White Album 2/Script/4007
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Translation Notes[edit]
Text[edit]
Speaker | Text | Comment | |||
---|---|---|---|---|---|
Line # | JP | EN | JP | EN | |
1 | 夏は、続く。 さらに暑さをいや増して。 | ||||
2 | 空の青さも、高さも、 何もかも、どうでもいいくらいまでに。 | ||||
3 | 雪菜の母 | Setsuna's Mother | 「雪菜?」 | ||
4 | 外にいるだけで汗が噴き出す日中が、 何度寝返りを打っても寝苦しい夜中が、 容赦なく体力を奪っていく。 | ||||
5 | ううん… | ||||
6 | 奪われたのは、本当にそれだけだったのか… | ||||
7 | 雪菜の母 | Setsuna's Mother | 「雪菜! 開けるわよ?」 | ||
8 | 雪菜 | Setsuna | 「ん~…」 | ||
9 | 雪菜の母 | Setsuna's Mother | 「…何よ? この暑いのに布団頭から被ってるなんて。 熱中症になるわよ?」 | ||
10 | 雪菜 | Setsuna | 「ふあぁ…そうだね。 おはよう」 | ||
11 | 雪菜の母 | Setsuna's Mother | 「おはようじゃないわよ…今何時だと思ってるの? 今日、会社は?」 | ||
12 | 雪菜 | Setsuna | 「あぁ…ごめん言ってなかったね。 昨日のうちに申請してて、お休みもらったんだ」 | ||
13 | 雪菜の母 | Setsuna's Mother | 「そうなの?」 | ||
14 | 雪菜 | Setsuna | 「うん、昨夜から始まったんだ。 今月はちょっと重くて…」 | ||
15 | 雪菜の母 | Setsuna's Mother | 「なによ、そういうことなら 昨日のうちに言っておきなさいよ。 朝ご飯冷めちゃったわよ」 | ||
16 | 雪菜 | Setsuna | 「ごめんね…今日はいらない。 あと、お昼も用意しなくていいから」 | ||
17 | 雪菜の母 | Setsuna's Mother | 「雪菜…?」 | ||
18 | 雪菜 | Setsuna | 「本当にきつくって… 今は全然食欲もないの」 | ||
19 | 雪菜の母 | Setsuna's Mother | 「あなた、大丈夫?」 | ||
20 | 雪菜 | Setsuna | 「大丈夫だよ。 今日を乗り切れば…」 | ||
21 | 雪菜の母 | Setsuna's Mother | 「…本当に生理痛なの?」 | ||
22 | 雪菜 | Setsuna | 「………そうだよ。 そういうこと、ハッキリ言わないでよ」 | ||
23 | 雪菜の母 | Setsuna's Mother | 「………」 | "........."
| |
24 | 雪菜 | Setsuna | 「一日経てば、すぐに元気になるし、 明日はちゃんと出勤するから。 だから今日だけは、放っておいて」 | ||
25 | 雪菜の母 | Setsuna's Mother | 「あなたがそう言うなら、今日のところは信じるけど…」 | ||
26 | 雪菜 | Setsuna | 「そんなわけだから。 じゃあ、おやすみ」 | ||
27 | 雪菜の母 | Setsuna's Mother | 「でも、何か身体に異常があったら… ううん、兆候だけでも感じたら、すぐに言うのよ?」 | ||
28 | 雪菜 | Setsuna | 「わかってるって」 | ||
29 | 言えるわけ、ないよ… | ||||
30 | 雪菜の母 | Setsuna's Mother | 「それじゃ、おやすみ。 お母さん、今日は出かけるけど…」 | ||
31 | 雪菜 | Setsuna | 「行ってらっしゃい。 大丈夫だよ、この程度」 | ||
32 | そんなことしたらお母さん、 お父さんに、言うよね? | ||||
33 | そしたらお父さん、 わたしを変に気遣ってしまうよね? | ||||
34 | 雪菜の母 | Setsuna's Mother | 「…わかった。大人しくしてなさいよ? …今日だけは、『やっぱり回復した』とか言って、 “いつものところ”に出かけたりしないようにね?」 | ||
35 | 雪菜 | Setsuna | 「わかってるって…」 | ||
36 | “いつものところ”に、 行かせてくれなくなるよね…? | ||||
37 | 雪菜 | Setsuna | 「………」 | "........."
| |
38 | 雪菜 | Setsuna | 「………っ」 | ||
39 | 雪菜 | Setsuna | 「~~~っ! はぁっ、はぁっ、はぁぁ…っ」 | ||
40 | お母さんが階下に下りたのを確かめると、 やっと、籠もっていた布団の中から這い出る。 | ||||
41 | パジャマが、汗で濡れすぎて気持ち悪い。 おかしいなぁ、エアコン、効いてないのかなぁ… | ||||
42 | これじゃ、洗濯の時にばれてしまう。 お母さんが出かけてるうちに自分で洗っておかないと。 | ||||
43 | 雪菜 | Setsuna | 「はぁ…ぁ」 | ||
44 | 昨夜… | ||||
45 | 身体中から水分が流れ出てしまうような嫌な感覚に、 一晩中、ずっと襲われていた。 | ||||
46 | それどころか、朝になった今でも止まらない。 | ||||
47 | …ううん、昨夜だけじゃない。 ここ数日間、夜はずっとこんな調子。 | ||||
48 | 雪菜 | Setsuna | 「暑い…な」 | ||
49 | 少しだけ体を起こそうとして、すぐにベッドに戻す。 | ||||
50 | 頭がふらつく。 視界がぼやける。 何より、気力が湧いてこない。 | ||||
51 | それでも、昨日まではなんとか起きられた。 朝、いつも通りを装い、出勤することもできた。 | ||||
52 | …仕事の能率は散々だったけれど。 | ||||
53 | 雪菜 | Setsuna | 「会社に…電話しなくちゃ」 | ||
54 | 昨日から申請していたなんてのは、 もちろん、その場しのぎの嘘だった。 ただ、起きれなかっただけだった。 | ||||
55 | なんだろう… どうしちゃったんだろう、わたし…? | ||||
56 | 雪菜 | Setsuna | 「大丈夫…だ」 | ||
57 | ううん…単なる夏バテだ。 一日休めば、きっと元通りになる。 | ||||
58 | だって、明日は金曜だ。 たった一日会社に行けば、すぐ、週末だ… だから、なんとかなる… | ||||
59 | 週末になれば、彼に会える。 あと一日頑張れば、また春希くんに会える。 きっと、待ってる。 | ||||
60 | だから、頑張れるんだ、わたし… | ||||
61 | ……… | .........
| |||
62 | …… | ......
| |||
63 | 駅アナウンス | Station Announcement | 「まもなく、一番線御宿行きが参ります。 白線の内側までお下がりください」 | ||
64 | そして… | ||||
65 | 待ち望んだはずの週末は、 少しだけ…半日だけ遅れてやってきた。 | ||||
66 | いつもなら、金曜の仕事帰りに直接行っていた彼の部屋。 けれど、そこに向かっている今は土曜の午前11時。 | ||||
67 | さすがに木曜に体調不良で休んでおいて、 金曜にお泊まりっていうのは家族が許してくれなかった。 | ||||
68 | だから仕方なく、昨夜は家でゆっくり静養した。 | ||||
69 | その甲斐もあって、今朝は体調も良かった。 汗もかかなかったし、頭痛もしなかったし、 何より、ゆっくり眠れた。 | ||||
70 | だからもう、何も心配することなんかない。 | ||||
71 | そうだ… 部屋に行く前に、買い物を済ませてしまおう。 | ||||
72 | 一週間分の食材と、日用品。 あ、そういえば洗濯用の洗剤も切れてたっけ。 | ||||
73 | で、部屋についたら、お昼ご飯を作って、一緒に食べて、 それから洗濯して、掃除して、そしたら今度は晩ご飯。 | ||||
74 | あとは、できれば、お話もしたいな。 | ||||
75 | わたしのこの一週間の出来事。 春希くんの、この一週間の気持ち。 | ||||
76 | 語って、聞いて、ゆっくり通じ合って… | ||||
77 | 駅アナウンス | Station Announcement | 「一番線、発車いたします。 ドアが閉まります。ご注意下さい」 | ||
78 | うん、そんな感じ。 今週は少しの時間しか一緒にいられないけど、 来週を乗り切れば、今度はお盆休みが待っている。 | ||||
79 | そうすれば、もっと長い間、一緒にいられる。 | ||||
80 | この夏の暑さも、仕事の忙しさも全部吹き飛ばす、 嬉しくて穏やかな時間の始まり。 | ||||
81 | 心が、弾む。 | ||||
82 | ……… | .........
| |||
83 | 雪菜 | Setsuna | 「っ…は、はぁ…はぁ…っ」 | ||
84 | 心が、弾む。 はずなのに… | ||||
85 | 雪菜 | Setsuna | 「あ、れ…?」 | ||
86 | 何かが…違う。 | ||||
87 | 息が、苦しい。 汗が、止まらない。 | ||||
88 | おかしいな… 今朝は、平気だったはずなのに。 | ||||
89 | 家を出るときは、 止めようとするお母さんを振り切れるくらい、 体力が、残っていたはずなのに。 | ||||
90 | 駅が近づくにつれて汗が噴き出したのは、 単なる、この炎天下の陽気のせいのはずなのに。 | ||||
91 | 日陰のホームに入れば… 冷房の効いた電車に乗れば… すぐにこの汗はひくはずなのに。 | ||||
92 | なのに今、全身の汗に熱を奪われ寒気に震えるわたしは、 たった一駅先で降りるはずの電車にすら乗れなかった。 | ||||
93 | 雪菜 | Setsuna | 「っ…はぁっ、はぁっ…はぁぁ…っ」 | ||
94 | 電車が来て、立とうとして、 そして、全身が痺れたような嫌な感覚に襲われた。 | ||||
95 | わたしをベンチに縛りつける全身に対して 頭だけが『動いてよ』と必死にもがいてた。 | ||||
96 | あれ、あれ…? わたし、何か勘違いしてたのかな? | ||||
97 | 汗が止まらないのも、息切れが激しくなるのも、 人混みが怖くなるのも、電車に乗れなくなるのも。 | ||||
98 | もしかして、これって… | ||||
99 | 今から行こうとする場所を、 わたしの身体が、拒否しているの…? | ||||
100 | 雪菜 | Setsuna | 「っ…」 | ||
101 | 自分でしてしまったありえない想像が、 今度は吐き気を呼び込む。 | ||||
102 | だって、そんなはずはない。 これは一週間ずっと待ち望んでいたこと。 春希くんの側にいることがわたしの幸せだから。 | ||||
103 | 彼の寝顔を見て、彼の数少ない言葉を刻んで、 彼のほんの少しだけ変わる表情を見つめて、 そんなふうに彼の隣で、彼の回復を見守る。 | ||||
104 | ………でもそれって、わたしのエゴなのかな? | ||||
105 | わたしが側にいるとき、 春希くんは、いつも辛そうだった。 | ||||
106 | 彼の寝顔は苦悶に満ち、彼の言葉は自らを刺し、 彼の表情はいつも悲しみに満ち… | ||||
107 | わたしはいつも、 そんな彼の隣で、彼の絶望を眺める。 | ||||
108 | そっか… こんな疫病神が毎週現れたんじゃ、 よくなるわけなんかないよね…? | ||||
109 | だから神様は、わたしを遠ざけようとしているの? その方が、彼を安心させることができるから? わたしが、彼の、重荷になってる、から…? | ||||
110 | そうやって、彼を守ろうとしているの…? | ||||
111 | 雪菜 | Setsuna | 「嫌…」 | ||
112 | 違う… そんなことを考えてしまうことこそが、醜い言い訳だ。 | ||||
113 | 自分の気持ちに身体がついてこれなくなったことの、 馬鹿げた正当化だ。 | ||||
114 | 雪菜 | Setsuna | 「いやぁ…」 | ||
115 | でも、暑い… | ||||
116 | それに、行ったところで、どうなるの…? | ||||
117 | たとえ隣にいても、愛を囁いてもくれない、 抱きしめてもくれない、 そんな、わたしの居場所のない部屋に… | ||||
118 | 雪菜 | Setsuna | 「助けて…」 | ||
119 | 無償の愛って、なんなんだろう… | ||||
120 | やっぱり、あなたにしか、わからないのかな…? | ||||
121 | 雪菜 | Setsuna | 「助けて、かずさ…」 | ||
122 | ……… | .........
| |||
123 | …… | ......
| |||
124 | … | ...
| |||
125 | 雪菜 | Setsuna | 「ただ~いま~」 | ||
126 | 玄関ドアを開けると、 そこはいつもの無音の空間。 | ||||
127 | ただ、わたしの声だけがやけに大きく響く空間。 | ||||
128 | 雪菜 | Setsuna | 「あ~、エアコン気持ちい~! もう二度と外に出たくない~」 | ||
129 | けれど、部屋を覆う涼しめの空気が、 かすかに家主の存在を主張する。 | ||||
130 | 雪菜 | Setsuna | 「ほんっと、外あっついね~。 もうやんなっちゃうよ~」 | ||
131 | 春希 | Haruki | 「そうだな…」 | ||
132 | その家主は、今日はテーブルでパソコンをいじってた。 | ||||
133 | ちらっと顔色をうかがうと、白いけど青白くない。 そんなに悪くない感じだった。 | ||||
134 | うん、今日は結構調子いいかも。 | ||||
135 | 雪菜 | Setsuna | 「お昼どうする? ちょっと遅いし、あっさりとお素麺でいいかな? それとも、がっつり行く?」 | ||
136 | 春希 | Haruki | 「俺は、なんでもいいけど」 | ||
137 | 雪菜 | Setsuna | 「なんでもいいってのが一番張り合いないんだよね~。 ま、いっか。じゃあお昼はあっさりで夜はがっつりね。 豚肉安かったから多めに買ってきたんだ」 | ||
138 | 春希 | Haruki | 「…?」 | ||
139 | 雪菜 | Setsuna | 「そうだ、せっかく豚肉あるんだから、 お昼、冷しゃぶもつけようかな… うん、それいいかも!」 | ||
140 | 春希 | Haruki | 「雪菜」 | ||
141 | 雪菜 | Setsuna | 「あ~、でもそうすると昼も夜もお肉になっちゃうな。 そしたら夜は別のものの方がいいかなぁ」 | ||
142 | 春希 | Haruki | 「なぁ、雪菜…」 | ||
143 | 雪菜 | Setsuna | 「どうする春希くん? お昼は…」 | ||
144 | 春希 | Haruki | 「どうしたんだ、今日?」 | ||
145 | 雪菜 | Setsuna | 「? | ||
146 | 雪菜 | Setsuna | ああ、ごめんね昨日のうちに来れなくて。 今週、ずっと残業続きで…ああ、ううん、 ちょっと仕事の都合が重なっちゃって」 | ||
147 | 春希 | Haruki | 「いや、そういうことを聞いてるんじゃ…」 | ||
148 | 雪菜 | Setsuna | 「すぐできるからね。 悪いけど、あと少しだけ待ってて」 | ||
149 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
150 | いけない、つい… そういえば、自分の忙しさをアピールするのは 相手に疎外感を与えるから良くないんだった。 | ||||
151 | いくら心が浮き立ってたとしても、 調子に乗りすぎるのはよくないよね。 | ||||
152 | ……… | .........
| |||
153 | 雪菜 | Setsuna | 「ふぅ~、ごちそうさま~」 | ||
154 | 春希 | Haruki | 「…もういいの?」 | ||
155 | 雪菜 | Setsuna | 「うん、おなかいっぱい」 | ||
156 | 春希 | Haruki | 「ほとんど食べてないじゃないか」 | ||
157 | 雪菜 | Setsuna | 「朝、ちょっと食べ過ぎちゃって。 ごめん、あとは春希くんお願いします」 | ||
158 | 春希 | Haruki | 「こんなに食べられるかな…」 | ||
159 | 雪菜 | Setsuna | 「残してもいいよ。 そのときは晩ご飯のお味噌汁の具になるんだけどね。 あはは…」 | ||
160 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
161 | 雪菜 | Setsuna | 「やっぱり残す?」 | ||
162 | 春希 | Haruki | 「いや…食べるよ。 けど、動かないのにこんなに食べてたら太りそうだな」 | ||
163 | 雪菜 | Setsuna | 「そうだ! 食後に運動ついでにちょっと散歩に出かけない? すぐ近くの公園にでもさぁ」 | ||
164 | 春希 | Haruki | 「散歩か…うん、俺はいいけど」 | ||
165 | 雪菜 | Setsuna | 「って、あ~、でも、さすがにこの暑さで いきなり外出すると、熱中症になっちゃうよね。 ごめん、今の取り消し!」 | ||
166 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
167 | 危ない、凡ミス。 今、外に出るだなんて、何言ってるのよ… | ||||
168 | ……… | .........
| |||
169 | 雪菜 | Setsuna | 「ほんと? すごいね!」 | ||
170 | 春希 | Haruki | 「うん、だいぶ朝起きれるようになってきたし、 睡眠が安定してきたんじゃないかって」 | ||
171 | 雪菜 | Setsuna | 「そっか、そっかぁ… じゃあ、今度こそ職場復帰も近いね!」 | ||
172 | 春希くんの口から語られたのは、大きな朗報だった。 | ||||
173 | 先週の診断結果が思いのほかよくて、 お医者さんからもらう薬が減ったらしかった。 | ||||
174 | 春希 | Haruki | 「まぁ、今までのこともあるから、 そうそう簡単に復帰できるかわかんないけどな」 | ||
175 | 雪菜 | Setsuna | 「ううん、今度こそ絶対だよ! 絶対、何もかも元通りだよ…っ」 | ||
176 | 春希 | Haruki | 「雪菜…」 | ||
177 | 雪菜 | Setsuna | 「うん、うんっ、 あは、あはははは」 | ||
178 | 良かった…こんなに早く治って本当に良かった。 | ||||
179 | もうすぐ、春希くんが回復する。 誰もが、しがらみから、苦しみから解放される。 | ||||
180 | そう、何もかも、うまく行く… | ||||
181 | 春希 | Haruki | 「なぁ、雪菜? こっち来て話さないか?」 | ||
182 | 雪菜 | Setsuna | 「ん~、いいよ。 まだ掃除機かけ終わってないし」 | ||
183 | 春希 | Haruki | 「今日、部屋に来てから働きづめじゃないか。 少しは休めばいいのに」 | ||
184 | 雪菜 | Setsuna | 「そんなに嬉しい話を聞かせてもらっちゃったら、 なんだか動いてないと落ち着かないんだよ」 | ||
185 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
186 | だって、わかったんだから。 | ||||
187 | こうして、何も考える暇もないほど動いている方が、 今のわたしには、いいんだってことが。 | ||||
188 | ……… | .........
| |||
189 | 雪菜 | Setsuna | 「ね、今度の夏休み、どうしよっか?」 | ||
190 | それからも、わたしはずっと動き続けた。 | ||||
191 | 雪菜 | Setsuna | 「さすがに旅行とかはまだ早いかもしれないけど、 少しくらいは外出もできるんじゃないかな? 今の調子だと」 | ||
192 | 洗濯と部屋の掃除が終わったら、お風呂の掃除。 春希くんに入浴してもらってる間に夕食の仕度。 そして、夕食が済んだら当然後片付け。 | ||||
193 | 雪菜 | Setsuna | 「いつも通り図書館とか。 あと、少しくらいならお買い物とか、映画とか…」 | ||
194 | そうやって、やっと夜になった。 | ||||
195 | 雪菜 | Setsuna | 「とは言っても、なるべく人混みは避けないとね。 って、夏休みで人混みのない繁華街ってなんだろそれ… あっはははは」 | ||
196 | …なんとか無事、一日が終わろうとしていた。 | ||||
197 | 雪菜 | Setsuna | 「でも、楽しみだな。 一週間も一緒にいられるのって、 大学四年の夏休み以来じゃない?」 | ||
198 | 今日は、楽しかった。 そして、嬉しかった。 | ||||
199 | 春希 | Haruki | 「雪菜」 | ||
200 | 雪菜 | Setsuna | 「とはいえ、大学の時も春希くんってば、 卒論だとかバイトだとか言って、 なかなか一緒にいてくれなかったけどね!」 | ||
201 | 彼に、回復の兆しが見られた。 いつもより、よく喋ってくれた。 わたしの作った食事を、たくさん食べてくれた。 | ||||
202 | 雪菜 | Setsuna | 「ほんっと、お堅いっていうか、 ひょっとしてわたし、まだ避けられてるのかなって 思ったこともあったよ…あはは」 | ||
203 | だから自然、 わたしの方も、口数が多くなる。 テンションが高くなる。 | ||||
204 | 春希 | Haruki | 「なぁ、雪菜」 | ||
205 | 雪菜 | Setsuna | 「それに、それより前の夏は… って、あ~、もうその話はナシだったね! ごめん」 | ||
206 | こうなってしまうのも仕方ない。 だって、今日は本当に、幸せでいっぱい… | ||||
207 | 春希 | Haruki | 「雪菜!」 | ||
208 | 雪菜 | Setsuna | 「え…」 | ||
209 | その声には、力がこもっていた。 半年ぶりに聞く、彼の、強い声かもしれなかった。 | ||||
210 | 春希 | Haruki | 「雪菜…今さらでなんだけど、 改めて、礼を言うよ。 今まで支えてくれて、本当にありがとう」 | ||
211 | そして、続く言葉も、 強さと、優しさと、穏やかさに満ちていた。 | ||||
212 | 雪菜 | Setsuna | 「や、やだ、なに? 改まって。 当然のことしたまでだよ…彼女として」 | ||
213 | やっぱり、治りかけてる…? | ||||
214 | そんな期待が、さらに胸を躍らせる。 | ||||
215 | 春希 | Haruki | 「当然のことじゃない…全然、当然なんかじゃなかった。 だって俺、雪菜を裏切った。 裏切って、逃げて、あげくの果てには壊れた…」 | ||
216 | 雪菜 | Setsuna | 「そうだったっけ…もう忘れちゃったなぁ」 | ||
217 | 春希 | Haruki | 「なのに雪菜は、そんな俺に献身的に尽くしてくれた」 | ||
218 | 雪菜 | Setsuna | 「そんなの、しょうがないよ。 だってわたし…」 | ||
219 | 『愛してるんだから』 | ||||
220 | 今なら、言ってもいいんだろうか? 彼は、受け入れてくれるんだろうか? | ||||
221 | 春希 | Haruki | 「もし、雪菜がいなかったらさ… 俺は、何もかもから逃げて、結局、逃げ場を失って、 命ごと壊れてたかもしれない」 | ||
222 | 雪菜 | Setsuna | 「そんな、こと…」 | ||
223 | 春希 | Haruki | 「俺にはもう、 一生かかっても、雪菜に返せない恩がある。 本当に、ごめん」 | ||
224 | 報われた… | ||||
225 | 報われた、報われた、報われた! | ||||
226 | 雪菜 | Setsuna | 「いいんだよ… そういうの、これからなんとでもなるんだから。 わたしたちの未来は、この先ずっと続くんだから」 | ||
227 | 鼓動が、高鳴る。 身体が、熱い。 息が、苦しい… | ||||
228 | これでもう、何も… わたしは、何も… | ||||
229 | 春希 | Haruki | 「だから雪菜… 落ち着いて、俺の願いを聞いてくれ」 | ||
230 | 雪菜 | Setsuna | 「う、うん…っ」 | ||
231 | 春希 | Haruki | 「今日は、帰ってくれ。 明日も、そして夏休みも、来なくていい」 | ||
232 | ……… | .........
| |||
233 | …… | ......
| |||
234 | … | ...
| |||
235 | 春希 | Haruki | 「………」 | "........."
| |
236 | 雪菜 | Setsuna | 「…ぇ?」 | ||
237 | それは… | ||||
238 | 春希 | Haruki | 「ごめん…」 | ||
239 | 雪菜 | Setsuna | 「………え?」 | ||
240 | なんて言うか、 この季節に相応しい、青天の霹靂で。 | ||||
241 | 春希 | Haruki | 「こんな酷いことしか言えなくて、ごめん」 | ||
242 | 雪菜 | Setsuna | 「春希、くん…?」 | ||
243 | 春希 | Haruki | 「ごめん、ごめんな、雪菜… 弱い俺を、許してくれ…っ」 | ||
244 | なに? なんなの? | ||||
245 | なんで? どうして? なんでなんでなんで? | ||||
246 | ………どうしてぇ!? | ||||
247 | 春希 | Haruki | 「許して、許して…っ、 ぃっ、ぅぅ…っ、ぅ、ぁ…っ」 | ||
248 | なに、これ? 春希くん、ちっともよくなんかなってない… | ||||
249 | 春希 | Haruki | 「本当は、雪菜が来たとき、 すぐに帰ってもらうはずだった」 | ||
250 | もう、治るんじゃなかったの? わたし、報われるんじゃなかったの? | ||||
251 | 春希 | Haruki | 「それでも、雪菜を帰すのが今まで嫌で黙ってた。 勇気のない、意気地のない俺でごめんな」 | ||
252 | だからなんで? なんでなんでなんで!? | ||||
253 | 自分が良くなってきたら、わたしは用済みなの? | ||||
254 | 雪菜 | Setsuna | 「は、春希、くん…? 春希、くん…っ! あ、あ、あ…っ」 | ||
255 | ううん、違う、違う… 彼がそんな人間じゃないってのはわたしが一番知ってる。 | ||||
256 | あ、もしかして… そんな酷いこと思うような人間だから、捨てられるの? | ||||
257 | 雪菜 | Setsuna | 「どうして? どうしてなの…? わたしの、何がいけないの!?」 | ||
258 | だから、駄目なの? どうしても、届かないの? | ||||
259 | 雪菜 | Setsuna | 「何が駄目だった? 直すから、改めるから… だから、そんな悲しいこと、言わないでよぅ…っ!」 | ||
260 | 鼓動が、高鳴る。 身体が、熱い。 息が、苦しい… | ||||
261 | 全身が、しびれたように動かない。 喉がからからに渇き、 けれど奥から吐き気が迫ってくる。 | ||||
262 | 春希 | Haruki | 「一目見て、わかったよ…」 | ||
263 | と、その次の瞬間… 春希くんがわたしの額にそっと触れた。 | ||||
264 | いや… | ||||
265 | 春希 | Haruki | 「雪菜も、壊れ始めてしまったんだって…」 | ||
266 | 本当に触れたのは、額じゃなくて、 そこから噴き出す、大量の汗… | ||||
267 | ……… | .........
| |||
268 | 雪菜 | Setsuna | 「な、ん…」 | ||
269 | 春希くんは、開きっぱなしの蛇口の水を止めると、 床にしゃがみ込んで、割れた皿の欠片を拾い始める。 | ||||
270 | 春希 | Haruki | 「朝、起きるのが辛くなってるだろ? それで、昨日も来れなかったし、 今日も遅くなったんじゃないか?」 | ||
271 | 雪菜 | Setsuna | 「それは…だってわたし、低血圧だし」 | ||
272 | けれどわたしは、それを手伝うこともできず、 ただ、さっきまで彼の瞳があった場所を凝視する。 | ||||
273 | 春希 | Haruki | 「突然、汗が止まらなくなったり、 息が苦しくなったりすることがあるだろ?」 | ||
274 | 雪菜 | Setsuna | 「夏だからだよ、暑いから…」 | ||
275 | 春希 | Haruki | 「足が、動かなくなる。 先に、進めなくなる」 | ||
276 | 雪菜 | Setsuna | 「…っ」 | ||
277 | 一度撃退したはずの吐き気が、 また、せり上がってくる。 | ||||
278 | 春希 | Haruki | 「で、それを隠すためには、 テンションを高く保つしかないんだ。 陽気に振る舞うしかないんだ」 | ||
279 | 雪菜 | Setsuna | 「何を…言って」 | ||
280 | 春希 | Haruki | 「そうやって、いつも通りの自分を演じようとすると、 実は、いつもと違うことやってるって気づかない」 | ||
281 | 雪菜 | Setsuna | 「違うこと…って?」 | ||
282 | 春希 | Haruki | 「雪菜、いつもは俺と反対の態度を取ってくれてたんだ。 俺が落ち込んでたら明るく、力強く。 俺が明るかったら慎重に、抑え気味に」 | ||
283 | 雪菜 | Setsuna | 「あ…っ」 | ||
284 | 何もかも、看過されていた。 | ||||
285 | 春希 | Haruki | 「それは、俺の心を安定させるために、 雪菜が必死で頑張って作ってくれてた態度だって、 今になってみたら、わかる」 | ||
286 | わたしの苦しまぎれの浅知恵なんて、 この賢いひとに通用するはずなんかなかった。 | ||||
287 | 春希 | Haruki | 「けれど、今日は…」 | ||
288 | 今日のわたしは、彼の、調子がいいって言葉に乗って、 自分の方がより大げさにはしゃいでいた… | ||||
289 | ばれない、はずがない… | ||||
290 | 春希 | Haruki | 「多分、今の雪菜は 自分を誤魔化すことで精一杯なんだって。 それほどまでに、追い詰められているんだって…」 | ||
291 | 雪菜 | Setsuna | 「違う、違うよ… そんなの、勘違いだよ…」 | ||
292 | 春希 | Haruki | 「俺はさ…今の雪菜のことだったら、 今の雪菜よりもわかってる自信があるんだよ」 | ||
293 | 雪菜 | Setsuna | 「なんで! 春希くんに、わたしの何が…っ!」 | ||
294 | 春希 | Haruki | 「わからないわけないだろう… 俺が、今の雪菜の状態に気づかないわけないだろう…」 | ||
295 | 雪菜 | Setsuna | 「あ…っ」 | ||
296 | その瞬間のわたしは、今の春希くんの言いたいことを、 今の春希くんよりもわかってしまった。 | ||||
297 | 春希 | Haruki | 「だって今の雪菜は…半年前の、俺だよ」 | ||
298 | そして、その思い込みでしかなかった確信は、 一字一句違わず、わたしの耳に正しく刻み込まれた。 | ||||
299 | 春希 | Haruki | 「しかも、俺は自業自得だったのに、 雪菜は、ただ、俺に巻き込まれただけじゃないか…」 | ||
300 | 聞きたくもなかった、 彼の、自傷の言葉とともに。 | ||||
301 | 春希 | Haruki | 「う、あ、あ… あ、あ…あああああっ」 | ||
302 | 春希くんが、また、泣いている… | ||||
303 | せっかく調子が良かったのに、 回復しかけていたのに… | ||||
304 | わたしが、冷水を浴びせてしまったからだ。 全部、わたしのせいなんだ。 | ||||
305 | 春希 | Haruki | 「だから帰れよ、雪菜… そして、自分をいたわるんだ」 | ||
306 | それって…それって、つまり… | ||||
307 | 雪菜 | Setsuna | 「い、嫌…嫌ぁ」 | ||
308 | 側にいようとしても、離れようとしても… わたしは、彼の重荷にしかならないって、こと? | ||||
309 | 春希 | Haruki | 「…今ならまだ、間に合うよ。 今すぐなら、俺みたいにならずに済むんだ」 | ||
310 | 雪菜 | Setsuna | 「で、でも、でも… そうしたら、春希くんは…?」 | ||
311 | 春希 | Haruki | 「俺は…大丈夫だよ。 調子、よくなりかけてるって言っただろ?」 | ||
312 | 雪菜 | Setsuna | 「今泣いてるじゃない! わたしのせいで、またおかしくなっちゃったじゃない!」 | ||
313 | 春希 | Haruki | 「少しだけだ… また休めば、回復するよ」 | ||
314 | 雪菜 | Setsuna | 「そんなの駄目…お医者さんだって言ってたじゃない! 治りかけが一番危ないんだって」 | ||
315 | 春希 | Haruki | 「医者は、こうも言ってたよ。 …かかり始めが一番大事なんだって」 | ||
316 | 雪菜 | Setsuna | 「っ…」 | ||
317 | 春希 | Haruki | 「なぁ、雪菜…頼むから俺の言うことを聞いてくれ」 | ||
318 | 彼の泣く声が、わたしの涙腺を刺激する。 今にも泣き叫んですがってしまいたい欲望に駆られる。 | ||||
319 | 春希 | Haruki | 「ここでやり方を間違えたら、 取り返しの付かないことになるんだよ」 | ||
320 | 雪菜 | Setsuna | 「は、は…春希くん…」 | ||
321 | けど、泣き叫べない、すがれない。 | ||||
322 | そんなことをしたら、わたしが彼を壊してしまう。 やっぱり、お荷物に、疫病神に、なってしまう。 | ||||
323 | 春希 | Haruki | 「何度でも言うぞ、雪菜」 | ||
324 | そして… | ||||
325 | 壊れかけの勇気を振り絞って、 春希くんは…わたしを切り離す。 | ||||
326 | 春希 | Haruki | 「今日は、帰るんだ」 | ||
327 | 二人で、奈落に堕ちていかないよう、 一人で、堕ちることを選ぶ。 | ||||
328 | 春希 | Haruki | 「そして、しばらくは絶対に来ちゃいけない」 | ||
329 | 自分が壊れることも厭わずに、 躊躇なくわたしを護る選択肢を選ぶ。 | ||||
330 | 春希 | Haruki | 「いや………来るな」 | ||
331 | かずさとは、堕ちていこうとしたくせに。 |
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Introductory Chapter | ||||||
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1001 | 1008 | 1009 | 1010 | 1011 | 1012 | 1013 |
1002 | 1008_020 | 1009_020 | 1010_020 | 1011_020 | 1012_020 | |
1003 | 1008_030 | 1009_030 | 1010_030 | 1011_030 | 1012_030 | |
1004 | 1008_040 | 1010_040 | 1012_030_2 | |||
1005 | 1008_050 | 1010_050 | ||||
1006 | 1010_060 | |||||
1006_2 | 1010_070 | |||||
1007 |
Closing Chapter | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | ||||||
2001 | 2011 | 2020 | 2027 | 2301 | 2309 | 2316 | 2401 | 2408 | 2501 | 2510 |
2002 | 2012 | 2021 | 2028 | 2302 | 2310 | 2317 | 2402 | 2409 | 2502 | 2511 |
2003 | 2013 | 2022 | 2029 | 2303 | 2311 | 2318 | 2403 | 2410 | 2503 | 2512 |
2004 | 2014 | 2023 | 2030 | 2304 | 2312 | 2319 | 2404 | 2411 | 2504 | 2513 |
2005 | 2015 | 2024 | 2031 | 2305 | 2313 | 2320 | 2405 | 2412 | 2505 | 2514 |
2006 | 2016 | 2025 | 2032 | 2306 | 2314 | 2321 | 2406 | 2413 | 2506 | 2515 |
2007 | 2017 | 2026 | 2033 | 2307 | 2315 | 2322 | 2407 | 2507 | 2516 | |
2008 | 2018 | 2308 | 2508 | 2517 | ||||||
2009 | 2019 | 2509 | ||||||||
2010 | ||||||||||
Setsuna | Koharu | Chiaki | Mari | |||||||
2031_2 | 2312_2 | 2401_2 | 2504_2 | 2511_2 | ||||||
2031_3 | 2313_2 | 2402_2 | 2507_2 | 2513_2 | ||||||
2031_4 | 2313_3 | 2402_3 |
Coda | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Common | Kazusa (True) | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | ||||||
3001 | 3008 | 3014_2 | 3020 | 3101 | 3107 | 3201 | 3207 | 3901 | 3907 |
3002 | 3009 | 3014_3 | 3021 | 3102 | 3108 | 3202 | 3208 | 3902 | 3908 |
3003 | 3010 | 3015 | 3022 | 3103 | 3109 | 3203 | 3209 | 3903 | 3909 |
3004 | 3011 | 3016 | 3023 | 3104 | 3110 | 3204 | 3210 | 3904 | |
3005 | 3012 | 3017 | 3024 | 3105 | 3111 | 3205 | 3211 | 3905 | |
3006 | 3013 | 3018 | 3106 | 3206 | 3906 | ||||
3007 | 3014 | 3019 | |||||||
Common | Setsuna (True) | Kazusa (Normal) | |||||||
3001_2 | 3210_2 | 3901_2 | 3906_2 | ||||||
3015_2 | 3902_2 | 3907_2 | |||||||
3902_3 | 3907_3 | ||||||||
3904_2 |
Mini After Story and Extra Episode | |||
---|---|---|---|
The Path Back to Happiness | The Path Forward to Happiness | Dear Mortal Enemy | |
6001 | 6101 | 4000 | 4005 |
6002 | 6102 | 4001 | 4006 |
6003 | 6103 | 4002 | 4007 |
6004 | 6104 | 4003 | 4008 |
6005 | 4004 | 4009 |
Novels | |||||
---|---|---|---|---|---|
The Snow Melts, And Until The Snow Falls | The Idol Who Forgot How to Sing | Twinkle Snow ~Reverie~ | After the Festival ~Setsuna's Thirty Minutes~ | His God, Her Savior | |
5000 | 5100 | 5200 | 5205 | 5300 | 5400 |
5001 | 5101 | 5201 | 5206 | 5301 | 5401 |
5002 | 5102 | 5202 | 5207 | 5302 | |
5003 | 5103 | 5203 | 5208 | 5303 | |
5004 | 5104 | 5204 | 5209 |
Short Stories | |||
---|---|---|---|
Princess Setsuna's Distress and Her Minister's Sinister Plan | Koharu Climate After the Passing of the Typhoon | This isn't the Season for White Album | Todokanai Koi, Todoita |
7000 | 7100 | 7200 | 7300 |