White Album 2/Script/2502
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Text
Speaker | Text | Comment | |||
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Line # | JP | EN | JP | EN | |
1 | 春希 | Haruki | 「…来ない?」 | ||
2 | 鈴木 | Suzuki | 「うん、今日は外への挨拶回りだけで、 そのまま直帰だって。 明日からの出張の準備もあるし」 | ||
3 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
4 | 松岡 | Matsuoka | 「はい、開桜社『開桜グラフ』編集部…ああ、ども」 | ||
5 | 鈴木 | Suzuki | 「何しろ、今年の仕事は先週末に全部上げちゃってたし。 相変わらず文句の付けようのない仕事っぷりでさぁ」 | ||
6 | 春希 | Haruki | 「そう、ですか…」 | ||
7 | 週明けの月曜日。 | ||||
8 | 開桜社の仕事納めにはまだ三日も残ってる、 ただの平日のはずだった一日。 | ||||
9 | なのに、39度の熱があっても平気で出社してくる人が、 今日に限っては見当たらなかった。 | ||||
10 | 松岡 | Matsuoka | 「はい、はい…郵便物、ですか? ちょっと待っててください」 | ||
11 | 鈴木 | Suzuki | 「今年いっぱいアメリカを飛び回って、 年明けからグァムでバカンスだってさ。 | ||
12 | 鈴木 | Suzuki | いいな~高給取りは~」 | ||
13 | 浜田 | Hamada | 「何言ってんだ。 時給換算したらお前よりよっぽど安いぞ風岡は」 | ||
14 | 鈴木 | Suzuki | 「うあぁぁ…それは言わないお約束~」 | ||
15 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
16 | 松岡 | Matsuoka | 「えっと………事務所。 ああ、はいはい見つけました」 | ||
17 | 出張は明日からって聞いてたから、 今日はてっきり来るものだと思ってた。 | ||||
18 | というか、金曜に話してた感じでは、 全然、今年最後なんて感じじゃなかったのに、なんで… | ||||
19 | 鈴木 | Suzuki | 「…なに北原君。 麻理さんに会えなかったのがそんなにショック?」 | ||
20 | 春希 | Haruki | 「今週やる仕事の指示受けてなかったんで…」 | ||
21 | 咄嗟に完璧な言い訳でカモフラージュしつつも、 実は鈴木さんの言う通りだった。 | ||||
22 | 想像以上にショックだった。 | ||||
23 | 浜田 | Hamada | 「なに? 今北原フリーなの? いいこと聞いた」 | ||
24 | 鈴木 | Suzuki | 「あ~、レイアウト全部押しつける気でしょ? 麻理さんに言いつけちゃおうかな~」 | ||
25 | 春希 | Haruki | 「…別に構わないですよ。 どんどん押しつけてください」 | ||
26 | 餞別、渡そうと思ってたのに。 | ||||
27 | 渡すついでに、食事にでも誘いたかったのに。 また、二人きりで話を聞いてもらいたかったのに。 | ||||
28 | 松岡 | Matsuoka | 「…いいんですか? はぁ、わかりました。ええ、任せておいてください」 | ||
29 | 鈴木 | Suzuki | 「怒られるよ二人とも… この前のヨーロッパ出張の時にやらかしたばっかじゃん」 | ||
30 | 今ここで口に出せば、 『無謀』とか『命知らず』とか『理想高すぎ』とか 呆れられるようなことを、普通に計画していたのに。 | ||||
31 | 浜田 | Hamada | 「何言ってる。 旅支度にかまけて最愛の部下を放っておく方が悪い。 なぁ北原?」 | ||
32 | 鈴木 | Suzuki | 「その表現意味深っぽいよ浜田さん…」 | ||
33 | だって今の麻理さんは、そんな俺の無謀を 『その意気やよし』と受け入れてくれるんじゃないかって… | ||||
34 | 金曜日の、あの二人きりの数時間を過ごした今となっては、 その可能性に賭ける気になれていたのに… | ||||
35 | 松岡 | Matsuoka | 「それじゃお気をつけて行ってらっしゃい。 あ、それと、良いお年を~」 | ||
36 | 春希 | Haruki | 「鈴木さんも、何かやることありませんか? 何なら年明けの仕事を前出ししてもらってもいいですよ」 | ||
37 | 鈴木 | Suzuki | 「………マジ? 麻理さんに内緒でやってくれる?」 | ||
38 | 春希 | Haruki | 「あはは…」 | ||
39 | あのときは、今までの俺のことを聞いてもらった。 だから今度は、これからの俺のことを聞いて欲しかった。 | ||||
40 | 初めて、かずさへの未練をわかってもらえた人に、 今度こそ、今、俺が抱えてる悩みをぶつけたかった。 | ||||
41 | 麻理さんなら、わかってくれるって… 一緒に考えて、もしかしたら頭を抱えて、 でも、必死で俺の進む方向を見つけてくれるって。 | ||||
42 | 俺のこと、救ってくれるって… | ||||
43 | 松岡 | Matsuoka | 「…と、お取り込みのところすいませんけど、北原」 | ||
44 | 春希 | Haruki | 「あ、はい?」 | ||
45 | 松岡 | Matsuoka | 「これ、お前にだって」 | ||
46 | 春希 | Haruki | 「…なんです?」 | ||
47 | 会話しながら、誰にも気づかれずに 裏で物思いにふけっていた俺を現実に戻したのは、 松岡さんが差し出した一通の封筒だった。 | ||||
48 | 鈴木 | Suzuki | 「え~と…冬馬曜子事務所?」 | ||
49 | 春希 | Haruki | 「え…」 | ||
50 | 浜田 | Hamada | 「それって…おい、もしかして」 | ||
51 | 鈴木 | Suzuki | 「ね、開けていい? 開けるよ?」 | ||
52 | 現実に戻したどころか、 一瞬、頭の中を真っ白に染め上げてくれたけど。 | ||||
53 | 鈴木 | Suzuki | 「………あ~! コンサートチケットだ!」 | ||
54 | 浜田 | Hamada | 「やっぱり… 冬馬曜子ニューイヤーコンサートだろ。 ウチの会社も協賛してる奴」 | ||
55 | 春希 | Haruki | 「冬馬…曜子」 | ||
56 | 松岡 | Matsuoka | 「へ~、来日してたんだ、冬馬曜子」 | ||
57 | 活動拠点をヨーロッパに移してから、 数年に一度くらいしか帰国しない、 日本が生んだ世界的ピアニスト。 | ||||
58 | 鈴木 | Suzuki | 「ちょっと何これ…しかもプレミア席! 超プラチナチケットじゃん!」 | ||
59 | 浜田 | Hamada | 「ま、コアなクラシックファンにとってはな。 でも、その席ならオークションに出しても 高い値がつくぞ多分」 | ||
60 | 春希 | Haruki | 「冬馬…」 | ||
61 | 松岡 | Matsuoka | 「にしても、12月31日の20時開演って… なんて言うか無茶なスケジュールだなぁ」 | ||
62 | 浜田 | Hamada | 「大晦日に年越しライブやるアーティストいるだろ。 なんでもあれに対抗してるんだと」 | ||
63 | 鈴木 | Suzuki | 「情報としては聞いてたけど… こうしてチケットが目の前にあると、 なんか急に行きたくなってくるよね~」 | ||
64 | 浜田 | Hamada | 「聞いた話だと、第九も弾くんだとさ。 どっかの交響楽団にも張り合ってるんだな… なんつ~か、若いよなぁ」 | ||
65 | 実力だけでなく、年齢を感じさせないバイタリティと、 そのお騒がせな性格から、未だに国内でも人気の高い… | ||||
66 | 松岡 | Matsuoka | 「そっか…ウチで娘さんの独占記事書いたから、 それで招待券が届いたんだな」 | ||
67 | かずさの、母親。 | ||||
68 | 鈴木 | Suzuki | 「ね~ね~、これわたしが貰っちゃ駄目かなぁ? 今のところ大晦日は何の約束もないし~」 | ||
69 | 浜田 | Hamada | 「ちょっと待て! お前、クラシックなんかに興味あったか?」 | ||
70 | 鈴木 | Suzuki | 「実はすっごいタイムリーなんですよ。 この前の北原君の記事、 麻理さんに無理やり読まされたじゃないですか」 | ||
71 | 松岡 | Matsuoka | 「そんなこともありましたねぇ。 …一度もメイン張ったことのない俺にとっては 針のムシロでしたけど」 | ||
72 | 鈴木 | Suzuki | 「で、その後、 試しに冬馬曜子のCD買ってみたんです。 そしたらこれがハマっちゃって」 | ||
73 | 浜田 | Hamada | 「そんなにわかファンがいきなり生で聴いても 本物の良さなんて理解できないぞ。 俺みたいに年2、3回はホールに通うくらいでないと」 | ||
74 | 鈴木 | Suzuki | 「あ~浜田さんずる~い! わたしの方が先に手上げたのに~!」 | ||
75 | 松岡 | Matsuoka | 「ええと…水を差すようで悪いんですが、 実はこれ、北原宛てなんだそうで…」 | ||
76 | 浜田 | Hamada | 「行かないだろ北原? 大晦日とか用事あるよなぁ?」 | ||
77 | 鈴木 | Suzuki | 「そ~そ~。 彼女と二年参りとか」 | ||
78 | 春希 | Haruki | 「いや、用はないですけど… でも、はい、俺は別に行かな…」 | ||
79 | 松岡 | Matsuoka | 「…それでも駄目なんですよ。 絶対にあの記事を書いた人に渡してくれって、 冬馬曜子から申し入れがあったんですって」 | ||
80 | 春希 | Haruki | 「え…」 | ||
81 | 浜田 | Hamada | 「…マジ?」 | ||
82 | 鈴木 | Suzuki | 「そこまで名指し?」 | ||
83 | 松岡 | Matsuoka | 「さっきの電話、麻理さんからだったんですよ。 昨夜、本人からアンサンブルの編集長に 直接連絡があったそうで」 | ||
84 | 春希 | Haruki | 「………え」 | ||
85 | 浜田 | Hamada | 「凄いなそれ。 よっぽど気に入ったんだなぁ、あの記事が」 | ||
86 | 鈴木 | Suzuki | 「自分の娘の暴露記事だったのにねぇ。 人によってはクレームものだと思うけど」 | ||
87 | 松岡 | Matsuoka | 「だから逆に冬馬曜子にはウけたんでしょうかね。 随分とエキセントリックな人らしいし」 | ||
88 | あの記事が冬馬曜子の琴線に触れたとか、 そのおかげで俺が特別扱いされたとか、 このチケットがプレミアものであるとか… | ||||
89 | 今の俺にとって、確かにそれは、 大きな事件だったんだけど… | ||||
90 | 春希 | Haruki | 「今の…麻理さんからだったんですか?」 | ||
91 | 松岡 | Matsuoka | 「ああ、うん。 北原にチケット渡してくれって、 それだけ言って切っちゃった」 | ||
92 | それよりも、誰も問題にしなかった些細な… | ||||
93 | 本当に、どうでもいいかもしれない小さな事実の方が、 今の俺にとっては、インパクトが大きかった。 | ||||
94 | 松岡 | Matsuoka | 「本人いるって言ったのに代わらなくていいってさ… なんか移動中みたいでそわそわしてて」 | ||
95 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
96 | つい二日前、 二人きりで、 俺の話を親身になって聞いてくれた人が。 | ||||
97 | 今まで他人には絶対見せられなかった傷痕を、 初めて見せることのできた人が。 | ||||
98 | 電話口のすぐそこに俺がいるってわかってて、 しかも俺絡みの用事で掛けてきたってのに、 なぜか俺を呼ばなかった。 | ||||
99 | …まるで、避けてるかのように。 | ||||
100 | もしかして、退かれたんだろうか? あの、赤裸々な過去の痛みの告白が。 | ||||
101 | いきなり重すぎることを言われて困ったのか、 それとも馬鹿馬鹿しくて付き合いきれなかったのか。 | ||||
102 | 俺の周りでは、まだ皆が、 コンサートの話題で盛り上がっている。 | ||||
103 | でも今の俺には、 その喧騒がまるっきり耳に入らない。 | ||||
104 | 本当に小さな… あまりにも些細で笑ってしまいそうな疑念が、 ゆっくりと心の奥底に染み込んでいくのを止められない。 |
Script Chart
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Introductory Chapter | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
1001 | 1008 | 1009 | 1010 | 1011 | 1012 | 1013 |
1002 | 1008_020 | 1009_020 | 1010_020 | 1011_020 | 1012_020 | |
1003 | 1008_030 | 1009_030 | 1010_030 | 1011_030 | 1012_030 | |
1004 | 1008_040 | 1010_040 | 1012_030_2 | |||
1005 | 1008_050 | 1010_050 | ||||
1006 | 1010_060 | |||||
1006_2 | 1010_070 | |||||
1007 |
Closing Chapter | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | ||||||
2001 | 2011 | 2020 | 2027 | 2301 | 2309 | 2316 | 2401 | 2408 | 2501 | 2510 |
2002 | 2012 | 2021 | 2028 | 2302 | 2310 | 2317 | 2402 | 2409 | 2502 | 2511 |
2003 | 2013 | 2022 | 2029 | 2303 | 2311 | 2318 | 2403 | 2410 | 2503 | 2512 |
2004 | 2014 | 2023 | 2030 | 2304 | 2312 | 2319 | 2404 | 2411 | 2504 | 2513 |
2005 | 2015 | 2024 | 2031 | 2305 | 2313 | 2320 | 2405 | 2412 | 2505 | 2514 |
2006 | 2016 | 2025 | 2032 | 2306 | 2314 | 2321 | 2406 | 2413 | 2506 | 2515 |
2007 | 2017 | 2026 | 2033 | 2307 | 2315 | 2322 | 2407 | 2507 | 2516 | |
2008 | 2018 | 2308 | 2508 | 2517 | ||||||
2009 | 2019 | 2509 | ||||||||
2010 | ||||||||||
Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | |||||||
2031_2 | 2312_2 | 2401_2 | 2504_2 | 2511_2 | ||||||
2031_3 | 2313_2 | 2402_2 | 2507_2 | 2513_2 | ||||||
2031_4 | 2313_3 | 2402_3 |
Coda | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Kazusa (True) | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | ||||||
3001 | 3008 | 3014_2 | 3020 | 3101 | 3107 | 3201 | 3207 | 3901 | 3907 |
3002 | 3009 | 3014_3 | 3021 | 3102 | 3108 | 3202 | 3208 | 3902 | 3908 |
3003 | 3010 | 3015 | 3022 | 3103 | 3109 | 3203 | 3209 | 3903 | 3909 |
3004 | 3011 | 3016 | 3023 | 3104 | 3110 | 3204 | 3210 | 3904 | |
3005 | 3012 | 3017 | 3024 | 3105 | 3111 | 3205 | 3211 | 3905 | |
3006 | 3013 | 3018 | 3106 | 3206 | 3906 | ||||
3007 | 3014 | 3019 | |||||||
Common | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | |||||||
3001_2 | 3210_2 | 3901_2 | 3906_2 | ||||||
3015_2 | 3902_2 | 3907_2 | |||||||
3902_3 | 3907_3 | ||||||||
3904_2 |
Mini After Story and Extra Episode | |||
---|---|---|---|
The Path Back to Happiness | The Path Forward to Happiness | Dear Mortal Enemy | |
6001 | 6101 | 4000 | 4005 |
6002 | 6102 | 4001 | 4006 |
6003 | 6103 | 4002 | 4007 |
6004 | 6104 | 4003 | 4008 |
6005 | 4004 | 4009 |
Novels | |||||
---|---|---|---|---|---|
The Snow Melts, And Until The Snow Falls | The Idol Who Forgot How to Sing | Twinkle Snow ~Reverie~ | After the Festival ~Setsuna's Thirty Minutes~ | His God, Her Savior | |
5000 | 5100 | 5200 | 5205 | 5300 | 5400 |
5001 | 5101 | 5201 | 5206 | 5301 | 5401 |
5002 | 5102 | 5202 | 5207 | 5302 | |
5003 | 5103 | 5203 | 5208 | 5303 | |
5004 | 5104 | 5204 | 5209 |
Short Stories | |||
---|---|---|---|
Princess Setsuna's Distress and Her Minister's Sinister Plan | Koharu Climate After the Passing of the Typhoon | This isn't the Season for White Album | Todokanai Koi, Todoita |
7000 | 7100 | 7200 | 7300 |