White Album 2/Script/2024
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Editing
Translation Notes
Text
Speaker | Text | Comment | |||
---|---|---|---|---|---|
Line # | JP | EN | JP | EN | |
1 | 春希 | Haruki | 「二年参り?」 | ||
2 | 武也 | Takeya | 「大晦日だからな」 | ||
3 | 春希 | Haruki | 「でも今からって…まだ7時前だぞ?」 | ||
4 | 武也からの呼び出しがかかったのは、 夕食代わりの蕎麦をちょうど鍋の中に 放り込もうとした直前だった。 | ||||
5 | 武也 | Takeya | 「実は3部制になっててだな…今から第1部の忘年会。 除夜の鐘が鳴り出したら第2部の二年参り。 それが終わったら第3部のオールナイト新年会」 | ||
6 | 春希 | Haruki | 「…元気だなお前」 | ||
7 | 武也 | Takeya | 「いやいやこれでもさっきまで落ち込んでたんだぜ? せっかくの大晦日なのに、付き合ってくれる女の子が 誰も捕まらなくてさ」 | ||
8 | 春希 | Haruki | 「なるほど、それで仕方なく俺って訳か」 | ||
9 | 武也 | Takeya | 「二人は田舎に帰省しちまってて、 一人はクリスマスにすっぽかしたせいで別れちまって、 あとの一人はOKだったんだけどあの日だって…」 | ||
10 | 春希 | Haruki | 「いやその最後のコと行って来いよ!」 | ||
11 | 武也 | Takeya | 「だってさぁ、振り袖着てくるとか言ってんだぜ? それで何もできないとか余計悔しいじゃん?」 | ||
12 | 春希 | Haruki | 「そんな即物的な理由で断られた彼女の方が よほど悔しいと思うぞ」 | ||
13 | 武也 | Takeya | 「ま、そんなことはいいから今から出てこいよ。 今年も色々あったけど、パァ~っと水に流そうぜ?」 | ||
14 | 春希 | Haruki | 「誰が来るんだ?」 | ||
15 | 武也 | Takeya | 「そりゃまぁ、いつものメンバーだよ。 依緒と、俺と…」 | ||
16 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
17 | 武也 | Takeya | 「…そんだけ」 | ||
18 | 春希 | Haruki | 「…そっか」 | ||
19 | ある意味、予想通りな面子。 …出席者も欠席者も。 | ||||
20 | 今の雪菜が、俺と鉢合わせする可能性のあるところに、 そんなに簡単に顔を出すはずがないってわかってた。 | ||||
21 | だからこそ、ある意味ほっとして、 そしてある意味落胆してる俺がいる。 | ||||
22 | 武也 | Takeya | 「駄目か?」 | ||
23 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
24 | 用事は…ないわけでもない。 | ||||
25 | 昨日、郵便で届いた一枚の紙切れが、 テーブルの上に無造作に置かれている。 | ||||
26 | 麻理さんから送られてきた、 冬馬曜子のニューイヤーコンサートチケット。 | ||||
27 | 開演は八時。 今から出れば、まだ十分間に合う。 | ||||
28 | けれど、つまりそれって、 武也の誘いと思いっきりバッティングしてるってこと。 | ||||
29 | 武也 | Takeya | 「………なぁ、春希。 今のお前、本当に大丈夫なのか?」 | ||
30 | 春希 | Haruki | 「なんだよ、それ」 | ||
31 | 興味がないと言えば嘘になる。 | ||||
32 | 世界的なピアニストの生演奏。プレミア席。 しかも、俺の初仕事が認められての特別招待。 | ||||
33 | 麻理 | Mari | 『せっかくだから楽屋に顔出してみたらどうだ? きっとアンサンブルの名前を出せば会ってくれるぞ?』 | ||
34 | …けれど、冬馬曜子本人と、 その演奏を目の当たりにすれば、 きっと嫌でも思い出してしまう。 | ||||
35 | 彼女の血と才能を受け継ぎ、 きっと海の向こうで同じように舞台に立って、 同じように観客の視線を一手に集めている… | ||||
36 | 麻理 | Mari | 『もしかしたら… 冬馬かずさと会わせてくれるかもしれないだろ?』 | ||
37 | いや、これから集めるであろう“あいつ”のことを。 | ||||
38 | 武也 | Takeya | 「あのさ…もしかして、俺たちのしたことって 逆効果だったのか?」 | ||
39 | 春希 | Haruki | 「別に…」 | ||
40 | 武也 | Takeya | 「別に…どっちだよ?」 | ||
41 | もしかしたら、冬馬曜子は俺のこと覚えてるだろうか? | ||||
42 | もし忘れてても、あの記事を書いた記者だと言って、 控え室に押しかければ会ってくれるかもしれない。 | ||||
43 | そして、俺の顔を見たら思い出してくれるかもしれない。 | ||||
44 | そしたら彼女は、娘に俺のことを伝えるだろうか? | ||||
45 | 麻理 | Mari | 『会いたいんじゃないのか? 本当は』 | ||
46 | 俺とかずさの接点が、もう一度… もう一度、かずさに会える道筋ができるかもしれない… | ||||
47 | 武也 | Takeya | 「なぁ、春希。 24日の夜、お前たち一体…」 | ||
48 | 春希 | Haruki | 「武也」 | ||
49 | 武也 | Takeya | 「ん?」 | ||
50 | だったら、俺は… | ||||
51 | 1.コンサートに行く | Choice | |||
52 | 2.二年参りに行く | Choice | |||
53 | 春希 | Haruki | 「で、どこだ?」 | ||
54 | 武也 | Takeya | 「え、何が?」 | ||
55 | 春希 | Haruki | 「何って…待ち合わせ場所だよ。 お前、なんのために俺に電話してきたんだ?」 | ||
56 | もうやめよう。 | ||||
57 | 雪菜との決着をつけないまま、 “冬馬”という姓を引きずるのは。 | ||||
58 | 武也 | Takeya | 「え? あ、あ………いいの、か?」 | ||
59 | 春希 | Haruki | 「じゃあ、駄目な方向で」 | ||
60 | 武也 | Takeya | 「待て! 御宿の東口改札! 今から30分後!」 | ||
61 | 春希 | Haruki | 「最初からそう言やいいんだよ。 余計な気、使いやがって」 | ||
62 | 武也 | Takeya | 「悪い…」 | ||
63 | きっとあいつらは、俺を囲んで 『あの日』の真実を聞き出そうとするだろう。 | ||||
64 | けれど今の俺には、 自分の罪を隠す気も、逃げる気もない。 | ||||
65 | 正面からあいつらに向き合い、罵倒され… そして、審判を受けよう。 | ||||
66 | ……… | .........
| |||
67 | ……… | .........
| |||
68 | ……… | .........
| |||
69 | 依緒 | Io | 「何それ…」 | ||
70 | 春希 | Haruki | 「………ごめん」 | ||
71 | 武也 | Takeya | 「い、依緒…落ち着けって」 | ||
72 | つい数分前、乾杯の音頭とともに掲げられたジョッキが、 怒りの鉄拳のごとくテーブルに叩きつけられた。 | ||||
73 | けれど… | ||||
74 | 依緒 | Io | 「なんで… なんで今さらそんなこと言うんだよ雪菜は!」 | ||
75 | 春希 | Haruki | 「え…?」 | ||
76 | 武也 | Takeya | 「だから大きな声出すなって! 春希だって十分傷つい………雪菜ちゃん?」 | ||
77 | その依緒の怒りは予想通りだったのに、 依緒が怒りを向けた相手は、予想もしていなかった。 | ||||
78 | 依緒 | Io | 「わかってたじゃんか… わかってたじゃんか春希が冬馬のこと忘れてないなんて。 ずっと引きずってるなんて、一番わかってたじゃんか!」 | ||
79 | 春希 | Haruki | 「依緒…」 | ||
80 | 依緒 | Io | 「わかってて、それでも雪菜、春希のこと好きだって。 だから、あたしだって力になりたいって思ってたのに…」 | ||
81 | 武也 | Takeya | 「ああ、そうだな。 だから俺たちはずっと雪菜ちゃんの味方でいようって…」 | ||
82 | 依緒 | Io | 「なのに、春希が雪菜に向かい合おうとした途端、 そんなわかりきってたこと持ち出して 春希の手をはねのけるって、一体どういう了見だよ!」 | ||
83 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
84 | 武也 | Takeya | 「………」 | "........."
| |
85 | 依緒の怒りの方向性が理解できない俺は、 ただ、その憤怒の表情をぽかんと見つめるだけだった。 | ||||
86 | けれどそれは、当事者である俺だけでなく、 隣の武也にとっても共感のできない、 つまり、男にはわからないって感じの思考らしかった。 | ||||
87 | 依緒 | Io | 「どんだけひねくれてるんだよ。 どんだけめんどくさいんだよ、あいつ…」 | ||
88 | 春希 | Haruki | 「それは…だから俺が。 雪菜がそうなったのも俺の…」 | ||
89 | 依緒 | Io | 「あたしには、タチの悪い復讐にしか思えないよ! 無意味な意趣返しにしか感じられないよ!」 | ||
90 | 春希 | Haruki | 「っ…」 | ||
91 | 武也 | Takeya | 「そんなわけないだろ… 口説き文句じゃなく天使だって言えるコなんて、 俺の知ってる中で彼女以外にいないぜ?」 | ||
92 | 依緒 | Io | 「だとしても、今回雪菜のしたことは汚いよ。 天使は天使でも堕天使の所業だよ」 | ||
93 | 武也 | Takeya | 「地上に引きずり下ろされたんだよ。 [R悪い男^はるき]に引っかかって」 | ||
94 | 全面的に俺を庇う依緒よりも、 徹底的に俺を貶める武也の言葉の方が、 俺にはよほど理解できた。 | ||||
95 | 依緒 | Io | 「なんでそんな雪菜を庇うの? 今回に限っては、絶対に雪菜に非があるって。 あのコが春希にどれだけ酷いことしたのかわかる?」 | ||
96 | だって、まさか俺が庇われるとは夢にも思わない。 それも、真っ先に手を上げてきそうな奴に。 | ||||
97 | 武也 | Takeya | 「だから仕方ないんだって。 ずっと…ずっと心の中に溜め込んでたんだ。 言えなかったんだよ、雪菜ちゃん優しすぎるから」 | ||
98 | 依緒 | Io | 「ギリギリになって大爆発するくらいなら 最初から弾けろよ! 責めろよ! 春希の非を認めてやれよ!」 | ||
99 | 春希 | Haruki | 「依緒…」 | ||
100 | 俺が女の気持ちに鈍感なのはわかってたけど、 でも、武也までついていけてないってのは… | ||||
101 | 依緒のメンタリティが特殊なのか、 実は俺たちのどっちも、 女の気持ちなんてさっぱりわかっていないのか… | ||||
102 | それとも… どっちも正解なのか。 | ||||
103 | ……… | .........
| |||
104 | 依緒 | Io | 「雪菜ってさ…今までずっと譲らなかったじゃん。 春希は悪くないって、絶対に悪くないって」 | ||
105 | 武也 | Takeya | 「そりゃ…そうだけどさ」 | ||
106 | 依緒 | Io | 「けどさぁ…あの時のことは、 どう考えたって春希が悪かったんだよ。 こいつが雪菜に酷いことをしたのは間違いないんだよ」 | ||
107 | 春希 | Haruki | 「…ああ」 | ||
108 | 三年前の裏切り。 二年間の逃避。 そして一週間前の嘘。 | ||||
109 | 依緒に言われるまでもなく、 武也に同意されるまでもなく、 俺の罪は、俺が一番よく知ってる。 | ||||
110 | 知らなかったのは、 知ろうとしてくれなかったのは、 俺たちの中で、ただ一人だけ… | ||||
111 | 依緒 | Io | 「雪菜は一刻も早く、 春希が悪いって認めるべきだったんだ。 雪菜に責められることこそが、春希のためだったんだ」 | ||
112 | 武也 | Takeya | 「だから雪菜ちゃん認めたじゃん。 …ちょっと時間がかかったけどさ」 | ||
113 | 依緒 | Io | 「かかりすぎなんだよ… そうやって雪菜がモタモタしてる間、 春希はずっと、冬馬のこと忘れられなかったんだから」 | ||
114 | 痛い… | ||||
115 | こいつらの喋ってる内容は、痛すぎる。 | ||||
116 | 依緒 | Io | 「雪菜が引きずるから。 引きずったまま、引きずってないふりなんかするから!」 | ||
117 | 真実を突いているからとか、 俺の過去をほじくり返してるからとか、 そういうことじゃなく… | ||||
118 | ただ純粋に、喋ってる単語とか言い回しとかが、 あまりにも本気に満ち溢れてて、いたたまれなくなる。 | ||||
119 | 今の、雪菜に対して本気になれなくなってしまった俺には。 | ||||
120 | 依緒 | Io | 「………帰る」 | ||
121 | 武也 | Takeya | 「二年参りはどうすんだよ?」 | ||
122 | 未だ[R憤懣^ふんまん]やるかたない様子の依緒は、 もう付き合っていられないとばかりに立ち上がると、 さっさとコートを羽織った。 | ||||
123 | 依緒 | Io | 「今から雪菜の家に行ってくる。 事と場合によっては絶交するかも」 | ||
124 | 春希 | Haruki | 「な…」 | ||
125 | 武也 | Takeya | 「だからやめとけってそういうこと言うの。 春希だって全然そんなの望んでないし」 | ||
126 | 依緒 | Io | 「今度は…今度だけは、絶対に雪菜が悪いよ」 | ||
127 | 武也 | Takeya | 「だけどさぁ、 今一番苦しんでるのだって、やっぱ雪菜ちゃんだろ」 | ||
128 | 依緒 | Io | 「春希のこと振っておいて? 今まで散々思わせぶりな態度取ってたくせに?」 | ||
129 | 武也 | Takeya | 「だってさ… 振られるより、振る方が辛いじゃん」 | ||
130 | 依緒 | Io | 「お~お~。 どっちも沢山経験してる人の言うことは重みがあるねぇ」 | ||
131 | 武也 | Takeya | 「…お前にはわかんないか?」 | ||
132 | 依緒 | Io | 「あ~全然わかんない。 だってあたし、人をふったことないし」 | ||
133 | 武也 | Takeya | 「………ボケんのも大概にしろよ?」 | ||
134 | 依緒 | Io | 「…なんだって?」 | ||
135 | 春希 | Haruki | 「だからやめろって! ここでお前らが喧嘩したってしょうがないだろ!」 | ||
136 | 二人が俺を糾弾するはずの忘年会は、 いつの間にか一触即発な二人を俺が仲裁するという、 当初の主旨を完全に違えた場へと変貌していた。 | ||||
137 | だって今、武也のこめかみ辺りから 『ぶちん』って音が、本当に聞こえてきた気がしたから。 | ||||
138 | ……… | .........
| |||
139 | 春希 | Haruki | 「そろそろ終わりだな、今年も」 | ||
140 | 依緒 | Io | 「………」 | "........."
| |
141 | 武也 | Takeya | 「………」 | "........."
| |
142 | 携帯の時計を見ると、23時55分。 | ||||
143 | 除夜の鐘も、とっくに耳に届いてくる時間になっていた。 | ||||
144 | 春希 | Haruki | 「で、どうする?」 | ||
145 | 依緒 | Io | 「あ~?」 | ||
146 | 武也 | Takeya | 「どうするって…解散?」 | ||
147 | 春希 | Haruki | 「…あのなぁ、 お前ら今日の主旨忘れたのか?」 | ||
148 | 俺が武也から誘われたときには、 確かに『二年参り』という単語があったはずだった。 | ||||
149 | …まぁ、その時の俺たちは、 こんなふうに喧嘩後じゃなかった訳だけど。 | ||||
150 | 依緒 | Io | 「………」 | "........."
| |
151 | 武也 | Takeya | 「………」 | "........."
| |
152 | 春希 | Haruki | 「…ふぅ」 | ||
153 | 結局、あの後もギスギスした空気は続き、 誰もが無言のまま、ひらすら酒を口に運び。 | ||||
154 | 何故か、糾弾されたり励まされたりするはずだった俺が、 二人の機嫌を伺い、ただ一人注文係として 二人の間に挟まっていた。 | ||||
155 | …けどそれは、 俺が、そうやって人に気を使えるまでに、 元の自分を取り戻しかけてるって。 | ||||
156 | 女にふられた男らしさが抜けてきてるって、 気がついてるんだろうか、この二人。 | ||||
157 | 春希 | Haruki | 「あ…」 | ||
158 | 微妙に距離を置いて、 神社にも、駅にも行ける道を歩く二人に、 ただついて歩いていた俺は… | ||||
159 | 自分たちがいつの間にか 御宿芸術文化ホールの目の前に立ってるってことに、 今さらながら気づいた。 | ||||
160 | ホールの階段から沢山の人たちが溢れ出てきて、 俺の目の前に、いきなり人の波が出来上がる。 | ||||
161 | どうやらコンサートはたった今終わったらしい。 携帯の時計を見直すと、今の時刻は23時59分。 | ||||
162 | …ニューイヤーコンサートというには、 ほんの少しだけ時間が足りなかったらしい。 | ||||
163 | 駅へと向かう人の波に飲み込まれ、 急に歩調がゆっくりになる。 | ||||
164 | ホールから出てきた人たちは皆、一様に顔を紅潮させ、 そのコンサートの凄さを口々に語っていた。 | ||||
165 | 除夜の鐘を掻き消すような興奮が俺の周囲に蔓延して、 ほんの少しだけ居心地の悪さを感じたけれど。 | ||||
166 | それだけ素晴らしいコンサートだったんだろう。 …ほんの少しだけ、すっぽかしたことを後悔する。 | ||||
167 | そんな浮ついた喧騒に身を委ねていると… | ||||
168 | 春希 | Haruki | 「あ…」 | ||
169 | ちょうどその瞬間、 新しい年が訪れた。 | ||||
170 | 依緒 | Io | 「あけましておめでとう、春希」 | ||
171 | 武也 | Takeya | 「新年おめでと~春希。 今年もよろしくな」 | ||
172 | 春希 | Haruki | 「お前らなぁ… ここには自分と俺以外にもう一人いることを認めろよ」 | ||
173 | 依緒 | Io | 「………」 | "........."
| |
174 | 武也 | Takeya | 「………」 | "........."
| |
175 | そんな、休戦条件が揃っている条件下でも、 たった今勃発した冷戦は簡単には収まりそうになかった。 | ||||
176 | こいつら、何のために集まったんだよ。 …何のために、俺を呼び出したんだよ。 | ||||
177 | 誰のせいで、喧嘩なんかしてるんだよ。 …どうすれば、元の空気に戻るんだよ。 | ||||
178 | ………本当に、本末転倒な奴ら。 | ||||
179 | 春希 | Haruki | 「なぁ、依緒」 | ||
180 | 依緒 | Io | 「…なに?」 | ||
181 | 春希 | Haruki | 「ちょっと…頼みたいことがある」 | ||
182 | ……… | .........
| |||
183 | ??? | ??? | 「お疲れさん」 | ||
184 | ??? | ??? | 「え? なに? 感想? …あたしにそういうこと聞く?」 | ||
185 | ??? | ??? | 「わかってる。 悔しいけど、まだまだ勝てそうにない」 | ||
186 | ??? | ??? | 「それじゃ、あたし先にホテルに帰るけど、 そっちは…え?」 | ||
187 | ??? | ??? | 「隣の席?」 | ||
188 | 曜子 | Youko | 「そうよ。あんたの左側。 誰かいなかった?」 | ||
189 | ??? | ??? | 「…そういえば、最初から最後まで空席だったな」 | ||
190 | 曜子 | Youko | 「………そう」 | ||
191 | ??? | ??? | 「なに? 誰か知り合いでも呼んだの?」 | ||
192 | 曜子 | Youko | 「まぁね…さすがに来てくれなかったか」 | ||
193 | ??? | ??? | 「最初の旦那? 二番目の旦那? それとも………あたしの父親?」 | ||
194 | 曜子 | Youko | 「…似たようなものかもね」 | ||
195 | ??? | ??? | 「よしてよ。 あたし今さらそんな相手に会っても、 どんな顔したらいいのかわかんないよ」 | ||
196 | 曜子 | Youko | 「そっかぁぁ…ダメだったか… そっかぁぁ…」 | ||
197 | ??? | ??? | 「…母さん?」 | ||
198 | 曜子 | Youko | 「ねぇ、ホテル帰ったら飲まない? …かずさ」 | ||
199 | かずさ | Kazusa | 「…なに言ってるの急に?」 | ||
200 | 曜子 | Youko | 「いいじゃん…あんたももうハタチ超えてるんだし。 娘と飲むの、夢だったのよね~」 | ||
201 | かずさ | Kazusa | 「…家でいつも飲んでるような気がするけど」 | ||
202 | 曜子 | Youko | 「日本でってのが重要なのよ。 せっかく帰国してるんだから、 こう、お銚子で熱燗とかさぁ」 | ||
203 | かずさ | Kazusa | 「年寄り臭いなぁ… ピアノはあんなに乱暴なくせに」 | ||
204 | 曜子 | Youko | 「もしかして用事でもある? …誰か会いたい人でもいる?」 | ||
205 | かずさ | Kazusa | 「………」 | "........."
| |
206 | 曜子 | Youko | 「かずさ、あんたさ…」 | ||
207 | かずさ | Kazusa | 「この国に、あたしの居場所はないんだよ、もう」 | ||
208 | 曜子 | Youko | 「………」 | "........."
| |
209 | かずさ | Kazusa | 「うん、わかった。 母さんの愚痴に付き合うのも久しぶりだし。 いいよ。朝まで飲もう?」 | ||
210 | 曜子 | Youko | 「何言ってんのよ~。大成功だったじゃない! 祝杯よ祝杯。よ~し、今日は寝かせないからね~」 | ||
211 | かずさ | Kazusa | 「そうだね…おめでとう。 それと、今年もよろしくね、母さん」 | ||
212 | 曜子 | Youko | 「うん、じゃ、ホテルでね。 挨拶済ませたらすぐに行くから」 | ||
213 | かずさ | Kazusa | 「わかった、じゃ」 | ||
214 | かずさ | Kazusa | 「………」 | "........."
| |
215 | かずさ | Kazusa | 「…辛気くさい鐘。 本当に日本なんだなぁ」 | ||
216 | かずさ | Kazusa | 「なぁ…元気でやってるか?」 | ||
217 | かずさ | Kazusa | 「あけましておめでと。 今年もよろしくな」 | ||
218 | かずさ | Kazusa | 「………もう、会うこともないけど、な」 | ||
219 | ……… | .........
| |||
220 | …… | ......
| |||
221 | … | ...
| |||
222 | 依緒 | Io | 「あ…っ」 | ||
223 | ??? | ??? | 「…おめでとう、依緒」 | ||
224 | 依緒 | Io | 「あ、あ…ハッピーニューイヤー! あけましておっめでと~!」 | ||
225 | 雪菜 | Setsuna | 「うん…今年もよろしくね」 | ||
226 | 依緒 | Io | 「よ、よかったぁぁぁ~、出てくれて! すっごいドキドキしたんだよ~」 | ||
227 | 雪菜 | Setsuna | 「ずいぶんテンション高いね… 飲んでる?」 | ||
228 | 依緒 | Io | 「あ~、確かにさっきまで飲んでたんだけどさぁ、 実はさっきまでずっと下がりっぱなしだったんだよね」 | ||
229 | 雪菜 | Setsuna | 「そうなんだ…今は外?」 | ||
230 | 依緒 | Io | 「うん、これから二年参り。 雪菜は?」 | ||
231 | 雪菜 | Setsuna | 「家だよ。 家族でおそば食べて、紅白見終わって、 今部屋に戻ってきたところ」 | ||
232 | 依緒 | Io | 「そっか…」 | ||
233 | 雪菜 | Setsuna | 「ごめんね。 せっかく誘ってくれたのに」 | ||
234 | 依緒 | Io | 「ま、仕方ないって。 小木曽家のしきたりはわかってるつもりだし」 | ||
235 | 雪菜 | Setsuna | 「別に…そういうことじゃ…」 | ||
236 | 依緒 | Io | 「それにまぁ… あたしの方も、今から謝らなくちゃならないし」 | ||
237 | 雪菜 | Setsuna | 「どういう意味?」 | ||
238 | 依緒 | Io | 「ごめん雪菜。 恨まれても仕方ないと思うけど…代わるね」 | ||
239 | 雪菜 | Setsuna | 「依緒?」 | ||
240 | 春希 | Haruki | 「雪菜…」 | ||
241 | 雪菜 | Setsuna | 「~~~っ!?」 | ||
242 | 春希 | Haruki | 「切らないで! もう少しだけ、俺と、話をしてくれよ…」 | ||
243 | 雪菜 | Setsuna | 「ど、どうして…?」 | ||
244 | 想像通り…いや、想像を遙かに超えて、 雪菜は、突然受話器から聞こえてきた俺の声に うろたえていた。 | ||||
245 | 春希 | Haruki | 「俺が依緒に頼んだんだ。 俺からだと、出てくれないかもしれないって思って」 | ||
246 | 雪菜 | Setsuna | 「そんな、ずるいよ… ずるいよ、春希くん」 | ||
247 | 春希 | Haruki | 「…ごめん」 | ||
248 | 雪菜 | Setsuna | 「ううん、ずるいのはわたしだね… 酷いことしたのは、わたしの方だったよね」 | ||
249 | 春希 | Haruki | 「雪菜…」 | ||
250 | 雪菜 | Setsuna | 「こんな嫌な女にどうして声を聞かせてくれるの…? おかしいよ、春希くん…」 | ||
251 | 春希 | Haruki | 「おかしい、かな?」 | ||
252 | 雪菜 | Setsuna | 「だって、だって… わたし、あの時、わたしは…っ」 | ||
253 | 雪菜の声が、少しずつ崩れていく。 | ||||
254 | あからさまな動揺と、混乱と。 悲しみと戸惑いを織り交ぜて。 | ||||
255 | なのに…ほんの少しだけ、弾んだ声。 | ||||
256 | 春希 | Haruki | 「どうしても、謝りたかったから」 | ||
257 | 雪菜 | Setsuna | 「どうして春希くんが謝るの…?」 | ||
258 | 雪菜のそんな反応は、 俺の鼻の奥までつんとさせる。 | ||||
259 | 春希 | Haruki | 「だって俺、雪菜の言う通り、嘘ついてたから。 かずさのこと、忘れてなかったから」 | ||
260 | 雪菜 | Setsuna | 「っ…」 | ||
261 | きっと今の俺は、 今の雪菜と同じような顔をしてるんだと思う。 | ||||
262 | 春希 | Haruki | 「そして、これからも… かずさのこと、ずっと忘れる訳がないって思うから」 | ||
263 | 雪菜 | Setsuna | 「う、ん…」 | ||
264 | けれど、今は理性を保たなくちゃならない。 | ||||
265 | だって、ここから先は、絶対に譲れない。 言い負ける訳にはいかない。 | ||||
266 | 春希 | Haruki | 「それから、それからさ… これが一番謝らなくちゃならないことだと思うんだけど」 | ||
267 | 麻理 | Mari | 『北原なら、できるよな?』 | ||
268 | 誰かが勇気を与えてくれたから。 | ||||
269 | 千晶 | Chiaki | 『それでも、好きだから? 諦められないから?』 | ||
270 | 誰かが答えを教えてくれたから。 | ||||
271 | 小春 | Koharu | 『わたし、前向きな人ならOKです。 必死に頑張ってる人なら、嫌いになんかなりません』 | ||
272 | 誰かが… 正しい道を、指し示してくれたから。 | ||||
273 | 春希 | Haruki | 「それなのに俺… やっぱり雪菜が大好きだから」 | ||
274 | 依緒 | Io | 「っ…」 | ||
275 | 武也 | Takeya | 「あ…ぅぁ」 | ||
276 | 春希 | Haruki | 「ごめんな…きっぱり振られたのに。 諦め、悪くって」 | ||
277 | 電話口からは、 声も息遣いも途絶えてしまっていた。 | ||||
278 | …何かが固いものにぶつかったような、 大きな音が響いた後から。 | ||||
279 | 春希 | Haruki | 「じゃあ、おやすみ。 それと…あけましておめでとう」 | ||
280 | だから、俺の言葉がどこまで雪菜に届いたのか、 今の俺にはわからない。 | ||||
281 | 春希 | Haruki | 「できれば… 今年も、よろしくな」 | ||
282 | それでも構わない。 | ||||
283 | 今、決着をつけるべきは俺の心の問題だから。 | ||||
284 | 雪菜の気持ちの問題は、 雪菜がいる場所で解決しなくちゃならないから。 | ||||
285 | 雪菜 | Setsuna | 「………」 | "........."
| |
286 | 雪菜 | Setsuna | 「………っ」 | ||
287 | 雪菜 | Setsuna | 「ふ、ふぇ…っ」 | ||
288 | 雪菜 | Setsuna | 「う、あ、ぁ… ぁぁぁぁぁ…」 | ||
289 | 雪菜 | Setsuna | 「ぃぅっ…ぅ、ぅぅ… ぁ、ぃぁ…は、春希…く…ぅぁ…っ」 | ||
290 | 雪菜 | Setsuna | 「ぃぇぇぁぁ…ぅ…く、う、う…」 | ||
291 | 春希 | Haruki | 「ありがと、依緒」 | ||
292 | 依緒 | Io | 「………」 | "........."
| |
293 | 武也 | Takeya | 「………」 | "........."
| |
294 | 借りていた携帯を差し出しても、 依緒は受け取る様子もなく、 ただぼうっと俺の顔を眺めてる。 | ||||
295 | さっきまで、依緒と距離を置いていたはずの武也も、 そのすぐ隣に突っ立って、 やっぱりぼうっと俺の方を見てる。 | ||||
296 | 春希 | Haruki | 「さて、これからどうする? 予定通り二年参り行くか? それとも、やっぱ解散?」 | ||
297 | 依緒 | Io | 「………」 | "........."
| |
298 | 武也 | Takeya | 「………」 | "........."
| |
299 | 春希 | Haruki | 「なんだよ? 俺の顔になにかついてるか?」 | ||
300 | なんて… こいつらが、こんな惚けた顔してる理由に 思い至らない訳なんかないけれど。 | ||||
301 | そりゃ、確かに、 我ながら無茶したとは思ってるけれど。 | ||||
302 | 依緒 | Io | 「こ…」 | ||
303 | 武也 | Takeya | 「の…」 | ||
304 | 春希 | Haruki | 「あけましておめでとう、武也、依緒。 …お前らにだけ挨拶まだだったよな?」 | ||
305 | 依緒 | Io | 「馬鹿ぁぁぁ~!」 | ||
306 | 武也 | Takeya | 「てんめぇぇぇ~!」 | ||
307 | 春希 | Haruki | 「うわぁっ!?」 | ||
308 | 依緒 | Io | 「このっ、このっ、このぉっ! 散々ヤキモキさせやがって~!」 | ||
309 | 武也 | Takeya | 「くせぇことしてんじゃねえよ! お前、鳥肌立つかと思ったじゃねえか!」 | ||
310 | 春希 | Haruki | 「こ、こら、こらっ! はしゃぐな酔っぱらいども!」 | ||
311 | 依緒と武也、二人分の重みが頭にのしかかり、 姿勢も保てないまま、俺たちは歩道の真ん中で 右往左往する。 | ||||
312 | 周囲の人たちには、タチの悪い酔っぱらいの 大学生にしか見えないだろうけど。 いや、実際にその通りなんだけど。 | ||||
313 | 依緒 | Io | 「春希、春希…もう離すなよ! 二度と離すんじゃないぞ!」 | ||
314 | 春希 | Haruki | 「とっくに振られてるけどな」 | ||
315 | 武也 | Takeya | 「くっそ、今日は朝まで付き合えよ? ほんとお前、ホント勿体ぶりやがって!」 | ||
316 | 春希 | Haruki | 「解散じゃなかったのか? ま、いいけどさ」 | ||
317 | それでも今は、 新年あけましておめでとうってことで、 多分、周囲の人たちも大目に見てくれるだろう。 | ||||
318 | …さっきまで喧嘩してたはずの俺たちの、 あまりに仲良しな光景にあてられつつも。 | ||||
319 | 旧年中、お世話になった人たちに。 今年もお世話になるはずの人たちに。 | ||||
320 | 頼もしく自分を支えてくれる人に。 頼んでもいないのに支えようとする人に。 嫌だと言っても支えられようとする人に。 | ||||
321 | 大切な友人たちに。 | ||||
322 | そして、いつも近くにいたのに、 ずっと、悲しませてばかりだった大切な人に… | ||||
323 | あけまして、おめでとう。 | ||||
324 | 願わくは、今年“から”は いい年でありますように。 |
Script Chart
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Introductory Chapter | ||||||
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1001 | 1008 | 1009 | 1010 | 1011 | 1012 | 1013 |
1002 | 1008_020 | 1009_020 | 1010_020 | 1011_020 | 1012_020 | |
1003 | 1008_030 | 1009_030 | 1010_030 | 1011_030 | 1012_030 | |
1004 | 1008_040 | 1010_040 | 1012_030_2 | |||
1005 | 1008_050 | 1010_050 | ||||
1006 | 1010_060 | |||||
1006_2 | 1010_070 | |||||
1007 |
Closing Chapter | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | ||||||
2001 | 2011 | 2020 | 2027 | 2301 | 2309 | 2316 | 2401 | 2408 | 2501 | 2510 |
2002 | 2012 | 2021 | 2028 | 2302 | 2310 | 2317 | 2402 | 2409 | 2502 | 2511 |
2003 | 2013 | 2022 | 2029 | 2303 | 2311 | 2318 | 2403 | 2410 | 2503 | 2512 |
2004 | 2014 | 2023 | 2030 | 2304 | 2312 | 2319 | 2404 | 2411 | 2504 | 2513 |
2005 | 2015 | 2024 | 2031 | 2305 | 2313 | 2320 | 2405 | 2412 | 2505 | 2514 |
2006 | 2016 | 2025 | 2032 | 2306 | 2314 | 2321 | 2406 | 2413 | 2506 | 2515 |
2007 | 2017 | 2026 | 2033 | 2307 | 2315 | 2322 | 2407 | 2507 | 2516 | |
2008 | 2018 | 2308 | 2508 | 2517 | ||||||
2009 | 2019 | 2509 | ||||||||
2010 | ||||||||||
Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | |||||||
2031_2 | 2312_2 | 2401_2 | 2504_2 | 2511_2 | ||||||
2031_3 | 2313_2 | 2402_2 | 2507_2 | 2513_2 | ||||||
2031_4 | 2313_3 | 2402_3 |
Coda | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Kazusa (True) | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | ||||||
3001 | 3008 | 3014_2 | 3020 | 3101 | 3107 | 3201 | 3207 | 3901 | 3907 |
3002 | 3009 | 3014_3 | 3021 | 3102 | 3108 | 3202 | 3208 | 3902 | 3908 |
3003 | 3010 | 3015 | 3022 | 3103 | 3109 | 3203 | 3209 | 3903 | 3909 |
3004 | 3011 | 3016 | 3023 | 3104 | 3110 | 3204 | 3210 | 3904 | |
3005 | 3012 | 3017 | 3024 | 3105 | 3111 | 3205 | 3211 | 3905 | |
3006 | 3013 | 3018 | 3106 | 3206 | 3906 | ||||
3007 | 3014 | 3019 | |||||||
Common | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | |||||||
3001_2 | 3210_2 | 3901_2 | 3906_2 | ||||||
3015_2 | 3902_2 | 3907_2 | |||||||
3902_3 | 3907_3 | ||||||||
3904_2 |
Mini After Story and Extra Episode | |||
---|---|---|---|
The Path Back to Happiness | The Path Forward to Happiness | Dear Mortal Enemy | |
6001 | 6101 | 4000 | 4005 |
6002 | 6102 | 4001 | 4006 |
6003 | 6103 | 4002 | 4007 |
6004 | 6104 | 4003 | 4008 |
6005 | 4004 | 4009 |
Novels | |||||
---|---|---|---|---|---|
The Snow Melts, And Until The Snow Falls | The Idol Who Forgot How to Sing | Twinkle Snow ~Reverie~ | After the Festival ~Setsuna's Thirty Minutes~ | His God, Her Savior | |
5000 | 5100 | 5200 | 5205 | 5300 | 5400 |
5001 | 5101 | 5201 | 5206 | 5301 | 5401 |
5002 | 5102 | 5202 | 5207 | 5302 | |
5003 | 5103 | 5203 | 5208 | 5303 | |
5004 | 5104 | 5204 | 5209 |
Short Stories | |||
---|---|---|---|
Princess Setsuna's Distress and Her Minister's Sinister Plan | Koharu Climate After the Passing of the Typhoon | This isn't the Season for White Album | Todokanai Koi, Todoita |
7000 | 7100 | 7200 | 7300 |