
298 | あまりにも元気が良すぎて、 通用口の近くのお客様がびっくりするくらいに。 | ||||
299 | …はぁ。 | ||||
300 | 中川 | Nakagawa | 「あ~あ、拗ねちゃった~」 | ||
301 | 佐藤 | Satou | 「ちゃんと仲直りしてくださいよ? 後で電話入れるとか」 | ||
302 | 春希 | Haruki | 「電話番号なんて知るかよ…」 | ||
303 | 中川 | Nakagawa | 「そういう照れ隠しはもういいから」 | ||
304 | 春希 | Haruki | 「いや、そういうんじゃなくてだなぁ」 | ||
305 | 佐藤 | Satou | 「本当に知らないんすか? 彼女の携帯番号」 | ||
306 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
307 | 中川 | Nakagawa | 「え~と、こういうの何て言うんだっけ?」 | ||
308 | 佐藤 | Satou | 「北原終わた?」 | ||
309 | いや、でも先週のあれは緊急事態だったから。 ほら、緊密に連絡を取り合う必要があったから… | ||||
310 | 春希 | Haruki | 「語るに落ちた、だ」 | ||
311 | しかしそれ以前に間違った日本語は訂正しないと。 | ||||
312 | 中川 | Nakagawa | 「もしあのコが辞めちゃったら北原さんのせいだからね? 谷っちに続いて二人目」 | ||
313 | 春希 | Haruki | 「アレを蒸し返さないでくれよ。 本当に悪かったって反省してるんだから」 | ||
314 | 中川さんの言う『二人目』のせいで。 | ||||
315 | 佐藤 | Satou | 「もうすぐいなくなる北原さんと違って、 あのコはこれからも続けてもらうつもりなんすから」 | ||
316 | 中川 | Nakagawa | 「仕事できるし、可愛いし、 あと一月も経てば、押しも押されぬ看板になるかもね」 | ||
317 | 佐藤 | Satou | 「…これでフリーだったらなぁ」 | ||
318 | 春希 | Haruki | 「いや、だからフリーなんだって」 | ||
319 | なんだか妙な雲行きになってしまった… | ||||
320 | あの後、誰も入ってこないのをいいことに、 控え室で二人きりで言い争うこと十数分。 | ||||
321 | ドア越しに聞き耳を立てているスタッフが多すぎて、 店の回転に支障が出かけていると気づいた時には、 すっかり全員の認識が統一されてしまっていた。 | ||||
322 | 春希 | Haruki | 「さっきから何度言わせれば気が済むんだよ。 俺と杉浦の間になんか、何もあるわけないだろ。 大体、あのコはまだバイト始めて三日目で…」 | ||
323 | 中川 | Nakagawa | 「実は前から知り合いだったんですよね? で、ここで運命の再会しちゃったって」 | ||
324 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
325 | 佐藤 | Satou | 「語るに落ちたっすね」 | ||
326 | 春希 | Haruki | 「くっ…」 | ||
327 | 中川 | Nakagawa | 「先週も、あのコ北原さんが終わるまで待ってたって。 で、一緒に肩を並べて深夜の街中に消えてったって…」 | ||
328 | 春希 | Haruki | 「人手が足りなかったせいだ。 駅まで送っただけだ」 | ||
329 | 学園生を夜中まで働かせた元凶が何か言っている… | ||||
330 | 佐藤 | Satou | 「そろそろ楽になっちゃいましょうよ北原さん。 大体、付き合ってないなら、さっき何を話してたか 隠す必要ないっしょ?」 | ||
331 | 春希 | Haruki | 「だからあれは、単に彼女のお節介で。 俺が、その、色々と相談に乗ってもらってて…」 | ||
332 | 中川 | Nakagawa | 「どうせ嘘つくなら、 せめて立場を逆にした方が信憑性もあるのに」 | ||
333 | 春希 | Haruki | 「本当なんだからしょうがないだろ。 お前たちはまだ、あのコのとんでもない お節介っぷりを知らないから…」 | ||
334 | 佐藤 | Satou | 「じゃあ何を相談に乗ってもらってるんすか? ハタチ過ぎた大学生が、学園生の女のコに」 | ||
335 | 春希 | Haruki | 「そ、それは…」 | ||
336 | そんなの、言えるわけが… | ||||
337 | 小春 | Koharu | 「言い忘れましたけど…」 | ||
338 | 春希 | Haruki | 「まだ帰ってなかったのかよ!?」 | ||
339 | 小春 | Koharu | 「そうやって先輩がハッキリした態度を取らないから、 ますます誤解が深まってしまうんですよ?」 | ||
340 | 春希 | Haruki | 「…全面的に俺のせいだって言うのか?」 | ||
341 | 小春 | Koharu | 「心当たりないですか? 大学とか、別のバイト先とかでも、 いつの間にか公認扱いされてたりとか」 | ||
342 | 春希 | Haruki | 「そんな相手いるわけないだろ!」 | ||
343 | 小春 | Koharu | 「どうだか… それじゃ今度こそ、本当に失礼します」 | ||
344 | 鈴木 | Suzuki | 「麻理さん、はいコーヒー。 濃いめにしときましたから」 | ||
345 | 麻理 | Mari | 「あ、サンキュ」 | ||
346 | 鈴木 | Suzuki | 「肩こってます? マッサージしましょうか?」 | ||
347 | 麻理 | Mari | 「…今日はなんか妙に優しいわね」 | ||
348 | 鈴木 | Suzuki | 「そりゃ、休みの日にまで こうしてフォローしてもらってるし。 それに…」 | ||
349 | 麻理 | Mari | 「それに?」 | ||
350 | 鈴木 | Suzuki | 「色々と障害は多いでしょうけど、 わたしは応援してますからね! 二人のこと」 | ||
351 | 麻理 | Mari | 「何の話?」 | ||
352 | 鈴木 | Suzuki | 「この件に関してだけは、 多分、わたしの方が経験あると思うんですよ。 悩みがあったら、相談に乗りますからね!」 | ||
353 | 麻理 | Mari | 「あ、ありがと。 …で、何の話?」 | ||
354 | 鈴木 | Suzuki | 「それでですね… モノは相談なんですけど」 | ||
355 | 麻理 | Mari | 「質問してるのは私なのに…」 | ||
356 | 鈴木 | Suzuki | 「わたしは何があっても麻理さんの味方です。 ですから麻理さんもわたしの味方ですよね…?」 | ||
357 | 麻理 | Mari | 「前置きはいいから」 | ||
358 | 鈴木 | Suzuki | 「では………24日休ませてくださいっ! レストランもホテルも予約済みなんですっ!」 | ||
359 | 麻理 | Mari | 「って、この時期になに寝言言ってんのよ!?」 | ||
360 | 鈴木 | Suzuki | 「いいじゃないですか~! 今の麻理さんなら、わたしの気持ちわかりますよね?」 | ||
361 | 麻理 | Mari | 「さっきから何が言いたいのかすらわかんないわよ!」 | ||
362 | 鈴木 | Suzuki | 「お願いしますってば~! 次すっぽかしたら別れるって、 彼に最後通告されてるんですよ~!」 | ||
363 | 麻理 | Mari | 「こ、こらっ、離れなさいっ!」 | ||
364 | 中川 | Nakagawa | 「………」 | "........."
| |
365 | 佐藤 | Satou | 「………」 | "........."
| |
366 | 春希 | Haruki | 「ほ、ほら、あっちだってハッキリ否定したろ?」 | ||
367 | 中川 | Nakagawa | 「そうかなぁ…」 | ||
368 | 佐藤 | Satou | 「『自分に絞れ』という意思表示にも取れますが」 | ||
369 | 春希 | Haruki | 「お前らもう一度中学から国語やり直してこい」 |
Script Chart
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Introductory Chapter | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
1001 | 1008 | 1009 | 1010 | 1011 | 1012 | 1013 |
1002 | 1008_020 | 1009_020 | 1010_020 | 1011_020 | 1012_020 | |
1003 | 1008_030 | 1009_030 | 1010_030 | 1011_030 | 1012_030 | |
1004 | 1008_040 | 1010_040 | 1012_030_2 | |||
1005 | 1008_050 | 1010_050 | ||||
1006 | 1010_060 | |||||
1006_2 | 1010_070 | |||||
1007 |
Closing Chapter | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | ||||||
2001 | 2011 | 2020 | 2027 | 2301 | 2309 | 2316 | 2401 | 2408 | 2501 | 2510 |
2002 | 2012 | 2021 | 2028 | 2302 | 2310 | 2317 | 2402 | 2409 | 2502 | 2511 |
2003 | 2013 | 2022 | 2029 | 2303 | 2311 | 2318 | 2403 | 2410 | 2503 | 2512 |
2004 | 2014 | 2023 | 2030 | 2304 | 2312 | 2319 | 2404 | 2411 | 2504 | 2513 |
2005 | 2015 | 2024 | 2031 | 2305 | 2313 | 2320 | 2405 | 2412 | 2505 | 2514 |
2006 | 2016 | 2025 | 2032 | 2306 | 2314 | 2321 | 2406 | 2413 | 2506 | 2515 |
2007 | 2017 | 2026 | 2033 | 2307 | 2315 | 2322 | 2407 | 2507 | 2516 | |
2008 | 2018 | 2308 | 2508 | 2517 | ||||||
2009 | 2019 | 2509 | ||||||||
2010 | ||||||||||
Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | |||||||
2031_2 | 2312_2 | 2401_2 | 2504_2 | 2511_2 | ||||||
2031_3 | 2313_2 | 2402_2 | 2507_2 | 2513_2 | ||||||
2031_4 | 2313_3 | 2402_3 |
Coda | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Kazusa (True) | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | ||||||
3001 | 3008 | 3014_2 | 3020 | 3101 | 3107 | 3201 | 3207 | 3901 | 3907 |
3002 | 3009 | 3014_3 | 3021 | 3102 | 3108 | 3202 | 3208 | 3902 | 3908 |
3003 | 3010 | 3015 | 3022 | 3103 | 3109 | 3203 | 3209 | 3903 | 3909 |
3004 | 3011 | 3016 | 3023 | 3104 | 3110 | 3204 | 3210 | 3904 | |
3005 | 3012 | 3017 | 3024 | 3105 | 3111 | 3205 | 3211 | 3905 | |
3006 | 3013 | 3018 | 3106 | 3206 | 3906 | ||||
3007 | 3014 | 3019 | |||||||
Common | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | |||||||
3001_2 | 3210_2 | 3901_2 | 3906_2 | ||||||
3015_2 | 3902_2 | 3907_2 | |||||||
3902_3 | 3907_3 | ||||||||
3904_2 |
Mini After Story and Extra Episode | |||
---|---|---|---|
The Path Back to Happiness | The Path Forward to Happiness | Dear Mortal Enemy | |
6001 | 6101 | 4000 | 4005 |
6002 | 6102 | 4001 | 4006 |
6003 | 6103 | 4002 | 4007 |
6004 | 6104 | 4003 | 4008 |
6005 | 4004 | 4009 |
Novels | |||||
---|---|---|---|---|---|
The Snow Melts, And Until The Snow Falls | The Idol Who Forgot How to Sing | Twinkle Snow ~Reverie~ | After the Festival ~Setsuna's Thirty Minutes~ | His God, Her Savior | |
5000 | 5100 | 5200 | 5205 | 5300 | 5400 |
5001 | 5101 | 5201 | 5206 | 5301 | 5401 |
5002 | 5102 | 5202 | 5207 | 5302 | |
5003 | 5103 | 5203 | 5208 | 5303 | |
5004 | 5104 | 5204 | 5209 |
Short Stories | |||
---|---|---|---|
Princess Setsuna's Distress and Her Minister's Sinister Plan | Koharu Climate After the Passing of the Typhoon | This isn't the Season for White Album | Todokanai Koi, Todoita |
7000 | 7100 | 7200 | 7300 |